今回のテーマは、「口輪筋の鍛える方法」です。
顔ヨガインストラクターの笹田 千洋 先生にインタビューさせていただきました。
口輪筋は口周りにある筋肉で、衰えが進むと、口角が下がって口元がたるむだけではなく、顔全体にも影響があります。
口輪筋を鍛えるには顔のエクササイズを行うのもひとつですが、日常生活の中で手間をかけることなくトレーニングできる方法もあるといいます。
そんな口輪筋のトレーニング方法について、笹田先生に話をお聞きしました。
目次
口輪筋の衰えによる影響について
・口輪筋の衰えは口周りだけではなく顔全体に影響を与える
・加齢に加えて口輪筋を使えていないことでも衰えが進む
口輪筋を鍛える方法
・ストローをくわえるだけで口輪筋のトレーニングに
・「あいうえお」と大きく発音するのもおすすめなど
・人とコミュニケーションをとって笑うことも大事など
・口輪筋を鍛えるにはフェイシャルヨガもおすすめ
口輪筋の衰えによる影響について
笹田先生、よろしくお願いします、今回のテーマは「口輪筋の鍛え方」です。
まず口輪筋は、どんな筋肉なんですか?
口輪筋は、唇の周囲を囲んでいるドーナツ状の表情筋(表情を形作る顔の筋肉)です。
唇を閉じたりすぼめたりする働きがあります。
口輪筋の衰えは口周りだけではなく顔全体に影響を与える
口輪筋が衰えると、どんな影響があるんですか?
お顔の筋肉が衰えてくると、重力の影響もあって下がってきてたるみなどが起こりやすくなります。
それは、口輪筋にもいえることです。
口輪筋が衰えてくると、口角も下がってきますし、口元のたるみにもつながります。
ちなみに口角が上を向いているか下を向いているかで、表情の印象も大きく変わります。
例えば口角が下がっていると怒っているようにみえやすいですし、逆に口角が上がっていると笑っているようにみえやすくなりますよね。
そうした口角の向きによるお顔の印象にも、口輪筋は大きく関係しています。
それから、筋肉が衰えて痩せてくるとハリもなくなってきて、シワも出やすくなります。
ですので口輪筋の衰えると、鼻の下や顎(あご)のあたりなどの口周りにシワも出やすくなります。
例えばご年配の方で、口周りに梅干しのようなシワが出ている方もいらっしゃいませんか?
そうしたシワは、口輪筋の衰えによることも考えられます。
それに、唇の縦ジワなどもそうですね。
後は、口輪筋の特徴として、お顔全体の表情筋と放射線状につながっていることがあります。
ですので口輪筋の状態は、お顔全体にも影響を与えやすいです。
口輪筋の衰えから、例えばほうれい線や二重顎につながる場合もありますし、お顔全体のたるみにつながることもあります。
それに、お顔全体の表情筋も動きづらくなって、表情も乏しくなりやすいです。
口輪筋は顔全体の表情筋をつながっているからこそ影響範囲も大きいんですね(苦笑)。
他に、口輪筋の衰えによる影響はありますか?
例えば食べ物をうまく飲み込めない原因にもなりますし、発音が鈍くなったりすることにもつながります。
後は、口輪筋の衰えとは少し違いますが、表情の癖による口輪筋の使い方によっては、お顔の左右で歪みが出たりもしますね。
加齢に加えて口輪筋を使えていないことでも衰えが進む
口輪筋が衰える原因になることはありますか?
やはりいちばんは、加齢でしょうか。
口輪筋に限ったことではありませんが、お顔の表情筋も身体の筋肉と同じように、年齢とともに衰えが進みます。
それから、普段あまり口輪筋を使えていないことも大きいですね。
筋肉は使っていないと衰えが進みますもんね。
はい、特にいまの時代は、人と会話しなくてもスマホやパソコンだけで意思疎通が行えますよね。
そうして口輪筋をあまり動かせていない方は多くいらっしゃいます。
それは、現代ならではの環境といえるかもしれませんね(苦笑)。
そうですね、小さなお子様でもゲームしている時間が長くなった印象があります。
それで、お友達と話すのではなく、ゲームの中でやりとりを行っている子もいますよね。
そうして普段からあまり口輪筋を使えていなくて、中には、口がパカーンと開いてしまっているようなお子様も見受けられます。
先生はフェイシャルヨガのインストラクターをされていますが、生徒さんの中にも、口輪筋の衰えがみられる方はいらっしゃいますか?
はい、唇をうまくすぼめられない方もいらっしゃいますし、口周りに梅干しのようなシワがみられる方もいらっしゃいますよ。
口輪筋を鍛える方法
口輪筋を鍛えることで、どんな効果を得られるんですか?
