「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「白湯(さゆ)」です。
アジアンセラピー アーユルプラナ の原 夢貴美 先生にインタビューさせていただきました。
白湯は簡単にいうと「お湯」のことで、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダにも、白湯を飲む健康法があるそうです。
白湯には、どんな効果が期待できるのでしょうか?
お湯を飲むことが、どうして健康や美容に良いのでしょうか?
原先生に教えていただきました。
目次
白湯の作り方・飲み方
・作り方
・温度
・飲み方
本日のキレイの先生
アジアンセラピー アーユルプラナ
原 夢貴美 先生
「キレイの先生」編集部
白湯とは
原先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「白湯」です。
白湯は、大きくいうと「お湯」のことでいいんですよね?
はい、大きくいうとそうですね(笑)。
私はアーユルヴェーダをずっと研究しているんですが、アーユルヴェーダには、「アーマパーチャナ」…サンスクリット語で、アーマが「毒素」、パーチャナが「排出法」というんですが…そういった毒素排出法があります。
白湯を飲むことは、そのアーマパーチャナのひとつで、いちばんメジャーなものです。
白湯は、アーユルヴェーダと関係が深いんですね…。
はい、アーユルヴェーダの古典書には、水の性質や見解が記されていたりして、例えば、雨水は「インドラ神の水」といわれていて、地下水や川水などとは性質が違い、雨水自体に太陽や土の性質を有している優れた水とされています。
アーユルヴェーダでは、そのように古くから伝わるそれぞれの水の性質があって、白湯のことも、古典書に記されています。
アーユルヴェーダでは、人間界や自然界には、3つのエネルギーがあると考えられています。
ひとつが「ヴァータ」という「風」の質、ひとつが「ピッタ」という「火」の質、ひとつが「カパ」という「水」の質で、その3つのバランスが整っている状態が理想的なバランスとされていて、そのバランスが崩れると不調が出ると考えられています。
なぜ白湯がアーユルヴェーダと関係が深いかというと、(白湯の)水は「カパ」で、その水を「ピッタ」の火で沸かし、沸騰したところで蒸気が出て「ヴァータ」の風が発生します。
白湯は、水を沸かすことで、3つのエネルギーを中に取り込むことができるんです。
ですので、白湯はポットなどではなく、「ピッタ」である火で沸かすということも肝心です。
白湯は…
・水:「カパ」の質
・火で沸かす:「ピッタ」の質
・蒸気が出る:「ヴァータ」の質
白湯の効果
白湯は、どんな効果を期待できるんでしょうか?
(白湯は)水の「カパ」の中に、火の「ピッタ」を取り込むことができます。
アーユルヴェーダには、「アグニ」という「消化の火」を表す言葉があるんですが、(白湯は)アグニを上げて消化を促進させるとされています。
それから、(人の身体には)水分を運ぶ管(かん)があって、白湯は、それを火の元素によって刺激して活性化させるといわれています。
そうすると、水分を運ぶ管がしっかりと使えるようになり、毒素などが通りやすくなり、体内にたまった未消化物や毒素などの「アーマ」が流しやすくなります。
つまり、「デトックス(毒素を体内から排出すること)」ですね。
はい、ちなみに、普通の水と白湯とでは、体内に吸収する時間が違うといわれています。
例えば、普通の水は体内に吸収するのに約6時間かかりますが、白湯はその半分の約3時間といわれていて(体内への)吸収が早く、デトックスの効果もさらに高まるとされています。
それに、白湯は体内を温めるので、血行促進で肩こりや腰痛の軽減になりますし、脂肪も燃焼しやすくなってダイエット効果も期待できます。
後は、女性のお悩みでも多い緊張から来る片頭痛や便通の改善にもいいですし、お肌もきれいになります。
他にも、白湯は、花粉症の軽減にもいいとされています。
それは、(水分を運ぶ)管は呼吸器系にもあるので、白湯は、管にたまっているアーマのデトックスにもなるためです。
先生ご自身が、白湯を飲んで感じた効果はありますか?
