「キレイの先生」編集部です。
「美容効果の高いキャリアオイル(植物オイル)は?」
キャリアオイルには本当のたくさんの種類があって、このサイトでもこれまで多くのオイルを取り上げてきました。
キャリアオイルについて
それでは、冒頭の質問です。
「美容効果の高いキャリアオイルは?」
皆さまは、何を思い浮かべますか?
私がまずパッと頭に浮かんだのは、「アルガンオイル」です。
そこで今回は、Healing & Relaxation Salon Gentle Waves のギルロイ 美奈子 先生に、話をお聞きしました。Gentle Waves さんのフェイシャルエステでは、オーガニックのアルガンオイルの化粧品をお使いになっていらっしゃるといいます。
ギルロイ 先生には、アルガンオイルについて、とても詳しくまとめていただき(先生、ありがとうございます!)、その内容は前後編に分けてお届けします。
まずは、この前編ではアルガンオイルの効果を、後編では使い方を中心にご紹介させていただきます。
私自身、アルガンオイルは美容効果の高いイメージがありますが、どんな効果が期待できるのでしょうか?
ギルロイ 美奈子 先生に教えていただきました。
ギルロイ 先生の記事
目次
アルガンオイルとは
・アルガンの木
・アルガンオイルの抽出
・現地でのアルガンオイル
アルガンオイルの効果・効能 その他
・ヘアケアの効果
・ボディケアの効果
・食用としての効果
アルガンオイルとは
アルガンの木
アルガンオイルとは、アルガンの木から抽出されたオイルです。
アルガンの木は、オリーブの木に見た目は似てますが、広葉常緑樹のアカテツ科のアルガンノキ属に属しています(ちなみにアカテツ科には、他にシアバター*の木があります)。
この木は、モロッコ南西部の乾燥地域にのみ自生する貴重な木で、過酷な環境の中で長い年月を生きています。海側のエッサウィラ地方と、山側のタルーダント地方に生息しています。
また、成長のスピードが遅く、現在ある木は樹齢150年から200年といわれています。
現在、アルガンオイルの人気が高まり、現地では植樹も進んでいるようですが、木の成長のスピードが遅いため、そこからオイルを抽出できるのは当分先になるのではないかと思います。
* 編集部:シアバターについては、「シアバターの効果!とにかく便利で顔だけでも使い方たくさん」でもご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
アルガンオイルの抽出
アルガンオイルは、アルガンの実の中にある種から、仁(じん)を取り出して、そこからオイルを抽出します。
1リットルのアルガンオイルを搾るために、アルガンの実を約100kg使用するといいます。
アルガンの木は1本あたり、一年に数キロの実しか採れません。つまり、アルガンオイル1リットルを抽出するためには、とても多くの木が必要ということになりますね。
アルガンオイルは、このように希少性が高いため、「砂漠の黄金」とも呼ばれてきました。
編集部のコメント
取材では、実物のアルガンの実を見させていただきました。下が、ギルロイ 先生にお撮りいただいた写真です。
(左側から)
・アルガンの実
・(その中に入っている)種
・(さらにその中に入っている)仁
アルガンの実は、デーツに似ています(デーツは、ナツメヤシ・ヤシの木の実のことで、ナツメのような形をしています)。
アルガンオイルの材料になるのは、この中にある「種」の、さらにその中にある「仁」と呼ばれる部分です。
上の写真のように、ひとつの実からこれだけしか取れず、本当に小さなものです。
そして、種を割って仁を取り出すのは、現地では人の手で行われているそうです。
アルガンオイルを抽出するのに、手間暇かけられているのが分かりますね。
私もアルガンオイルが(キャリアオイルの中では)高価なことは知っていましたが、ギルロイ 先生の話をお聞きし、その理由を知りました。
ただ、美容効果はとても高いです。
それは、ギルロイ 先生のお話でも、もう少し後で出てきます。
アルガンオイルを抽出する方法は、基本的に「低温圧搾法(コールドプレス法)」です。
低温圧搾法とは、原料となる種子や実に、熱を加えずに圧力をかけて押しつぶして搾る、またはすり潰してから圧力をかけて搾る方法です。ゆっくり時間をかけて圧力を加え、油に加えられる温度は最高でも60度を超えないように管理します。
ちなみに、現地の昔ながらの方法は、アルガンの仁を石うすで練って、固形分と油分に分けて、アルガンオイルを抽出するといいます。
この方法によって作られたオイルは、実や種子(アルガンオイルの場合は仁ですが)の栄養素やビタミンなどを壊さず搾ることができるため、植物本来の性質、成分がそのまま絞り出され、栄養価が高くなります。
現地でのアルガンオイル
flickr(Heather Cowper)
