「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「むくみにおすすめのお茶や食べ物」です。
京都府京都市 漢方養生サロンflow の宮垣 よしえ 先生にインタビューさせていただきました。
先生は、漢方養生(ようじょう)のサロンを運営されており、漢方茶なども取り扱われています。
そんな先生に、漢方からの視点を中心に、むくみにおすすめのお茶や食べ物を教えていただきました。
目次
むくみの原因
・むくみが起こりやすい場所は?
・生活習慣で原因になること
むくみにおすすめのお茶や食べ物など
・むくみにおすすめのお茶
・むくみにおすすめの食べ物
・むくみ解消に生活習慣で心がけたいこと
むくみの原因
宮垣先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「むくみにおすすめのお茶や食べ物」です。
先生のサロンのお客様にも、むくみを気にされている方は多いですか?
はい、多くおられます。
むくみは、何から起こるんですか?
当サロンは、漢方養生をお伝えしているのですが、その漢方は元々、中医学の考えからきています。
漢方では、「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの要素が体内をめぐることで、身体を健康に保っていると考えられています。
その内のどれかが不足したりめぐりが悪くなったりすると、身体に不調が表れるとされています。
むくみは、その気・血・水の中で、水のめぐりが悪くなった状態です。
漢方でいう水(すい)は、水分のことでいいんですか?
水は、「血液以外の水分」のことを表します。
例えば、リンパ液(体内の老廃物を回収して排出する役割がある)もそうですし、消化液やだ液もそうですね。
その水のめぐりが悪くなると、むくみが起こるんですね?
はい、水のめぐりが悪くなると、水滞(すいたい)や水毒(すいどく)が起こると考えられています。
水滞というのは、漢字の通り、水が滞(とどこお)っている状態ということだと思います。
水毒というのは、何なんですか?
水毒も、水滞と近いのですが、水が身体に悪さを引き起こすという意味があります。
むくみが起こりやすい場所は?
身体の中では、どこにむくみが出やすいですか?
いちばんは、下半身です。
たしかに、足はむくみやすいですよね。
それは、漢方的にも理由があるんですか?
自然現象では、熱は上昇して、冷たいものは下に落ちます。
人間の身体も、それと同じで、熱は上のほうに上がりやすく、冷たい水などは下のほうにたまりやすい作用があると考えられています。
それで、下半身はむくみやすいんですね…。
はい、それから、五臓(ごぞう)のどこが弱まっているかによって、下半身だけではなく、お顔や手足にむくみが起こることもあります。
五臓というのは、内臓のことですか?
中医学的には、例えば、呼吸器系の働き・消化器系の働き・泌尿器(ひにょうき)系の働きといったように、臓器そのものというよりも、その働きのことを指します。
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生活習慣で原因になること
日々の生活習慣で、むくみの原因になることはありますか?
むくみの3大原因は、身体の冷え、運動不足、甘いものの摂りすぎです。
まずは、身体の冷えは、むくみのいちばんの原因といえます。
身体が冷えると、体内のめぐりも悪くなります。
それから、立ちっぱなしだったり座りっぱなしだったりして、仕事で同じ姿勢を続けられて、むくみの出る方もいらっしゃいますが、それは、運動不足が関係してきます。
それから、甘いもの…特に、白いお砂糖を使ったものや乳製品は、身体に水をためやすい性質があります。
ですので、そういったものの摂りすぎも、むくみの原因になります。
むくみの3大原因
1. 身体の冷え(体内のめぐりも悪くなる)
2. 運動不足(例えば、仕事で同じ姿勢が続くことでむくみが起こるのは、運動不足が関係してくる)
3. 甘いものの摂りすぎ(特に、白砂糖を使った食べ物や乳製品は、身体に水をためやすい)
むくみにおすすめのお茶や食べ物など
先生のサロンでは、むくみを解消するのに、どんな施術・ケアが効果的ですか?
