美容のスペシャリストが教えるキレイ

腸もみの効果とやり方!便秘に冷えにダイエットにも!専門家に聞く

本日のキレイの先生

大谷 滋子 先生

「キレイの先生」編集部です。

今回のテーマは、「腸もみ」です。

プライベートボディケアサロン sogandso の大谷 滋子 先生にインタビューさせていただきました。

腸もみは、外から腸に刺激を与えて、腸の働きを手助けします。

お通じを良くするのにも即効性が高く、腸の働きが活発になることで、身体の冷えの改善にもつながりますし、ダイエットにもなります。

ポイントは、小腸と大腸のマッサージを順番ずつ行うことです。

腸もみの効果とやり方について、大谷先生に教えていただきました。

目次

腸はどうして大切なのか?
・腸はどんな働きをしている?
・体調不良は腸の不調

腸もみの効果
・腸もみとは
・腸もみは体にいいことしかない

腸もみのやり方
・小腸のマッサージのやり方
・大腸のマッサージのやり方
・腸もみはいつやるのがおすすめ?

まとめ

本日のキレイの先生

プライベートボディケアサロン sogandso

大谷 滋子 先生

「キレイの先生」編集部

腸はどうして大切なのか?

大谷先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「腸もみ」です。

最近は、腸は、腸もみもそうですが、「腸活(ちょうかつ)」や「腸セラピー」などでも注目を集めていますね。

(参考:腸専門家に聞く腸セラピーとは

腸は、どんな臓器なんですか?

腸は、大きくは「小腸」と「大腸」に分けられます。

小腸が、おへそ周辺の真ん中あたりにあって、大腸が、その周りを囲んでいます

小腸は、3つの「十二指腸(じゅうにしちょう)」、「回腸(かいちょう)」、「空腸(くうちょう)」から成り立っています。

え、小腸は「小腸」じゃなくて、もっと細かく分けられるんですか!?

はい、それは大腸も同じで、大腸は、6つの「盲腸(もうちょう)」、「上行結腸(じょうこうけっちょう)」、「横行結腸(おうこうけっちょう)」、「下行結腸(かこうけっちょう)」、「S状結腸(えすじょうけっちょう)」、「直腸(ちょくちょう)」から成り立っています。

腸について

小腸:十二指腸、回腸、空腸
大腸:盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸

腸はどんな働きをしている?

腸は、どんな働きをしているんですか?

まず、小腸は、全身の免疫を司る免疫細胞を60~70%保有しています

鼻や口から入ってきた菌・ウイルスなどを退治して、体内にそれ以上入らせないようにする頼りになる臓器です。

それから、人間の身体には、排水管のような働きをしている「リンパ」があって、細胞の無駄な水分や老廃物を運んで外に排出しています。

そのリンパ管は、全身に張り巡らされているのですが、小腸にはそれが特に集中していて、全身のリンパ管の内、6~7割が小腸にあるといわれています。

そうすると、リンパ管の大半は、小腸にあるんですね!?

はい、ですので、小腸も、リンパの機能を備えているといえます。

ですから、お腹の調子が悪くなると、その機能も低下して、むくみや冷えなどの原因にもなります。

後は、小腸は食べ物も消化吸収していますよね?

はい、そうですね。

ちなみに、小腸ではそのときに、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が分泌されます

たしか、セロトニンは、心を安らげるような作用があったと思います。

はい、そのセロトニンの約90%は、小腸で分泌されるといわれています。

じゃあ、ほとんどのセロトニンは、小腸で分泌されているんですね。

はい、それも、小腸の大事な働きです。

それから、大腸は、栄養や水分を吸収する働きがあるんですよね?

はい、それに、排便もそうですね。

不要な老廃物を排出するんですね。

はい、後は、大腸では、腸内細菌の活躍で、エネルギー再生の働きもありますよ。

腸の主な働き

■ 小腸
・食べ物の消化吸収
・免疫機能(全身の免疫細胞の60~70%を保有している)
・老廃物を排出する(リンカンの6~7割が小腸に集中している)
・セロトニンの分泌
など

■ 大腸
・栄養や水分の吸収
・排便(不要な老廃物の排出)
・エネルギー再生
など

体調不良は腸の不調

腸の働きが悪くなると、身体にはどんな影響が出ますか?

体調不良は、イコール「腸の不調」といっても過言ではありません。

あらゆる不調は、腸の状態と関係しているといえます。

例えば、下痢や便秘もそうです。

それから、だるさを感じる、疲れが取れにくい、気持ちが落ち込む、イライラする、といったこともそうです。

後は、身体の冷え、肌荒れ、むくみ、アレルギー症状の悪化なども、腸の状態から起こる場合もあります。

すごい…本当にあらゆる不調に、腸が関係してくるんですね…(苦笑)。

はい、ですので、身体の不調を感じたときは、腸に意識を向けてあげるといいですよ。

ちなみに、腸の働きが低下するのは、どんなことが原因になりますか?

