「キレイの先生」編集部です。
今回は、妊活・女性ホルモンケア DELFIN(デルフィン) の大岩 千恵子 先生に取材させていただきました。
先生のサロンは、ホルモンバランスを整えることをひとつのコンセプトにされています。
ホルモンバランスの乱れは、「自律神経の乱れ」や「セロトニンの不足」などから来るタイプがあるそうで、それぞれの原因や改善方法について話をお聞きしました。
大岩 先生の記事は前後編に分けてお届けし、こちらはその後編です。
前編では、「自律神経」について取り上げました。
大岩 先生の記事
この後編では、「セロトニン」というホルモンについてまとめます。
セロトニンとは、どんなホルモンなのでしょうか?
そして、セロトニンを増やすには、どんなことができるでしょうか?
大岩 先生に教えていただきました。
目次
セロトニンとは
・セロトニンが減ると…
本日のキレイの先生
妊活・女性ホルモンケア DELFIN(デルフィン)
大岩 千恵子 先生
「キレイの先生」編集部
セロトニンとは
大岩 先生、よろしくお願いします。
ホルモンバランスの乱れは「セロトニンの不足」からも来るといいますが、セロトニンとは、何なのでしょうか?
ホルモンですか?
セロトニンは、正確にはホルモンではなく、脳内の「神経伝達物質」のひとつです。
神経伝達物質とは、何ですか?
(神経伝達物質とは)脳のコントロールタワーからの指令を、血流に乗って、標的器官まで届ける役割のあるもののことをいいます。
セロトニンは、身体のどこで分泌されているのでしょうか?
脳の中にある脳幹(のうかん)の「縫線核(ほうせんかく)」という部分から分泌されています。
セロトニンは、どんな働きを持っているのですか?
(セロトニンは)ドーパミンやノルアドレナリンなど、ストレスに関わるホルモンのマイナス面を調整してくれる「感情のまとめ役」で、ホルモンと同じような働きを持ち、その性質から「ハッピーホルモン」とも呼ばれています。
例えば、ドーパミンは、快楽・意欲・活力などのホルモンで、物事がうまくいっていて「やった!」というときに出ます。
ノルアドレナリンは、緊張感・集中力・判断力を高めてくれて、仕事モードのときなどに出るものです。
それらが過剰に分泌されると、怒りっぽくなってしまったり、不安が強くなったり、お酒などへの依存が強くなったりします。
それを、セロトニンが抑えてくれます。
セロトニンは「ハッピーホルモン」とも呼ばれているとのことでしたが、具体的には、どんな作用があるのでしょうか?
脳を目覚めさせて背筋をシャキッとさせたり、心が明るくなってポジティブになれたり、痛みをやわらげたり、自律神経のバランスを整えてくれたりします。
セロトニンが減ると…
セロトニンが減ると、身体には、どんな影響があるのですか?
セロトニンが不足すると感情面が不安定になって、イライラしたり、キレやすくなったり、気分が落ち込んだり、無気力になったりするなど、抑鬱(うつ)の状態に陥いりやすくなります。
また、セロトニンは覚醒の働きもあるので、不足していると、寝ても寝ても「眠い…」といった状態が続きます。
それから、(セロトニンが不足していると)姿勢が悪くて猫背になりやすいので、必然的に呼吸が浅くなりがちです。
呼吸が浅いと…
セロトニンが減少するのは、どんなことが原因になりますか?
女性の場合、セロトニンは、月経周期の卵胞期(らんぽうき)に分泌量の増えるエストロゲンと増減が連動しています。
月経周期について
エストロゲンの分泌が増える卵胞期には、セロトニンの分泌も増えますが、(月経周期が)排卵を境に黄体期(おうたいき)に入ると、エストロゲンの分泌が減り、セロトニンも同時に減少してしまいます。
ですので、普段からセロトニン不足の傾向にある方は、生理前には、イライラしたり、気分が落ち込んだり、無気力になったり、怒りっぽくなったりするなど、感情面に左右されやすくなる傾向があります。
また、セロトニンには食欲を抑制する効果があるので、(セロトニンの分泌量が)減少している黄体期には、食欲旺盛になってしまって、食べ過ぎに陥りやすいです。
女性には、月経周期のサイクルと連動して、セロトニンの分泌が増える時期と、減少する時期があるのですね。
他に、生活習慣などで、セロトニンが減少する原因になることはありますか?
セロトニンは、目の網膜から光が入ってくることで産生されるため、朝日を浴びなかったり、外に出て運動しなかったりすることも、(セロトニンが減少する)原因になります。
セロトニンを増やす方法
セロトニンを増やすには、どんなことができるでしょうか?
ひとつは、深い呼吸です。
セロトニンが不足していると姿勢が悪くなって呼吸が浅くなりがちなので、身体の隅々まで酸素が行き渡るように意識して、吐く方を長めに深く呼吸します。
それによって、卵巣の細胞も活性化され、ホルモンバランスを整えることにもつながります。
セロトニンは、1秒間に2回分泌されているといわれているので、例えばウォーキングやジョギングなど、「1、2」のリズムを刻んだリズム運動が大変有効です。
それは、週に2~3回、30分以内(の運動)で大丈夫です。
30分以上やって過剰に運動し過ぎると、身体のリズムが乱れてきて逆効果になる場合もあります。
セロトニンを活性化させるには、(リズム運動も)心地良い範囲で抑えることが大切です。
また、ガムをかむなどの咀嚼運動も、リズム運動になります。
それから、趣味などに没頭したりすることも良いですし、グルーミングでの仲間とのふれあいなどで集団欲求が満たされると、セロトニンは分泌されやすくなります。
後は、ペットなどのふわふわしたものに触ると、「ハッピーホルモン」と呼ばれているオキシトシンが分泌するのですが、オキシトシンの分泌はセロトニンとも連動しているので、セロトニンも一緒に分泌されます。
他には、例えば、泣けるDVDなどを観て大泣きして感情を出すことも、セロトニンの分泌につながります。
セロトニンを増やすのに、おすすめの食べ物はありますか?
セロトニンの主原料になるのが、必須アミノ酸である「トリプトファン」です。
トリプトファンは、どんな食べ物に多く含まれているのですか?
肉や魚類、乳製品、大豆製品などです。
そして、それらと一緒に摂った方が良いものが、ビタミンB6・鉄分・マグネシウム・ナイアシンなどの栄養の含んだ食べ物です。
ビタミンB6でしたらバナナやナッツ類など、鉄分の代表的な食材はレバーですが、手軽に摂るには、納豆などいかがでしょうか。
マグネシウムはアオサ・青のり・ワカメなど、ナイアシンはタラコなどに含まれています。
まとめ
今回の取材で挙がった、セロトニンを増やす方法をまとめます。
1. 深い呼吸
2. ジョギングやウォーキングなどのリズム運動
3. ガムをかむ咀嚼運動(リズム運動になる)
4. 趣味に没頭する
5. 仲間とのグルーミング
6. ペットなどふわふわしたものに触る
7. 泣けるDVDをみて大泣きする
8. トリプトファンを含んだ食べ物(肉や魚類、乳製品、大豆製品など)
9. (8. と一緒に)ビタミンB6・鉄分・マグネシウム・ナイアシンなどを含んだ食べ物
「少しイライラするな…」、「気分が落ち込み気味だな…」というときは、セロトニンの減少が原因にあるかもしれません。
そんなときは、上の方法を(例えば、深い呼吸はいますぐできることだと思いますので)お試しになってみてはいかがでしょうか?