「キレイの先生」編集部です。
いま反省をしながら、この記事をまとめています。
昨晩は仕事で帰りが少し遅かったこともあり、シャワーで済ませてしまいました。忙しいときは、そうやってお風呂をさぼってしまうこともしばしば…。
お風呂は、美容にも効果があることは分かっているんです。でも、つい怠けちゃうことがあります。
今回、corpo e alma(コルポ・エ・アルマ) の小松 ゆり子 先生に話をお聞きし、お風呂が美容・健康に効果があることを改めて確認しました。
そして、ただお風呂に入るのではなく、アロマオイル(精油)を使うことで、バスタイムが豊かになる方法もご紹介いただきました。
「今夜はお風呂に入ろう」
そう思える小松 先生のお話です。
目次
お風呂の効果
・入浴の物理的な効果
・入浴の精神的な効果
アロマバスの効果
・アロマセラピーの効果1. 嗅覚から
・アロマセラピーの効果2. 呼吸器から
・アロマセラピーの効果3. 皮膚から
・アロマセラピーのリラックス効果
夜のお風呂の入り方
・朝のお風呂
お風呂の効果
お風呂は、「回復の泉」です。心と身体をケアし、健康のベースを整えることができ、それが美容にもつながります。
では、どうしてお風呂が健康に良いのかを、物理的な面と精神的な面からみていきたいと思います。
入浴の物理的な効果
お風呂の物理的な効果は、大きく3つのことが挙げられます。
1. 温熱作用
お風呂に入ると、体温が上がります。すると皮膚の毛細血管が開き、血流が良くなります。
それによって全身の細胞に、酸素や栄養が届き、老廃物や二酸化炭素が取り除かれて、新陳代謝がきちんと働くようになります。
お肌のターンオーバー(生まれ変わり)*1にも、良い効果が期待できます。
2. 水圧による作用
お風呂に入ると、身体に水圧がかかり、皮膚の下の血管やリンパ*2を流す効果が期待できます。
血液は心臓がポンプとなって流れていますが、リンパにはそのような役割をするものがありません。
そのため、リンパの流れを良くするのに、お風呂はおすすめです。
3. 浮力による作用
お風呂では浮力で身体が浮き、人の体重は約1/10になるといわれています。
そのため、いつも体重を支えている関節や筋肉を休ませられ、身体の緊張をほぐすことができます。
緊張を解くことも、美容には大切です。
その他にも、お風呂は汗をかきますので、デトックスになります。
また、お風呂はリンパの流れを良くすることもできるため、余分な水分が排出され、顔のむくみやたるみの解消も期待できます。
*1 編集部:皮膚は、内側で新しい肌細胞が生まれて、少しずつ表面に上っていき、最後は古い細胞が垢になって剥がれ落ちることで、日々生まれ変わっています。
*2 編集部:リンパには身体の老廃物を回収する働きがあります。リンパの流れが滞ると、むくみなどの原因にもなります。
入浴の精神的な効果
42度以上の熱いお湯は、自律神経*を交感神経優位に導きます。
そのため、お風呂の温度をそれ以下にすることで、意図的に副交感神経を優位にさせる、つまりリラックスへと導くことができます。夏は38~39度、冬は40度くらいで、「熱い」とはいかないくらいのお湯が良いと思います。
特に、夜のお風呂の温度を調整することで、身体の緊張がほぐれリラックスでき、睡眠も穏やかになります。
お肌の回復も夜の睡眠中に行われるので、入浴でリラックスすることで、美容面の効果もあります。
* 編集部:自律神経は、人の身体と心をコントロールしています。「交感神経(緊張の神経・昼に優位になる)」と「副交感神経(リラックスの神経・夜に優位になる)」が交互に入れ替わって、バランスを取っています。そのバランスが崩れると、心身に様々な影響が表れてしまいます。
アロマバスの効果
お風呂にアロマを使うことで、バスタイムが豊かになり、健康・美容・リラックスの効果をさらに深めていくことができます。
それは、アロマセラピーの効果を得られるようになるためです。
アロマセラピーは、天然の植物から抽出した芳香成分(精油・エッセンシャルオイル)を使ったセラピーです。
