「キレイの先生」編集部です。
「これは絶対に気持ちが良いだろうな…」
そんなことを考えながら、オリエンタルセラピーおうちサロン Ting Garden の丸山 さおり 先生の話をお聞きしていました。
今回のテーマは、「ハーブボール」です。
皆さまは、ハーブボールをご存知ですか?
丸山 先生には、ハーブボールの体験のご提案もいただいたのですが、タイミングが合わずに、話だけお聞かせいただきました(丸山 先生、ご厚意を申し訳ありませんでした)。
ただ、話をお聞きするだけでも、とても気持ち良さそうなのが分かります。
ハーブボールとは、どんなものなのでしょうか?
どんな効果が期待できるのでしょうか?
ハーブボールは、自宅でも簡単に作ったり使ったりすることができるそうで、丸山 先生には、その作り方や使い方も教えていただきました。
目次
ハーブボールとは
・ハーブボールに使うハーブと布
ハーブボールの効果
・タイのハーブの効果
・日本のよもぎ等のハーブの効果
ハーブボールの使い方
・蒸し方
・使い方
・保存方法など
ハーブボールとは
ハーブボールは、ハーブを布に包んで蒸して身体に当てるタイの伝統療法です。
インドの伝承医学のアーユルヴェーダが起源となって、タイで生まれました。
「サムンプライ(タイ語でタイハーブの意味)」などとも呼ばれています。
アーユルヴェーダとは
「キレイの先生」編集部です。下の記事でもご紹介していますが、「アーユルヴェーダ」は、インドでは西洋医学と並んで用いられている伝統医学です(ちなみに、「シロダーラ」とは、アーユルヴェーダの技法のひとつです)。
ハーブボールは下腹部を温める効果がとても高く、現地のタイでは、妊婦ケアや産後ケアでも利用されており、病院やクリニックで、タイマッサージと共にハーブボールの施術を受けることができます。
ちなみにタイは、妊娠中や産後のマタニティケア(ユーファイ)の専門の施設も数多くあり、日本ではあまり想像できませんが、女性特有の不調、特に更年期の不調に苦しむ人は極めて少ないといわれています。
ハーブボールに使うハーブと布
ハーブボールに使うハーブは、基本的に乾燥させたものを使います。
これは、よもぎ蒸しにも使うこともできるものです。
ハーブをボールにしてマッサージするか(ハーブボール)、蒸してスチームを子宮から吸収するか(よもぎ蒸し・ハーブスチーム)の違いがあります。
ハーブボールは、フレッシュな生のハーブでも作ることもできますが、多種類のハーブを揃えることが難しく、長く保存できません(冷蔵保存で当日か翌日まで)。
また、乾燥させたハーブには身体を温める作用がありますが、生のものは逆に身体を冷やす作用があります(例えば生姜は、身体を温める食べ物として知られています。ただ生の生姜は、身体を冷やす作用があります)。
そのため、生のハーブのハーブボールは、夏には良いかもしれません。
ただ、身体を温めるのがハーブボールの特徴ですから、特に冷え性の方は、乾燥させたハーブをお使いになる方が良いと思います。
そして、乾燥ハーブを包むのが、綿(コットン)100%の布です。
布地は厚すぎず、薄すぎないものが良く、出来ればオーガニックのものがおすすめですが、そうでないものであれば、清潔で肌触りが良いものを使用しましょう。
* ハーブボールで使うハーブのブレンドは、基本的にはご自分のお好きなもので作ることができますが、妊娠中や薬を服用している方、重病の方には禁忌とされるハーブがありますので、十分にご注意ください。
ハーブボールの効果
ハーブボールは、身体を温める効果が高いです。特に、下腹部を温めるのに優れています。
身体が温まって健康的になることで、顔が引き締まったり、お肌がツヤツヤになったりするなど、美容効果にもつながります。
石を温める「ホットストーン」!
