楽しいと笑顔になる、感情がお顔にも表れるのは、皆さんもお分かりになるのではないかと思います。ただ逆に、お顔から心に働きかけることもできます。私が「リバースセラピー」の内容と合わせ、その不思議な関係性について、ご紹介させていただきます。
心と身体の深いつながり
まずは、心と身体が深いつながりがあることを実感いただきたいと思います。
私は「キネシオロジー」という方法を使って、患者様の身体の声を聞くようにしています。問診ではなく、患者様の身体の反応から答えを導く技法です。
いくつか方法はあるのですが、そのひとつをご紹介させていただきます。
親指と人差し指で円を作って、ご質問をして、他者が円を引っ張り開こうとします。そのときの反応が、身体の答えと捉えることができます。
■ 身体の反応と答え
・円が開きにくい:Yes
・円が簡単に開く:No
心と身体の関係を実感できる簡単な方法
この技法のご紹介だけでは、心が身体の反応に表れることは、あまりご実感いただけないかと思います。
皆さんにも、どなたかに協力していただき、試していただきたい簡単な方法があります。
1)
まずは肩幅くらいに足を広げて立ちます。
2)
後ろに立った協力者に、肩をどちらかの方に押してもらいます。
そのとき、あなたはその力に抵抗してください。
3)
では、「好きな人・もの」を思い浮かべながら、同じことを試してください。
次は「苦手な人・もの」を思い浮かべて行ってください。
結果はどうでしたでしょうか? おそらく、下記のようなものになったのではないでしょうか?
・好きな人・もの → 力が入り踏ん張れる
・苦手な人・もの → 力が入らなくて抵抗しているつもりでも押し流される
面白いことに、私たちの身体は、好きな人・ものを思い浮かべているときは、力が入り、苦手な人・ものを思い浮かべているときは、あまり力が入らないのです。
最初にご紹介した、指で円を作るキネシオロジーも、同じ原理です。心の答えを身体の反応で聞くのです。
このように、心と身体は密接な関係があります。それはもちろん、お顔も同じです。
お顔を引き上げて心も癒す
私は「リバースセラピー」で、お顔をリフトアップしながら、カウンセリングを行います。
これも、簡単に実感いただけますので、皆さんもお試しになってみてください。
まずは、「おでこ」と「頬」に手を置きます。
そして、苦手な人のことを思い浮かべてください。
その状態で、お顔を引き下げてみましょう。
頭に思い浮かべている苦手な人に、なにか変化はありましたか?
さらに苦々しく感じたり、暗い気持になったりしたのではないでしょうか?
では、今度はお顔を引き上げて、苦手の人のことを思い浮かべてください。そして一度、深呼吸します。
すると、その方の表情が少し優しく感じませんか?
苦手だと感じていた想いも和らいだのではないかと思います。
感情がお顔に表れるのは、もちろんですが、このようにお顔をリフトアップすることで、心を和らげることもできるのです。
口角が上がると、幸せホルモンといわれる「セロトニン」の分泌を促すので、その作用もあるのでしょう。
「リバースセラピー」では、このようにお顔をリフトアップしながらカウンセリングすることで、思い込みを外して心を癒していきます。
※前回の記事でご紹介しましたが、右脳と左脳では、役割や特徴が違い、その状態は逆側の半身に表れます。そのため、右脳に関するテーマをケアするときは、お顔の「左」側をリフトアップしてカウンセリングを行います(詳細は「「両親のこんなところが苦手」その意識が顔の崩れの原因に?」をご覧ください)。
まとめ
このように、リフトアップは美容にはもちろん、実は心にも良いことなのかもしれません。
皆さんもリフトアップしながら、心も安らげてみてはいかがでしょうか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:健太郎漢方針灸 松浦 健太郎 院長、「キレイの先生」編集部)