都心の隠れ家 La chou-chou

居木 史子　先生

「キレイの先生」編集部

居木先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、アロマの「グレープフルーツ」です。

私は20代の頃、いちばん最初に買った精油が、「グレープフルーツ」と「ラベンダー」だったんです（笑）。

そうだったんですね（笑）。

そうすると、グレープフルーツは、先生にとっても思い出深い精油ですね（笑）。

グレープフルーツの精油は、果実から取れるんですか？

はい、（グレープフルーツの）果実の果皮から抽出されます。

精油の抽出法は水蒸気蒸留法が代表的ですが、グレープフルーツもそれで抽出されるんですか？

いいえ、柑橘系の精油は、「圧搾法（あっさくほう）」で抽出されることが多いです。

…圧搾法…ですか？

はい、ローラーで果皮を圧搾して絞り取っていくイメージですね。

それから、絞り取ったものを分離して、精油を抽出していきます。

アロマはたくさんの種類がありますが、その中で、グレープフルーツは定番の精油なんでしょうか？

はい、グレープフルーツは（アロマの）定番に入ると思いますよ。

精油は300種類以上あるといわれていますが、（グレープフルーツは）ほとんどのブランドから出ている精油だと思います。

精油はブランドや品質によって価格差はありますが、グレープフルーツは、アロマの中で価格的にはどんな位置付けになりますか？

お手頃ですか、それとも高めですか？

グレープフルーツもそうですが、柑橘系の中でも定番（のアロマ）といわれているもの…例えば、オレンジやレモンなどもそうですね…それらは、安価な精油になると思います。

例えば、サロンで使っている（アロマの）ブランドで調べてみましたが、グレープフルーツは5mLで1,800円でした。

グレープフルーツ（の精油）は、どんな香りがしますか？

まさに、果物のグレープフルーツの香りなんでしょうか？

はい、（香りは）果物のグレープフルーツをイメージしていただいて大丈夫ですよ。

「グレープフルーツだな…」と分かるような香りです（笑）。

果物のグレープフルーツは、柑橘系の中でも少し苦みのある香りだと思います。

（グレープフルーツの）精油も、甘さだけではなく軽い苦みも感じられる香りです。

それに、みずみずしさもあります。

グレープフルーツの精油は、どんな効果・効能を期待できるんでしょうか？

香りをかぐと、気分のリフレッシュ作用が期待できます。

グレープフルーツ（の精油）の香りは、頭をすっきりさせてくれますよね。

はい、気分を前向きにしてくれるのがいいですね。

ですので、鬱々（うつうつ）しているときや、気分が優れなくて（気持ちが）低下気味のとき、「不安だな…」というときに、グレープフルーツはいいですよ。

（グレープフルーツの精油の）作用として大きいのが、食欲に働きかけてくれることです。

それも面白いのが、食欲を上げてくれたり、逆に抑えたりもしてくれるんです。

それは、（グレープフルーツの精油は）食欲がないときは食欲を上げてくれて、食欲旺盛のときは抑えてくれる、ということですか？

はい、消化器官の蠕動（ぜんどう）運動の働きを正常化させて、（食欲の）バランスをとるような作用ですね。

ですので、ダイエットしたいときなどにも、（グレープフルーツの精油を）芳香させるのもいいと思いますよ。

それから、（グレープフルーツの精油は）脂肪の分解を促してくれるともいわれています。

それは、（精油の）成分を、皮膚から経皮吸収させた場合ですか？

はい、トリートメント（マッサージ）での作用ですね。

さらに、トリートメントでいうと、グレープフルーツは、体内の余分な水分や老廃物をうまく排泄させてくれるような作用があるので、ボディトリートメントでは、肥満・むくみ・セルライトなどでお悩みの方にもいいですよ。

他には、グレープフルーツには、消臭作用もあるので、汗をかいたりしたときのデオドラント（体臭などを防ぐこと）にもいいです。

グレープフルーツ（の精油）は、どんな人におすすめですか？

サロンでは、（アロマトリートメントに使う）精油をいくつかの候補の中からお客様にお選びいただくのですが、むくみでお悩みの方には、むくみにいい精油の候補のひとつとして、グレープフルーツをお出しすることが多いです。

後は、食欲がなかったり、食欲にムラがあったりするときにも、いいと思いますよ。

アロマは、複数の香りの精油をブレンドして楽しむこともできます。

グレープフルーツは、どんな精油と相性がいいですか？

グレープフルーツに限らず、柑橘系（の精油）は、色々な精油をブレンドするときのお助けになります。

（精油をブレンドして）「何か足りないな…」、「もうひとつ香りを加えたいな…」というとき、最後に柑橘系を入れてあげるのもいいですよ。

そうすると、精油をブレンドするときは、グレープフルーツを入れておけば「間違いない」という感じでしょうか（笑）。

そうですね、グレープフルーツは、花系の精油でも樹木系の精油でも合うので、（ブレンドは）あまり迷わずに使うことができます。

後は、精油の作用をいかしたいときは、「サイプレス」や「マジョラム」、「ジュニパー」などもむくみやデオドラントにいいので、そういったものと（グレープフルーツを）ブレンドして、むくみに働きかけるようにするのもいいと思いますよ。

グレープフルーツ（の精油）は、どんな使い方ができますか？

香りの好みは人それぞれで、例えば家族がいらっしゃったりすると、（香りを）選ぶのも難しいと思います。

ただ、柑橘系は癖の少ない精油なので、リビングや玄関などの芳香浴（精油の芳香成分を拡散させること）にいいと思いますよ。

後は、オフィスでお仕事の合間に、気分転換に香りを使いたいというときも、（グレープフルーツは）柑橘系で使いやすいと思います。

例えば、ティッシュに精油をちょっと垂らしておいて、パソコンの横に置いておくだけでも、リフレッシュになりますよね。

芳香浴以外では、グレープフルーツは、アロマバスやフットバスなどにも取り入れやすいですよ。

グレープフルーツの精油を使用する上で、注意点などはありますか？

（グレープフルーツを）トリートメントなどで身体に付けるときの注意点なのですが、グレープフルーツには「光毒性」があります。

紫外線に当たると、シミなどが出来やすくなってしまいます。

ですので、グレープフルーツ（の精油）をトリートメントで身体に使った場合は、それから24時間は紫外線を避けることを意識してもらいたいです。