「キレイの先生」編集部です。
今回は、K cookingsalon(ケークッキングサロン) の鈴木 かおり 先生に、「美肌に良い食べ物」について取材させていただきました。
お肌は腸の状態とリンクしているため、腸内環境を整える食べ物が、美容にも良いということができます。
その中で、「葛(くず)」のお話がありました。
スーパーなどでは、葛粉として取り扱われています。
葛粉は、健康や美容に良く、色々な使い方ができるといいます。
そこで、肌荒れに良い(腸内環境を整える)食べ物の中でも、「葛粉」については、こちらの記事で別に取り上げようと思います。
葛には、どのような栄養が含まれているのでしょうか?
葛粉は、どのような効能が期待できるのでしょうか?
そして、どんな使い方ができるのでしょうか?
鈴木 先生に教えていただきました。
鈴木 先生の「美肌に良い食べ物」の記事
目次
葛粉の効能
・葛の栄養
・効能
葛粉の使い方
・1. 料理のとろみ付け
・2. 葛練り
・3. イチゴのババロア
・4. ごま豆腐
本日のキレイの先生
K cookingsalon(ケークッキングサロン)
鈴木 かおり 先生
「キレイの先生」編集部
葛粉とは
「葛粉(くずこ)」も、腸内環境を整えるのに良い食材とのことでした。
葛粉とは、何なのでしょうか?
葛粉は、植物の「葛」から作られます。
葛の根を煮溶かして、沈殿したものを乾燥させて出来た粉です。
葛粉には、葛だけで作られた「本葛」と、化学的な原料が加えられているものがあります。
葛粉を使うときは、できれば本葛をお選びになってほしいと思います。
葛粉は、スーパーなどで市販されているのですよね?
はい。
市販されている葛粉には、サラサラのパウダーのものや、固まりになっているものなどがあります。
なるほど…。
私は正直、葛粉にあまり馴染みがなくて…。
例えば、「葛根湯(かっこんとう)」も、葛粉から作られているものですよ。
葛根湯は、たしか漢方ですよね?
はい、そうです。
葛は、漢方の生薬でもあるのですか。
たしかに、健康にとても良さそうです。
葛根湯について
こうして記事に起こしてみて気付いたのですが、葛根湯は、「葛(くず)の根の湯」と書きます。私も子どもの頃、風邪のひきはじめには、葛根湯を飲んでいました。葛は、身近なところにもあったのですね。
葛粉の効能
葛の栄養
葛には、どのような栄養が含まれているのですか?
主な有効成分としては、ダイゼイン・プエラリンなどの「フラボノイド類」や、「サポニン類」が10種以上、「β-シトステロール」、「アラントイン」、「ピニトール」などです。
聞きなれない成分名が多いです。
それらは、どんな効能が期待できるのでしょうか?
例えば、「フラボノイド類」は、ホルモンの働きをサポートしたり、血管を広めたりする作用があります。
「サポニン類」は、肝臓の働きを良くしたり、血圧を安定したりする作用があります。
「β-シトステロール」は、免疫力を上げたりする作用があります。
「アラントイン」は皮膚を強化する作用、「ピニトール」は肝臓の働きを良くする作用があります。
葛の栄養
葛の主な栄養をまとめます。
■ フラボノイド類(ダイゼイン・プエラリンなど)
ホルモンの働きをサポート、血管を広める、など
■ サポニン類(10種以上)
肝臓の働きを良くする、血圧を安定させる、など
■ β-シトステロール
免疫力を上げる、など
■ アラントイン
皮膚を強化する、など
■ ピニトール
肝臓の働きを良くする、など
葛は、漢方の生薬としても用いられるだけに、栄養的にも薬効が高そうです。
効能
葛粉は、どのような効能が期待できるのでしょうか?
まずは、整腸作用に優れています。
これまでの話をお聞きすると、「腸内環境が整うことで、健康や美容にも良い」とのことでした。
葛粉は、美肌にも良さそうです。
鈴木 先生の「美肌に良い食べ物」の記事
また、血液をきれいにしたり、血行を促進したり、身体を温める作用もあります。
他にも、免疫力を高めたり、自律神経を整えたり、ホルモンバランスを整えたりするのにも良いです。
葛粉の効能
葛粉は、「万能」と呼ばれることもあるそうです。今回の取材で挙がった効能は、全体のほんの一部といえそうです。
・腸内環境を整える
・血液をきれいにする
・血行促進
・身体を温める
・免疫力を高める
・自律神経を整える
・ホルモンバランスを整える
など
ちなみに、美容面で考えると、お肌に必要な栄養は、血液から届けられています。そのため、血液がきれいになって、血流が促されると、お肌に栄養がしっかりと行き届くようになります。その点からも、葛粉は美肌に良いといえるでしょう。
葛粉の使い方
1. 料理のとろみ付け
葛粉は、どのような使い方ができるのですか?
