「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「クコの実」です。
クコの実は、「ゴジベリー」ともいいます。
美容薬膳の講師をされていらっしゃる吉原 典子 先生に、取材させていただきました。
クコの実は、漢方の素材としてよく用いられるのですが、海外の人気モデルのミランダ・カーも、クコの実を愛用しているといいます。
私はそれをお聞きして、クコの実に俄然興味を持ちました(単純ですね…)。
クコの実は、どんな効果・効能が期待できるのでしょうか?
そして、どのような食べ方ができるのでしょうか?
吉原 先生に教えていただきました。
目次
クコの実(ゴジベリー)の効果・効能
・健康面の効能
・美容面の効能
本日のキレイの先生
白金美容薬膳
吉原 典子 先生
「キレイの先生」編集部
クコの実(ゴジベリー)とは
吉原 先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「クコの実」です。
クコの実は、杏仁豆腐に乗っている赤い実のことをいうそうですね。
はい、そうです。
私は杏仁豆腐を食べるとき、クコの実を避けたりしていました…。
あれは、健康に良かったのですね。
私も実は、クコの実の効能を知るまではそうでした(笑)。
先生もそうだったのですか(笑)。
クコの実は、どんな植物の実なのですか?
ナス科の「クコ」・「ナガバクコ」の果実で、中国や台湾、朝鮮半島などに多い植物です。
(クコの実は)漢方では、よく用いられるとおっしゃっていました。
そうですね、中国では、炒め物やスープなどに普通に入っていたりして料理でも使われています。
日本の薬膳理論のある中華料理屋さんでも、炒め物などで使われているのを、みたことがあります。
また、薬膳茶の素材としても使われることが多いです。
海外モデルのミランダ・カーも愛用しているそうですね。
はい、おやつとして、「ゴジベリー」、つまり、クコの実を食べているそうですよ。
また、歌手のマドンナも、ゴジベリーを食べているという話もあります。
その他にも、楊貴妃(ようきひ)が食べていた、徳川家康が健康のために食べていた、といったようなエピソードも残っています。
そうそうたる名前が出てきましたね。
「その人たちが食べている」と聞くと、クコの実は、健康面や美容面での高い効能が期待できそうです。
クコの実(ゴジベリー)の効果・効能
クコの実は、どうして健康や美容に良いのでしょうか?
最近では、クコの実は、スーパーフード(特定の栄養が突出して含まれる食べ物)として注目を集めています。
クコの実は、スーパーフードのひとつなのですね。
はい、(クコの実には)ビタミンがオレンジの500倍含まれていて、ポリフェノールも豊富で栄養価が高いです。
そして、中医学的には、クコの実は、「血(けつ)」の不足や、「水(すい)」の不足、「気(き)」の滞りなどに良いとされています。
気・血・水について
「気」・「血」・「水」は中医学の考え方で、人の身体には、気・血・水が流れていて、それらが充実してめぐっている状態が健康と考えられています。
・気:「元気」や「やる気」といったような、目に見えないエネルギー的なもの。
・血:栄養を運んでいるもの。西洋医学の「血(ち)」と近いが、精神活動にも影響されるといわれ、まったく同じではない。
・水:血液以外の身体の水分で、涙が汗、唾液、髄液(ずいえき)などの体液。
気・血・水については、吉原 先生の「ニキビにおすすめの食べ物とは?漢方的に3タイプ別に考える」でも取り上げられているのでそちらをご覧になってみてください。
クコの実は、具体的には、どのような効果・効能が期待できるのでしょうか?
これまでのお話からすると、健康と美容の両面に良さそうです。
健康面の効果・効能
クコの実は、中医学では、「食べる目薬」ともいわれていて、老眼・目の疲れ・かすれ目などにおすすめです。
めまいや、ふらつきなどにも良いです。
目に良い食べ物というと、「ブルーベリー」が思い浮かびます。
それと似たようなイメージなのでしょうか?
そうですね、クコの実には、ベータカルテン・リコピン・ルチンなどの栄養も含まれていて、ブルーベリーにも近いといえるかもしれません。
リコピンについて
リコピンは抗酸化作用が強く、美容面では美白にも効果が期待でき、食べ物ではトマトなどにも多く含まれています。
トマトの効能は?
