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呼吸のクオリティを上げるには?簡単なエクササイズの方法!

本日のキレイの先生

佐藤 麻美 先生

呼吸のクオリティを上げるには?簡単なエクササイズの方法!

「キレイの先生」編集部です。

私たちが無意識の内に行っている呼吸は、とても大切で、健康面・美容面・精神面にも関係しています。

今回のテーマは、そんな「呼吸」についてです。

ボディメンテナンス スタジオ B-freedom の佐藤 麻美 先生に取材させていただきました。

深く呼吸するには、「横隔膜(おうかくまく)」や「腹横筋(ふくおうきん)」といった筋肉がポイントになるそうです。

佐藤 先生には、呼吸のクオリティを上げるために、自宅でできるエクササイズを教えていただきました。

目次

呼吸のときに一緒に動く筋肉

呼吸の効果

呼吸のクオリティを上げるには?
・エクササイズの方法

まとめ

本日のキレイの先生

ボディメンテナンス スタジオ B-freedom

佐藤 麻美 先生

「キレイの先生」編集部

呼吸のときに一緒に動く筋肉

佐藤 先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「呼吸」です。

美ボディを作るのにも呼吸が大切といいますが、それは、「深い呼吸をしましょう」ということですか?

必ずしも、常に深く呼吸しなければいけない、といったわけではありません。

例えば、スポーツをしているときは、深呼吸ではなく「ハッ、ハッ」というような浅い呼吸になりますから、状況によって呼吸の仕方は変わります。

日常生活では、自然な呼吸が好ましいですね。

自然な呼吸…ですか…。

それは、どんな呼吸ですか?

横隔膜(おうかくまく)や腹横筋(ふくおうきん)などの筋肉をしっかり動かして、肋骨をしなやかに動かせているような呼吸でしょうか。

中には、呼吸がうまくできていなくて、肩で息をしているような人も少なくありません。

それは、肩こりの原因にもなりますし、首回りも疲れてきます。

横隔膜や腹横筋は、どんな筋肉なのですか?

「横隔膜」は、肋骨(ろっこつ)の中に下の方にあるドーム状の筋肉です。

息を吸ったとき、心臓や肺が酸素を取り込むために膨らむスペースが欲しいので、横隔膜が下がることによって、胸腔(きょうくう)にスペースができます。

そして、息を吐いたときに、(横隔膜は)元に戻っていきます。

呼吸をするときは、心臓や肺も一緒に動いているので、その手助けをしてくれる筋肉です。

話は少しそれますが、横隔膜を上からのぞくようにすると、真ん中に穴が空いていて、そこに血管が通っています。

そのため、横隔膜を使うと、(その伸縮によって)血液を流すことを手伝うことができ血行促進になり、冷えの改善などにもつながります。

「腹横筋」は、腹帯(はらおび)のようになっていて体幹の箱の側面になるような筋肉です。

腹部には骨がないため、腹横筋がそこを守って内臓を安定させているような役割があります。

(横隔膜と腹横筋に)もうひとつ加えて、「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」という筋肉があるのですが、横隔膜がふた、骨盤底筋群が底、腹横筋が側面、といったように、これらの筋肉でボックスのようになっています。

骨盤底筋群も、呼吸したときに一緒に動くのですか?

はい、横隔膜と連動していて、横隔膜が上がると骨盤底筋群も上がり、横隔膜が下がると骨盤底筋群も下がります。

呼吸の効果

「呼吸は大切」といいますが、自然な呼吸ができていると、どんな効果があるのでしょうか?

呼吸のたびに、横隔膜や腹横筋などを使いますので、筋肉を動かすことで熱量が発生します。

人は1日に2万回、呼吸をするといいますから、その分、身体の中でエクササイズしていることになり、代謝が上がりやすくなって、太りにくい体質を作ることにつながります。

それから、横隔膜や腹横筋は、体幹部分のインナーマッスル(深層にある筋肉)ですので、呼吸は姿勢にも関係しています

後は、深い呼吸をすると副交感神経が優位に働きやすくなり、逆に、呼吸が浅かったり短かったりすると交感神経が優位になって、(呼吸は)精神面にも影響があります

交感神経と副交感神経

交感神経と副交感神経は、「自律神経」です。交感神経が緊張の神経で昼に優位になり、副交感神経はリラックスの神経で夜に優位になります。この2つが交互に入れ替わってバランスを取っていますが、バランスが崩れると、心身に大きな影響があります。

他にも、細胞に酸素を送り込むことを考えると、呼吸はアンチエイジングにもつながっていきますね。

呼吸をすると、横隔膜や腹横筋なども一緒に動くとのことでした。

すると、うまく呼吸ができていないというのは、横隔膜や腹横筋の筋力不足が原因になるのですか?

