「キレイの先生」編集部です。
皆さまは、「筋膜」をご存知ですか?
私は筋膜のことを、「筋肉の膜」と書きますから、筋肉を覆っている膜のことをいうものだと思っていました。
それも間違いではありません。ただ、それだけではありませんでした。
そのことを、ロルフィング&筋膜リリースサロンfaro の児玉 美穂 先生に取材して知りました。
今回のテーマは、「筋膜リリース」です。
児玉 先生は、「ロルフィング」という手技を行っていらっしゃいます。
そのロルフィングには、筋膜リリースの要素が入っているとそうです。
児玉 先生には、筋膜リリースについてのお話から、顎のラインをすっきりさせる方法もご紹介いただきました。
そこで、記事を前後編で分けさせていただいています。
この前編ではまず、筋膜リリースについて、まとめさせていただきます。
児玉 先生の後編の記事
目次
筋膜とは
・役割
・癒着などによる影響
筋膜リリースとは
・効果
筋膜とは
「筋膜」は、骨・内蔵・神経・血管などを、パーツで包み込んで支えているものです。筋肉を覆っているだけではありません。
三次元的な構造になっていて、体内にくもの巣のように張りめぐらされています。
筋膜が体内のパーツを取りまとめて、身体を形作っているともいえます。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
筋膜は、筋肉を覆っているだけのものではない。
私は、そのスタートから勘違いをしていました。
筋膜は、骨や内蔵なども、パーツで包み込んでいるといいます。私が思っていた以上に、体内での筋膜の役割は大きいようです。
役割
筋膜には、大きくふたつの役割があります。
ひとつは、体内のスペース(空間)を保つことです。
筋膜を、セーターで例えてみます。セーターを洗濯すると、縮まってキツキツになると思います。
現代人は、それと同じ状態とお考えください。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
セーターが縮まってキツキツでは、身体を動かしづらいですよね。
筋膜が縮こまると、それに覆われている筋肉や内臓も、働きが悪くなるということでしょう。
筋膜のふたつめの役割は、身体をひとつにまとめることです。
「身体はつながっている」と言いますが、それは、筋膜が身体をひとつにまとめているといえます。
癒着などによる影響
筋膜は、ケガ・事故やストレスなどによって、縮んだり、くっついたり(癒着したり)、固くなったりします。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
怪我をすると、体内を均一な状態に保つことが難しくなります。
例え話として適しているか分かりませんが、スポーツ選手が怪我をして、身体がその怪我を無意識の内にかばって、別の場所を怪我してしまうということがあります。
とても体内が均一な状態とはいえませんね。
筋膜は、体内のスペースを保ち、身体をひとつにまとめている役割があるとのことです。
そのため、怪我をして身体のどこかに負荷がかかると、筋膜は縮んだり固くなったりしやすいといいます。
また、ストレスがあると、筋肉は緊張して固くなります。それが、周りの筋膜にも影響を与え、やはり縮んだりする原因になるそうです。
そうして、ある部分の筋膜が縮んでくっついたりすると、周りがそれに引っ張られ、身体の歪みになります。
つまり、筋膜が縮んだりすることは、そこのパーツが本来あるべきところではない場所に位置してしまうことといえます。
例えば、肩こりの人は、肩が「肩こりになりやすい場所」に位置している場合が多いです。その歪みによって引っ張られて負荷がかかることで、肩こりにつながります。
それは、腰痛などにも当てはまります。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
児玉 先生の話をお聞きして、筋膜のことを考えるのに、「本来あるべきところ」というのが、キーワードのように感じました。
例児玉 先生は、肩を例にしてお話しされましたが、肩にも「本来あるべきところ」があるはずです。
ただ、筋膜が縮まったり固くなったりして、肩がそことは違う場所に位置すると、周りはそれに引っ張られてしまいますよね。
少し大げさかもしれませんが、力ずくで引っ張られているようなものです。
すると、肩が痛んで、肩こりになってしまうのも分かりますよね。
筋膜は全身にありますから、筋膜の癒着は、身体にたくさんの影響を与えそうです。肩こりや腰痛は、そのほんの一部といえるかもしれませんね。
筋膜リリースとは
「筋膜リリース」とは、筋膜を「解放(リリース)」するということです。例えば、縮んだ筋膜を広げたり膨らませたりするイメージです。
私がサロンで筋膜をリリースするときは、お客様の症状に合わせて、方法を変えています。例えば、浅い層に働きかけるときは、タッチ(優しい圧で触れること)だけです。それに対して、深層へのアプローチが良いときは、しっかりと触れて適度な圧をかけます。
また筋膜は、「感覚のセンサー」を持っています。筋膜のその「感じる力」を引き出したいときは、短くて軽いタッチで調整能力を高める方法もあります。
効果
私の行っている「ロルフィング」は、筋膜を均一になるようにリリースしながら、本来あるべきところからずれたパーツを、元の場所に戻して、身体のバランスを整える技術です。
先程、肩こりの人は、肩が「肩こりになりやすい場所」に位置している場合が多いことをお話ししました。
肩こりも、筋膜をリリースして、肩を本来の楽な場所に持っていくことで、改善につながります。
それが、本来のきれいな姿勢を取り戻すことにもつながります。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
児玉 先生の話をお聞きすると、筋膜をリリースして、身体のパーツを「本来あるべきところ」に戻すことが大切なようです。
筋膜をリリースしただけでは、身体のパーツを「本来あるべきところ」に戻すことはできません。
筋膜が縮こまったり固まったりしているのを解放するのは、そのために必要なことといえそうです。
姿勢の悪さも、「本来あるべきところ」が関係していますよね。
例えば、私は猫背なのですが、それはどう考えても、上半身の各パーツが「本来あるべきところ」に位置しているとは思えません。
それを本来の場所に戻すためにも、筋膜をリリースすることが大切なのですね。
児玉 先生は、「本来のきれいな姿勢を取り戻す」という表現を使われました。「姿勢が良くなる」ではありません。
その意味が、少し分かったような気がします。
肩こりも「治る」ではないのです。きっと、「元の状態に戻る」なのでしょう。
筋膜リリースの効果は、身体のパーツを本来の場所に戻すための下準備といえそうです。
筋膜をリリースして、身体のバランスを整えることは、シェイプアップ(ボディメイク)の効果もあります。
例えば、ぽっこりと出たお腹は、腹筋と背筋のバランスが取れていない状態です。背筋が緊張しているのに対して、腹筋がゆるんでいることで、内蔵が前に突き出たようになっています。
筋膜をリリースし、内臓を本来の位置に戻すことで、ぽっこりお腹も改善につながります。
同じように、太ももが太くなるのも、足の外側に重心が流れて、外側が張るためです。重心を内側に戻すことで、太ももの太さも少しずつ改善することができます。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
児玉 先生の話をお聞きして、「たしかに、身体のパーツが本来あるべきところにあれば、身体の不調も出ないよね」と感じました。
肩こりにしろ、腰痛にしろ、身体のパーツが本来の場所からずれていることが、原因になっているのかもしれませんね。
それは、顔のたるみなどにも当てはまりそうです。
児玉 先生には、顎をすっきりさせる方法も教えていただきました。
それは、後編の記事でまとめさせていただきますので、合わせてご覧になってみてください。
児玉 先生の後編の記事
(取材:「キレイの先生」編集部 文:ロルフィング&筋膜リリースサロンfaro 児玉 美穂 先生、「キレイの先生」編集部)