美容面での効能
美容面では、美肌効果が期待できます。
クコの実は、中医学的には、肺をうるおす効果があるとされています。
肺がうるおうと、お肌のうるおいにもつながります。
また、(クコの実で)血を補うことで栄養が行き届くようになり、老化の防止になって美肌効果も期待できます。
私が吉原 先生の話をお聞きして感じたのは、クコの実が、ビタミンCやポリフェノールなど、「抗酸化作用の高い成分が豊富だな」ということです。
クコの実は、アンチエイジング効果が高そうですよね。
抗酸化作用について
老化は、「酸化」がひとつの原因です。酸化は、細胞が金属のように錆びてしまうようなイメージで、それによって機能が低下します。
それを防ぐのが、「抗酸化」です。クコの実(ゴジベリー)に含まれているビタミンCやポリフェノールは抗酸化作用の高い成分で、アンチエイジングの効果が期待できます。
クコの実(ゴジベリー)の食べ方
日本では、クコの実は、どのように売られているのでしょうか?
生ですか?
日本では、基本的にドライで売られています。
レーズンのような感じです。
ミランダ・カーは、クコの実をドライのまま、ナッツのようにおやつ代わりに食べているそうです。
先生は普段、クコの実をどのように食べていますか?
私自身は、お茶や紅茶にクコの実を入れて使うことが多いです。
ワークショップの生徒さんたちにも、それを出したりしています。
それが、クコの実のいちばん手軽な摂り方かもしれません。
クコの実を、どうやってお茶や紅茶に入れるのですか?
例えば、急須でお茶を淹れるときに、クコの実を乾燥したまま、茶葉と一緒に入れるだけです。
そこにお湯を入れて5分くらい置いておくと、エキスが出て、ほんのりと甘い味がするようになります。
急須でお茶を淹れるときの分量を教えてください。
クコの実は、一日に5~10gを摂るのが良いといわれています。
それ以上摂ると、消化器の弱い人は、反応が出る可能性もあります。
お茶にクコの実を入れるときは、ティースプーン2杯の茶葉に対して、クコの実は1杯くらいが目安でしょうか。
そのくらいの分量で、お茶にほのかな甘みが出ます。
他に、クコの実の食べ方はありますか?
ご飯を炊くときにクコの実を入れることもできます。
これは、お店で雑穀米の中にクコの実が入っているのをみて、試すようになりました。
ただ、お米に色が付くため、好みはあるかもしれません。
お米1合に対して、クコの実がティースプーン1杯くらいを入れています。
他には、ドライのままスープに入れたり、ヨーグルトに入れたりして摂ることもできます。
もちろん、乾燥したものをそのまま食べても大丈夫です。
最近では、コンビニでも、ナッツやドライフルーツと一緒に入ったものが出ていたりもしますね。
クコの実の食べ方
吉原 先生に教えていただいた、クコの実の食べ方をまとめます。
1. お茶(や紅茶)に入れる
[分量]
・茶葉:ティースプーン2杯
・クコの実:ティースプーン1杯
2. お米と一緒に炊く
[分量]
・お米:1合
・クコの実:ティースプーン1杯
3. スープに入れる
4. ヨーグルトに入れる
5. 乾燥したものをそのまま食べる
まとめ
私はこれまで、杏仁豆腐を食べるときも、クコの実を避けていました。
それがクコの実であるということも知らなかったのが、正直なところです。
吉原 先生の話をお聞きして、「もったいないことをしていたな…」と後悔しています。
クコの実(ゴジベリー)は栄養豊富で、健康面や美容面での効果・効能が期待でき、漢方の素材として用いられることも多いといいます。
ドライのクコの実をおやつ代わりにそのまま食べたり、お茶に入れたりして、手軽に摂ることもできます。
クコの実は、注目のスーパーフードのひとつですよ。
編集部の選ぶオススメ関連記事
* 2017年3月24日に公開した『クコの実の効果・効能とは?別称「ゴジベリー」の食べ方5つ』を再編集しました。