はい、ありますよ(笑)。
(効果には)個人差があると思いますが、私は胃の痛みが辛かったとき…きっと体内に毒素がたくさんたまっていたんでしょうね…そういったときに、「消化力も上がるし、白湯を飲むといいかな…」と思って白湯を飲み始めました。
お水には軟水や硬水があると思うんですが、(白湯を飲み始めた)最初は、硬水を飲んでいるような重みや苦みを感じて、飲みにくい印象がありました。
それが、白湯を毎日飲み続けて一週間くらいすると、甘味を感じるようになってきて、重かった白湯が普通に軽く飲めるようになり、その頃には胃の不快感やお肌の吹き出物も改善されていました。
白湯の作り方・飲み方
飲み方
白湯の作り方は、ただお湯を沸かすだけでいいんですか?
アーユルヴェーダの古典書には、白湯の様々な作り方が記されています
例えば、お湯が沸騰して沸点に達するまでお水を加熱するといったものや、最初に入れたお水が1/8~1/4、もしくは半分くらいになるまで時間をかけて加熱して水をしっかり減らした方が火の性質を取り込めて強められるといったものがあります。
私が(サロンのお客様の)皆さんにおすすめしているのは、白湯を飲む分量の2~4倍のお水を鍋に入れて、まずは鍋蓋(ふた)をして強火で沸かし、お湯が沸騰したら蓋を取って、火を中火にして自分が飲む分量になるまで沸かすことです。
例えば、マグカップ1杯分の白湯を飲むようでしたら、その2~4倍のお水を鍋に入れて、マグカップ1杯分になるまで沸かします。
白湯の作り方
1. 白湯を飲む量の2~4倍のお水を鍋に入れる。
2. 鍋蓋をして強火で沸かす。
3. お湯が沸騰したら蓋を取って、中火で沸かす。
4. お湯が自分の飲む分量に減るまで沸かす。
(白湯を飲むのが)デトックスやダイエットの目的でしたら、お水に1/8くらいになるまで沸かしてもいいかもしれません。
そこは、ご自分で調節してお作りになっていただければいいと思いますよ。
温度
白湯の温度は、おすすめがあるんですか?
白湯を飲むときの温度は、(白湯が)冷めていても効果は変わりませんが、その人の体質によって飲む温度を変えた方がさらに効果的といわれています。
例えば、「カパ」…水の体質の人は、(白湯の温度が)熱くても良くて、フーフーやりながら飲んでもいいと思います。
カパの体質の人は、身体に油などを蓄積していたりしてふくよかなタイプが多いとされていて、(白湯で)火の質を取り込んであげると痩せやすくなると考えられています。
「ピッタ」…火の体質の人は、体温と同じくらいの36~37度くらいの白湯を飲むといいです。
ピッタの体質の人は、もともと火の質が強くて代謝もいいので、どちらかというと、早朝に冷水を飲んで火の熱を下げるようなこともすすめられています。
「ヴァータ」…風の体質の人は、(白湯は)ぬるま湯がいいです。
白湯の温度
・カパ(水)の体質の人:熱い
・ピッタ(火)の体質の人:体温と同じくらい
・ヴァータ(風)の体質の人:ぬるま湯
飲み方
白湯のおすすめの飲み方はありますか?
(白湯の飲み方も)様々な考え方があって、朝昼晩に飲む、30分置きに少しずつ飲む、一日に8杯くらい飲む、といったものがあります。
私が普段おすすめしているのは、夜の就寝前に飲むことです。
白湯の効果で(身体が)温まりホッとして、副交感神経が優位になりリラックスもできます。
ですので、安眠したいと考えている人や、ちょっとお疲れの人は、就寝前に白湯を飲んでいただくのがおすすめです。
副交感神経について
副交感神経は、自律神経(人の身体と心をコントロールしている神経)のひとつで、リラックスの神経で夜に優位になります。
(白湯が)デトックスやダイエットの目的の人は、朝にお湯を沸かして、白湯をタンブラーや水筒に入れて持ち歩き、オフィスや外出先での水分補給に白湯を飲んでいただくことをおすすめしています。
ちなみに、白湯のデトックス効果をさらに高めたいときは、白湯の中にショウガを入れるのもいいですよ。
ショウガは、身体を温めてくれますし消化力も上げてくれるので、(白湯とで)ダブルの効果が期待できます。
まとめ
白湯はただのお湯といっても、ポットで沸かすのではなく、きちんと火にかけて、アーユルヴェーダでいう水(カパ)・火(ピッタ)・風(ヴァータ)の3つの性質を取り入れることが大切といえそうです。
白湯はデトックスの効果が高く、身体を温めるのにもおすすめです。
皆さまも日々の体調管理に、白湯を取り入れてみてはいかがでしょうか?