「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「乾燥肌の原因」です。
静岡県富士市 の トータルエステサロン ロワ フーレ の青山 三智子 先生にインタビューさせていただきました。
年を重ねるごとに、お肌は乾燥しやすくなりますが、日々の生活習慣によるところも大きいといいます。
特に気を付けていただきたいのが、洗顔・クレンジングでのこすりすぎと、スキンケアを化粧水だけで終わらせていることです。
乾燥肌を防ぐためにも、その原因になることは、知っておきたい内容ですよ。
目次
乾燥肌の原因
・肌の乾燥が表れやすくなる年齢は?
・クレンジング・洗顔でのこすりすぎはNG
・スキンケアを化粧水だけで終わらせるのはNG
・生活習慣で原因になること
乾燥肌を改善するには
・クレンジング・洗顔は優しく行う
・スキンケアできちんと保湿する
・生活習慣で心がけたいこと
乾燥肌の原因とは
青山先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「乾燥肌の原因」です。
先生のサロンのお客様にも、乾燥肌の方はいらっしゃいますか?
そうですね、特に冬場は、多いですよね。
夏場でも、既存のお客様はそうでもありませんが、新規のお客様はお肌が乾燥されている方が多いです。
乾燥肌は、お肌のうるおいが不足している状態のことをいうと思いますが、具体的には、どんな状態といえるんでしょうか?
皮膚の角質層(皮膚のいちばん表面の厚さが約0.02mmしかない層)は、油分の細胞間脂質(さいぼうかんししつ)が水分を抱え込んで、お肌の水分を保っています。
その細胞間脂質の主成分が、「セラミド」です。
セラミドが減少すると、お肌のバリア機能が低下して、皮膚表面がエビ反りのような状態になります。
そうすると、水分が蒸散しやすくなって、お肌内部の水分を維持できなくなります。
それから、お肌は普段、皮脂(ひし・毛穴から分泌されている油分)で覆われていますが、それが少なくなることによっても、乾燥に傾きやすくなります。
皮脂について
皮脂は、皮膚の表面で汗などの水分と混ざり合って天然の保護膜「皮脂膜」を作ります。皮脂膜は、皮膚の水分の蒸発を防いだり、外部の刺激から皮膚を保護したりする役割があります。
そのため、皮脂の分泌が少なくなると、お肌は乾燥しやすくなります。
乾燥肌とは
・セラミドなどの成分が減少して皮膚の水分を維持しづらくなる
・皮脂が減少して皮膚の水分が蒸発しやすくなる
肌の乾燥が表れやすくなる年齢は?
年が行くほど、お肌は乾燥しやすくなりますが、それは、どうしてなんでしょうか?
加齢によって、お肌を保護する機能が衰えてしまうためです。
セラミドも皮脂も、年をとるほど減少するといいますもんね…。
ちなみに、何歳くらいから、お肌の乾燥は顕著(けんちょ)に表れてきますか?
30代以降でしょうか。
ただ、最近は、その年齢も若くなってきていて、20代でも乾燥肌の方が増えてきています。
それは、生活習慣も、大きく影響しています。
後は、美意識の高い方が、色々なことを行って、それがお肌の乾燥を招いてしまっている場合もあります。
クレンジング・洗顔でのこすりすぎはNG
普段のスキンケアで、乾燥肌の原因になることはありますか?
いちばん大きいのは、クレンジング・洗顔でのこすりすぎです。
角質層には、お肌の水分を保持したり、外的刺激からお肌を守ったりするバリア機能の働きがありますが、クレンジング・洗顔でこすりすぎると、角質層に傷を付けて、保水機能を低下させてしまいます。
特に夏場は、強い日焼け止めを塗っていて、それを落とそうと、クレンジング・洗顔でこすりすぎている場合もあります。
それから、ひと昔前は、お肌がつっぱってしまうクレンジング剤・洗顔料も多かったです。
洗顔後につっぱりを感じるということは、洗いすぎなんですよね?
はい、それは、必要以上に油を取りすぎているということですので、お肌の乾燥を招いてしまいます。
ただ、そういった過去のクレンジング・洗顔に慣れていて、「洗顔後につっぱることは、汚れが落ちていることだ」と勘違いをされている方もいらっしゃいます。
先生のサロンのお客様にも、クレンジング・洗顔で洗いすぎている方はいらっしゃいますか?
はい、正しいクレンジング・洗顔を行えていない方も多いですよ。
ですので、それをお伝えするだけでも、肌質が変わってきます。
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スキンケアを化粧水だけで終わらせるのはNG
他に、スキンケアで、乾燥肌の原因になることはありますか?
化粧水はお肌の表面をうるおわすだけのものですから、化粧水をたっぷり塗っても、それだけでは水分が蒸発してしまいます。
特に夏場は、化粧水だけでさっぱりしあげたい方もいらっしゃると思いますが、それでは、エアコンの中にいたり汗をかいたりすると、水分が蒸発してお肌も乾燥しやすいです。
ですので、お肌をうるおわせた状態で、その上からクリームでふたをしてあげることが大事ですよ。
生活習慣で原因になること
生活習慣で、乾燥肌の原因になることはありますか?
お肌にも規則正しい生活が基本ですので、不規則な生活を送っていると、自律神経(人の身体と心をコントロールしている神経)やホルモンバランスが乱れてしまいますし、ターンオーバーの乱れの原因にもなるので、それによってお肌が乾燥してしまう場合もあります。
ターンオーバーとは
皮膚は、内側で新しい肌細胞が生まれて、それが少しずつ表面に上がり、最後は古くなったもの(角質)が剥がれ落ち、日々新しく生まれ変わっています。そのサイクルを、「ターンオーバー」といいます。
(参考:美容セラピストに聞くターンオーバーとは)
後は、乾燥肌は、紫外線による影響もあります。
紫外線が、どうして乾燥肌の原因になるんですか?
