今回のテーマは、「インナードライ肌」です。
温香セラピー Bloom garden の諸星 ちえこ 先生にインタビューさせていただきました。
インナードライ肌は、肌の表面がオイリーで内部が乾燥している状態のことをいいます。
特に日本人にはインナードライ肌が多く、全体の80%がそうだともいわれているといいます。
その原因は、クレンジング・洗顔での洗いすぎなど間違ったスキンケア方法が挙げられるといいます。
インナードライ肌の原因や改善方法について、美容家に教えていただきました。
目次
インナードライ肌の原因
・肌の乾燥から皮脂分泌が増えてインナードライに
・日本人の80%はインナードライ肌といわれている
・洗顔後の肌の状態でインナードライ肌かをみわける
・洗顔方法や化粧品の使い方などが原因に
インナードライ肌を改善する方法
・インナードライ肌にはスキンケアでの保湿が大事
・クレンジング・洗顔での洗いすぎや摩擦を防ぐ
・薄めのメイクにして生活習慣を整えるなど
インナードライ肌の原因
肌の乾燥から皮脂分泌が増えてインナードライに
諸星 先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「インナードライ肌」です。
まずインナードライ肌とは、どんなお肌のことをいうんですか?
インナードライ肌は、お肌の表面がオイリーで内側は乾燥している状態のことをいいます。
それだけお聞きすると、矛盾しているように感じます(苦笑)。
はい(笑)、どうしてそうした状態が起こるのかを説明するのに、皮脂(ひし・毛穴から分泌されている油分)のお話から始めさせていただきますね。
皮脂は、肌表面をなめらかにして、お肌の水分を逃さないようにうるおいをキープする働きがあります。
ですのでお肌の水分が不足していると、乾燥を防ぐために皮脂の分泌が増えやすくなります。
それに皮脂には、ほこり・紫外線・雑菌などの外的要因を肌表面で食い止める役割もあります。
お肌が乾燥していたり肌表面の皮脂が不足していたりすると、お肌のバリア機能も低下します。
そうすると、お肌は雑菌などの影響も受けやすくなりますよね。
そうした状態を防ぐためにも、皮脂の分泌は増えやすくなります。
ですので皮脂は、お肌の乾燥によって、肌内部の水分不足という「内的要因」と外部刺激という「外的要因」からお肌を保護するための防御反応によって、分泌が増えるといえます。
皮脂は、お肌のべたつきやテカリの原因になるので悪いイメージのほうが強いですが、実は大切な働きがあったんですね…。
インナードライ肌の原因
・肌の乾燥を防ぐために皮脂分泌が増える
・肌の乾燥などによるバリア機能の低下により皮脂分泌が増える
など
【編集部補足】皮脂の役割について
皮脂は、肌表面で汗などの水分と混ざり合って天然の保護膜「皮脂膜(ひしまく)」を作ります。
その皮脂膜が、肌の水分の蒸発を防ぎ、外部刺激から皮膚を保護するバリア機能の働きをしています。
日本人の80%はインナードライ肌といわれている
先生のサロンのお客様にも、インナードライ肌の方はいらっしゃいますか?
はい、いらっしゃいますよ。
特に日本人は、インナードライ肌の方が多いです。
全体の約80%がインナードライ肌ともいわれています。
え、80%もですか(笑)!?
そうすると日本人のほとんどが、インナードライ肌なんですね。
私も肌のべたつきが気になるときがあるんですが、もしかしたらそれもインナードライなのかもしれません(笑)。
はい、その可能性はありますね(笑)。
ご自分では「オイリー肌かな…」と思われていても、実はお肌の乾燥からオイリーな状態に傾いているケースも多くあります。
実際、サロンのお客様も、ご自身ではオイリー肌と思われていた方はほとんど全員が、インナードライ肌でした。
そうなんですね(笑)。
はい、そういったお客様には、たしかにお顔のテカリがみられることもあります。
ただ実際にお顔を触らせていただいたり日常生活の話をお聞きしたりすると、その背景には、お肌の乾燥がみられることが多いです。
逆に、肌質自体がオイリー肌という方は、あまり記憶にありません。
そうすると、自分ではオイリー肌だと思っていても、実際はインナードライ肌であるケースのほうが圧倒的に多そうですね…。
そうですね、もちろん、お肌のべたつきは生まれ持った肌質による場合もありますよ。
ただ、インナードライ肌であるほうが多いでしょうね。
私のべたつきも、インナードライ肌によるもののような気がしてきました(苦笑)。
洗顔後の肌の状態でインナードライ肌かをみわける
ちなみにお肌のべたつきやテカリが、オイリー肌とインナードライ肌のどちらによるものなのか、みわけることはできるんですか?
洗顔後のお肌の状態がひとつの参考になるでしょうか。
洗顔後に、お肌がつっぱったりピリピリしたりする場合は、インナードライ肌である可能性が高いです。
それは、どうしですか?
