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敏感肌の改善方法8つ!洗顔や化粧水のポイントとは?エステ員に聞く

本日のキレイの先生

松原 裕代 先生

「キレイの先生」編集部です。

今回のテーマは、「敏感肌」です。

東京都新橋 ウインズ銀座サロン の松原 裕代 先生にインタビューさせていただきました。

敏感肌は、お肌のバリア機能が低下して、刺激に弱くなっている状態のことをいいます。

それによって、化粧水がしみたり、お肌が赤くなったりする場合もあります。

敏感肌は、元々の肌質によるところもありますが、普段の生活習慣やスキンケアによって敏感肌に傾いていくことのほうが多いそうです。

そのため、スキンケアを見直すことで改善していくこともできます。

そんな敏感肌の改善方法について、松原先生に教えていただきました。

目次

敏感肌の原因
・敏感肌とは
・生活習慣で原因になること

敏感肌を改善するには
・クレンジング・洗顔で心がけたいこと
・化粧水で心がけたいこと
・クリームパックやローションパックもおすすめ
・生活習慣で心がけたいこと

まとめ

敏感肌の原因

松原先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「敏感肌」です。

先生のサロンのお客様にも、敏感肌の方はいらっしゃいますか?

はい、いらっしゃいますよ。

最近は、20代の若い子のほうが、敏感肌の傾向が強いように思えます。

敏感肌とは

敏感肌は、お肌がどうなっている状態なんですか?

お肌の乾燥が進むことで、皮膚が薄くなってくる…角質層(皮膚表面の厚さが約0.02mmの薄い層)が薄くなってくることが大きいです。

角質層は、お肌のバリア機能(皮膚の蒸発を防いだり、外部の刺激から皮膚を保護したりする働き)ですから、角質層が薄くなると、それが低下してしまうんですね。

はい、健康なお肌ですと、角質層は13~15層あるといわれています。

それが、お肌が乾燥すると、角層と角層をつなぎとめる細胞間脂質(さいぼうかんししつ)が抜けていきます。

そうすると、角層がめくれて、お肌に紫外線が入りやすくなったりお肌が刺激を受けやすくなったりします

それによって、お肌にトラブルが起きやすくなります

それは、どんな症状が表れやすくなるんですか?

例えば、化粧水が染みやすくなりますし、お肌がなめらかにならず、触るとケバケバしているように感じられたりします

(参考:エステティシャンに聞く肌のごわつきについて

それに、お肌が粉をふいたりする場合もありますし、赤ら顔になる方もいらっしゃいます。

それから、吹き出物が出来る方もいらっしゃいますね。

(参考:美容セラピストに聞く赤ら顔について

後は、ファンデーションの乗りが悪くなって、メイクがよれやすくなったりもします。

(参考:エステティシャンに聞く化粧ノリについて

生活習慣で原因になること

敏感肌は、生まれついてのものなんですか?

もちろん、生まれつきの場合もありますが、生活習慣や環境による後天的な場合のほうが多いです。

ですので、皮膚の厚さは人によって違いますが、皮膚が元々薄い方も、きちんとケアができれていれば、敏感肌の症状も出づらいですよ。

敏感肌は、日々の生活習慣では、どんなことが原因になるんでしょうか?

いちばんは、スキンケアでの保湿不足によるお肌の乾燥です。

先程のお話では、お肌の乾燥が進むと、敏感肌に傾いてくるとのことでした。

はい、それから、スキンケアでこすること…物理的な刺激も良くありません。

皮膚は、こする刺激に弱いです。

スキンケアをゴシゴシと行っていると、敏感肌の原因にもなりますし、色素沈着やシミの原因にもなります。

それから、洗顔を間違った方法で行っていることも、敏感肌の原因になります。

それは、具体的には、どんな洗顔方法が良くないんですか?