紫外線は、光老化の原因になって、お肌の中にダメージを与えてしまいます。
それによって、コラーゲン(皮膚の弾力成分)も生成されづらくなりますし、皮膚の表面が反ってきて、水分も蒸発しやすくなります。
(参考:エステティシャンに聞く肌老化について)
例えると、お肌が枯れてしまったような状態ですね。
田んぼに水がなくなると、ひびが入ると思いますが、そのイメージです。
そうすると、お肌は乾燥しやすいですし、シワ・シミ・たるみなども起こりやすくなります。
(参考:エステティシャンに聞く肌のたるみについて)
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乾燥肌を改善するには
先生のサロンでは、乾燥肌の方には、どんな施術・ケアを行っているんですか?
保湿はもちろんなのですが、「ビタミンA」など抗酸化力のあるビタミン群を、お肌に導入して、お肌の中の状態から健康を保つようにしています。
クレンジング・洗顔は優しく行う
乾燥肌を改善するのに、クレンジング・洗顔で心がけたいことはありますか?
クレンジング・洗顔は、優しく行っていただきたいです。
それには、具体的にはどんなことがポイントになりますか?
ひとつは、お湯の温度は34度くらいで、お顔を洗います。
34度というと、かなりぬるいですよね?
はい、お風呂と同じくらいの温度のお湯をお顔にかけると、皮膚の表面が反ってしまって、角質層の水分がさらに蒸発しやすくなります。
例えると、テーブルに牛乳が1滴落ちて、それを拭き取らずにいると、ひび割れるイメージです。
ですので、お顔は、体温よりもちょっと冷たいくらいのお湯で洗っていただきたいです。
それから、タオルでゴシゴシとお顔を拭かないことです。
先程のお話でも、肌摩擦が乾燥肌の原因になるとおっしゃっていましたもんね。
はい、後は、特に夏場は、強い日焼け止めを塗っている方も多いです。
それ自体もお肌への負担になりますし、それを落とすために、何度もクレンジング・洗顔する方もいらっしゃいます。
そうすると、必要以上の油まで取りすぎてしまいます。
ですので、強すぎる日焼け止めを控えるのも、ひとつですよ。
日焼け止めのSPFの数値(紫外線B波を防ぐ効果を表す数値)は、「何も塗らない場合と比べて、紫外線によるダメージをどのくらい軽減するか」を表しているのですが、だからといって、SPFの数値が高ければいいわけではありません。
日焼け止めは、SPFが30くらいのお肌への負担の少ないUVケアを心がけることもおすすめです。
SPF30以上は、紫外線の防止効果に、大きな差はないことがわかっていますので。
スキンケアできちんと保湿する
乾燥肌を改善するには、もちろん、スキンケアでの保湿も大事です。
スキンケアできちんと保湿するのに、化粧水の付け方でポイントはありますか?
サロンでは、化粧水ではなく、ビタミンAなど抗酸化力のある成分をお肌に入れ込むジェル化粧品を使用していますが、化粧水を付ける場合は、手で叩くようにして塗るのではなく、しっかりとお肌に入れ込むように塗るといいですよ。
いちど化粧水を塗ったら、もういちど化粧水を入れ込むように塗ってあげます。
化粧水を重ね付けするということですね。
はい、そうしたら、時間を空けずにクリームを塗ります。
どうして、化粧水の後は、時間を空けずにクリームを塗ることが大事なんですか?
化粧水で水分を与えただけでは、その水分が蒸発しやすいからです。
ですので、お肌に化粧水の水分がある内に、クリームでしっかりと上からふたをしてあげることが大事です。
それは、夏場でも行っていただきたいことです。
後は、化粧水は、基本的にお肌の表面をうるおすものですから、抗酸化ビタミンなどの抗酸化力のある成分をお肌の中にまで入れ込めるような高機能のスキンケア化粧品を使うこともおすすめですよ。
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生活習慣で心がけたいこと
生活習慣で、乾燥肌を改善するのに心がけたいことはありますか?
「ビタミンA」・「ビタミンC」・「ビタミンB」や、「鉄分」・「亜鉛」などのミネラル成分を多く含んだ食べ物を摂るようにするのもいいですよ。
それから、適度な運動を行って、血行促進して代謝をアップさせることです。
後は、良質な睡眠をとって、成長ホルモンをきちんと分泌させることも大事です。
睡眠時間は、少なくても6時間はキープしていただきたいです。
特に、22~2時の「ゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯には、睡眠をとっていただきたいです。
まとめ
今回のインタビューで挙がった、乾燥肌の原因をまとめます。
・クレンジング・洗顔でのこすりすぎや洗いすぎ
・夏場に強い日焼け止めを使う
・スキンケアを化粧水だけで終わらせている
・生活習慣の乱れ
・紫外線
乾燥肌は、元々の肌質によるところもありますし、加齢によるものもありますが、日々のスキンケアや生活習慣によっても、お肌が乾燥に傾く場合もあります。
特に、クレンジング・洗顔で、きちんと汚れを落とそうとして、こすぎすぎたり洗いすぎたりすることには気を付けたいところです。
乾燥肌を防ぐためにも、どんなことが原因になるのかを抑えておくことも大切ですよ。