「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「色素沈着」です。
エイジングケアサロン サンテキュア の本間 由美子 先生にインタビューさせていただきました。
色素沈着は、お肌にメラニン色素が沈着して起こる黒ずみのことをいい、それが出来ると年齢を感じさせてしまうエイジングサインのひとつです。
紫外線や肌刺激が原因になるため、そういったことに気を付けて予防することが大事ですが、色素沈着が出来てしまった場合は、スキンケアや食事で「ビタミンC」を摂ることなどがおすすめだといいます。
色素沈着の原因と消す方法を、本間先生に教えていただきました。
目次
色素沈着の原因
・メラニン色素による色素沈着について
・メラニン色素が発生する原因
・シミは原因にもとづいたケアが大切
色素沈着を消すには
・ビタミンCをスキンケア・食事で摂る
・クレンジング・洗顔で心がけたいこと
・生活習慣で心がけたいこと
色素沈着の原因
メラニン色素による色素沈着について
本間先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「色素沈着」です。
そもそも、「色素」とは何ですか?
それにはまず、お肌の構造からお話ししますね。
皮膚の真皮(しんぴ・3層構造になっている皮膚の真ん中の層)には、ハリ・弾力の元となる「コラーゲン」や「エラスチン」があって、お肌の土台になっています。
そのコラーゲンやエラスチンを壊してしまうのが、紫外線です。
そこで、紫外線を過度に浴びると、「メラノサイト」という細胞が、真皮を守るために「メラニン色素」を出します。
メラノサイトは、皮膚の細胞を作っている「基底層(きていそう・皮膚表面の表皮はさらに細かい層に分かれていて、そのいちばん奥の層)」にあります。
そうすると、そのメラニン色素が、色素沈着の「色素」なんですか?
はい、そうです。
じゃあ、メラニン色素が、黒っぽい色をしているんですね。
いいえ、そういうわけでもないんです…(笑)。
メラニン色素は、元々は黒っぽい色をしているわけではありません。
そうなんですか!?
はい、メラニン色素は、「チロシナーゼ」という酵素によって黒色化していきます。
お肌を守るために黒くなっていくようなイメージです。
ですので、メラニン色素は悪者にされがちですが、元々は、お肌を守るために発生するものなんですよ。
メラニン色素にはあまりいいイメージはありませんでしたが、お肌を守るためのものとお聞きすると、少し複雑な気持ちになります…(苦笑)。
つまり、色素沈着というのは、そのメラニン色素がお肌に沈着…付着してしまうことをいうんですか?
そうですね、お肌には「ターンオーバー」が働いています。
ターンオーバーとは
皮膚は、内側(表皮の基底層)で肌細胞が生まれて、それが少しずつ表面に上がり、最後は古くなったもの(角質)が剥がれ落ち、日々新しく生まれ変わっています。そのサイクルを、「ターンオーバー」といいます。
ターンオーバーの周期は、若い方で28日といわれています。
本来、メラニン色素はターンオーバーによって排出されます。
ただ、肌老化や肌刺激によって、ターンオーバーが乱れると、メラニン色素が排出されづらくなって、色素も沈着してしまいます。
そうすると、シミにもつながりやすくなります。
色素沈着の原因
1. 紫外線などからお肌を守るために、メラノサイト(細胞)がメラニン色素を出す
2. チロシナーゼ(酵素)が、メラニン色素を黒色化させる
3. ターンオーバーが乱れていると、メラニン色素が排出されずに沈着してしまう
メラニン色素が発生する原因
いまのお話ですと、紫外線が、メラニン色素が発生する原因になるとのことでした。
他にも、メラニン色素が発生する原因はあるんですか?
はい、お肌への刺激も、メラニン色素が発生する原因になります。
例えば、洗顔でお顔をゴシゴシ洗ったり拭いたりするのも良くありません。
それから、花粉症で目や鼻をこすったりすることも、肌刺激になりますよね。
メラニンが発生する原因
・紫外線
・肌刺激(洗顔で顔をゴシゴシ洗ったり拭いたりする、目や鼻をこする、など)
スキンケア化粧品の酸化によっても色素沈着が起こる
色素沈着には、メラニン色素によるものと、もうひとつのタイプがあります。
それは、スキンケア化粧品によるものです。
化粧品が原因で、色素沈着が起こるということですか!?
それは、どういうことなんでしょう…?
