「キレイの先生」編集部です。
このサイトでも、ニキビについて何回か取り上げてきましたが、そのたびに感じるのが、「本当に厄介な肌トラブルだな…」ということです。
ニキビは、毛穴が「炎症」を起こすトラブルです。
それだけでも、ニキビの厄介さが感じられるのではないかと思います。
今回のテーマは、「ニキビにおすすめの食べ物」です。
美容薬膳の講師をされていらっしゃる吉原 典子 先生に、漢方の観点から、お話しいただきました。
漢方では、ニキビをどう捉えることができるのでしょうか?
そして、どんな食べ物がニキビに良いのでしょうか?
吉原 先生に教えていただきました。
目次
漢方でのニキビの考え方
・「気」の滞りによるニキビ
・「血」の滞りによるニキビ
・「水」の滞りによるニキビ
ニキビに良い食べ物
・「気」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
・「血」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
・「水」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
本日のキレイの先生
白金美容薬膳
吉原 典子 先生
「キレイの先生」編集部
漢方とは
吉原 先生、よろしくお願いします。
今回は、「ニキビに良い食べ物」について、漢方の観点からお話しいただきたいと思います。
まずは、「漢方」について教えていただきたいのです。
漢方は「東洋医学」から来ていると思います。
そうですね。
ただ、「東洋医学」というと、インドの医学である「アーユルヴェーダ*」なども含まれます。
用語解説
「アーユルヴェーダ」は、インドの伝統医学です。
現在でも、インドでは、西洋医学と並んで用いられているといいます。
アーユルヴェーダについては、「「シロダーラ」とは?たくさんありすぎる効果の中から16つ」などでも取り上げました。
漢方は、「東洋医学」というより、中国の伝統医学である「中医学(ちゅういがく)」から来ている、といった方が正確かもしれません。
中医学は、中国で約4,000年前に生まれた医学です。
陰陽五行(いんようごぎょう)などがベースになって、「人も自然の一部」という考え方が根底にあり、漢方・漢方薬・薬膳・鍼*・お灸なども中医学に含まれます。
つまり、漢方は「中医学」の考え方ということですね。
漢方とは、どんなものか教えていただけますか?
漢方は、「漢方薬」の薬のイメージが強くありませんか?
はい、私もそのようなイメージがあります。
ただ、「漢方」という言葉は、江戸時代にオランダの医学「蘭方(らんぽう)」と分けるために、付けられたものです。
「漢」は「中国」、「方」は「医術」を表し、漢方は「中国の医術」という意味があります。
中医学は、奈良時代の頃から日本に入ってきて、歴史が深いですが、「漢方」と呼ばれるようになったのは、江戸時代からです。
では、「漢方」と呼ぶのは、日本だけなのですか?
はい、そうですね。
ここでは、便宜的に「漢方」という言葉を使いますが、漢方は、中医学の本場の中国では、どのように用いられているのですか?
中国では、生活の一部として、受け入れられています。
「おばあちゃんの知恵袋」のようなものでしょうか。
* 鍼については、「美容鍼の効果!顔に鍼を刺してたるみやほうれい線の改善にも」などでも取り上げています。
漢方でのニキビの考え方
では、「ニキビ」の話に移りたいと思います。
ニキビは、漢方の観点からみると、どのような状態と考えられるのですか?
それにはまず、中医学の「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の考え方からお話したいと思います。
人の身体には、気・血・水が流れていて、これらが充実してめぐっていると、健康といえます。
気・血・水とは、どんなものなのでしょうか?
「気」は、「元気」や「やる気」といったような、目に見えないエネルギー的なものです。
「血」は、栄養を運んでいるものです。
西洋医学の「血(ち)」と近いですが、まったく同じではありません。
中医学の「血」は、精神活動にも影響するといわれています。
例えば、血が不足していると、不眠・物忘れ・やる気が出ないなどにつながるといわれています。
「水」は、血液以外の身体の水分です。
涙や汗、唾液、髄液(ずいえき)などの体液を表します。
ニキビも、それらが関係していると、考えることができるのですね?