まずは、洗顔のときのお湯の温度が熱すぎると、お肌の水分が蒸発しやすくなります。

洗顔は、32度のぬるま湯で行うのがベストです。

冬場の寒い時期でも、36~37度の体温くらいのお湯でしたら、お肌は乾燥しづらいですが、

身体が気持ちいいと感じる38度くらいのお湯では、お肌には熱すぎて水分が蒸発しやすくなります。

それから、お顔のすすぎをシャワーで流す方もいらっしゃいますが、シャワーはお肌には圧力が強すぎて、皮脂(ひし・毛穴から分泌されている油分)を落としすぎる原因にもなります。

後は、洗顔を長々と行うことも、皮脂を取りすぎてしまい、お肌の乾燥を進めてしまいます。

皮脂について

皮脂は、皮膚の表面で汗などの水分と混ざり合って天然の保護膜「皮脂膜」を作ります。皮脂膜は、皮膚の水分が蒸発しないように防いだり、外部の刺激から皮膚を保護したりする働きがあります。

そのため、クレンジング・洗顔で、必要な皮脂まで落としすぎてしまうと、その働きが低下して、お肌が乾燥しやすくなります。

他には、食事の栄養不足や、紫外線の浴びすぎなども、敏感肌には良くありませんね。

敏感肌を改善するには

先生のサロンでは、敏感肌のお客様には、どんなケアを行っていらっしゃいますか?

まずは、お客様の普段の洗顔方法をチェックさせていただき、お肌に負担をかけない洗顔をお伝えさせていただいています。

それから、敏感肌の方は、セラミド(細胞間脂質)の不足で、角層と角層をつなぎとめられていない状態ですので、セラミドを使ったオイルトリートメント(施術)で、薄くなったお肌を健康的な厚さに戻してあげるのも効果的です。

後は、鎮静作用のある生薬の甘草エキスの粧剤(トリートメントに使用する化粧品)もいいですし、美白成分のビタミンE配合でなめても大丈夫な化粧水でパックして、お肌を落ち着かせてあげるのもおすすめですよ。

そもそもなんですが…敏感肌は改善できるんですか(笑)?

はい、できますよ(笑)。

お肌の乾燥か敏感になっている場合は、表皮(ひょうひ・皮膚は3層構造になっていて、そのいちばん表面の層)が関係していますので、早い方ですと、きちんと保湿するだけで、一日でお肌が落ち着く方もいらっしゃいます。

サロンのお客様からも、いちどのケアで、毛羽(けば)だった角層が落ち着いて、外の風がしみなくなったというお声をいただいたりもしますよ。

それに、表皮は1ヶ月で生まれ変わっていますので、そのくらいの時間をかけて、きちんとお手入れするようにすると、肌表面がなめらかになってきますよ。

クレンジング・洗顔で心がけたいこと

敏感肌を改善するのに、クレンジング・洗顔でのポイントはありますか?

クレンジングは、乳化して、汚れを落とすことが大事です。

クレンジング料のタイプでいうと、ミルクタイプやジェルタイプがいいといわれていると思います。

ただ、そういったクレンジング料でも、コットンで拭き取るようなものは、それでお肌をこすって刺激になったりします。

ですので、クレンジング料は、洗い流すタイプのものをお使いいただきたいです。

ちなみに、オイルクレンジングは洗浄力が強くて乾燥しやすいといわれていますが、オイルクレンジングにも色々な種類があります。

オイルクレンジングは、短時間で乳化してメイク汚れをすっきり落としやすいので、サロンでも、オイルクレンジングの化粧品を推奨しています。

クレンジングの選び方のポイントとしては、洗い終えた後に、汚れはすっきりさっぱりと落とせるけど、つっぱらないものをお選びになるといいですよ。

それから、洗顔は、こすらずに、32度くらいのぬるま湯で洗っていただきたいです。

それに、洗顔料を付けたまま、長時間洗わないようにしましょう。

後は、お顔のすすぎは、25回以上行うことをおすすめします。

どうして、洗顔後はたくさんすすいたほうがいいんですか?

洗顔料の泡をお顔に長く乗せておくのは、良くありません。

洗顔は、キメの細かい泡を密着させて、その泡を落とすことで、お顔の汚れも一緒に落ちていきます。

それに、洗顔料の泡がお顔に残っていると、刺激に感じる方もいらっしゃいます。

ですので、洗顔は、泡をきちんと落とすことが大事です。

「泡が落ちたな…」と思っても、念入りにすすぐくらいがおすすめです。

そうやって、お顔をすすげばすすぐほど、きれいになりますよ。

(参考:美容専門家に聞く洗顔方法について

化粧水で心がけたいこと

敏感肌は、お肌の乾燥によっても起こるとのことでしたら、スキンケアでの保湿も大事になると思います。

敏感肌を改善するのに、化粧水などで心がけたいことはありますか?

