「キレイの先生」編集部です。
活性酸素。
過酸化脂質。
ちょっと難しそうなキーワードですね。
でも知っていただきたいのは、たったひとつです。
美容に良くない。健康に良くない。とにかく、これらが全部に良くないということです。
私も、活性酸素が美容に良くないことは、何となく知っていました。
今回、Salon de waco の阿部 わかこ 先生の話をお聞きし、「(活性酸素が)本当に本当に良くないんだな」ということを再確認しました。
活性酸素。
過酸化脂質。
きれいなお肌を作るために、要注意なものですよ。
阿部 先生には、普段からサロンのお客様にアドバイスされているという、活性酸素の除去に良い食べ物の話もお聞きしましたが、それは後編でご紹介させていただきます。
目次
活性酸素と過酸化脂質
・過酸化脂質
活性酸素による肌への影響
・ニキビ
・肌荒れ
・シミ・そばかす
・しわ・たるみ
・その他
活性酸素と過酸化脂質
人は、呼吸で吸い込んだ酸素の内、2~3%が「活性酸素」になるといわれています。
活性酸素は悪いイメージをお持ちの方が多いと思いますが、本来は身体になくてはならないものです。体内で、ウイルスや異物と戦う働きがあります。例えば、布団を干して殺菌効果があるのは、紫外線によって活性酸素が発生し、その強力な殺菌作用によるためです。
ただ活性酸素は、「活性」と付くように、元気がありすぎて、暴れん坊な一面があります。
例えば怪我をすると、活性酸素がばい菌と戦ってくれます。ただ、活性酸素はそれだけでとどまらず、自分の細胞とも戦ってしまうのです。それによって、傷口は赤く腫れあがります。
そのため、活性酸素が体内に適量であれば良いのですが、増えすぎてしまうと美容や健康に悪い影響があります。
過酸化脂質
活性酸素は、他のものを酸化させる、つまり錆びさせる作用があります。
特に油は、酸化しやすい性質を持っています。
人の身体も、細胞の膜や、お肌を守る皮脂*は、脂質(油)で出来ています。
それらが、活性酸素によって酸化してしまうと、「過酸化脂質(かさんかししつ)」というものに変わってしまいます。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
油は時間が経つと、嫌な臭いがすると思います。それが、油が酸化した状態です。
体内の脂質で、それと同じようなことが起こっているイメージです。想像するだけで、ぞっとしませんか?
身体には、毒しかなさそうです…。
細胞の膜が過酸化脂質に変わると、細胞の栄養の出し入れがしにくくなって、細胞が劣化して老化します。
また、油は人に染み込みやすいですから、過酸化脂質によってDNAが破壊されたりもします。
それがお肌に起こった状態を、「肌サビ」といいます。
肌サビは、お肌のすべてに悪いといえます。
* 編集部:脂は毛穴から分泌されている脂質(油)です。汗などの水分と混ざりあって天然の保護膜(皮脂膜)を作り、皮膚の水分の蒸発を防いだり、皮膚を外部の刺激から守ったりする役割があります。
過酸化脂質による肌への影響
ニキビ
毛穴に油(皮脂)が詰まっている状態は、まだニキビとはいわず、「コメド」といいます。
その油が活性酸素によって過酸化脂質になると、自分のお肌まで攻撃してしまい炎症を起こし、ニキビになります。
そこで、「お肌を菌から守ろう」とさらに活性酸素が発生すると、ニキビが大きくなり、ニキビ跡が深くなっていきます。
このようにニキビにも、活性酸素が関係しています。
サロンでも、ニキビ対策は、活性酸素を抑える抗酸化ケア*が中心になっています。
* 編集部:酸化を防止することをいいます。
肌荒れ
細胞の膜が過酸化脂質になると、栄養の出し入れがしにくくなって、細胞が弱まって衰えていきます。
それによって、肌細胞のターンオーバーも低下し、肌荒れにもつながりやすくなります。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
皮膚は「ターンオーバー」という新陳代謝によって、日々新しいものに生まれ変わっています。
ターンオーバーが低下すると、お肌の表面に古い肌細胞が長くとどまってしまいます。それによって、お肌は乾燥しやすくなったり、肌トラブルが改善されづらくなったりします。
ターンオーバーをしっかりはたらかせることは、美肌を作るための基本ともいえることです。
シミ・そばかす
活性酸素がお肌の細胞を酸化しようとすると、メラニン色素が生成され、その細胞の身代わりになって酸化し、黒くなります。
そして、細胞の膜が過酸化脂質になることで代謝が落ちると、メラニン色素を排出できなくなり、シミやそばかすになります。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
メラニン色素は、ターンオーバーが正常に働いていれば、排出されてシミになることはありません。
