「キレイの先生」編集部です。
今回は、鍼灸サロン アムラス鍼灸 の美月 綾乃 先生に、取材させていただきました。
美月 先生は、鍼灸の資格をお持ちになっていて、鍼やお灸などのメニューを取り入れたサロンを運営されていらっしゃいます。
そこで今回は、美月 先生に、「お灸」をテーマに話をお聞かせいただきました。
美月 先生の記事は、前後編に分けてお届けします。
こちらは、その後編で、自宅でもお灸を行える「せんねん灸」についてまとめます(前編では、お灸の効果を取り上げました)。
せんねん灸とは、どんなものなのでしょうか?
そして、ホームケアでは、どんなツボに置いて使うと良いのでしょうか?
美月 先生に教えていただきました。
美月 先生の「お灸の効果」の記事
目次
せんねん灸とは
・煙の出ないお灸・火を使わないお灸など
お灸を自宅で行うやり方
・せんねん灸の選び方
・お灸のやり方
・タイミングや頻度
・注意点
お灸を置くのにおすすめのツボなど
・足のツボ
・手先
本日のキレイの先生
鍼灸サロン アムラス鍼灸
美月 綾乃 先生
「キレイの先生」編集部
せんねん灸とは
先生にはここまで、お灸の効果などについてお話しいただき、お灸が健康や美容のすべてに良いことが分かりました。
美月 先生の「お灸の効果」の記事
自宅でお灸を行うには、「せんねん灸」が手軽とのことです。
せんねん灸とは、何なのでしょうか?
せんねん灸は、(お灸の)メーカーの名前です。
せんねん灸からは、色々なタイプのお灸が出ています。
せんねん灸は「間接灸」
美月 先生の前編の記事で取り上げていますが、お灸は、大きく分けて、「直接灸(ちょくせつきゅう)」と「間接灸(かんせつきゅう)」の2種類があります。
直接灸は、もぐさを皮膚の上に直接置いて、お灸を行うことをいいます。それに対して、間接灸は、下の画像のように、台座があったりして、もぐさを(皮膚の上に)直接置くことはしません。
せんねん灸は、「間接灸」に当たります。
せんねん灸には、どんな種類のお灸があるのですか?
刺激(熱量)の弱いものから、ある程度の刺激があるものまであります(と、せんねん灸の商品一覧をみさせていただく)。
せんねん灸は、こんなにも、たくさんの種類があるのですか…。
ドラッグストアに置いてあるのは、「ソフト灸」や「レギュラー灸」、「にんにく灸」などが多いでしょうか。
せんねん灸は、種類によって、刺激(熱量)が違うとのことでした。
それは、パッケージをみれば、(そのお灸の刺激・熱量が弱いか強いかは)分かりますか?
種類にもよりますが、ドラッグストアによく置いてあることタイプは、パッケージに書かれているものが多いと思います。
煙の出ないお灸・火を使わないお灸など
せんねん灸には、もぐさを炭化して(炭にして)、煙や匂いの出ないタイプもあります。
また、火を使わないカイロタイプのお灸もあります。
火を使わないお灸も出ているのですか?
はい、ホッカイロと同じように、空気に触れると発熱して、それを皮膚に貼って使います。
じんわりと温かくなって、一日中付けておくこともできます。
また、皮膚に貼る部分には、もぐさの成分が付いていて、経費吸収(皮膚から成分を吸収すること)もできます。
もぐさの効果・効能
もぐさは、よもぎから取れます。下の記事でも紹介していますが、よもぎは万能ともいえる薬草です。
もぐさの成分を経費吸収することで、よもぎの効果・効能を得ることもできますね。
ちなみに、美月 先生の前編の記事で取り上げていますが、もぐさに含まれる「チネオール」という成分は、特に血行促進の作用に優れているそうです。
カイロタイプのお灸は、サロンのお客様にも、人気があります。
分かります、火を使わないので、本当に手軽で安心感もありますね。
私も使ってみたいです。
せんねん灸には他にも、香りの付いているようなものもあります。
お灸を自宅で行うやり方
せんねん灸の選び方
せんねん灸には、色々な種類があるとのことです。
自宅でお灸を行うときは、どのように選ぶと良いですか?
基本的には、ご自分に合ったものをお選びいただくと良いと思います。
初めてお灸を行うときは、やはり刺激(熱量)の弱いもので始めた方が良いでしょうか?
そうですね、初めてお灸を行うときは、刺激の弱いものから始めるのが良いと思います。
せんねん灸の刺激の弱いものは、台座の下に和紙が入っていたり、台座の厚さが違っていたりします。
刺激の弱いお灸は…
ちなみに、刺激(熱量)の弱いお灸は、お灸の台座の下に和紙が入っていたり、台座が厚かったりするそうです。
例えば、下の2つのお灸でいうと、左の(お灸の)方が、刺激は弱めです。台座の下に、和紙が貼られているのがお分かりになるでしょうか?
お灸のやり方
せんねん灸は、裏側がシールになっているのですよね?
はい、それを皮膚の上に貼って使います。
お灸は、どのくらいの時間、皮膚の上に置いておくと良いですか?