お肌は、一回に入る水分量に限界があります。

ですので、化粧水をたっぷりとバシャバシャ付けるよりも、少しずつ何回かに小分けにして付けたほうが、効果的にお肌に入っていきます

(参考:エステティシャンに聞く化粧水の重ね付けについて

それから、春先などの季節の変わり目は、化粧水がしみやすくなる時期です。

そうしたときに、化粧水でピリピリした場合は、その化粧水の使用を控えたほうがいいです

もし、そういったときにも、どうしても栄養豊富な化粧水を使いたい場合は、例えば、オイルやクリームを最初に塗ってから、その化粧水を付けるのも、ひとつの方法です。

それで、刺激がやわらぐんですか?

はい、もしくは、最初に、手の平でオイルと化粧水を混ぜて乳化させてから使うのもいいですよ。

そうすることで、その化粧水を段々と使えるようにもなってきます。

クリームパックやローションパックもおすすめ

敏感肌の方に、個人的におすすめなのは、お風呂の中で行う「クリームパック」です。

洗顔後に、お肌がヒリヒリして刺激に弱くなっている場所に、乳液やクリームを塗って、お風呂に入ります。

そうすると、蒸気で蒸された状態になりますので、毛穴が広がって、クリームなどの栄養が浸透しやすくなります

それによって、エステと同じような環境を作ることができますよ。

後は、「ローションパック(化粧水をパックで付けること)」もおすすめです。

(参考:エステティシャンに聞くローションパックのやり方

ローションパックは、ティッシュを1/4枚くらいに切って、化粧水を浸(ひた)して、ほっぺなどに2分くらい貼っておくだけでも、お肌は変わってきます。

ローションパックは、ティッシュでもやれるんですか(笑)!?

はい、ティッシュは薄いですから、化粧水の量を使わずに節約にもなりますね(笑)。

このローションパックは、ファッションショーで、敏感肌のモデルさんにも行ったりするのですが、それで、お肌のツヤや保湿感も変わりますよ。

生活習慣で心がけたいこと

敏感肌を改善するのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?

生活の中に、敏感肌になった原因があるはずですので、それを改善していきたいです。

例えば、睡眠不足も良くありませんし、ストレスも皮膚を薄くする原因になります。

それに、食事も大事です。

そういったことにも、気を付けていただきたいです。

基本的な生活習慣を整えるということですね。

はい、そうです。

まとめ

今回のインタビューで挙がった、敏感肌を改善する方法をまとめます。

1. クレンジングは、汚れはきちんと落とせつつ、洗い上がりはつっぱらないものがおすすめ(ミルククレンジングなどでも、コットンで拭き取るタイプのものは、肌摩擦を起こすためおすすめできない)
2. 洗顔はお肌に負担をかけないように丁寧に行う(こすらない、32度くらいのぬるま湯で行う、長時間洗わない、など)
3. 洗顔後のすすぎは25回以上行う
4. 化粧水は小分けして付けたほうが、効果的にお肌に入っていく
5. 化粧水がピリピリするときは使用を控えるのが基本だが、どうしてもその化粧水を使用したいときは、オイルやクリームを最初に付けてから、化粧水を付ける(もしくは、最初に、手の平でオイルに化粧水を混ぜて乳化させてから使う)
6. お風呂の中でクリームパックを行う(お肌が敏感になっている場所に、乳液やクリームを塗って、お風呂に入る)
7. ティッシュを1/4枚に切って化粧水を浸し、ほっぺなどにローションパックを行う
8. 生活習慣を改善する(睡眠・食事・ストレスなどに気を付ける)

敏感肌は、普段の生活習慣やスキンケアが原因になっているケースが多いですから、それを見直すことで改善もできます。

敏感肌でお悩みの方は、松原先生のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?

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