植物の芳香成分は、自分の身を守る(虫から身を守ったり、虫を引き寄せて受粉させたりする)ために生み出した化学成分で、植物によって多様な効能があります。その薬効を期待し、フランスではメディカルな分野で使われたりもしています。
精油の魅力は、香りを楽しむと同時に、セラピー効果を得られることです。
それを得るルートは、大きく3つに分けられます。
アロマセラピーの効果1. 嗅覚から
精油は、香りをかぐだけでも良い効果があります。
鼻に入った芳香成分が粘膜に到達すると、電気信号に変わって脳に刺激を与え、脳から全身に指令が出されます。
香りが心地良ければ、それに従った心地よい反応の指令が出ますが、香りが不快であるときはかえってストレスになる可能性があります。
身体への影響は、香りが「快」か「不快」かという、本人の好みに左右されるのです。
そのためアロマは、香り選びが大切になります。
アロマセラピーの効果2. 呼吸器から
香りの分子は小さいです。
そのため、呼吸して鼻から入った芳香成分は、微量が肺胞から血液に入っていき、体内に取り入れられます。
例えば、ペパーミントの精油の香りをかぐと、肺の中までスッとするような感覚があると思います。それは、アロマの呼吸器系への効果といえます。ラベンダーなどの香りをかいでも、スッとはしませんが、同じように呼吸器系から芳香成分をわずかに吸収しています。
アロマセラピーの効果3. 皮膚から
精油の芳香成分は、皮膚から体内に取り込むこともできます。
皮膚に精油を塗布する*1と、芳香成分が真皮*2まで到達するといわれています。
真皮には、血管やリンパが多く通っていて、そこから芳香成分が取り込まれていきます。
*1 編集部:後程、小松 先生のお話でも出ますが、精油を直接皮膚に付けるのは、刺激が強いため、基本的に推奨されません。そこで、植物油に希釈(濃度を薄めること)などして、皮膚につけられるようにします。そのことは、「アロママッサージオイルの作り方!自宅でサロンを再現しよう」でもご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
*2 編集部:皮膚は、目に見える表面から、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」の3層構造になっています。
アロマセラピーのリラックス効果
アロマセラピーは、これらの効果を組み合わせた相乗効果も期待できます。
精油の香りが良いと、もっとその香りをかごうと、息を吸い込みます。そして、息を吸い込んだら吐き出すものです。その連続性が、呼吸です。
そのため、精油の香りをかぐことで、ゆったりとした呼吸ができるようになります。
それによって、自律神経に働きかけることができるのです。
自律神経は「自律」というように、自分の意思でコントロールすることはできません。
ただ、ゆったりとした呼吸で、副交感神経を優位にすることができます。
現代人は、過緊張にあることが多く、自然な呼吸があまりできていません。
精油の香りをかぐことで、自然と呼吸が深くなり、リラックスの効果があります。
アロマオイル(精油)をお風呂に入れる方法
お風呂に精油を入れると、上のようなアロマセラピーの効果を得られるようになります。
精油は、揮発性の特性があります(そのため、精油の容器のふたを開けたままにしておくと、揮発してなくなってしまいます)。
お風呂で精油が温められると、その特性によって香りがさらに立つようになります。
精油の香りを楽しみやすくなるのも、お風呂ならではです。
お風呂に精油を入れる方法ですが、どなたにでも安全なのは、精油を植物油や塩に溶かして入れる方法です。
精油は基本的に、原液でお肌に塗布するものではありません。
植物油や塩に溶かすことで、刺激を緩和することができます。
またそれによって、植物油や塩の効能を得ることもできます。植物油は保湿力があり、種類によって効能が違います*。塩は、浸透圧の効果で、身体をすっきりさせたり、温めたりするのに良いです。