健康的なお肌は、毛穴の皮脂腺(ひしせん)から皮脂(ひし・油分)が、汗腺(かんせん)から汗が分泌されて、「皮脂膜(ひしまく)」を作ります。
これは、最高の天然の保湿クリームです。
皮脂膜について
皮脂は、皮膚表面で汗などの水分と混ざり合って天然の保護膜「皮脂膜」を作ります。皮脂膜は、皮膚の水分の蒸発を防いだり、外部の刺激から皮膚を保護したりする働きがあります。
ただ、お肌が皮脂膜を十分に作ることができずに乾燥していると、化粧品で油分を補ったりしますよね。
はい、そのために、クリームを付けたりもしますよね。
その化粧品が酸化して錆びると、色が付いて、それで色素沈着を起こしてしまう場合もあります。
「良かれ」と思った化粧品が、色素沈着の原因になる可能性もあるんですか…。
はい、実際、私自身も過去にそのような経験がありました。
色素沈着の原因
1. 皮脂不足の乾燥肌に、スキンケア化粧品で油分を補う
2. その油分が酸化して錆びると、色が付いて色素沈着に
シミは原因にもとづいたケアが大切
色素沈着は、シミの原因になります。
ちなみに、そのシミにも、様々なタイプがあります。
ここまでのお話でも、色素沈着には、紫外線によるもの、スキンケア化粧品によるものなどが、あるとのことでしたね。
はい、それに、そばかす、肝斑(かんぱん)、ADMなどもあります。
例えば、そばかすは子どものころから出来るもので、遺伝によるところが大きいです。
それに対して、肝斑は、ホルモンバランスが主な原因と考えられます。
そのシミが何から起こっているのかは、みただけで区別をするのは難しいです。
当サロンでは、お客様にヒアリングしながら、当たりを付けてケアするようにしています。
シミをケアするには、そのシミが何から起こっているのかを把握した上で対処するのが大事ということですね。
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色素沈着を消すには
ビタミンCをスキンケア・食事で摂る
先生の話をお聞きすると、色素沈着は…特にメラニン色素による色素沈着は、紫外線対策をしたり生活習慣を整えたりして、そもそも起こらせないように予防することが、いちばん大事といえそうです(笑)。
はい、そうですね(笑)。
もし、それでも色素沈着が起きてしまったときは、それを消すのに、どんなことができるでしょうか?
ひとつは、「ビタミンC」を多く摂ることです。
たしか、ビタミンCは、メラニン色素に働きかけてくれるんですよね?
美白効果も認められていたと思います。
はい、そうですね。
ビタミンCは、スキンケアで補ったほうがいいんですか?
それとも、食べて摂ったほうがいいんですか?
両方ですよ(笑)。
スキンケア化粧品の場合は、「ビタミンC誘導体」でなければ、お肌の中に入っていきづらいですので、それが配合されているものがいいですよ。
ビタミンC誘導体について
ビタミンCは壊れやすい成分のため、スキンケア化粧品でそのままお肌に入れていくことは難しいです。ビタミンC誘導体は、体内の酵素反応によってビタミンCに変化する成分です。
後は、ビタミンC誘導体の他にも、メラノサイトが過活動しないように抑えてくれる化粧品も出ていますので、そういったものもいいと思います。
クレンジング・洗顔で心がけたいこと
それから、化粧品は、毛穴の中の汚れをきれいにしておかないと浸透していきませんので、クレンジング・洗顔で、きちんと汚れを取ることも大事です。
それに、クレンジング・洗顔は、お肌に刺激を与えないことも意識していただきたいです。
先程のお話でも、ゴシゴシとする肌摩擦が、色素沈着の原因になるとのことでした。
はい、例えば洗顔でしたら、お肌に手が触れないように、泡を転がすようにして汚れを落としていきましょう。
(参考:エステティシャンに聞く洗顔石鹸の泡立て方)
生活習慣で心がけたいこと
はい、そうですね。
そもそも、老化には、「自然老化」と「環境老化」があります。
自然老化は、年齢的なものです。
それに対して、環境老化は、生活習慣や環境によって、老化が進むことをいいます。
(参考:エステティシャンに聞く肌老化について)
老化が進むと、ターンオーバーの周期も遅くなっていってしまいます…。
はい、ですので、環境老化を防ぐためにも、運動不足・睡眠不足・栄養不足などに気を付けていただいて、生活を見直すことも大事です。
生活習慣を改善するということですね。
はい、それが、老化をゆるやかにすることにもつながります。
後は、紫外線対策も心がけていただきたいです。
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まとめ
今回のインタビューで挙がった、色素沈着を消す方法をまとめます。
1. ビタミンCをスキンケア・食事で摂る(スキンケアの場合は、ビタミンC誘導体の配合の化粧品を使う)
2. クレンジング・洗顔できちんと汚れを取る
3. クレンジング・洗顔で肌刺激を与えない(例えば洗顔は、泡で洗う)
4. 生活習慣を改善する(運動不足、睡眠不足、栄養不足などに気を付ける)
5. 紫外線対策をきちんと行う
色素沈着は、紫外線や肌刺激が原因になるため、まずは、そういったことに気を付けて予防することが大切です。
それでも色素沈着が出来てしまった場合は、本間先生のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?
* 2017年4月20日に公開した『色素沈着とは?大きな原因2つと消すためにできること4つ』を再編集しました。