「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「手作り乳液」です。
島根県 アロマセラピー スラージェ の生越 知子 先生にインタビューさせていただきました。
生越先生はアロマセラピストさんで、手作り化粧品のワークショップもお開きになっています。
スキンケア化粧品では、植物オイルを使って、乳液を手作りすることもできるそうです。
そんな乳液の作り方を、生越先生に教えていただきました。
目次
キャリアオイルで乳液を手作りする
・水分と油分を混ぜ合わせるには?
乳液の作り方
・材料
・作り方の手順
・手作り化粧品の注意点
キャリアオイルで乳液を手作りする
生越先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「手作り乳液」です。
乳液を手作りするのに、ポイントになる材料はありますか?
手作り乳液でこだわりのポイントとしては、「植物油・キャリアオイル」です。
オイルにも、色々ありますので。
手作り乳液の材料として、おすすめのキャリアオイルはありますか?
美容オイルには、お肌にはいいけれど酸化しやすいものもあります。
例えば、「ローズヒップオイル」などもそうですよね。
ローズヒップオイルは私も好きなんですが、酸化しやすいんですよね…。
乳液は手作りしてから、しばらく使い続けるものです。
酸化しやすいオイルを使う場合でも、酸化防止剤を加えたりしてうまくバランスを取れればいいですが、それはハードルが高いのではないかと思います。
そうですね、酸化防止剤を使って乳液を手作りするのは、初心者には少し難しそうです…。
ですので、手作り乳液には、酸化しづらいオイルを使っていただくのがおすすめです。
それは、例えばどんなオイルがありますか?
マッサージオイルとしても使われる有名なところでは、「ホホバオイル」や「スイートアーモンドオイル」などがそうですね。
後は、アーユルヴェーダ(インドの伝統医学の)でよく使われる「セサミオイル」もいいですし、「マカダミアナッツオイル」や「ココナッツオイル」もいいですよ。
後は、ご自身の肌質に合わせて(オイルを)お選びになっていただければと思います。
いま名前の挙がったオイルの中で、特に使いやすいオイルはありますか?
私がよく使っているのは、「スイートアーモンドオイル」です。
スイートアーモンドオイルは、割とどなたでも使いやすいオイルです。
後は、季節によって「ホホバオイル」を手作り乳液に加えたり、年齢肌を気にされている方には、「マカダミアナッツオイル」にしたりしています。
マカダミアナッツオイルには、年齢とともに減少するといわれるパルミトレイン酸が多く含まれています。
ホホバオイルは保湿力が高いので、乾燥する秋冬に合いそうですね。
そうですね、キャリアオイルは、精油の成分を運んでいってあげる役割という意味で、「キャリア」といいます。
ただ、ホホバオイルに関しては、厳密にはオイルではなく液状ワックスです。
ですので、ホホバオイルはお肌に浸透するというよりも、お肌を保護してくれる作用が高いです。
それもあって、私は冬の手作り乳液には、ホホバオイルを使うことが多いです。
手作り乳液におすすめの植物オイル
[ベーシック]スイートアーモンドオイル
[乾燥肌向け]ホホバオイル
[年齢肌向け]マカダミアナッツオイル
[その他]セサミオイル、ココナッツオイル
など
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水分と油分を混ぜ合わせるには?
本来、水分とオイルは、混ざり合いませんよね。
でも、乳液を手作りするには、水分とオイルを混ぜ合わせる必要があると思います。
それには、どうしたらいいんですか?
私は、水分と油分を混ぜ合わせるのに、植物性の乳化ワックスを使っています。
乳化ワックスは、手作り化粧品の材料を扱っている専門店などで手に入りますし、インターネットで「植物性乳化ワックス」や「エマルシファイイングワックス」と検索すれば出てきますよ。
乳化剤にも色々な種類がありますが、使いやすさという点では、植物性の乳化ワックスがおすすめですよ。
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乳液の作り方
材料
乳液を手作りするときの材料を教えてください。
「植物性乳化ワックス」が2g、「キャリアオイル」が8g、「精製水」が40gです。
合計すると…50gの乳液が出来上がるんですね。
ちなみに、手作り乳液には、精油も入れられるんですか?
