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オリーブオイルでクレンジング?オリーブオイル洗顔の効果!

本日のキレイの先生

須田 玲子 先生

オリーブオイルでクレンジング?オリーブオイル洗顔の効果!

「キレイの先生」編集部です。

「え、先生はオリーブオイルでクレンジングされているんですか!?」

自然療法サロン Salon de eau の須田 玲子先生に前回、取材したときに驚いたことです。

オリーブオイルが、美容効果の高いキャリアオイル(植物油)であることは知っていました。ただ、それ単体でメイクを落とせることは初めて知り、とても驚いた記憶があります。

それから、須田 先生にもういちど「オリーブオイル洗顔」について話をお聞きしてみたいと思っていました。

須田 先生はどうしてオリーブオイルでクレンジングされているんでしょうか? きっと何か効果があるはずです。そしてオリーブオイル洗顔とは、どんな方法なのでしょうか?

そこで今回、須田 先生に改めて取材させていただきましたので、オリーブオイル洗顔についてご紹介します。

目次

オリーブオイル洗顔とは

クレンジングに使うオリーブオイル

オリーブオイル洗顔の効果
・オレイン酸
・保湿成分

オリーブオイルでクレンジングする方法

まとめ

オリーブオイル洗顔とは

オリーブオイル洗顔とは

オリーブオイルは、私がキャリアオイル(植物油)について勉強したり実際に使ってみたりした中で、美容効果が高くおすすめのオイルです。

サロンではフェイスセラピーのトリートメント(マッサージ)オイルとして、私自身はプライベートでメイク落としに使っています。

ほとんどのメイク化粧品には、石油系の油脂が使われています。オリーブオイルはそれになじみやすく、メイクの汚れが浮き出てきやすいため、オリーブオイルでクレンジングすることができます。

薄化粧やナチュラルメイクの方、ファンデーションだけをおつけになっているような方は、メイク落としにはオリーブオイルだけで十分でしょう。

私も普段のクレンジングは、基本的にオリーブオイル一本で行っています。

濃いマスカラやアイシャドウなど、しっかりアイメイクしているときは、ポイントメイク落としをお使いになってから、オリーブオイルでクレンジングするのもおすすめです。

(個人的な感想としては、それほどガッツリしていないマスカラや、ウォータープルーフのアイライナーも、オリーブオイルで落とすことができています)

クレンジングに使うオリーブオイル

クレンジングに使うオリーブオイル

オリーブオイルをクレンジングにお使いになるときは、「エキストラバージンオリーブオイル」がおすすめです。

編集部のコメント

エキストラバージンオリーブオイルについて

オリーブオイルは、オリーブを圧搾して製造されています。このときオリーブは何回かに分けて圧搾され、どのオイルが使われているか(もしくはブレンドされているか)によって、オリーブオイルのグレードは分かれています。

エキストラバージンオリーブオイルは、いちばん最初に圧搾されたオイルだけで製造されたオイルのことをいいます。

オリーブオイルのグレードについては、須田 先生の「美容プロのクレンジング!エクストラバージンオリーブオイル」でもお話しいただいているので、そちらも合わせてご覧になってみてください。

私はレバノンのエキストラバージンオリーブオイルを、サロン・プライベートでも使っています。

実はこれは元々、食用として生産されたものです。

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編集部のコメント

編集部:上の写真は、前回の取材時に撮影させていただいた、須田 先生がお使いになっているオリーブオイルです。

このオリーブオイルを使っているのは、「(オイルの)身元がはっきり」していて、どういう工程でされて、どんな品質なのか分かっているためです。

私は、その生産者の方とは昔からの知り合いでした。

そこのファーム(農園)は、4代にわたって続いており、300年ほどの歴史があります。

現在でも、昔ながらの製法でオリーブオイルが作られていて、朝にオリーブを手摘みし、それから6時間以内に圧搾されます。それも、熱を加えないコールドプレスという製法で作られています。

そして生産されたオリーブオイルは、その日の内にビン詰めされます。

その後、日本に輸入するとき、熱の影響を出来るだけ受けないよう、収穫直後の限定された本数のオイルは、空輸が使われます(船便の場合は、温暖な地域を通るため若干、熱の影響を受けやすくなります)。サロンでは、基本的にこのオイルを仕入れて使っています。

このように、そのファームのオリーブオイルは、品質管理が徹底されています。

オイルの基準のひとつは、「鮮度」にあります。

オイルには、酸化が付き物です。例えば、美容効果が高いことで知られるアルガンオイルでも、酸化してしまえば、それは粗悪なオイルといえます。

そのオリーブオイルは箱に、下の日付が明記されています。

・オリーブを摘んだ日
・圧搾した日
・瓶詰めした日
など

ワインのように、そのオイルが何年度産か分かるのです。

元々は食用のオリーブオイルでも、品質がしっかり管理されていて鮮度も良いため、「(お肌に)使っても大丈夫だな」と、まずは自分で試してみました。それで、とても良かったので、サロンをオープンして以降、トリートメントにも摂り入れるようになりました。

「エキストラバージンオリーブオイル」と言っている製品の中にも、カロチンが加えられていたり、グレードの低いオリーブオイルがブレンドされていたりして、品質が良いとはいえないオイルもあるようです。

