今回のテーマは、オイルヘッドマッサージです。
アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)のセラピストのスミヨシ マチコ 先生にインタビューさせていただきました。
ヘッドマッサージは、健康面と美容面の両方に良いですが、そのときにオイルを使うことで、その効果をさらに高めることができます。
実際、アーユルヴェーダでも、オイルヘッドマッサージはよく行われるそうです。
そんなオイルヘッドマッサージの効果とやり方について、スミヨシ先生に教えていただきました。
目次
オイルヘッドマッサージの効果
・耳までマッサージするとより効果が高い
オイルヘッドマッサージのやり方
・オイルヘッドマッサージはお風呂前に行うのがおすすめ
・オイルを頭皮に塗り込んでいくようにマッサージを行う
・頭皮から始めて耳までマッサージするのがおすすめ
オイルヘッドマッサージの効果
スミヨシ先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「オイルヘッドマッサージ」です。
まずは、オイルヘッドマッサージは、どんな効果を期待できるんですか?
アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)式のヘッドマッサージは、脳・頭皮・髪の健康に役立ち、頭部の血液循環が良くなることで、お身体全体にいい影響が及(およ)びます。
ヘッドマッサージは、緊張をやわらげて疲れを軽減させることにもなりますし、深いリラックスが感じられてストレス解消にもなり、よく眠れるようになります。
それに、目の疲労感を緩和したり、白髪や抜け毛の予防対策になったりして、いいことがたくさんあります。
それから、美容面でいうと、髪の乾燥や膨張を抑えて髪にツヤとコシが出ますし、頭皮や髪の毛のクレンジング効果もあります。
後は、頭皮とお顔の皮膚はつながっているので、頭皮がやわらかくなってうるおうことは、お顔にもいいことです。
ヘッドマッサージは、小顔効果もあるといいますもんね。
はい、ですので、ヘッドマッサージをお受けになったお客様には、「お顔が小さくなった気がする!」とおっしゃる方も多いです。
頭皮が硬くなっていると、お顔の筋肉も動きづらくなって不活発になります。
ですので、普段のお手入れでも、お顔だけではなく頭までケアすることがおすすめです。
いまお話しいただいた効果は、オイルヘッドマッサージではなく…オイルを使わないただのヘッドマッサージでも得ることができるんでしょうか?
そうですね、例えばリラックスによる効果や、頭皮がやわらかくなることによる効果は、ヘッドマッサージ全般に当てはまります。
ただ、髪の乾燥を抑えて艶(つや)髪になることや、頭皮のクレンジング効果などは、オイルヘッドマッサージならではの効果といえます。
ヘッドマッサージだけでも効果はありますが、オイルを使うことで、いい効果がさらに増えるイメージですね。
それに、頭皮に栄養を与えるのと同時に、クレンジング効果も得られるというのも、オイルケアならではのいいところです。
オイルヘッドマッサージの効果
・緊張をやわらげて疲れを軽減させる
・深いリラックス感でストレスの解消になる(それによって、よく眠れるようになる)
・目の疲労感を緩和する
・白髪や抜け毛の予防対策になる
・髪の乾燥や膨張を抑えて髪にツヤ・コシが出る
・頭皮や髪の毛のクレンジングになる
・頭皮がやわらかくなることで小顔につながる
など
耳までマッサージするとより効果が高い
アーユルヴェーダのヘッドマッサージでは、耳周りのマッサージもしっかり行います。
それは、耳周りには「マルマ」…アーユルヴェーダでいう「ツボ」があるためです。
それに、耳周りには、顎(あご)の噛み合わせの場所があります。
そのあたりをマッサージすることで、そこの緊張が軽減されて、筋肉の張りを取ることもできます。
さらに、耳の下にはリンパ節もあるので、リンパの流れが良くなり、お顔のむくみの解消にもいいです。
リンパについて
リンパは、体内の老廃物を改修して排出する役割があります。リンパ節は、リンパで運んできた老廃物をろ過するフィルターの役割をしている器官です。
ヘッドマッサージで小顔効果を実感される方が多いのは、そういった効果が重なることもあるのだと思います。
ちなみに、アーユルヴェーダでは、耳が、「風のエネルギー」が強い場所とされているからです。
風のエネルギーは、軽くて乾燥している性質を持っています。
ですので、耳は、それとは反対の「重くてしっとりした性質」を持つオイルでケアするのに向いています。
合わせて読みたい!
オイルは太白ごま油やココナッツオイルがおすすめ
オイルヘッドマッサージには、どんなオイルがおすすめですか?
本格的なアーユルヴェーダでは、頭皮や髪の毛にいい薬草が入っているオイルを使用します。
本場のヘッドマッサージオイルには、数十種類の薬草が使用されているものもあります。
頭皮や髪の毛にいいとされる薬草には、例えば「ヘナ」・「ブリンガラージ」・「アムラ」・「ハイビスカス」などが挙げられます。
ただ、ご家庭でのオイルヘッドマッサージでは、「太白ごま油」や「ココナッツオイル」などをお使いになるのもおすすめです。
どちらも、アーユルヴェーダでは定番のオイルですね。
はい、ただ、「太白ごま油」と「ココナッツオイル」では、別の作用がありますので、それに合わせて使い分けるといいですよ。
それは、どういうことですか?
