今回のテーマは、「ライスオイル」です。
木の家のサロン mocca の青木 めぐみ 先生にインタビューさせていただきました。
ライスオイルは、その名前の通りお米から抽出されるオイルです。
どちらかというと食用のほうが健康面で注目を集めていますが、保湿力も高くて美容面での効果・効能にも優れているため、オイル美容にもおすすめです。
実際、青木先生ご自身も普段のスキンケアでライスオイルを使用していて、サロンのトリートメント(マッサージ)でも使用しているといいます。
オイル美容では、保湿ケアや毛穴ケアにも使用できるそうです。
そんなライスオイルの効果・効能や使い方について、青木先生に話をお聞きしました。
目次
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)とは
・ライスオイルはオイル美容にも使用できる
・ライスオイルはキャリアオイルとしても使用できる
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)の効果・効能
・日本人の肌と相性のいい「和のオイル」
・皮脂成分を含むため肌なじみが良く保湿力も高い
・ライスオイルならではのエイジングケア成分を含む
・スーパービタミンEを含むため酸化しづらい
・料理に使用すると風味が落ちづらく酸化臭も軽減する
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)の使い方
・クリーム代わりにライスオイルでスキンケアを仕上げる
・毛穴の皮脂詰まりのケアに使用する
・クレンジングにも使用でき日焼けの予防にもなる
・精油を加えてアロママッサージオイルを作る
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)とは
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)は、玄米を精米機にかけたときに出る「米ぬか」から抽出されるオイルです。
ライスオイルはオイル美容にも使用できる
昨今ではテレビなどで、食用のライスオイルが健康にいいオイルとして注目を集めています。
食用のライスオイルは「米油」という商品名で、スーパーなどでも取り扱われています。
ただライスオイルは、美容面での効果・効能にも優れています。
私自身も、普段のお手入れに以前から使用しています。
ちなみに、食用と化粧品用のライスオイルでは、精製の度合いが違います。
化粧品用のライスオイルは、不純物がしっかり取り除かれていて、お肌にも安全して使用できるよう精製されています。
ですのでオイル美容には、化粧品用のライスオイルを使用するようにしましょう。
ライスオイルはキャリアオイルとしても使用できる
ライスオイルは、キャリアオイル(植物オイル)のひとつです。
キャリアオイルの「キャリア」には、「運ぶ」という意味があります。
それはどういうことかというと、アロマトリートメント(マッサージ)では精油を使用しますが、精油は少量の一滴にもたくさんの成分が含まれているため、お肌に直接塗布するには刺激が強いです。
それに、お肌に精油を一滴だけ垂らしても、その部分にしか精油の成分が行き届きません。
そこでアロマトリートメントでは、精油をキャリアオイルに希釈(きしゃく・濃度を薄めること)してトリートメントオイルを作ります。
それによって、精油の成分をお肌全体に広く行き渡らせることができるようになります。
キャリアオイルで、精油の成分を「運ぶ」・「キャリア」するのです。
キャリアオイルとしてはホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどが代表的ですが、ライスオイルもそのひとつです。
当サロンでも、ライスオイルをフェイシャルやボディのアロマトリートメントに使用しています
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)の効果・効能
日本人の肌と相性のいい「和のオイル」
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)はお米のオイルですので、日本人のお肌に合いやすいです。
ライスオイルと似たようなところでは、小麦からとれるオイルもあります。
ただ小麦アレルギーをお持ちの方は、そういったオイルは使いづらいです。
それに対して、お米のアレルギーをお持ちの日本人は、ほとんどいらっしゃらないでしょう。
実際、サロンのお客様にも、トリートメントにライスオイルを使用して肌トラブルが出た方はいらっしゃいません。
化粧品の製造会社を経営する友人も、「ライスオイルは肌トラブルが少なくて化粧品にもおすすめ」と話しています。
ライスオイルは、日本人に相性の良い「和のオイル」といえます。
皮脂成分を含むため肌なじみが良く保湿力も高い
女性の中には、オイルのべたつきが苦手な方もいらっしゃるでしょう。
ただライスオイルは、肌なじみがいいので、べたつき感もあまりありません。
そうしたライスオイルの浸透の良さは、オイルに含まれている成分に理由があります。
ライスオイルには、「オレイン酸」・「リノール酸」・「パルミトレイン酸」などが含まれています。
これらの成分は、お肌の皮脂(ひし・毛穴から分泌されている油分)にも多く含まれている成分です。
ですのでライスオイルは、お肌への浸透力に優れています。
それに保湿力も高くてお肌をやわらかくする作用もある、シワなどのケアにもおすすめです。
ライスオイルの効果・効能
【保湿効果など】
・肌への浸透力に優れて肌なじみが良い
・保湿力が高い
・肌をやわらかくする作用がある
など
ライスオイルならではのエイジングケア成分を含む
ライスオイルに含まれる成分でもっとも特徴的なのが、「γ-オリザノール(ガンマオリザノール)」です。
例えばオレイン酸は、オリーブオイルなどにも多く含まれています。
ただγ-オリザノールは、他のキャリアオイルにはあまりみられない含有成分です。
この成分は、お肌を保湿しつつ肌再生をサポートするのに役立ちます。
また、シミの原因となるメラニン色素を抑える作用が期待できます。
ですのでライスオイルは、シミのケアにも使用できますし、紫外線が強いシーズンなどにもおすすめです。
ライスオイルの効果・効能
【エイジングケア効果など】
・肌を保湿しつつ肌再生をサポートする
・シミの原因となるメラニン色素を抑える
など
スーパービタミンEを含むため酸化しづらい
オイルには、酸化がつきものです。
例えば揚げ物が冷めると、油の嫌な臭いが気になったりしませんか?
