今回のテーマは、「お肌のかゆみ」です。
大阪府泉佐野市 エステティックサロン Mu(ミュウ) の大田 みゆき 先生にインタビューさせていただきました。
大田先生は、第8回エステティクグランプリでフェイシャル技術部門の準グランプリを受賞されたエステティシャンでいらっしゃいます。
お肌のかゆみは、乾燥が進んでバリア機能が低下することから起こるといいます。
そのため、お肌のかゆみを改善するには、スキンケアでの保湿も大切ですし、クレンジング・洗顔で洗いすぎないことにも気を付けたいです。
お肌のかゆみの原因や改善方法について、大田先生に教えていただきました。
目次
肌のかゆみの原因
・肌のかゆみは乾燥によるバリア機能の低下によって起こる
・肌のかゆみは生活習慣や間違ったお手入れが原因に
肌のかゆみを改善する方法
・スキンケア化粧品で違和感があれば使い方を変えるなど
・クレンジング剤のタイプを間違えないことなどが大事
・生活習慣で心がけたいこと
・肌のかゆみの改善におすすめのサロンケアは?
肌のかゆみの原因
肌のかゆみは乾燥によるバリア機能の低下によって起こる
大田先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「お肌のかゆみ」です。
お肌のかゆみは、何によって起こるんですか?
いちばん大きな要因は、お肌の乾燥です。
どうして、お肌の乾燥でかゆみが出るようになるんですか?
お肌の乾燥がひどくなると、敏感肌に変わっていきます。
それは、お肌のバリア機能(外部の刺激から皮膚を保護したりする働き)そのものが低下している状態といえます。
特に、肌表面には「セラミド」という肌細胞と肌細胞をくっつけるセメントのような成分があるのですが、その成分の量が60%以下になると、お肌のかゆみも出るといわれています。
セラミドは、お肌のバリア機能を構成している成分のひとつですよね。
はい、そうですね。
そうしたお肌のバリア機能の低下によって、お肌は、外部のちょっとした刺激に反応しやすくなります。
例えば、お肌に風が当たったり花粉が少し付いたりしただけで、かゆみが出たりします。
それが、お肌のかゆみの原因なんですね…。
はい、ちなみに、お肌の水分を保つ機能がかなり低下すると、肌表面の細胞が剥がれやすくなって、粉をふきやすくなります。
そうすると、外部環境に最初に接触する角質(肌表面の古い肌細胞)がめくれている状態ですので、細菌なども入りやすくなって、少しの刺激でさらにかゆみが出やすくなります。
ちなみに、顔の中で、かゆみが生じやすい場所はあるんですか?
例えば頬は、乾燥しやすくて風も当たりやすいですので、かゆみが出やすいです。
後は、口周りなども乾燥しやすいので、そうですね。
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肌のかゆみは生活習慣や間違ったお手入れが原因に
日々の生活習慣で、お肌のかゆみの原因になることはありますか?
ひとつは、環境による影響があります。
例えば、冬は空気が乾燥しているので、特に冬の風は、お肌の水分も蒸発させやすいです。
それに、冷暖房やオフィスの空調も関係してきますね。
それから、血行不良は、お肌にも良くありません。
お肌への栄養も血液から届けられていますので、血行が悪いと、お肌に栄養が行き渡りづらくなり、お肌の乾燥の原因になるだけではなく、敏感肌へと移行しやすくなります。
血行不良の原因としては、寝不足・疲労・ストレス・身体の冷えなどが挙げられます。
ちなみに栄養という点では、ダイエットや偏食も栄養不足の原因になりますね。
後は、紫外線にも気を付けていただきたいですし、更年期のホルモンバランスの乱れもお肌の状態に関係してきます。
普段のスキンケアで、お肌のかゆみの原因になることはありますか?
大きいのは、間違ったクレンジング・洗顔です。
例えば、ご自分の肌質に合わない洗浄力の強すぎるクレンジング剤を使用するのは、良くありません。
それから、寒い時期は、洗顔なども高温のお湯が心地よく感じるかもしれませんが、それは、お肌にとっては熱すぎるので、そういったところにも注意していただきたいです。
すすぎのお湯は、手で触って少し物足りないくらいの31~32度の温度が理想です。
肌のかゆみを改善する方法
スキンケア化粧品で違和感があれば使い方を変えるなど
お肌のかゆみは、乾燥から起こるとのことでしたので、スキンケアでの保湿も大事だと思います。
はい、保湿効果の高いスキンケア化粧品は有効ですよ。
ただ、お肌のかゆみに限ったことではありませんが、ご自身の肌タイプを知って正しいお手入れを行うことが、いちばんの基本です。
それは、ご自分ではなかなかわからないと思うので、エステやコスメカウンターなどでプロの方にみてもらって、まずは、ご自分の肌タイプを知ることがおすすめです。
それによって、正しいお手入れも行えるようになります。
ちなみに、お肌のかゆみが出ているときは、化粧品を変えたほうがいいんですか?