「キレイの先生」編集部です。ハーブボールは、温めて身体に当てます。それと同じように、石を温めて身体に当てる「ホットストーン」も、おすすめです。ホットストーンは、私も体験したことがありますが、本当に気持ちが良く、効果もすぐに体感できる技術です。
そしてハーブボールは、ハーブの成分を経皮吸収(皮膚から成分を吸収すること)することができます。
例えば、精油もアロマトリートメント(マッサージ)などで、成分を経皮吸収することができます。
ただ、ハーブボールの方が経皮吸収する率は高いといわれています。
ハーブボールは、経皮吸収したハーブの成分が、血液を通じて全身に運ばれ、ハーブの効能を得ることもできます。
タイのハーブの効果
では具体的に、ハーブボールに使うハーブにどんな効果があるのか、みていきたいと思います。
今回は、「タイのハーブ」と「日本のハーブ」で分けました。それぞれ、代表的なハーブをご紹介します。
まずは、タイのハーブからです。
■ プライ(ポンツクショウガ)
タイのハーブボールには、必ず入っているハーブです。
生姜ですから、身体を温め、血行促進の作用が高いです。生理時のデトックス作用もあり、生理不順などにも良いです。また、殺菌効果もあります。他にも、筋肉痛や関節痛、怪我などにも良いです。
■ レモングラス
レモングラスも、ハーブボールによく使われるハーブです。
緑の葉をしているものが一般的ですが、タイでは白い葉のレモングラスも使われます。香りが良いのが特徴です。
身体を温める作用があり、虫除けの効果もあります。レモングラスの香りは、ドーパミンの分泌を促します。他にも、子宮をきれいにする作用があり、生理痛にも良く、冷え性の改善、筋肉痛や高血圧にも良いです。
また、ハーブティーにすると、利尿作用があります。
■ こぶみかん果皮・葉
みかんは学術的には、身体を冷やす作用があるとされています。ただそれは、みかんの「実」の性質です。
その一方で、皮(果皮)は、身体を温めて血行促進する作用があり、生理不順・つわり・吐き気などに良いです。また、乾燥肌や肌荒れ、アトピーなどにも良いです。他にも、シャンプーなどで使うと、抜け毛の予防や、髪の毛をサラサラにする効果も期待できます。
そして、みかんの葉にも、血行促進の作用があります。
■ ガジュツ(紫ウコン)
ウコンには、「春ウコン」・「秋ウコン」・「紫ウコン」などの種類があります。
春ウコンは、オールラウンドのハーブです。秋ウコンは、肝機能の向上に良く、殺菌作用があり、肌荒れ、胃痛緩和などにも良い効果が期待できます(ただ、紫外線に当たると赤くなることもあるので、敏感肌の方は注意が必要です)。
紫ウコンは、胃腸系に良く、血行促進、抗酸化作用、解毒作用もあります。また、秋ウコンよりは苦みがあります。
ウコンはどの種類も、血行促進の作用があり、美肌にも良いです。殺菌・排毒作用もあるため、虫刺されやかゆみにも良いです。
■ シナモン
身体を温める作用に優れています。
妊娠中にはお使いいただけないハーブですが、産後のケアにはおすすめです。
日本のよもぎ等のハーブの効果
ハーブボールには、日本のハーブも使うことができます。
定番といえるのが、「よもぎ」です。
よもぎの効能は良いことばかりで、「絶対ハーブ」といえると思います。
例えば、お灸で使われるもぐさは、よもぎの葉の裏にある白い毛を集めたものです。
よもぎは、身体を温めたり、女性ホルモンを整えたりする作用がありますので、生理不順などの婦人科系トラブルを改善に導いてくれます。
また、血の巡りを良くしてくれるので、肩のコリや冷え、目の下のクマにもおすすめです。
その他、皮膚の疾患にも良く、美肌効果も期待できます。
日本の万能ハーブ「よもぎ」!
「キレイの先生」編集部です。下の記事でもご紹介していますが、「よもぎ」は万能といえるほどの効果・効能のある日本のハーブです。
日本のハーブには、よもぎの他にも、下のような種類があります。
■ 月見草
女性ホルモンのバランスを整える作用がありますので、生理痛の緩和が期待できます。抗アレルギー作用もあり、アトピーや湿疹などにも良いです。
■ 月桃
沖縄では「サンニン」と呼ばれるハーブで、香りが良いのでリラックス効果をもたらしてくれます。女性ホルモンのバランスを整える作用がありますので、更年期で心身が乱れているときにはおすすめです。鼻炎や消化不良にも良いです。
■ 柚子
血行を促進し、新陳代謝を活発にする作用があるので、身体の冷えや疲労回復、風邪の予防に良いとされています。また、緊張やストレスの緩和、イライラの解消、肌荒れ改善などの美肌効果も期待できます。
■ くわの葉
別名で「マルベリー」と呼びます。ミネラル、カルシウム、亜鉛、鉄、ナトリウムなどを多く含み、お茶(ノンカフェイン)、ジャム、お菓子などにも利用されます。
便秘や美白、生活習慣病などにも良いです。妊婦さんにもおすすめです。
■ 生姜
新陳代謝を高めて身体を温めるので風邪の初期症状、冷え性の改善に良いです。また、発汗・利尿作用もありますので、むくみにも効果的です。
