「キレイの先生」編集部です。
「肌は腸の鏡」といいます。
例えば、腸の調子が悪くて便秘になっていると、ニキビなどの肌荒れの原因にもなります。
肌荒れが、お肌のお手入れ不足から来る場合もありますが、腸の状態から来ている場合も少なくありません。
今回は、K cookingsalon(ケークッキングサロン) の鈴木 かおり 先生に取材させていただきました。
鈴木 先生は、アトピー性皮膚炎でお悩みの方の食事改善などをレッスンされています。
こちらは、鈴木 先生の記事の前編で、腸とお肌の関係について、まとめます。
便秘が、ニキビなど肌荒れの原因になるのは、どうしてなのでしょうか?
そして、腸の調子が悪くなるのは、どんなことが原因になるのでしょうか?
鈴木 先生に教えていただきました。
目次
腸内環境が乱れる原因 br>
・1. 身体を冷やす食べ物 br>
・2. 身体を温めすぎる食べ物 br>
・3. 動物性の食べ物 br>
・4. 焼いた粉もの br>
・5. 生理前のホルモンバランス br>
・6. ストレス
本日のキレイの先生
K cookingsalon(ケークッキングサロン)
鈴木 かおり 先生
「キレイの先生」編集部
便秘でニキビなどの肌荒れに?
鈴木 先生、よろしくお願いします。
「肌は腸の鏡」という言葉があるように、お肌は腸と密接な関係があると思います。
まずは、腸がどのような働きがあるのかを教えてください。
腸は、消化器官で、「第2の脳」と呼ばれているほど大切な臓器です。
食べたものの栄養を吸収したり、不要なものを排出したりする働きがある他、造血作用(血を作る作用)もあります。
また、全身のリンパの60%が腸にあるとされ、人体最大の免疫器官でもあります。
リンパとは
リンパは、体内の老廃物を回収して排出したり、ウイルスを駆除したりする免疫作用があります。
腸が乱れていると、免疫力が低下します。
それによって、ウイルスに負けて病気になりやすくなったり、アトピーなどの症状がお肌に出やすくなったり、疲れやすくなったりして、数々の不調の原因になります。
便秘が、ニキビなどの肌荒れの原因になるともいいますね。
はい。
便は、排出するべき有害物質で、発ガン物質なども含んでいます。
便秘は、その便が体内に長くとどまっている、つまり、有害物質が腸内に長くとどまっている状態です。
すると、便が腸の中で発酵(腐敗)して、有毒なガスが発生します。これは、おならの元にもなるものです。
それが、腸壁から吸収され、血液を通じて全身をめぐるなどして、肌荒れの原因にもなります。
便秘でニキビなどの肌荒れに?
例えば、生ゴミをそのまま放置しておくと、腐敗して有毒ガスが発生すると思います。便秘で、便が腸内に長くとどまっているのは、それと同じことが体内で起こっているイメージです。身体には、明らかに良くないですよね。そして、有毒ガスが血液を通じて全身をめぐって、毛穴から排出されると、毛穴が炎症を起こしてニキビなどの原因になります。
腸内環境について
よく「腸内環境を整える」といいますが、そもそも、「腸内環境」とはどんなことをいうのでしょうか?
腸には、「腸内細菌」がいて、「善玉菌(ぜんだまきん)」・「日和見菌(ひよりみきん)」・「悪玉菌(あくだまきん)」に分けられます。
「善玉菌」は、身体に良い働きをしてくれる菌のことをいうのですよね。
はい。
例えば、「ラクトパチルス」という善玉菌は、病原菌の侵入を防いだりします。
通常、腸内細菌の20%が、善玉菌といわれています。
「悪玉菌」は、どのくらいの比率になるのですか?
約30%です。
すると、残りが「日和見菌」なのですね。
日和見菌は、どんな菌なのでしょうか?
状況によって、善玉菌に傾いたり、悪玉菌に傾いたりする菌です。
例えば、腸内で善玉菌が悪玉菌よりも優位になっていると、日和見菌は善玉菌と一緒に働きます。
逆に、悪玉菌の方が優位なときは、日和見菌は悪玉菌と一緒に働くのですね。
はい、そうです。
そのため、腸内環境を整えるには、日和見菌を善玉菌と働くようにすることが大切です。
腸内細菌について
腸内細菌について、まとめます。腸内細菌には、下の3種類があります。
・善玉菌:20%
腸内環境を整える
・日和見菌:70%
状況によって、善玉菌に傾いたり、悪玉菌に傾いたりする
・悪玉菌:10%
腸内環境を悪化させる
腸内環境を整える上で、腸内細菌の70%にあたる「日和見菌」がポイントになりそうです。日和見菌には、下のような特徴があります。
■ 腸内で善玉菌が優位なとき
日和見菌は、善玉菌と一緒に働く
■ 腸内で悪玉菌が優位なとき
日和見菌は、悪玉菌と一緒に働く
つまり、善玉菌を増やすことで、日和見菌が善玉菌の方に傾き、腸内環境を整えることにもつながります。
腸内環境が乱れる原因
腸内環境が乱れて、腸の働きが低下すると、肌荒れにもつながりやすいと思います。
先程お話のあった便秘なども、そうですね。
では、どんなことが、腸内環境の乱れる原因になるのでしょうか?