現地のベルベル人は、昔と同様に、アルガンオイルをわざわざ店舗などで購入するのではなく、知り合いのアルガンオイルのサプライヤーや、アルガンの林のある所有者のところに出向いて、アルガンの仁を分けてもらい、自分の家で昔ながらの方法でオイルを手搾りするそうです。
アルガンオイルはモンゴル南西部で、世界市場に出回る前から長い間、伝統的に民間療法として使われてきました。
■ アルガンオイルの現地での使い方
・傷の治療
・発疹や肌の炎症の手当て
・乾燥肌、乾癬、湿疹、アトピー肌、しわのケア
・髪に栄養を与える
・関節痛のケア
・料理での栄養補助
など
現在は、アルガンオイルの効果が科学的にも証明されてきたので、以前にも増してモロッコ人はアルガンオイルを使うようになっているそうです。
アルガンオイルの特徴
アルガンオイルは「黄金の色」をしていて、わずかなナッツのような香りで使いやすいです。
そして、リッチなテクスチャーが特徴です。
編集部のコメント
アルガンオイルにも、オリーブオイルと同じように、圧搾方法や絞った回数によって、「エキストラバージン」・「バージン」などのグレードに分けられるそうです*1。
そのグレードによって、色の濃さも変わります。
ギルロイ 先生は、アルガンオイルのテクスチャーを「リッチ」とおっしゃいました。
私も取材中、アルガンオイルとホホバオイルのテクスチャーを比較させていただきました*2。
ホホバオイルは、やわらかくサラッとしていて、肌なじみが良いのが特徴です。
それに対してアルガンオイルは、少しトロッとしていて、「リッチ」という表現がよく分かります。保湿感もあります。
ただ、べたつくわけではありません。むしろ、付けてからしばらくすると、肌にすぐなじむのを感じます。
アルガンオイルは、テクスチャーがリッチで肌なじみも良いため、オイル焼けの心配があまりないそうです。
*1 オイルのグレードについては、「オリーブオイルでクレンジング?オリーブオイル洗顔の効果!」でも簡単にご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
*2 Gentle Wave さんで試させていただいたアルガンオイルは、オーガニックの高品質なアルガンオイルです。商品によって品質の差はあるので、テクスチャーの感想が、すべてのアルガンオイルに当てはまるわけではないことをご了承ください。
アルガンオイルの効果・効能 スキンケア
アルガンはモロッコの南西部の乾燥地域にのみ自生する木のため、そこから抽出されるアルガンオイルは高保湿です。
そして栄養豊富で、下のような栄養を多く含んでいます。
■ ビタミンE
オリーブオイルは、キャリアオイルの中では、ビタミンEがトップクラスに多く含まれているといわれてきました。アルガンオイルは、そのオリーブオイルの2~3倍のビタミンEを含んでいるといいます。
ビタミンEは抗酸化作用があり、肌の弾性増加にもつながります。また、フリーラジカル(酸化*する力の強い分子)を取り除く性質があるとされています。
■ オレイン酸(一価不飽和脂肪酸)
皮脂に多く含まれているため、皮脂とよく似た働きをします。アルガンオイルが、肌なじみが良いのは、オレイン酸が豊富なのも理由のひとつです。
■ リノール酸(オメガ6脂肪酸系)
保湿・抗酸化作用、肌をなめらかにする作用があるとされ、肌のバリア機能を高めます。
■ パルチミン酸(飽和脂肪酸)
皮脂コントロール作用やターンオーバー正常化作用、抗酸化作用、乳化作用があるとされています。
編集部のコメント
取材では、アルガンオイルが他のキャリアオイルと比べて、必須脂肪酸やトコフェロール(ビタミンE)がどれだけ多く含まれているのかを見させていただきました。
申し訳ありませんが、ここで具体的な数字をご紹介することはできません。
ただ、アルガンオイルは本当に栄養が豊富です。
「砂漠の黄金」という呼ばれ方は、希少性から来ているのかもしれませんが、栄養豊富で美容効果の高さからも、そう呼ぶことができそうです。
このように、アルガンオイルはとても栄養が豊富で、美容面では下のような効果が期待できます。
・高保湿
・アンチエイジング(抗酸化作用、保湿作用、弾力アップ)
・ニキビの予防(皮脂分泌コントロール作用)
・ターンオーバーを整える
・肌をなめらかにして透明感が出る
・しわが薄くなる
・荒れた唇のケア
など
* 編集部:酸化については、「活性酸素・過酸化脂質は美肌作りの大敵!活性酸素の原因とは」でもご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
アルガンオイルの効果・効能 その他
ヘアケアの効果
アルガンオイルは、シャンプーにも配合されていたりします。
それはトコフェロール(ビタミンE)が細胞産生を促し、健康的な地肌と髪の成長に役立つためです。
アルガンオイルをヘアケアにお使いいただくと、髪のダメージを修復しながら保湿を行い、髪全体のまとまりを良くする効果が期待できます。