はい、大丈夫ですよ。
乳液50gを手作りする場合は、精油は、お好みのものを2~3滴でいいと思います。
精油を3滴入れると、「香りが強いな…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
手作り化粧品の教室でも、精油をたくさん入れようとする方もいらっしゃるのですが、乳液は、お顔に付けるものですので、香りが思った以上に鼻に付きます。
ですので、精油は入れすぎるよりも、「香りがちょっと物足りないかな…」くらいで抑えておくといいですよ。
後は、天然の防腐剤が適量を、手作り乳液に加えます。
防腐剤は、商品によって推奨の濃度が違いますので、分量は商品の説明に従ってください。
手作り化粧品の専門店などで取り扱いがありますよ。
手作り乳液の材料
・植物性乳化ワックス:2g
・キャリアオイル:8g
・精製水:40g
・精油:2~3滴(香りが物足りないくらいで抑えておくのがおすすめ)
・天然の防腐剤:適量
作り方の手順
では、乳液の作り方を教えていただけますか?
まずは、ビーカーなどにキャリアオイルを入れて、そこに植物性の乳化ワックスを入れます。
それから、湯煎(容器ごとお湯に入れて間接的に温めること)で、ワックスが溶けるまで温めます。
それと同時に、別のビーカー容器などで、精製水を温めておきます。
精製水は、お鍋などで温めていいんですか?
お鍋を使うと雑菌が入ったりする可能性もあるので、やはり、きれいなビーカー容器に入れて湯煎するのがいいと思いますよ。
それで、オイルも精製水も、大体45度くらいになるまで温めます。
なるべく同じ温度に温めましょう。
ワックスが溶けたらオイルとワックスをよくかき混ぜて、火を止めます。
そして、そこに、温めた精製水をジャーッと入れます。
そこからは、ノンストップで撹拌(かくはん・かき混ぜること)します。
泡立てる必要はありませんが、しっかりかき混ぜるようにしましょう。
ここで手を止めると、水と油が分離してしまい、温度が下がると混ざらなくなってしまいます。
ですので、温度を自然に下げながら、手を止めることなく混ぜ続けます。
そうすると、とろみが出てきてクリーム状になってきます。
そうして撹拌された状態で、ある程度まで温度が下がると、その状態のまま安定します。
もし、とろみが出る前に温度が下がってしまうと、水と油が分離してきます。
そうならないように、温度を下げながら10~20分間、手を休めずにしっかり混ぜることが大切です。
そうすると、さっぱりした乳液というよりも、とろみのあるしっとりとした乳液が出来上がるんですね。
はい、ちょっと固めの乳液ですね。
手作りした乳液は、ひと晩置いておくと、とろみもしっかりしてくるので、最初は「ちょっとゆるめかな…」というくらいのテクスチャーでも大丈夫ですよ。
ちなみに、乳液の固さは、精製水の水分量で調節できますよ。
手作りした乳液は、どのくらいの期間持つんですか?
防腐剤を入れない場合は、2週間で使い切っていただきたいです。
防腐剤を入れた場合は…何をどのくらい入れるかでも変わってくるので、一概には言えないのですが…2ヶ月くらいは持つと思いますよ。
乳液の作り方
1. キャリアオイルとワックスをビーカーに入れて湯煎する
2. 精製水を別のビーカーで湯煎しておく
3. ワックスが溶けたら、オイルとよく混ぜ合わせて火を止める
4. そこに、温めた精製水を入れる
5. 温度を自然に下げながら、手を休ませることなく混ぜ続ける
6. とろみが出て、温度が下がって安定したら完成
手作り化粧品の注意点
生越先生には、手作り化粧品の注意点についてもアドバイスいただきました。
まずは、容器は消毒してから使います。
それは、煮沸(しゃふつ)消毒でも大丈夫ですし、先生ご自身は、消毒用のエタノールをスプレーで容器にかけて消毒されているとのことでした。
それから、手作り化粧品は、市販の化粧品と比べると品質が不安定なため、きちんと管理することが必要です。
冷暗所に置いて保管し、使用期限を守り、「おかしいな…」と不安に思ったときは使用をやめるようにしましょう。
手作り化粧品の注意点
1. 容器は消毒してから使用する(煮沸消毒、エタノールによる消毒、など)
2. 管理をきちんと行う(冷暗所で保管する、使用期限を守る、違和感があったときは使用をやめる、など)
編集部の選ぶ手作り乳液好きにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、生越先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、手作り乳液にご興味のある方におすすめの化粧品をご紹介します。
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* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
キャリアオイルで手作りする乳液は、オイルの保湿力や効能を得ることができます。
お肌の状態や季節によって、オイルを変えるのも良いですね。
乳液を手作りする上で、特にポイントになるのが、熱を冷ましながら水分と油分を混ぜ合わさるときに、手を休めずにかき混ぜ続けることです。
手作り化粧品のお好きな方は、乳液もチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
* 2018年4月23日に公開した『キャリアオイルでしっとり乳液を手作り!作り方をアロマ講師に聞く!』を再編集しました。