料理のとろみ付けに、片栗粉の代わりに使えます。
え? そうなのですか?
はい。
片栗粉は、じゃがいもから出来ていて、どちらかというと、身体をゆるめる作用があります。
身体がゆるまると…
鈴木 先生の前の記事で取り上げていますが、身体をゆるめる食べ物の多い食生活を送っていると、腸の働きが弱くなって、便秘などの原因になります。
片栗粉の代わりに、葛粉でとろみを付けることで、腸内環境を整えることにもつながります。
使い方は、片栗粉と同じですか?
イメージは同じです。
ただ、葛粉は、少し水に置いてから使う方が良いと思います。
2. 葛練り
葛粉で作った「葛練り」も、おすすめです。
葛練りは、葛粉を水と塩で練ったものです。
一食置き換えに食べることもでき、内臓を休めて、腸内環境を整えます。
それは、ただ材料を混ぜるだけで良いのですか?
いえ、葛粉は火を通す必要があります。
そのため、鍋で火を入れながら練っていきます。
すると、粘りが出てきます。
大体、どのくらいの時間、練るのですか?
5分くらいで粘りが出るので、長くても10分くらい練ると良いと思います。
葛練りのレシピ
■ 材料
・葛粉 大さじ1
・水 1カップ
・塩 微量
■ 作り方
1) 分量の水で葛粉を良く溶き塩を加えてやや強めの弱火にかける。
2) かき混ぜながら透明になるまで火を入れる(ここでしっかり練る)。
3. イチゴのババロア
鈴木 先生には、葛粉を使ったレシピをふたつ、教えていただきました。
まずは、「イチゴのババロア」です。
イチゴのババロアのレシピ
■ 材料
・葛粉 大さじ1/2
・甘酒 120mL
・水 80mL
・イチゴ 30g
・寒天フレーク 大さじ1/2
■ 作り方
1) 甘酒・水・いちご・葛粉を鍋に入れ、火にかけてよく混ぜる。沸騰したら弱火にして、ふつふつとした状態で、寒天を入れて煮溶かす(葛粉が入っているので、このときも混ぜながら)。
2) 型に入れて冷やして出来上がり。
葛粉は、デザートに使うこともできるのですね。
しかも、このレシピでは、砂糖を使っていないので、健康にも良さそうです。
そして、材料に、葛粉の他、「発酵食品」の甘酒、「海藻」の寒天を使っているため、腸の働きを助ける効能がとても高いといいます。
4. ごま豆腐
鈴木 先生に教えていただいた、葛粉を使ったもうひとつのレシピが、「ごま豆腐」です。
ごま豆腐のレシピ
■ 材料
・葛粉 20g
・だし汁 100mL
・豆乳 80mL
・練りごま 30g
・塩 ひとつまみ
[あんかけたれ]
・だし汁 大さじ2
・醤油 大さじ1
・みりん 小さじ2
■ 作り方
1) ボウルに、葛粉とだし汁を入れ、混ぜて溶かす。豆乳・練りごま・塩を加えて混ぜ、漉し器(こしき)などで漉して鍋に入れる。
2) 中火にかけて、混ぜながら加熱する。粘りが出てきたら弱火にして、5分くらい練りながら加熱する。
3) 水にくぐらせた容器に、2)をできるだけ熱い内に分け入れる。
4) 3)を冷蔵庫で30分くらい冷やす。
5) あんかけたれの材料(だし汁・醤油・みりん)を鍋に入れて加熱する。ひと煮立ちしたら、火を止めて冷ます。
6) 水で濡らしたヘラなどで、4)を容器から剥がして、器に盛りつけて、5)をかけて出来上がり。
この「ごま豆腐」は、練れば練るほど、葛粉で弾力が付いて、のど越しが良くなるそうです。
まとめ
私はこれまで正直、葛粉は、あまり馴染みのないものでした。
鈴木 先生の話をお聞きして、「葛粉を使ってみたいな」と感じたのは、葛粉が片栗粉の代わりにとろみ付けになるということです。
片栗粉は料理で使う機会も多いので、葛粉の使い方としては、それがいちばん手軽に感じました。
普段の料理の片栗粉を、葛粉に代えるだけでも、腸内環境を整えて、健康や美容への効能が期待できそうです。
今回、鈴木 先生には、「肌荒れに良い食べ物」をテーマに取材させていただきましたが、その中でも、葛粉のお話は印象的な内容でした。
私も料理は好きなので、葛粉をとろみ付けに使うのを試してみたいと思います。