それもひとつですが、(筋肉の)使い方にもあると思います。

呼吸をするのは普通のことで当たり前ですから、どのように機能しているか、意識しない方が多いと思います。

そうですね、私自身、普段の生活の中で呼吸を意識することは、ほとんどありません。

それもあってか、呼吸に意識を向けて、深呼吸をしたときに「息苦しいな」と感じる方もいらっしゃると思います。

例えば、「10秒間かけて長く息を吐きましょう」と言っても、中には、うまく吐けない方もいらっしゃいます。

それは、呼吸をコントロールするという感覚がないのだと思います。

それとは逆に、現代社会は情報が多すぎて、「あれが良い、これが良い」と、呼吸ひとつするにも、意識して考えすぎてしまう方もいらっしゃいますね。

後は、姿勢が悪いと、呼吸のクオリティも連動して落ちてしまいます。

特に、現代人は、スマホの影響が大きいのではないでしょうか。

(スマホをみるときは)下向きの姿勢で、胸腔がつぶされているような状態なので、呼吸も浅くなります。

他には、運動不足や喫煙、ストレスなども、(自然な呼吸ができない)原因に入ってくると思います。

呼吸のクオリティを上げるには

呼吸のクオリティを上げるためにできることはありますか?

(息を)ゆっくり吸って、ゆっくり吐くことです。

特に、息を長く細く吐くことを意識した方が、呼吸のクオリティが上がりやすいです。

それは、どうしてですか?

息を吐いたときは、横隔膜が上がるのですが、それは筋肉がギューッと締まっていく状態なのですね。

それは、腹横筋なども同じです。

なるほど、筋トレでも、筋肉をギューッと収縮して負荷をかけて鍛えますが、息を吐いたときの横隔膜や腹横筋は、それと同じような状態なのですね。

はい。

息を細く長く吐くときは、どのくらいの時間を意識すると良いですか?

10秒くらいかけて吐くようにしましょう。

強く吐かずに、長く細く(息を吐くこと)がポイントです。

日頃からそれを意識すると習慣化されてくるので、日常生活で、無意識でも呼吸のクオリティは上がってきますよ。

エクササイズの方法

(呼吸のクオリティを上げる)エクササイズとしては、仰向けに寝転がり、息を吸ってお腹を風船のようにパンパンに膨らませ、息を長く細く吐いてお腹を戻していきます。

息を吸うときは重力に抵抗してお腹を膨らませて、息を吐くときは重力の力を借りてお腹を下げていく感じです。

腹横筋を「伸ばして」、「戻して」としてあげることで、筋肉の弾力を戻してあげます。

女性には(身体を)反りすぎてしまうような姿勢の方もいらっしゃるので、その次のステップとしては、壁の前に座って壁に背中と後頭部を付け、まっすぐな姿勢の目安を作ってあげます。

その状態で、息を長く細く吐いて呼吸します。

そして最後のステップは、壁の前に立って壁に背中と後頭部を付け、同じように呼吸します

(寝転がって、座って、立って、というのは)赤ちゃんの生育と同じステップを踏むイメージですね。

まとめ

普段は無意識の内に行っている呼吸も、こうして話をお聞きすると、奥がとても深いですよね。

私は姿勢が良くないので、「呼吸のクオリティが高くなさそうだな… 」なんてことを考えながら、砂糖 先生の話をお聞きしていました。

呼吸のクオリティを高めるためのエクササイズは、ご自宅で簡単に行うことができますし、普段から呼吸を意識するだけでもクオリティが変わってくるとのことでした。

皆さまも、ちょっとしたときに長く細く息を吐くようにして、呼吸に少し意識を向けるようにしてみてはいかがでしょうか?(私もそうします!)

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