口角が上がりやすくなりますし、口元のたるみにもいいです。
それに、口周りや唇のシワにもいいです。
リップクリームがいらないようなプルプルの唇になったりもしますよ。
それに先程もお話ししましたが、口輪筋は、周りの表情筋と放射線状につながっています。
筋肉は刺激を与えることで活性化する面もあります。
ですので口輪筋を刺激することで、周りの表情筋にも刺激が行きます。
それによって、お顔全体のたるみのケアにもなります。
もちろん口輪筋を鍛えるだけで、お顔のたるみが改善するわけではありません。
ただお顔全体のことを考えても、口輪筋を鍛えることは大切ですよ。
他に、口輪筋を鍛えることによる効果はありますか?
例えば滑舌(かつぜつ)が良くなることにもつながりますね。
ストローをくわえるだけで口輪筋のトレーニングに
口輪筋を鍛えるには、ホームケアでどんなことができますか?
例えば、ストローをくわえて飲むポーズをとるだけでもいいです。
え、それだけでいいんですか(笑)。
はい、もしくは、歯ブラシを口でくわえるのでも大丈夫です。
そのときは、歯ブラシが落ちないようにキープしましょう。
歯ブラシを使えば、歯磨きのときに「ながら」で行うことができますね。
そうしてストローなどをくわえると、口輪筋がそれを支えてトレーニング効果を得られます。
それは何秒くらい、くわえておけばいいんですか?
10秒くらいはキープしていただきたいです。
たった10秒でいいんですか(笑)!?
そう思われるかもしれませんが、普段あまり口輪筋を使えていないと、10秒でもそれが難しい方もいらっしゃいますよ(笑)。
ちなみに口輪筋を鍛えるには、唇をすぼめて、小指一本分が入るくらいのスペースを空けた状態でキープするエクササイズも効果的です。
それが難しかったり感覚をつかめなかったりする方は、ストローなどをくわえることで、その代用になります。
「あいうえお」と大きく発音するのもおすすめなど
他に、口輪筋を鍛えるのにおすすめのエクササイズはありますか?
例えば、口笛を吹くような口の形をキープするのもひとつです。
それによって、口輪筋に力が入るのでトレーニングになります。
後は、「あ・い・う・え・お」と大きく発音するのもおすすめです。
発音は長年の癖がついている方も多いので、そのときは口の形にも意識を向けましょう。
「あ」は、口を大きく開きます。
「い」は、口角を真横に引くようなイメージで発音しましょう。
「う」は、口をすぼめて唇を前に突き出します。
「え」は、口角を持ち上げることを意識します。
それで「お」は、鼻の下を伸ばして口が縦長の丸の形になるように発音します。
人とコミュニケーションをとって笑うことも大事など
他に、口輪筋を鍛えるのにできることはありますか?
直接口輪筋に効くわけではないですが、口の中で舌を回す「舌回し」もいいですね。
舌回しは、口輪筋というよりも、舌を動かす「舌筋(ぜっきん)」という筋肉に主にアプローチできます。
そうして舌筋を使うことで、口輪筋に刺激を与えることもできますので、口輪筋のトレーニングにもつながります。
後は、人とコミュニケーションをとって笑うことです。
いまの時代はスマホやパソコンなどで8割がた、うつむき加減の姿勢になっているのではないでしょうか。
そうすると、口角も下がったままです。
ですので人と接して、笑って口角を上げていただきたいです。
それは口輪筋を使うだけではなく、メンタル面での相乗効果もありますよね。
口輪筋を鍛えるにはフェイシャルヨガもおすすめ
先生がインストラクターをされているフェイシャルヨガとは、何ですか?
お顔の筋肉を使ってポーズをとっていく表情筋のエクササイズです.
お顔の表情筋は、全体で60種類くらいあるといわれています。
フェイシャルヨガでは、そうしたお顔の筋肉をまんべんなく動かしていきます。
もちろん口輪筋もそのひとつです。
そうすると口輪筋を鍛えるのにも、フェイシャルヨガはいいんですか?
はい、フェイシャルヨガには口輪筋を鍛えるためのポーズもありますので、おすすめですよ。
まとめ
口輪筋を鍛えるには、何か特別なエクササイズを行う必要はありません。
ストローや歯ブラシなどを口にくわえるだけでも、口輪筋のトレーニングになります。
歯ブラシをくわえる場合は、歯磨きのときに一緒に行えるので手間もかかりませんね。
口輪筋は放射線状に顔全体の表情筋につながっていますから、衰えが進むと、口周りだけではなく顔全体に影響を与えます。
そういった点でも、口輪筋を鍛えることは大切ですよ。