夏に熱を冷ますのに使うときは生の生姜(生姜/しょうきょう)、温めるのに使うときは干した生姜(乾姜/かんきょう)を使用します。
ハーブボールで使用するときは、ピリッと感が少ない新生姜がおすすめです。
■ 杉菜
利尿作用がありますので、むくみの改善に良いです。お肌の引き締め効果も期待できます。腎系の作用もありますので、髪や爪などに優れた効果をもたらします。
ただし、心臓・腎臓の機能不全(尿が出ないなど)、ニコチン過敏症の方のご使用は控えください。
■ はとむぎ
生薬では「薏苡仁(よくいにん)」といい、イボ取りの民間薬として知られています。
水分代謝を高め、身体のむくみを取るはたらきがあります。余分な水分とともに、体内の老廃物も排出しますので、吹き出物やシミなどの肌トラブルを改善します。
ハーブボールの使い方
ハーブボールは蒸して温め、身体に当てたり、マッサージしたりして使うことができます。
蒸し方
1)
ボウルや洗面器などに水を張って、ハーブボールを浸し、揉みながら中心まで水を浸透させ、5分ほどしっかり濡らします。
持ち手の部分まで濡れてしまうと、蒸したときに熱くなりますから、ボールの8分目くらいまでを水につけるのが良いと思います。
2)
水から上げて、ボールを絞って余分な水気を取ります。
そして蒸し器で10分、またはラップして電子レンジ600Wで3分(700Wで2分)くらい温めます。
(蒸す時間は、好みの熱さで調整してください)
3)
温めた直後は、持ち手も熱くなっていると思います。
持ち手をタオルで巻くなどして取り出し、お肌に直接触れられる温度になったら、身体のお好きな箇所に当てたり、マッサージを行ったりします。
使い方
ハーブボールは、服の上から当てることができます。
ただ作ったばかりのものは、服に色がつく可能性があるため、汚れてもいいシャツを着たり、洋服の上にタオルを敷いたりして行うと良いと思います(色は、何回か使っていく内に、落ち着いてきます)。
ハーブボールは、身体にも顔にもお使いいただけます。
肩や首のコリが気になるときは、そこに当てるのも、ひとつの方法です。
リンパの滞りやすい場所(耳下腺や鎖骨、脇、ふくらはぎなど)に当てるのも良いですね。
どうしてリンパの滞る場所に?
「キレイの先生」編集部です。リンパは、体内の老廃物を回収して排出する役割があり、流れが滞ると老廃物がたまって、むくみなどの原因になります。リンパの流れが滞っている場所に、ハーブボールを当てて温めてあげることで、リンパの流れを促すことができます。
例えば、下の記事でもご紹介していますが、鎖骨は、全身のリンパの出口のため、特にリンパの流れを良くしてあげたい場所です。
また、ハーブボールを股に当てて下腹部を温めたり、目や耳の上に当てたりするのもおすすめです
頭の上の「百会(ひゃくえ)」というツボに当てると、抜け毛や白髪の予防になります(百会は、顔の中心のラインと、耳を左右でつないだラインが交差する場所にあるツボです)。
ハーブボールをお使いになるときに、ひとつ注意していただきたいのが、低温火傷です。
ハーブボールを身体に当てたままにしておくと、低温火傷になる可能性がありますから、お気を付けください。
保存方法など
ハーブボールは、香りがなくなるまで繰り返し使うことができます。
部分部分で使うと、4~7回といったところでしょうか。
ハーブボールは、湿ったまま置いておくと内部にカビが生える恐れがあります。
使用後は、粗熱がとれたらジップロックに入れて冷蔵庫で保存(一週間程度、保存可能)が基本ですが、翌日に使う予定がなければ冷凍庫で保存するようにしましょう。
それで、約一ヶ月保存可能です。
そして、もういちど使うときは、改めて水に濡らしてから蒸して使います。
ハーブボールは香りがなくなった後も、お風呂に入れて「ハーブバスボール」にしたり、入浴中のマッサージに使ったりすることができます。他にも、中のハーブはよもぎ蒸しや肥料にも使えます。
まとめ
「キレイの先生」編集部のまとめです。
丸山 先生は取材時、ハーブボールをいくつか持ってきてくれました。
香りをかがせていただくと、温めていない状態でも、ハーブの優しい香りがします。
特に、日本のハーブで作ったものは、よもぎの落ち着いた香りでリラックスできます。
これを蒸して温めて身体に当てれば、気持ちが良いのは、容易に想像できます。
今回の取材で体験できなかったのが、本当に残念です。
ハーブボールは身体を温め、ハーブの効能も得ることができます。
現地のタイでは、マタニティケアに使われるなど、女性にはおすすめの内容ですよ。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:オリエンタルセラピーおうちサロン Ting Garden 丸山 さおり 先生、「キレイの先生」編集部)
* 2016年9月16日に公開した『ハーブボールの効果は女性に嬉しいこと沢山!作り方と使い方』を再編集しました。