お肌のつっぱり感やピリピリ感は、バリア機能の低下によるところが大きいためです。
お肌が乾燥していると、バリア機能も低下します。
はい、ですのでお肌のべたつきが気になったときでも、洗顔後につっぱりなどを感じた場合は、インナードライ肌であることが疑われます。
洗顔方法や化粧品の使い方などが原因に
日々の生活習慣で、インナードライ肌の原因になることはありますか?
ひとつは、クレンジング・洗顔での洗いすぎです。
例えば洗浄力の強いクレンジング料などを使用していたり、洗顔の回数が多かったりすると、必要な皮脂まで落としすぎてしまいがちです。
そうすると、肌表面の皮脂が不足します。
はい、それによって皮脂の分泌も増えやすくなりますね。
それに、クレンジング・洗顔でお顔をゴシゴシと洗うことも注意していただきたいです。
それも、必要な皮脂まで取りすぎてしまうからですか?
それもありますが、そうしたお肌をこすることによる摩擦は、角質(肌表面の古くなった肌細胞)もそぎ取りすぎてしまう可能性もあります。
そうすると、角質層(皮膚のいちばん表面にある約0.02mmの層)が未熟な状態で表に出ることになります。
角質層にもお肌のバリア機能がありますので、それによって、お肌のバリア機能も低下しやすいです。
そうしたことも、皮脂分泌に影響を与えます。
特に目周りや口元はポイントメイクを行います。
それもあってクレンジングのときに、つい力が入ったりこすったりしやすいので、気を付けていただきたいです。
それから、そうした肌摩擦によるスキンケア方法の間違いは、クレンジング・洗顔に限ったことではありません。
例えば、洗顔後にお顔をタオルでゴシゴシと拭くことも摩擦になりますよね。
化粧水を付けるときも、パッティング(化粧水をはたくようにして付けること)の方法を勘違いして、バンバンと強く行われる方もいらっしゃるようです。
それにスキンケアでの摩擦は、化粧品の量による影響もあります。
化粧品を少量しか使用していないと、それをお顔全体に一生懸命伸ばそうとしますよね。
それによっても、摩擦が起こります。
中には、高価な化粧品を購入して、「もったいないから」と少量ずつしか使用しない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もケチ症なのでその気持ちはよくわかりますが、せっかくいい化粧品を使っていても、それが逆効果になってしまうんですね(苦笑)。
他に、インナードライ肌の原因になることはありますか?
過度なピーリング・スクラブ(余分な角質を取り除くケアの方法)にも気を付けていただきたいです。
たしかに不要な角質を取り除いてあげることは大切です。
ただ過度な角質ケアで、必要な角質まで取りすぎてしまうと、お肌が弱くなります。
それが、皮脂分泌に影響を与える可能性もあります。
後は基本的なことですが、生活習慣もお肌の状態に関係してきます。
例えば寝不足・不規則な生活・疲れ・ストレスなども、お肌に悪影響があります。
それに、お肌も含めて身体は食べたもので作られているので、食生活の乱れによっても、お肌のコンディションは低下します。
インナードライ肌の原因
【生活習慣で原因になること】
・クレンジング・洗顔での洗いすぎ
・スキンケア全般における肌摩擦
・過度なピーリングやスクラブなどの角質ケア
・睡眠や食生活など生活習慣の乱れ
など
インナードライ肌を改善する方法
インナードライ肌にはスキンケアでの保湿が大事
インナードライ肌は、お肌の乾燥から肌表面がオイリーな状態になっているとのことでした。
そうするとインナードライ肌を改善するには、スキンケアでの保湿が大事なんですよね?
はい、もちろん保湿はとても大事ですよ。
お肌をしっかりと保湿して保護してあげることで、皮脂分泌も通常の状態に戻りやすくなります。
スキンケアの保湿方法でアドバイスはありますか?
まずは化粧水で、お肌にたっぷりと水分を与えてあげましょう。
それで私がおすすめしたいのは、お手入れの最後はクリームで仕上げることです。
でも肌表面がオイリーなときは、クリームのべたつきが気になりやすいです…。
はい、そのお気持ちはよくわかります(笑)。
ただインナードライ肌は、お肌の乾燥から起こっています。
ですのでスキンケアは、乳液ではなく、よりカバー力の高いクリームで仕上げていただくのがおすすめです。
それでお肌のコンディションが気になるときは、美容液やオイルを取り入れてあげるのもいいですね。
インナードライ肌の改善方法
【スキンケアでの保湿】
・化粧水でたっぷりと水分を与える
・お手入れの最後は出来ればクリームで仕上げる
・肌のコンディションが低下しているときは美容液やオイルを使用する
など
乾燥知らずの保湿感を美容家が絶賛した洗顔後すぐのミルク!