お風呂に入れる量は、お風呂のサイズによっても違いますが、下を目安にしてみてください(追い炊きするタイプのお風呂は風呂釜を傷める可能性がありますので、使用はよく注意してください)。
・精油
最大5滴
[植物油に溶かす場合]
・植物油:5mm以下
ペットボトルのふたよりも少ない量で大丈夫です。植物油を多く入れすぎてしまうと、かえってべたついてしまいます。
[塩に溶かす場合]
・塩:お好きな量
塩は、ご自分のお好きな量で大丈夫です。コップ1杯くらい入れると、身体がすっきりします。
* 編集部:植物油については、「オイル美容法とは?スキンケアでの美容オイルの使い方と順番」で種類や効能についてご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
夜のお風呂の入り方
最後に、夜のお風呂でおすすめの入り方をお話ししたいと思います。
夜は、自律神経の副交感神経を優位にしてリラックスすることで、睡眠が深くなります。
そのため、お風呂の温度は、38~40度のぬるま湯が良いです(42度以上の温度になると、交感神経が優位になるためです)。
夜のお風呂で精油を入れるときは、下のような、緊張を緩和する作用のあるものがおすすめです。
■ ラベンダー
リラックス効果で代表的な精油です。美容面では、お肌の修復作用があります。
■ マジョラム
鎮静作用があり、眠りを深くする香りです。
■ サンダルウッド、フランキンセンス
メディテーション(瞑想)の気分になります。アンチエイジングにも良いです
また、アロマバスをするときは、換気扇を止めてお風呂に入るようにしましょう。
換気扇をかけると、精油の香りが飛びやすくなってしまいます。
そして夜のお風呂は、電気を消して入るのがおすすめです。洗面所の電気をつけて、お風呂場は消しておくのも良いです。
電気がついていると、視覚から交感神経に刺激があります。
電気を消してお風呂に入ることで、メディテーションにもつながり、リラックスの効果はさらに高まります。
お風呂から上がった後の寝室も、間接照明にしておくと、さらに良いですね。
朝のお風呂
ちなみに朝のお風呂は、熱めのお湯で、短時間で入るのが良いです。交感神経が優位になって、身体を活動的な状態にすることができます。
朝は忙しい方も多いでしょうから、シャワーでも大丈夫で、アロマを使ったアロマシャワーもおすすめです。
換気扇を切って、精油を床に垂らしておくと、シャワーのお湯で香りが立ち、嗅覚や呼吸器から精油の効果を得られることができます。
精油も、ペパーミントやローズマリー、レモンなどの柑橘系など、すっきりしたものがおすすめです。
朝と夜のお風呂で区切りをつけることで、心のONとOFFを意識できるようになるとも思います。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
「お風呂って、こんなにすごい効果があったんだ…」
小松 先生の話をお聞きしたときの最初の感想です。お風呂が身体を温める効果が高いのは分かっていましたが、水圧や浮力による効果もあったのには驚きました。
そしてアロマオイル(精油)をお風呂に入れることで、ただバスタイムが豊かになるだけではなく、アロマセラピーの効果を得られるのも魅力的です。
アロマバスは、アロマセラピーの「嗅覚から」・「呼吸器から」・「皮膚から」のすべての効果を得ることができますよね。
私もそうですが、忙しいときは、シャワーで済ませてしまうこともあると思います。
そんな方に、小松 先生のおっしゃっていた言葉をご紹介します。
「私は疲れているときでも、睡眠時間を15分削って、15分入浴した方が、そのあとの眠りが深くなると感じます」
皆さまも、できるだけお風呂に入るようにしてみてください。私も気を付けます。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:corpo e alma(コルポ・エ・アルマ) 小松 ゆり子 先生、「キレイの先生」編集部)
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