はい。
ニキビは、いくつかのタイプに分けて考えられます。
「気」の滞りによるニキビ
気が滞っている状態を、「気滞(きたい)」といいます。
感情的にイライラしたり、ストレスを抱えたりしていると、それがお肌に出て、吹き出物やニキビなどにつながります。
たしかに、ストレスはニキビにつながるといいます。
かゆみのあるニキビや、全身に出るニキビ、フェイスラインにブツブツと出るニキビなどは、「気」の滞りから来ていると考えられます。
ちなみに、気が滞ると、血と水の滞りにもつながります。
「血」の滞りによるニキビ
「血」の滞りは、血液がドロドロとした状態です。
例えば、川も流れているときれいですが、せき止められると汚くなると思います。
血でも、同じようなことが起きているイメージです。
滞りは、熱を生み出します。
その熱が、体内で行き場を失って体表に出ていくと、ニキビなどにつながります。
「赤ニキビ」のような炎症の強いニキビは、このタイプと考えられます。
「水」の滞りによるニキビ
「水」が滞ると、体内の余分な水分が、身体から出づらくなります。
それは、「湿(しつ)がたまって、除湿ができていない」状態です。
むくみのイメージです。
ジュクジュクしたニキビなどは、このタイプと考えられます。
ニキビに良い食べ物
漢方では、ニキビが「気」・「血」・「水」の滞っていると考えられることは、分かりました。
つまり、ニキビに良い食べ物とは、それらの流れを良くする食べ物ということでしょうか?
はい、その通りです。
「気」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
「気」のめぐりを良くするのは、香りの強いものが良いといわれています。
例えば、柑橘類などがそうです。
セロリ・春菊・菜の花・しそなどの春野菜は苦味があって香りが強いため、気のめぐりを良くし、解毒作用の効果が高いといわれています。
食べ物ではありませんが、アロマなども良いです。
また、ストレスがあると呼吸が浅くなるように、深呼吸も、気を流すのに良いです。
編集部のコメント
「気」の滞りから来るニキビについて、吉原 先生のお話をまとめます。
■ ニキビの特徴
・かゆみのあるニキビ
・全身に出るニキビ
・フェイスラインにブツブツと出るニキビ
など
■ おすすめの食べ物
・柑橘類
・春野菜(セロリ、春菊、菜の花、しそ、など)
など
「血」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
「血」のめぐりを良くする食べ物は、黒きくらげや、玉ねぎ、ピーマンなどが挙げられます。
また、セロリも血管をきれいにしてくれるので良いです。
編集部のコメント
「血」の滞りから来るニキビについて、吉原 先生のお話をまとめます。
■ ニキビの特徴
・炎症を起こした赤ニキビ
など
■ おすすめの食べ物
・きくらげ
・玉ねぎ
・ピーマン
・セロリ
など
「水」の滞りによるニキビにおすすめの食べ物
「水」のめぐりを良くする食べ物は、ハトムギなどが挙げられます。
ハトムギは、利尿作用があり、余分な水分を出す効果があります。
また、キュウリなどの瓜(うり)類も良いです。
ただ、身体を冷やす作用があるため、身体を温める食べ物と一緒に摂ると良いでしょう。
他には、アサリなどの貝類、昆布などの海藻類も、水分代謝を良くし、水の滞りに良いといわれています。
編集部のコメント
「水」の滞りから来るニキビについて、吉原 先生のお話をまとめます。
■ ニキビの特徴
・ジュクジュクしたニキビ
など
■ おすすめの食べ物
・ハトムギ
・瓜類(キュウリ、など)
・貝類(アサリ、など)
・海藻類(昆布、など)
など
まとめ
土生 先生の話をお聞きするまで、漢方は「漢方薬」のイメージが強かったです。
ただ、漢方の考え方は、日常生活に取り入れることができるといいます。
ニキビも、「気」・「血」・「水」の状態から捉えられ、そこから、どんな食べ物が良いのかを考えることができます。
肌トラブルを根本から解決するには、「外」からのスキンケアだけではなく、「内」からのケアも大切です。
それは、どのエステサロンの先生方もおっしゃることです。
土生 先生にご紹介いただいた、ニキビにおすすめの食べ物は、西洋医学的にも栄養が豊富なものが多いです。
ニキビにお悩みの方は、漢方の考え方を参考にして、食べ物を改善するのも良いと思いますよ。