アーユルヴェーダは、ものを「質」でみるのですが、太白ごま油は「温性」を持っていて、こすると温かくなってきます。
ですので、特に身体の冷えやすい方におすすめですし、リラックスを高める作用もあるので万人向けです。
それに対して、ココナッツオイルは冷性を持っていて、こすってもあまり温かくなりません。
ですので、冬の寒いシーズンよりも夏の暑いときや、頭が熱いと感じるときにおすすめのオイルです。
それに、白髪の気になる方にもいいです。
アーユルヴェーダでは、白髪は頭に熱を持っていることが原因とされていますので。
おすすめのオイル
・太白ごま油:「温性」の質で、万人向けで、特に冷え性の方におすすめ
・ココナッツオイル:「冷性」の質で、夏や頭が熱いと感じるときにおすすめ
オイルヘッドマッサージのやり方
オイルヘッドマッサージはお風呂前に行うのがおすすめ
オイルヘッドマッサージは、いつやるのがおすすめですか?
アーユルヴェーダのオイルケア全般にいえることですが、オイルを塗るのは、お風呂の前がおすすめです。
そうすると、整髪料が付いている状態で、オイルヘッドマッサージをしても大丈夫なんですか?
はい、大丈夫ですよ。
オイルは頭皮に付けたいので、髪の毛に付くことは、あまり気にする必要はありません。
オイルを塗ることで、頭皮のクレンジングにもなって、汚れを取ることができます。
アーユルヴェーダの場合、オイルでマッサージを行いたいわけではありません。
オイルを経皮吸収(けいひきゅうしゅう・皮膚から成分を吸収させること)で浸透させて、体内で働かせることが目的です。
体内のゴミを集めてデトックス(体内の老廃物を排出すること)させるために、オイルを塗るともいえます。
オイルを塗った後にお風呂で身体を温めることで、そのデトックス作用を高めることもできます。
それに、お風呂前に頭皮にオイルを付けても、後からシャンプーしますので、オイルをたくさん塗っても気になりませんよね。
もちろん、オイルは、お肌を整えたり髪の毛の広がりを押さえたりするのにもいいので、お風呂から出て「もういちどオイルを塗りたいな…」というときは、そうしていただいても大丈夫ですよ。
オイルを頭皮に塗り込んでいくようにマッサージを行う
今回のインタビューにあたり、オイルヘッドマッサージのやり方の資料を、スミヨシ先生にご用意いただきましたので、その内容をご紹介させていただきます。
まずは頭頂にオイルを垂らして手で押さえる
オイルヘッドマッサージは、まずは、小さじ1杯ぐらいのオイルを片方の手の平に取り、頭頂(とうちょう・つむじではなく「百会」や「第7チャクラ」と呼ばれる場所)に垂らして、手で優しく押さえます。
頭頂からオイルを頭皮全体に広げていく
次は、頭頂から指でこすりながら、上から下に広げていくような感じでオイルを頭皮に広げていきます。
オイルを足すときは、髪をかき分けて頭皮に直接塗って全体に行き渡らせるようにします。オイルは、大さじ2~3杯くらいまでたっぷり使うのがおすすめです。
そして、耳や首にもオイルをしっかり塗っていきます。
オイルを髪に塗るにもおすすめ
髪の毛が乾燥気味の方やボリュームの多い方は、オイルを髪にも塗るようにすると、髪がしっとりします。
それに対して、毛量が少ない方は、オイルが多いと髪の毛がぺったんこになってしまうので、オイルの量は少なめにすると良いでしょう。
オイルを頭皮に塗り込んでいくことがポイント
ヘッドマッサージは、基本的には、気持ちいいと思う場所と力加減で行っていただければ大丈夫です。
ポイントは、髪の毛ではなく頭皮に指先でしっかり触れて、オイルを頭皮に塗り込んでいくことです。
ちなみに、オイルは、手の平で温めるか湯煎(ゆせん)しておくと、気持ち良くマッサージができますよ。
頭皮から始めて耳までマッサージするのがおすすめ
スミヨシ先生には、おすすめのヘッドマッサージの手順も教えていただきました。
1. 指の腹を頭皮に当てて頭皮をつかむ気持ちで、円を書くように指を回す(指の位置はそのままで、地肌を動かすように頭蓋骨の上をすべらすような感じで行う)
2. 指の腹で地肌をはじくように、頭皮をつかんで離す
3. 手のひらで頭をはさんで圧迫して、そのまま上に引っ張って離す
4. 髪の根元に指を入れ、つかんで引っ張る
5. 耳にオイルを塗り、耳たぶをしっかりつかんで大きく回して、外側に引っ張って離す
6. 耳の中にもオイルを塗り、耳の穴の壁を指で前後左右に押す
7. 耳の前をクルクルと回して、耳の下から首まで流す
オイルヘッドマッサージは、頭をそっと触るような力加減ではくすぐったいだけで、あまり気持ち良くありません。
ツボ押しのように一点をギュッと押す必要はありませんが、五指に力を入れて少し強めの力加減で行うのが良いそうです。
合わせて読みたい!
編集部の選ぶオイルヘッドマッサージにおすすめのオイル
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、スミヨシ先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部の選んだオイルヘッドマッサージにおすすめのオイルをご紹介します。
SimSim セサミピュアオイル
アーユルヴェーダのスタジオを運営し、セサミオイルやヘナ(白髪染めなどに用いられるハーブ)のメーカーである「SimSim」の無添加100%のピュアオイルです。
セサミオイルをセルフケアに使用するには加熱処理(キュアリング)が必要なのですが、セサミピュアオイルはあらかじめキュアリングされているので、セルフケアにそのまま用いることができます。
●内容量:110mL
●通常価格:税別2,200円
まとめ
オイルヘッドマッサージは、オイルを使うことで、ヘッドマッサージの効果をさらに高めることができます。
アーユルヴェーダでよく使われる太白ごま油は、オイルヘッドマッサージにもおすすめのオイルです。
お風呂に入る前のセルフケアとして、オイルヘッドマッサージを取り入れてみてはいかがでしょうか?
* 2018年5月15日に公開した『オイルヘッドマッサージのやり方!アーユルヴェーダセラピストに聞く』を再編集しました。