若いときに日焼けをしてもシミが残らないのは、ターンオーバーの周期が正常に回っているためです(ターンオーバーの周期は、28日が理想といわれています)。
ターンオーバーが低下して、メラニン色素を排出できなくなると、シミにつながってしまいます。
しわ・たるみ
紫外線が、シミの原因になることはよく知られていると思います。ただ、紫外線の影響はそれだけではありません。
活性酸素には4つの種類があるのですが、紫外線を浴びると、その中でもお肌に悪い種類のものが発生し、真皮層を変成させます。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
皮膚は、「表皮(ひょうひ)」・「真皮(しんぴ)」・「皮下組織(ひかそしき)」の3層構造となっています。
真皮層は、コラーゲンやエラスチンなどが、簡単にいうと網目状になって構成されていて、お肌の弾力の元になっています。
その構成が、活性酸素によって、絡まったり切れたりして、変成してしまうそうです。当然、お肌の弾力も低下します。
活性酸素によって真皮層が変成することで、たるみやしわにつながります。
サロンでも、夏から秋口にしわやたるみを気にするお客様が増えますが、この時期の肌トラブルの多くは、紫外線によって増えた活性酸素の影響といえます。
その他
活性酸素はその他にも、かゆみや赤味、かぶれなどの原因になります。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。細胞に、酸化した油を乗っているところを想像してみてください。それだけでムズムズしたり、炎症がひどくなったりすることが、何となく分かりますよね。
活性酸素による身体への影響
活性酸素は、健康にも悪く、病気の80%に関係しているといわれています。
活性酸素の影響で細胞が劣化することで、下のような病気(や症状)にもつながります。
・ガン
・脳梗塞
・糖尿病
・心筋梗塞
・痴ほう症
など
活性酸素の原因
いかに活性酸素による酸化を止めるかということが、美容・健康のポイントです。
それにはまず、活性酸素が増えてしまう原因を知り、それを取り除くことが大切です。
では、どんなことが、活性酸素が増えてしまう原因になるのかをみていきたいと思います。
■ 紫外線
紫外線は、活性酸素が増えるいちばんの原因といえます。
現代は、オゾン層が薄くなっていることなどの環境の変化も大きいです。
■ 添加物
人工的な添加物を摂ると、身体が「異物が入ったきた」と判断して、活性酸素が発生する原因になります。
■ 食生活の乱れ
食事の欧米化などにより、活性酸素が発生しやい状態になっています。
例えば、レトルトフードやジャンクフードは、安価な油が使われていることが多く、そういった油は質が低く、酸化しやすいものが多いそうです。
■ タバコ
タバコの煙が体内に入ると、身体がそれを「異物」と判断して、活性酸素が発生します。
また、タバコの煙には、抗酸化力のあるビタミンCを壊す作用もあります。
■ ストレス
ストレスがあると、身体を守ろうと「副腎室(ふくじんしつ)ホルモン」が分泌されるのですが、そのときに活性酸素も発生します。
ストレスが、ニキビやアトピーの原因になるのは、この活性酸素も関係しています。
■ ブルーライト
パソコンやスマホのブルーライトが、活性酸素を発生させることも、最近の研究で分かりました。
ブルーライトを浴びた5時間後に、その前の顔と見比べてみると、黒ずんでいるのがはっきりと分かったそうです。
パソコンやスマホに、ブルーライトをカットするシートを貼ることで、予防になります
■ 電磁波
活性酸素は電磁波を受けると、活発になります。
そのため、寝るときは携帯電話を離して置いたり、Wi-Fiを切ったりすることをおすすめします。
その他、睡眠不足や排気ガスなども、活性酸素が増える原因になります。
このように現代社会は、活性酸素が増えやすい環境にあるといえます。そのため、若い頃から活性酸素の対応をすることが大切です。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
添加物の多い食事。
ストレス社会。
紫外線の増加。
パソコンにスマホ。
現代社会では、活性酸素が増えるのは避けられない環境といえそうです。活性酸素がこれだけ美容・健康に悪いと、暗澹たる気持ちになりますね。
そうなると気になるのは、活性酸素をどうすれば除去できるかです。
大丈夫です。
阿部 先生には、そのこともきちんと話をお聞きしています。
活性酸素の除去に良い食べ物を教えていただいたので、それは後編でご紹介します。
是非、こちらとセットでご覧ください。
* 阿部 先生の後編の記事は、下からご覧ください。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Salon de waco 阿部 わかこ 先生、「キレイの先生」編集部)