今回のテーマは、「Tゾーンのケア」についてです。
大阪府大阪市都島区 エステティックサロン Ti Amo(ティモア)の渡邉 愛子 先生にインタビューさせていただきました。
Tゾーンは、おでこから鼻にかけての「Tの字」の場所のことをいいます。
皮脂の分泌が多くてべたつきやすいですが、意外とお手入れが行き届いていないケースも多いといいます。
そのため、Tゾーンは丁寧にお手入れを行いつつ、ケアが過剰にならないように気を付けることが大切だそうです。
そんなTゾーンのケアについて、渡邉先生に教えていただきました。
目次
Tゾーンはどんな肌悩みが起こりやすいか?
・Tゾーンは特に皮脂によるトラブルが起こりやすい
・生活習慣やスキンケア方法がTゾーントラブルの原因に
Tゾーンのケアの方法
・クレンジング・洗顔は丁寧に行って洗いすぎに注意する
・Tゾーンはスキンケアでの保湿も大事
・食べる順番などによっても肌の状態は変わる
・サロンでのTゾーンのケアについて
Tゾーンはどんな肌悩みが起こりやすいか?
渡邉先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「Tゾーンのケア」です。
まずは、Tゾーンは、どんな特徴がありますか?
Tゾーンは、お顔のUゾーン(頬や顎などの「Uの字」のライン)と比べると毛穴の数が多いため、皮脂(ひし・毛穴から分泌されている油分)の分泌量が多くてオイリーになりやすいパーツです。
たしかにTゾーンは、べたつきが起こりやすいですよね。
はい、特に若い子は、そうした毛穴のべたつきを気にして、一生懸命洗顔を行ったり毛穴パックを行ったりすることで、逆にトラブルを起こしてしまっている方もいらっしゃいます。
それから、大人の方に関しては、Tゾーンが乾燥されている方も多いです。
Tゾーンが乾燥することもあるんですか!?
はい、そうしたお肌の乾燥を防ごうとして、べたつきが出てくる場合もあります。
そうすると、同じTゾーンのべたつきでも、原因が違う場合もあるんですね…。
はい、そうですね。
それに、ご年配の方の中には、おでこの乾燥から粉をふいていたりシワが出ていたりする方もいらっしゃいます。
肌のべたつきの原因
皮脂は、肌表面で汗などの水分と混ざり合って天然の保護膜「皮脂膜」を作ります。皮脂膜は、皮膚の水分が蒸発するのを防ぐ役割などがあり、肌が乾燥していると、肌を保護するために皮脂の分泌が増える場合があります。
Tゾーンは特に皮脂によるトラブルが起こりやすい
Tゾーンは、どんな肌悩みが起こりやすいですか?
Tゾーンは、お顔の中では皮脂の分泌が多い場所ですので、特に皮脂によるお悩みが起こりやすいです。
例えば、毛穴の皮脂詰まりもそうです。
場所で分けていうと、鼻は、毛穴の黒ずみ・開き・ニキビ・テカリなどが起こりやすいです。
おでこも、そういった毛穴悩みも起こりますが、それよりも毛穴詰まりによるざらつきなどのほうが起こりやすい印象です。
それからおでこは、赤みが出たりくすんだりする場合もあります。
生活習慣やスキンケア方法がTゾーントラブルの原因に
日々の生活習慣で、Tゾーンの肌悩みの原因になることはありますか?
まずは、食事です。
例えば脂質の多い食べ物がお好きでよく食べられる方は、皮脂の分泌も増えやすいです。
それから、睡眠不足やストレスなども、皮脂の分泌に影響があります。
それに生理バランスも皮脂分泌に関係していて、特に生理前になると男性ホルモンの影響が強くなるので、皮脂の分泌も増えて肌トラブルも起こりやすくなります。
後は、便秘の方は、鼻にシミが出来やすかったりします。
普段のスキンケアで、Tゾーンの肌悩みの原因になることはありますか?
Tゾーンのテカリが気になるからといって、あぶらとり紙を頻繁に使ったり、ブラシでゴシゴシと洗ったりすることは控えていただきたいです。
特に、ブラシなどを使ってお顔を洗うと、お肌が陶器のようにツルツルになるので、つい頻繁にやりすぎてしまう方も多いようです。
そうすると、お肌に必要な角質(肌表面の古い肌細胞のことをいい肌のバリア機能の役割がある)までも剥がれ落としてしまいます。
それによって、肌表面の角質層(皮膚のいちばん表面にある約0.02mmの薄い層)がめくれてしまうと、お肌は余計に乾燥が進みますし、刺激にも弱くなって紫外線によるシミなども出来やすくなります。
それから、熱めのお湯やシャワーでお顔を流すことも、皮脂を取りすぎてしまってお肌が乾燥しやすくなるので、気を付けていただきたいです。
Tゾーンのケアの方法
クレンジング・洗顔は丁寧に行って洗いすぎに注意する
Tゾーンのクレンジング・洗顔でのポイントはありますか?