ピリピリと熱さを感じるようになってきたら、(お灸を)取ったり、別のツボに置き換えたりするようにしましょう。
お灸は、火を付けるので、熱いイメージがあったのですが、熱さを感じるのは、あまり良くないのですね。
そうですね。
「熱くなってきたけど、我慢したほうが良いのかな…」と思われる人もいますが、我慢してお灸を続けると、お肌の弱い人は低温火傷のもとになったり、ストレスを感じて(お灸の)効果が半減したりしてしまいます。
お灸は、何分くらいで、熱さを感じるものなのでしょうか?
(お灸の熱さを感じる)時間は、人それぞれで、使っているお灸の種類によっても違いますが、大体、2~3分といったところでしょうか。
炭化している(煙や匂いの出づらい)お灸は、燃えづらくじんわりと温まるので、5分くらいかかると思います。
また、身体の冷えが強い人は、1回のお灸では、熱を感じない場合があります。
そのときは、(お灸を)3回くらい行うと、次第に熱を感じられるようになると思います。
ただ、同じ場所でお灸を行うときは、3回までにするようにしましょう。
お灸を外した後は、火を消すのですよね?
はい、最後は消火します。
ですので、お灸を行うときは、近くに水の入った容器を近くに置いておいて、すぐに消火できる状態を作っておきましょう。
タイミングや頻度
お灸を行うおすすめのタイミングはありますか?
朝や夜の時間帯などが良いと思います。
朝は、身体がいちばん冷えていて、体温の低い時間帯で、お灸を行うことで、代謝も良くなります。
夜にお灸を行って、副交感神経を優位にしてリラックスすると、内臓の活性化にもなります。
人の身体は、寝ている間に修復する作用が働きますが、その作用も高まりやすいです。
また、睡眠の質も良くなります。
朝晩でお灸を行うときは、朝は、ある程度の刺激(熱量)のあるタイプで、夜は、刺激の弱いタイプで、といったように、お灸を使い分けるのも良いと思います。
お灸は毎日、行っても良いのですか?
はい、毎日行っても大丈夫ですよ。
是非、行ってほしいです。
注意点
お灸を自宅で行う上で、注意点はありますか?
火傷にはご注意ください。
また、入浴と食事の前後30分は、(お灸を行う)とのぼせやすいので、避けるようにしましょう。
お灸を置くのにおすすめのツボなど
お灸は、ツボに置く他、固くなっている筋肉や、痛みのある場所などにも置けるとのことでした。
美月 先生の「お灸の効果」の記事
それは、自宅でお灸を行ときも同じだと思いますが、もし、(お灸を置くのに)おすすめのツボがあれば、教えてください。
(お灸を置くのは)どのツボでも良いですが、足先や手先などの末端にお灸を置くと、血流が良くなりやすいです。
足先や手先にお灸を置くのは…
血液は、心臓がポンプの役割をして全身を循環しているため、末端の足先や手先は、血流が悪くなりやすい場所です。そこにお灸を置いて、血行を促進することで、全身の血流が良くなることにもつながります。
足のツボ
例えば、足の甲には、「太衝(たいしょう)」というツボがあり、自律神経を整えて、リラックスするのに良いです。
(太衝は)手でいうと、「合谷(ごうこく)」に当たるような場所ですね。
足の内くるぶしから真下に指一本分、くぼんでいる場所には、「照海(しょうかい)」というツボがあります。
照海のすぐ近くには血管が通っているため、お灸で温めると、全身に温かい血液が循環しやすくなって、身体を温めるのにも良いです。
体内の水分の循環を良くすることにもつながるので、むくみの解消などにもつながります。
後は、婦人科系の悩みにおすすめのツボとしては、「三陰交(さんいんこう)」や、「血海(けっかい)」などがあります。
三陰交は、ホルモンバランスの調整に良いとされるツボです。
三陰交について
「三陰交」は、合谷と並んで、有名なツボだと思います。下の図のように、足の内くるぶしから指4本分の場所にあります。
「血海」は、膝の内側から指三本分の上で、押したときにちょっと響くような場所にあります。
手先
お灸は、手先に置くのも良いとのことでしたが、おすすめの場所はありますか?
お灸を指の腹に置くこともできますが、爪の根元にはツボがあるため、(お灸を置くには)そちらの方がおすすめです。
まとめ
せんねん灸には、お灸といっても、刺激の優しいもの、煙や匂いの出ない(炭化した)もの、火を使わない(カイロタイプの)ものなど、様々なタイプがあります。
中には、アロマの香りのお灸も出ているとのことでした。
せんねん灸は、ドラッグストアなどでも取り扱いがところが多いので、お灸を自宅で行うには、もっとも手軽でしょう。
やり方も簡単で、美月 先生に教えていただいたツボに置いても良いですし、コリを感じる筋肉や、痛みを感じる場所に置いても良いです。
美月 先生の前編の記事でまとめていますが、お灸は、健康や美容のすべてに良いといえます。
美月 先生の「お灸の効果」の記事
もし、身体で気になることがあれば、自宅でお灸を行ってみてはいかがでしょうか?