それは、油の酸化によるものです。
オイルが酸化すると、発ガン性の物質などが増えたりして身体にも悪影響を与えやすくなります。
そしてオイルは、種類によって酸化しやすいものと酸化しづらいものがあります。
酸化の早いキャリアオイルの場合、保管にも注意したほうがいいですし、早く使い切る必要もあります。
ライスオイルは、「スーパービタミンE」とも呼ばれるトコフェノールという成分が含まれていて、酸化しづらい性質を持っています。
ですので、オイル美容が初めてという方にも使用しやすいオイルです。
料理に使用すると風味が落ちづらく酸化臭も軽減する
ちなみに、ライスオイルが酸化しづらいのは、食用のオイルにもいえることです。
それも、ライスオイルが健康面でも注目されている理由のひとつです。
ですので、普段の料理でお使いの油を米油に置き換えるだけでも、身体にいいです。
ライスオイルはお米のオイルですので、特に和食料理に合いやすいですよ。
それに、例えばライスオイルを使用した揚げ物は、時間が経ってからも風味が落ちづらく、酸化臭の軽減にもつながります。
それもあって、市販の揚げ煎餅やポテトフライにも、ライスオイルを使用しているものもみられます。
ライスオイル(米油・米ぬかオイル)の使い方
クリーム代わりにライスオイルでスキンケアを仕上げる
私自身は、ライスオイル(米油・米ぬかオイル)をスキンケアの仕上げに使用しています。
普段のお手入れの流れをお話すると、まずクレンジングを行って、石鹸で洗顔を行います。
その後に、ハーブウォーター(精油を抽出するときに出来る副産物でハーブの水溶性の成分を含んでいる)を化粧水代わりに使用して、お肌の状態に合わせて美容液を使用します。
そしてお手入れの最後に、クリームの代わりにライスオイルを使用します。
先程もお話しましたが、ライスオイルはお肌への浸透性が高いので、べたつきもほとんど気になりません。
それでいて、しっかりと保湿してくれます。
ですので、クリームのべたつきが苦手な方でも使いやすいのではないでしょうか。
ちなみに私は、冬場でお肌の乾燥が激しいときは、ライスオイルに加えてシアバターを付けて保湿力を上げるようにしています。
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毛穴の皮脂詰まりのケアに使用する
汗をかきやすいシーズンになると、毛穴の皮脂詰まりのお悩みも増えてきます。
毛穴詰まりを取るには、毛穴パックなどの方法もあります。
ただ毛穴パックは、お肌への刺激もあるため、サロンでもあまりおすすめしていません。
毛穴の皮脂詰まりは、油の汚れです。
油の汚れは、油分で落とすことができます。
ですのでライスオイルは、そうした毛穴の皮脂詰まりのケアにも使用できます。
そのときはクレンジング後にまず、皮脂の詰まりが気になる場所にライスオイルをなじませます。
その後、ティッシュなどでオイルを優しく拭き取るだけです
そして、洗顔を行います。
ちなみにこの毛穴ケアは、ライスオイルをなじませた状態のまま、洗顔に移っていただいても大丈夫です。
ライスオイルの使い方
【毛穴の皮脂詰まりのケア】
1. クレンジングを行う
2, 毛穴の皮脂詰まりが気になる場所にライスオイルをなじませる
2. ティッシュなどでオイルを優しく拭き取る
4. 洗顔を行う
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クレンジングにも使用でき日焼けの予防にもなる
ライスオイルは、クレンジングに使用することもできます。
そのときの注意点としては、アイメイクを落とすときに、目にオイルが入リやすいです。
ですので目元のメイク落としは、少量のオイルで行うか、専用のアイメイク落としをお使いになるといいですよ。
それから、ライスオイルには「γ-オリザノール」が含まれているので、シミの予防にもなります。
ですのでライスオイルをオイル美容に取り入れることで、日焼けの予防にもつながります。
精油を加えてアロママッサージオイルを作る
ライスオイルは、単体でマッサージに使用することもできます。
それもいいですが、ライスオイルに精油を加えて、アロマトリートメントオイルを作るのもおすすめです。
当サロンでも、ライスオイルを基材(ベースとなる材料)にしてアロマトリートメントオイルを作り、それでボディやフェイスのトリートメントを行っています。
ちなみにボディマッサージには、ライスオイルだけの基材だけでは、少々粘度が高いかもしれません。
それもあってサロンでは、全身のトリートメントを行うときには、伸びが良くなるようにライスオイルに加えて、ホホバオイルなどをブレンドするようにしています。
ご自宅でアロマトリートメントオイルを作るときも、ライスオイル単体でもいいですし、別のキャリアオイルを加えてもいいですよ。