「本物」を探すということは、とても大切です。

(もちろん、そうしてご自分で品質の高いオイルを探すのもひとつですが、「まずは安心して使いたい」という方は、精製された化粧品グレードのオリーブオイルをお使いになられるのも良いと思います)

オリーブオイル洗顔の効果

オリーブオイル洗顔の効果

オレイン酸

オリーブオイルは「オレイン酸」が、(製品によって異なりますが)60~80%含まれています。

これは酸化しづらい不飽和脂肪酸で、人のお肌になじみやすい成分です。

メイクにもなじみやすく、その汚れを浮き出させられるので、メイクを落とすこともできます。

また、毛穴の脂質(皮脂*)へのなじみも良いため、毛穴の汚れを浮き出させ、毛穴をきれいにするのにもおすすめです(脂質が酸化することで、毛穴は汚れます)。

実際、オリーブオイル洗顔をすると、小鼻の黒ずみもきれいに取れたりします。

サロンのフェイスセラピーでも、オリーブオイルで筋肉をほぐしながら、毛穴の皮脂の汚れを落としています。

ちなみにオレイン酸は、抗炎症作用があり、炎症を起こす酵素を抑制する働きがあるといわれています。

その点も、美容に良いといえるでしょう。

* 編集部:皮脂は、毛穴から分泌されている油分です。汗(水分)と混ざり合って、お肌の保護膜(皮脂膜)を作っています。

保湿成分

オリーブオイルには、オレイン酸の他にも、下のような成分が含まれています。

■ スクワラン
お肌にも10%ほど含まれている保湿成分です。オリーブオイルには、それが天然の形で存在しています。

■ グリセリン(の成分)
グリセリンは保湿力があり、化粧品にもよく配合されています。オリーブオイルには、その成分も含まれています。
また、洗浄力があるのも特徴です。

■ ビタミンE、ポリフェノール

このようにオリーブオイルには、保湿成分も含まれています。

そのため、オリーブオイルでクレンジングすると、お肌に水分を引き付けて保湿しながら、メイクを落とすことができます。

オリーブオイルでクレンジングする方法

オリーブオイルでクレンジングする方法

では最後に、オリーブオイル洗顔の手順をご紹介します。

1)
オリーブオイル洗顔を始める前に、まずはホットタオルなどで、毛穴を開かせるのがおすすめです。
桶にお湯を張って、その蒸気(スチーム)を顔に当て、毛穴を開かせるのも良いですね。

2)
手に、500円玉くらいのオリーブオイルを取ります。
それを温めるように、両手になじませます。

3)
オリーブオイルを顔につけて、全体に広げます。
このとき、すぐにメイクを落とそうとするのではなく、オイルを温めるようになじませると良いでしょう。
オリーブオイルを角質層*に浸透させるイメージです。

4)
顔全体に広げたオリーブオイルで、メイクの汚れを落としていきます。
あらかじめオイルを顔全体に広げて温めておくと、メイクを落としているときも、オイルがもっとお肌になじんでいくのがお分かりになると思います。

5)
メイクや顔の汚れが浮き出ているのを、ティッシュやコットンなどで拭き取ります。
このとき、お肌をこすらないように気を付けましょう。

6)
落とした後、(泡の)洗顔をして、顔に残っていたオリーブオイルをきれいに落とします。
ちなみに私はこのときも、オリーブオイル石鹸を使っています。

オリーブオイルは、オレイン酸が多く含まれているため、酸化しづらい性質があります。

ただそれは、オリーブオイルが「酸化しない」というわけではありません。

もしお肌にオイルが残っていて、それが酸化してしまうと、炎症の原因になります。

そのため、オリーブオイル洗顔をした後、オイルをお肌に残すのはおすすめしません。

オリーブオイルでメイクを落とした後は、(泡の)洗顔でオイルをしっかり洗い流すのがおすすめです。

そうすることで、お肌に適度な皮脂が残って、突っ張りを感じることはあまりないのではないかと思います。

(先程、私がオリーブオイル洗顔に、食用のオイルを使っていることはお話しました。もし、オリーブオイルをお肌の仕上げにお使いになる場合は、オイルが顔に残りますから、そのときは精製された化粧品グレードの製品の方が良いかもしれません。それらは、酸化しづらいように精製されているためです)

* 編集部:皮膚の(表皮の)もっとも表面にある層が、角質層です。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

メイク化粧品にも、油脂が含まれています。オリーブオイルは、それとなじみが良いので、クレンジングに使うことができるんですね。

しかも保湿成分も含んでいるので、水分を保持しながら、メイクを落とせるというのも嬉しいです。

須田 先生の話をお聞きして驚いたのが、先生のお使いになっているオリーブオイルが食用ということでした。

私は、お肌につけるオイルは、化粧品グレードのものでなければダメなものと思い込んでいました。

ただそのオリーブオイルは、須田 先生のおっしゃったように、品質管理が徹底されています。まさに「身元がはっきり

私も前回の取材で、そのオリーブオイルを見させていただいたのですが、品質管理へのこだわりは徹底されていました。まさに「身元がはっきり」していて、「本物」ということですね。

このようにオリーブオイル洗顔は、美容のプロの方も行っていらっしゃるクレンジング方法です。

皆さまも、いちどお試しになってみてはいかがでしょうか?

(取材:「キレイの先生」編集部 文:自然療法サロン Salon de eau 須田 玲子 先生、「キレイの先生」編集部)