普段使いの化粧品で、どこに違和感があるのかをチェックして、使い方を変えていくのも、ひとつですよね。
お使いの化粧品のラインにもよりますが、例えば化粧水がしみるときは、洗顔後いきなり化粧水を付けるのではなく、先に美容液を付けるのもいいです。
逆に、栄養価の高い美容液がしみるときは、例えると、胃腸が弱っているときにステーキのようなご馳走を食べさせているような状態とも考えられます。
体調不良のときにステーキは重たいですね…(苦笑)。
はい(笑)。
ですので、そういうときは、美容液をお休みして、化粧水とクリームでお手入れをするのもいいですよ。
肌のかゆみの改善方法
・化粧水がしみる場合:先に美容液を付けてから、化粧水を付ける
・美容液がしみる場合:美容液をお休みする
お肌のかゆみを改善するのに、化粧水やクリームのアドバイスはありますか?
基本的に、化粧水は3回付けていただきたいです。
サロンのお客様には、「過去のお肌、いまのお肌、未来のお肌のために、3回付けてくださいね」とお伝えしています。
そう考えると、化粧水を3回付ける意味がわかりやすいです(笑)。
それから、市販の乳液には、肌表面に膜をおおってしまうものもあるので、乳液を美容液に変えて、最後はクリームで仕上げるのも、ひとつです。
そして、お肌のかゆみがあるときは、クリームも多めに付けていただくといいですよ。
そのときも、いちどに大量を付けるのではなく、2~3回に分けて薄く重ね付けしていくのがおすすめです。
クレンジング剤のタイプを間違えないことなどが大事
お肌のかゆみを改善するのに、クレンジング・洗顔でのポイントはありますか?
特にお肌のかゆみがあるときは、絶対にクレンジング剤のタイプを間違えないでいただきたいです。
中には、お肌がすごく乾燥しているのに、オイルクレンジングをお使いの方もいらっしゃいます。
敏感肌には、オイルクレンジングの洗浄力は強すぎそうです。
はい、そういったときは、ミルク・クリーム・ゲル(メイク汚れを溶かすのではなく天然成分で吸着するタイプ)などのクレンジング剤がおすすめです。
それから、お肌のかゆみが出ている原因にもよりますが、ダブル洗顔をされている方は、泡洗顔での洗いすぎが、かゆみの原因になっている場合もあります。
ですので、かゆみの出ている間は洗顔を控えることも、ひとつの方法です。
お肌のかゆみを改善するのに、クレンジング・洗顔のやり方でアドバイスはありますか?
クレンジング・洗顔でお肌に乗せる圧は、8gが理想といわれています。
たったの8gですか!?
はい、クレンジング・洗顔は、お肌をゴシゴシと動かさないと汚れが取れたように感じない方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、お肌を動かさなくても、クレンジング剤などがお肌に乗っていれば、汚れを取ることができます。
ですので、クレンジングなどは、力を入れずに動かしすぎないことです。
その上で、泡洗顔は、しっかりと泡立てて行うようにしましょう。
後は、洗顔を行った後にタオルでゴシゴシとお顔を拭く方もいらっしゃいますが、そのときも、タオルでお顔を押さえるようにして行いたいです。
生活習慣で心がけたいこと
お肌のかゆみを改善するのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?
まずは、お肌のかゆみの原因をよく知り、その原因に注意することです。
それから、食べたり飲んだりしたものでお肌は作られますので、食べ物にも気を付けていただきたいです。
それは、バランスのいい食事をするということですか?
そうですね、特に現代社会は添加物の多い食べ物が多いですし、忙しい女性が多いのでコンビニ食が増えている方もいらっしゃるでしょう。
そういったところにも、意識を向けていただくといいですよ。
肌のかゆみの改善におすすめのサロンケアは?
ちなみに、先生のサロンでは、お肌のかゆみを改善するのに、どんな施術・ケアが効果的ですか?
まずは、とにかく血行を良くして、栄養を行き届けることを意識します。
お肌にも毛細血管から栄養が届けられますので、血流が滞(とどこお)っていると、お肌に栄養が行き渡りづらくなり、お肌の乾燥の原因にもなります。
ですので、お肌の状態を整えるのに、マッサージも有効です。
後は、お肌の乾燥が進まれている方には、保水・保湿のパックなどで、重点的に乾燥対策のお手入れを行っていきます。
まとめ
今回のインタビューで挙がった、お肌のかゆみの改善方法をまとめます。
1. 自分の肌タイプに合っていて保湿力の高いスキンケア化粧品を使用する
2. 普段使いの化粧品で違和感がある場合は、使い方を変える(例えば、化粧水がしみるときは美容液を先に付ける、など)
3. 化粧水は3回付けする
4. お手入れを乳液で仕上げている場合は、乳液を美容液に変えて、クリームで仕上げる(クリームは2~3回に分けて薄く重ね付けするのがおすすめ)
5. 洗浄力の強いクレンジング剤ではなく、ミルク・クリーム・ゲルタイプなどを使用する
6. 泡洗顔を控える
7. クレンジング・洗顔は圧をかけずに優しく行う
8. 洗顔は、きちんと泡立てて行う
9. タオルドライは、タオルを顔に押さえるようにして行う
10. 肌のかゆみの原因になることは避ける
11. バランスの良い食生活を心がける
お肌のかゆみは、乾燥から起こりますので、スキンケアでの保湿が大切です。
そして、クレンジング・洗顔で洗いすぎないことにも、一層気を付けていただきたいです。
お肌のかゆみが生じたときは、大田先生のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?