1. 身体を冷やす食べ物
便秘には2種類あって、ひとつが、腸がゆるんで蠕動(ぜんどう)運動が弱くなって、便秘になっている状態です。
それは、身体を冷やす食べ物が多い食生活などが原因になります。
身体を冷やす食べ物には、どんなものがあるのですか?
例えば、甘いものや、お酒、カリウムの多い果物・生野菜などです。
カリウムの多い果物・野菜
カリウムの多い果物・野菜には、例えば、スイカやキュウリなどがあります。夏の果物・野菜に多いイメージです。
これらの食べ物は、身体を冷やし、身体を縮める作用を持つ「塩(カリウム)」を身体の外に出して、身体をゆるめる作用があります。
すると、腸(大腸)の便を押し出す蠕動運動が弱くなって、便秘につながりやすくなります。
このような便秘のときは、身体を冷やす食べ物を避けて、味噌や塩を使ったり、よく煮込んだものを食べるようにしたりするのがおすすめです。
2. 身体を温めすぎる食べ物
もうひとつの便秘の種類は、腸が縮こまって働きが低下している状態です。
これは、身体を温めすぎる食べ物の多い食生活などが、原因になります。
お肉や魚、味の濃いおかずが多いと、内臓が熱を持って、便が固くなって出にくくなります。
このような便秘のときは、リンゴのすりおろしがおすすめです。
また、生のキャベツやトマトも良いです。
便秘の原因
便秘には、2種類あるといいます。それぞれ、どんな食生活が原因になるか、まとめます。
1) 腸の蠕動運動が弱くなる
身体が冷えてゆるむと、蠕動運動が弱くなって、便秘につながる。
[原因となる食べ物]
甘いものや、お酒、カリウムの多い果物・生野菜、など
2) 便が固くなって出にくくなる
内臓が熱を持ちすぎると、便が固くなって出にくくなり、便秘につながる。
[原因となる食べ物]
お肉や魚、味の濃いおかず、など
3. 動物性の食べ物
食べ物では、動物性の食べ物は、消化に時間がかかり、腸の中の滞在の時間が長くなると、腐敗の原因になる場合もあります。
そのため、お肉を食べるときは、その7倍の野菜を取ることをおすすめします。
「消化酵素」が、消化を助けてくれます
野菜をたっぷり食べて、消化を助け、余分なものを体外に排出する習慣を身に付けると良いです。
消化酵素について
消化酵素は、生の食べ物に含まれていて、消化を助けてくれます。そして、下の記事でも紹介していますが、食べ物から消化酵素を補うことで、健康や美容にも効果が期待できます。
4. 焼いた粉もの
パンなどの焼いた粉ものは、腸壁にへばりついてしまうため、できるだけ摂らないようにすることをおすすめします。
5. 生理前のホルモンバランス
生理前は、女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌される時期です。
それによって、腸の蠕動運動が抑制され、便が排出されにくくなります。
そのため、生理前は便秘になりやすいです。
ホルモンバランスについて
女性の身体は、月経の周期に合わせて、ホルモンバランスが変化し、心身の状態も変わっていきます。例えば、生理前は、ホルモンバランスの影響で、便秘になりやすいだけではなく、肌荒れなども出やすいです。
6. ストレス
後は、ストレスも、腸内の有害菌を増やして、善玉菌を減少させ、便秘などの原因になります。
ストレスは、腸の働きを低下させるともいいますね。
まとめ
「肌は腸の鏡」
その言葉の意味が、改めてよく分かった取材でした。
腸は、本当に大切な働きをしている臓器で、その状態がお肌にも表れます。
例えば、腸の働きが低下して便秘になると、ニキビなど肌荒れの原因にもなります。
そこで気になるのは、腸内環境を整えるには、どうしたら良いかいうことです。
鈴木 先生には、腸内環境を整えるのに良い食べ物も教えていただきました。
それは、肌荒れにも良い食べ物といえます。
どんな食べ物が良いかは、後編でまとめさせていただきます。
是非、こちらと合わせてご覧ください。
鈴木 先生の「肌荒れにいい食べ物」の記事