キレイの先生 ブースターミルク
乾燥スポンジに水分が入るみたいに、肌奥までうるおいがギュッと!(サロン結香 矢澤 ともみ 先生)
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乾燥スポンジに水分が入るみたいに、肌奥までうるおいがギュッと!(サロン結香 矢澤 ともみ 先生)
クレンジング・洗顔での洗いすぎや摩擦を防ぐ
先程のお話をお聞きすると、インナードライでお肌がべたつくときでも、クレンジング・洗顔で一生懸命洗うのもやめたほうがいいんですよね(笑)。
はい、そうですね(笑)。
ただそれは、インナードライ肌に限らず、どんな場合でもいえることですよ。
例えばクレンジングは、メイク汚れをきちんと落とす必要があります。
ただその一方で、洗い上がりがさっぱりするクレンジング料では、必要な皮脂まで取りすぎてしまいがちです。
クレンジング料は、ご自分のメイクに合わせてお選びいただくのが基本ですが、その中でも、マイルドに洗い上げられるものがおすすめです。
それは、どんなものがマイルドにクレンジングできるんですか?
それは、商品によるところがありますが(笑)、一般的にオイルクレンジングは、メイクを落とす力が強いです。
それに対して、クリームやミルクタイプなどは、テクスチャーもやわらかくてマイルドに洗いやすいです。
サロンでも、オーガニック100%のミルククレンジングを使用しています。
他に、インナードライ肌を改善するのに、クレンジング・洗顔でのアドバイスはありますか?
クレンジングは、クレンジング料を多めに手に取り、お肌に指が触れないように行いましょう。
それによって摩擦を防ぎます。
洗顔も同じように、しっかりと泡立てて、その泡でお顔を洗うようにしましょう。
インナードライ肌の改善方法
【クレンジング・洗顔のポイント】
・クレンジング料などは洗い上がりのマイルドなものがおすすめ
・クレンジングは、多めのクレンジング料で行う
・洗顔は、しっかりと泡立ててその泡で行う
など
薄めのメイクにして生活習慣を整えるなど
インナードライ肌を改善するのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?
ファンデーションをパウダー系にするのも、ひとつです。
それはどうしてですか?
リキッドファンデーションは、化粧の乗りはいいですが、その一方で毛穴にも入りやすいです。
そうするとクレンジングで、メイク汚れを落とすのが少し大変になりますよね。
それに対してパウダーファンデーションで薄めのメイクに仕上げると、クレンジングでもサラッと落とすことができます。
それによって、クレンジングでの負担が少なくなります。
それは毎日ではなくてもいいので、たまにメイクを薄めにする日を作ってあげてもいいですね。
他に、インナードライ肌を改善するのに心がけたいことはありますか?
基本的なことではありますが、生活習慣を整えることも大切です。
それは例えば十分な睡眠をとることもそうですし、ストレスもうまく解消していただきたいです。
それで食事は、バランスよく摂っていただくことが基本です。
栄養は単体ではなく複合的に関係しあって働いていますので、色々な食べ物をまんべんなく摂りましょう。
その上で、お肌の生成に必要なビタミンCなどの「ビタミン群」や、細胞の生まれ変わりにも関係する「オメガ3」などを、意識的に摂るようにするといいですよ。
インナードライ肌の改善方法
【生活習慣で心がけたいこと】
・パウダーファンデーションで薄めのメイクに仕上げる
・睡眠や食事なおの生活習慣を整える
など
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編集部の選ぶインナードライ肌におすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です、ここまでが諸星先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、インナードライ肌におすすめの化粧品をご紹介します。
キレイの先生 ブースターミルク
うるおいを抱えて乾燥知らずに!美容家も驚く洗顔後すぐのミルク
この『キレイの先生』に登場した美容のスペシャリストの先生方と開発した、洗顔後の最初のミルクです。
みずみずしいミルクが肌をふっくらとやわらかくして、うるおいを肌の奥までグングン引き込み、肌の水分保持成分の「セラミド」と「天然保湿因子」がそのうるおいを抱き込んで乾燥知らずのウルウル透明肌に導きます。
●内容量:30mL
●通常価格:税別2,980円
開発協力者の声

みずみずしいミルクがうるおいを肌奥でギュッと抱えて乾燥知らずのフワフワ肌に!
まずは、ミルクのイメージを裏切るようなみずみずしさにびっくりしました。乾いたスポンジに水分が入っていくみたいにうるおいが肌の奥にギュッと引っ張られて、そのままでいても乾燥を感じません! 肌が水分をきちんと抱え込めるようになって、やわらかくフワフワの肌になって透明感も出て感謝しています(笑)。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
今回のインタビューで、日本人の80%がインナードライ肌といわれているというお話にはとても驚きました。
ご自分ではオイリー肌と思っていても、実はそれが肌の乾燥から来ているケースはとても多そうですね。
肌のべたつきが気になったときは、インナードライ肌である可能性を疑って、クレンジング・洗顔を一生懸命行うのではなく、まずはスキンケアでの保湿を意識してみてはいかがでしょうか?
* 2017年10月4日に公開した『インナードライ肌を改善するには?スキンケアなどの方法7つ』を再編集し、『インナードライとは?顔のテカリの原因は乾燥肌にあるかも?』の内容と合わせました。