例えばお仕事でも、オーバーワークで残業が続くと、パフォーマンスが下がりますよね。

はい、下がります…。

腸も、それと同じようなところがあります。

飲み会が続いたり外食が多かったりして、不規則な生活で食生活が乱れると、腸に負担がかかって、腸が気持ちよく働かなくなります。

なるほど、腸もオーバーワークになってしまうんですね(苦笑)。

はい、それに、睡眠などの基本的な生活習慣もそうですし、ストレスなども、腸の働きに影響がありますよ。

腸もみの効果

腸もみとは

では、腸もみの話に入っていきたいと思います。

腸もみは、何なのですか?

腸は、身体が冷えていたりすると、自然な蠕動運動(ぜんどううんどう・臓器の収縮によって中のものを移動させること)がされづらくなります。

腸もみは、外から腸に刺激を与えることで、蠕動運動を促して、腸の働きを手助けすることをいいます。

腸もみは体にいいことしかない

腸もみは、どんな効果が期待できるんですか?

まずは、お通じが良くなります

それは、即効性があるんですか?

はい、腸もみを行うと、便意を感じる方も多いですよ。

そうすると、腸もみは、便秘にも良さそうですね。

はい、そうですね。

後は、身体が冷えている方は、腸もみで腸を動かしてあげると、身体が温まってくるのを感じられます。

腸もみは、身体の冷えにもいいんですか!

はい、それに、リンパの働きが活発になって代謝も良くなりますので、ダイエットにもつながります。

腸もみは、他にもたくさんの効果が期待できますが、身体にいいことしかありませんよ(笑)。

本当ですね(笑)。

腸もみの主な効果

お通じが良くなる(便秘の改善にも)
身体が温まる(身体の冷えの改善にも)
ダイエット(代謝が良くなることで)
など

腸もみのやり方

腸もみは、どうやってやればいいですか?

サロンでは、小腸を中心としたマッサージと、大腸を中心としたマッサージに分けて行っています。

小腸のマッサージのやり方

腸もみは、まずは、小腸のマッサージから行います。

おへそに両手を当てて、気持ちいいくらいの力で10~20回くらい回します

これは、手をすべらせるというよりも、皮膚が動かないように押さえて回してください。

これを行うと、次第にお腹が温かくなるのを感じられると思いますよ。

小腸のマッサージのやり方

おへそに両手を当てて皮膚が動かないように押さえ、10~20回くらい回す

大腸のマッサージのやり方

次は、大腸のマッサージを行います。

大腸のマッサージは、まずは、右の腸骨(ちょうこつ)のキワを、手を添えて4指でグイグイと押しながら、5回くらい回します

次は、みぞおちあたりで、同じように行います。

次は、左の肋骨のキワ、左の腸骨のキワ、といったように、大腸に沿って順番ずつ、マッサージを行っていきます。

大腸のマッサージを行うときは、腸を押すときに息を吐くようにすると、さらにいいですよ。

後は、便秘気味の方は、左の腸骨のキワを、念入りにマッサージすることがおすすめです。

大腸のマッサージのやり方

大腸の順番に沿って、手を添えて4指でグイグイと押しながら5回くらい回す

1. 右の腸骨のキワ
2. 右の肋骨のキワ
3. みぞおち
4. 左の肋骨のキワ
5. 左の腸骨のキワ(便秘気味の人は念入りにマッサージを行う)

腸もみはいつやるのがおすすめ?

腸もみは、いつやるといいですか?

腸もみは、いつ行ってもいくら行っていただいても、いいですよ(笑)。

起床したときでもいいですし、就寝前でもいいです。

それに、例えばお仕事中でも、お腹の調子が気になるときに行うこともできますよね。

ただ、いちばんのおすすめは、お風呂から出て身体が温まって、体内のめぐりが良くなっている状態のときに、腸もみを行うことです。

それから、腸がオーバーワークしていると感じたときは、半日から一日、固形物を摂らない断食を行って、その間に腸もみを行うといいですよ。

(参考:ファスティング専門家に聞くプチ断食の方法

断食で腸の働きを休ませているときのほうが、排泄や代謝にエネルギーを使いやすいので、その間に腸もみを行うことで、相乗効果も期待できます。

腸もみは、どれだけ行っていただいてもいいですが、産前産後の方や病気をされている方は、お医者様にご相談の上で行うようにしてください。

後は、腸もみは洋服の上から行えますが、ゆったりめのリラックスした洋服のときのほうが、行いやすいです。

まとめ

腸もみは、外から腸に刺激を与えて、腸の働きを手助けすることができます。

便秘にも良いですし、身体の冷えにも良いですし、ダイエットにもつながります。

というよりも、腸はとても大切な働きをしていますから、大谷先生のおっしゃったように、腸もみは、身体に良いことしかありません。

ポイントは、小腸と大腸を順番ずつマッサージすることです。

「お腹の調子がいまいちだな…」というときもそうですが、体調が優れないときも腸の不調が考えられますから、ちょっとしたときに腸もみを行うようにしてはいかがでしょうか?

* 2017年10月20日に公開した『腸もみのやり方!小腸と大腸をマッサージする簡単な方法とは』を再編集しました。