クレンジング・洗顔は、頬はこまめに洗っていても、Tゾーンの髪の生え際はしっかりと洗えていなかったり、小鼻のメイク汚れをきちんと取れていなかったりする方もいらっしゃいます。
Tゾーンは、皮脂分泌が多い場所だからこそ、きちんと洗いたいですよね…。
はい、ただその一方で、べたつきが気になるからといって、洗いすぎも良くありません。
お肌はデリケートなので、クレンジング・洗顔はゴシゴシと洗うのではなく、シルクを触るように優しく行っていただきたいです。
それは、Tゾーンにもいえることです。
それから、特に夏場などは、べたつきが気になって、一日に頻繁に洗顔を行う方もいらっしゃるようです。
ただ、クレンジング・洗顔は朝晩の2回で大丈夫です。
一日に何度も洗顔を行うと、逆に洗いすぎになってしまうんですね。
はい、後は、髪の生え際は、洗顔後のすすぎ残しも起こりやすく、それをタオルで拭いている方もいらっしゃいます。
洗顔は、頭にターバンを巻いて、まずは生え際の泡を洗い落としてから、お顔全体を洗うようにすると、そうしたすすぎ残しも起きづらいですよ。
ちなみに、すすぎ残しという点では、顎(あご)裏も、泡洗顔の泡が残りやすいので、お顔をすすいだ後は、鏡でそこに泡が残っていないかを確認するといいですよ。
Tゾーンはスキンケアでの保湿も大事
Tゾーンは、スキンケアでの保湿も大事なんですか?
はい、もちろんです。
中には、スキンケア化粧品を頬ばかりに付けて、鼻やおでこにはきちんと付けられていない方もいらっしゃいます。
Tゾーンはべたつきやすいので、化粧品を避けがちになっているのかもしれませんね。
ただ、Tゾーンもきちんと保湿していただきたいです。
スキンケアでの保湿でアドバイスはありますか?
おすすめのスキンケア方法は、季節によって変わります。
秋冬でしたら、化粧水はお肌に入る分だけ入れていただきたいです。
まずは、500円玉くらいの化粧水をお顔全体になじませて、おでこや鼻にも付けていきます。
それは、手でもコットンでも大丈夫です。
それから、美容液やクリームを多めに塗ります。
秋冬はお肌も乾燥しやすいですから、Tゾーンも含めて、たっぷりの化粧品で保湿を行うということですね。
はい、それに、秋冬は気温が下がって、身体の代謝も下がりやすい時期で、お肌を作る力も弱まりやすいです。
そこで、美容液で栄養をたっぷりと入れてあげれば、お肌の乾燥予防にもなりますし、お肌を元気にするのにも有効です。
そうして、秋冬の保湿をしっかり行うと、春先のテカリも起こりづらくなりますよ。
ちなみに、冬を終えて温かくなってきたら、お手入れはどう変えればいいですか?
春先になったら、化粧水は3度付けしてあげるのがおすすめです。
特に暑いシーズンは、汗で水分も出ていきやすいので、化粧水でその分を補いたいです。
ちなみに、温かくなるとTゾーンもべたつきが起きやすくなりますが、そういったときでも、スキンケアはクリームで仕上げたほうがいいんですか?
はい、保湿という点からも、クリームは使用していただきたいです。
食べる順番などによっても肌の状態は変わる
Tゾーンの肌悩みを防ぐのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?
腸の状態はお肌にダイレクトに表れますので、お食事はとても大事です。
先程のお話では、脂質の多い食べ物が、Tゾーンのベタツキなどの原因になるとのことでした。
つまり、食事は、脂質の多い食べ物を食べすぎないようにするということですか?
それもひとつですが、例えばお肉を食べるときも、生の野菜から食べるようにするといいですよ。
油ものを先に摂ると、血糖値が急に上がりやすく、脂肪が付く原因にもなります。
そういった食べ方の順番によっても、お肌は変わってきます。
それから、生活習慣という点では、睡眠不足や身体の冷えにも気を付けていただきたいです。
後は、おでこの髪の生え際は、シャンプーのすすぎ残しも起こりやすいです。
髪も生え際に残りやすいのは、洗顔の泡汚れだけじゃないんですね(笑)。
はい、そういったことにも、注意していただきたいです。
サロンでのTゾーンのケアについて
ちなみに先生のサロンでは、Tゾーンのケアにはどんなことを意識されていますか?
Tゾーンは、毛穴の開きなどが起こりやすいので、超音波洗浄(超音波を用いて毛穴汚れを取るケア)などでケアを行うことも多いです。
それから、乾燥がみられる方には、導入のケアも行っています。
後は、Tゾーンは毛穴開きなどが起こりやすいので、ご自宅でのダブル洗顔の方法や、お肌の乾燥されている方には、お家での保湿方法をアドバイスしたりしています。
まとめ
今回のインタビューで挙がった、Tゾーンのケアの方法をまとめます。
1. クレンジング・洗顔でTゾーンも丁寧に洗う(髪の毛の生え際、小鼻、など)
2. クレンジング・洗顔は、シルクを触るように優しく行う
3. すすぎ残しがないように気を付ける(髪の生え際、顎の裏、など)
4. べたつきが気になっても、鼻やおでこにもスキンケア化粧品をきちんと付けて保湿する(スキンケアの最後はクリームで仕上げる)
5. 食事のバランスや食べる順番に気を付ける(例えばお肉を食べるときは生の野菜から食べるようにする、など)
6. 髪の生え際のシャンプーのすすぎ残しに気を付ける
Tゾーンは、皮脂の分泌が多くてべたつきやすい場所ですが、意外とお手入れが行き届いていないケースも多いです。
そのため、Tゾーンは丁寧にお手入れを行いつつ、ケアが過剰にならないように気を付けることが大切といえそうです。
Tゾーンのべたつきなどが気になっている方は、渡邉先生のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?