サロンでは、まずは、体質診断をさせていただいて、その方のむくみが、身体の冷えから起こっているのか、運動不足から起こっているのか、甘いものの摂りすぎから起こっているのか、原因を調べていきます。
さらに、水だけではなく、気や血も滞っていないかということも調べて、その方に適切なケアを行っています。
例えば、冷えからむくみが起きている方でしたら、玄武岩(げんぶがん)を使った「ホットストーン」で、足のほうから身体の深部まで温めていく施術を行ったりします。
血も滞っているような場合は、その滞りがみられる場所に「カッピング」を行い、血流を良くするような施術も行っています。
後は、足裏から施術する「リフレクソロジー」などもさせていただいています。
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むくみにおすすめのお茶
先生のサロンでは、漢方茶などもお取り扱いされているとのことでしたが、むくみにおすすめのお茶はありますか?
漢方の素材の中には、利尿(りにょう)作用や、水分の代謝を促す作用のある素材があります。
それには、例えば、黒豆やハトムギ、とうもろこしのひげ、ショウガ、「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれるミカンの皮などが挙げられます。
それらは、お茶として飲めるんですか…?
はい、普段飲んでいるお茶に…例えばほうじ茶などに、黒豆やハトムギなどをプラスして飲んでいただくのもいいですよ。
生薬を煮出した漢方薬を摂ることもできますが、普段のお茶に加えるのがお手軽ですし、サロンのお客様にもそれをおすすめしています。
ちなみに、いま挙がったような素材は、一般でも手に入るんですか…?
はい、大丈夫ですよ。
例えば、ミカンの皮の「陳皮」などは、ご自分で作ることもできますが、漢方薬局でしたら、そういった素材は必ず置いてあると思います。
後は、例えばドラッグストアでは、「黒豆茶」・「ハトムギ茶」・「とうもろこしのひげ茶」など、あらかじめお茶になっている商品が取り扱いされていたりもします。
むくみにおすすめのお茶
・黒豆
・ハトムギ
・とうもろこしのひげ
・ショウガ
・陳皮(ミカンの皮)
など
むくみにおすすめの食べ物
では、むくみにおすすめの食べ物はありますか?
豆類は、利尿作用があって身体の水分の排出を促してくれるようなものが多いです。
例えば、黒豆もそうですし、小豆(あずき)や緑豆(りょくとう)などもそうですね。
緑豆というのは、日本ではまだあまりなじみが薄いかもしれませんが、もやしに使われる豆のことです。
そういった豆を、砂糖で味付けするのもひとつですが、特に味付けはせずにゆがいて(煮て)、サラダなどに使ったりするのもいいですよね。
ビーンズサラダですね。
それから、雑穀(ざっこく)は…特にハトムギは、めぐりを良くしてくれる食材です。
スーパーなどの雑穀コーナーには、精製したハトムギがあったりするので、それをお米に混ぜて炊いていただくのもいいですよ。
後は、昆布やワカメなどの海藻類も、利尿作用があります。
むくみにおすすめの食べ物
・豆類(黒豆、小豆、緑豆、など)
・雑穀(ハトムギ、など)
・海藻類(昆布、ワカメ、など
むくみ解消に生活習慣で心がけたいこと
むくみを改善するのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?
まずは、身体を冷やさないことが大事です。
梅雨時もむくみが起こりやすいですが、その水で、身体が意外と冷えていたりします。
ですので、入浴をしっかりして、身体を温めていただきたいです。
それに、足湯などもいいですね。
それから、軽い運動です。
汗をダラダラとかくような激しい運動ではなくて大丈夫なので、下半身の筋肉を動かすようなウォーキングや、階段の上り下りもおすすめです。
それで、リンパのめぐりを良くする効果もあります。
後は、むくみやすい方は、甘いもの…特にスイーツ系の摂りすぎには気を付けていただきたいです。
サロンのお客様にも、甘いものを控えるようにしただけで、むくみが解消されたという方もいらっしゃいました。
まとめ
むくみは、漢方的には、水(すい)のめぐりが悪くなっていると考えられるとのことでした。
むくみを解消するには、外からマッサージなどを行うのもひとつの方法ですが、中からのインナーケアも大切です。
むくみが気になっている方は、宮垣先生に教えていただいたお茶や食べ物を取り入れてみてはいかがでしょうか?