それによって、髪の毛にツヤを与えたり、枝毛を補修したり、縮毛や広がる髪の毛を落ち着かせたりすることにつながります。
また、ドライヤーなどの熱から守って毛髪の表面を保護したりするのにも良いです。
ボディケアの効果
アルガンオイルは保湿作用が高く、肌をなめらかにするため、肘やかかとなどの角質ケアにもお使いいただけます。
また、肌弾力アップにもつながるため、妊娠線などのストレッチマークなどの予防にも良いです。
ギトギトしないオイルのため、爪やキューティクルのケアにもお使いいただけます。
食用としての効果
アルガンオイルは、モロッコ南西部では食用としても使われてきました。
アルガンオイルに含まれる栄養は、食用としては下のような効果が期待できます。
■ ビタミンE
抗酸化効果があります。
■ オレイン酸
血液中のコレステロールのバランスを整えたり、動脈硬化を予防したりする働きがあることで知られています。
■リノール酸
血中コレステロールや血圧を下げる作用があるとされています。
その他にも、アルガンオイルがガンの予防や、抗肥満・抗糖尿病の効果が期待できるとの研究報告もあります。
アルガンオイルの使い方
「キレイの先生」編集部です。ここまでが、ギルロイ 先生の前編の記事です。後編では、アルガンオイルの使い方についてまとめています。こちらもおすすめの内容ですので、下のリンクからご覧ください。
ギルロイ 先生の後編の記事
編集部の選ぶアルガンオイル好きにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、ギルロイ 美奈子 先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、アルガンオイルにご興味のある方におすすめの化粧品をご紹介します。
コディナ アルガンオイル
コディナは、世界で20数社しか認証されていないオーガニック認証「ナチュール・エ・プログレ」を取得したスキンケア化粧品ブランドで、原料はもちろん環境保護など数々の厳しい検査項目をクリアしました。独自の伝統的な製法で丁寧に圧縮搾油されたアルガンオイルは、リピート率No.1の人気アイテムです。アルガンオイルをお試しになるには、「コディナ フェイシャルケア トライアルセット」がお得で、アルガンオイル配合のクリームも付いています。
●内容量:100mL
●通常価格:税別4,600円
●初回価格:トライアルセット価格:税別2,000円
美容家の感想
保湿感にパンッとしたハリ感も!いちどのお手入れに3回使うほどお気に入り!
色々なアルガンオイルを使ってきましたが、すごく良かったです! サラサラしていながらふっくらした質感で、抽出法のこだわりが感じられます。保湿力はもちろん、肌にパンッとハリが出ました。夜のお手入れでは、クレンジング・ブースター・保湿クリームの3回に使って、さすがに気に入りすぎですね(笑)。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
キレイの先生 ブースターミルク
うるおいが肌奥までギュッ!美容家も驚いた洗顔後すぐのミルク!
この『キレイの先生』に登場した美容のスペシャリストの先生方と開発した、洗顔後の最初のミルクです。
みずみずしいミルクがうるおいを肌の奥までギュッと引き込み、肌の水分保持成分の「セラミド」と「天然保湿因子」がそのうるおいを抱き込み、乾燥肌や年齢肌にはもちろん、肌がふっくら引き締まり毛穴ケアにもおすすめです。
●内容量:30mL
●通常価格:税別2,980円
開発協力者の声

みずみずしいミルクがうるおいを肌奥までギュッと引っ張りフワフワ肌の毛穴レスに!
まずは、ミルクのイメージを裏切るようなみずみずしさにびっくりしました。まるで乾いたスポンジに水分がギューッと入っていくみたいに、うるおいが肌の奥にギュッと引っ張られて、肌がフワフワにやわらかくなりました(笑)。それに、肌に透明感も出て、毛穴もキュッと引き締まって目立ちにくくなりました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
アルガンオイルは、「砂漠の黄金」とも呼ばれるといいます。
それは、生産量の少ない希少性から来ているのかもしれません。
ただ、高保湿で栄養豊富という、効果・効能的にもふさわしい呼び名ではないでしょうか。
高価というのも、納得できますね。
では、この素晴らしいアルガンオイルは、どんな使い方ができるのでしょうか?
スキンケアにはもちろん、ヘアケアにも良いです。
それは、ギルロイ 先生の後編の記事でご紹介させていただきます。
ギルロイ 先生の記事
是非、こちらと合わせて、ご覧になってみてください。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Healing & Relaxation Salon Gentle Waves ギルロイ 美奈子 先生、「キレイの先生」編集部)