そして精油も、お好みでお選びいただいて大丈夫です。
トリートメントオイルの用途から考えると、例えばボディのマッサージには、「グレープフルーツ」・「ジュニパー」・「ゼラニウム」・「アスナロ(ヒバ)」などの精油もおすすめです。
お顔のマッサージには、「ネロリ」・「パルマローザ」・「フランキンセンス」・「クロモジ」などもおすすめです。
それで、アロマトリートメントオイルを手作りする場合、ボディ用のオイルでしたら、精油の希釈率は約1%が目安です。
フェイス用のオイルでしたら、それよりも少し薄い約0.5%を目安にするといいですよ。
【編集部補足】アロママッサージオイルの作り方
ライスオイルを使ったアロママッサージオイルの作り方をまとめます。
■ ボディ用
[材料]
・ライスオイル:10mL
・精油:2滴
[おすすめの精油]
グレープフルーツ、ジュニパー、ゼラニウム、アスナロ(ヒバ)、など
■ フェイス用
[材料]
・ライスオイル:10mL
・精油:1滴
[おすすめの精油]
ネロリ、パルマローザ、ゼラニウム、フランキンセンス、クロモジ、など
ちなみに、アロママッサージオイルの作り方は、下の記事でアロマセラピストさんに取材していますので、合わせてご覧になってみてください。
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ライスオイル好きにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です、ここまでが青木先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、ライスオイルにご興味のある方におすすめの化粧品をご紹介します。
ヴァーチェ マルラオイル
南アフリカで「神の木」とも呼ばれるマルラの木の実から採れる希少なエイジングケアオイルです。マルラの木が乾燥の厳しい環境で育つだけに高保湿で、アルガンオイルの約3.6倍の抗酸化力を備え、「ビタミンC・E」や「オメガ6・9」などの年齢肌に大切な成分を豊富に含んでいます。オイルとは思えないサラサラした質感が特徴で、肌にすっと浸透して油浮きの不快感もなく、オイル独特の匂いもほとんどありません。
●内容量:18mL
●通常価格:税別3,680円
美容家の感想
オイル苦手女子にもすすめられるサラサラ感!保湿力も高くて肌がふっくら!
オイルだけどサラサラで浸透がいいから肌にスッとなじんで、オイルのべたつきな苦手な方にもすすめられる使いやすさです。それでいて、オイルならではの保湿感は高くて、夜のお手入れの仕上げに使うと翌朝までうるおいが保てましたし、肌に弾力が出てふっくらして乾燥小じわも改善されました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
キレイの先生 ブースターミルク
うるおいが肌奥までギュッ!美容家も驚いた洗顔後すぐのミルク!
この『キレイの先生』に登場した美容のスペシャリストの先生方と開発した、洗顔後の最初のミルクです。
みずみずしいミルクがうるおいを肌の奥までギュッと引き込み、肌の水分保持成分の「セラミド」と「天然保湿因子」がそのうるおいを抱き込み、乾燥肌や年齢肌にはもちろん、肌がふっくら引き締まり毛穴ケアにもおすすめです。
●内容量:30mL
●通常価格:税別2,980円
開発協力者の声

みずみずしいミルクがうるおいを肌奥までギュッと引っ張りフワフワ肌の毛穴レスに!
まずは、ミルクのイメージを裏切るようなみずみずしさにびっくりしました。まるで乾いたスポンジに水分がギューッと入っていくみたいに、うるおいが肌の奥にギュッと引っ張られて、肌がフワフワにやわらかくなりました(笑)。それに、肌に透明感も出て、毛穴もキュッと引き締まって目立ちにくくなりました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
青木先生はインタビュー中、「もっとたくさんの方にライスオイルの魅力を知っていただきたい!」とおっしゃっていました。
たしかに食用の米油は広く知られるようになりましたが、オイル美容としてのライスオイルはなじみが薄いかもしれません。
ただ肌なじみが良く保湿力も高いですし、エイジングケアなどにも向いています。
お手入れの保湿ケアにもいいですし、毛穴ケアにも使用できます。
何より米ぬかから抽出されるオイルなので、日本人のお肌と相性がいいです。
ライスオイルは、オイル美容にもおすすめのオイルですよ。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:木の家のサロン mocca 青木 めぐみ 先生、「キレイの先生」編集部)
* 2016年6月6日に公開した『米油のすごい効能!美容効果ばっちりのライスオイルの使い方』を再編集しました。