今回のテーマは、「顔の皮脂(ひし)を抑える方法」です。
肌育&再生美容 サロンプルマージュ の 今泉 まいこ 先生に、インタビューさせていただきました。
顔のべたつきが気になるときは、皮脂を取ることに意識が向きがちです。
ただ皮脂分泌が増えるのは、肌の乾燥によるところも大きいといいます。
そのため顔の皮脂を抑えるには、スキンケアでしっかりと保湿を行うことや、皮脂を取りすぎないことも大切だそうです。
顔の皮脂が増える原因や抑える方法について、今泉先生に話をお聞きしました。
目次
顔の皮脂が増える原因
・肌の乾燥によっても皮脂分泌が増えるなど
顔の皮脂を抑える方法
・皮脂は取るのではなくシルクパウダーに吸収させる
・顔の皮脂を抑えるにはスキンケアでの保湿も大事
・クレンジング・洗顔後に温冷ケアで毛穴を引き締めるなど
・お風呂は湯船につかるようにして生活習慣を整える
顔の皮脂が増える原因
今泉先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「顔の皮脂を抑える方法」です。
まずは、皮脂とは何ですか?
皮脂は、毛穴の中にある皮脂腺(ひしせん)から分泌されている油分です。
皆さん、「皮脂」というと嫌な感じを受ける方も多いと思います。
そうですね(笑)、皮脂はテカリやべたつきの原因になるので、あまりいいイメージはありません。
ただ皮脂は、人間の皮膚を守るための重要な分泌物でもあります。
肌表面は、油分である皮脂と水分が混ざり合って「皮脂膜(ひしまく)」が作られて、お肌を保護してくれています。
皮膚には、皮脂や汗などでもたらされる「ナチュラルモイスチャーバランス」があります。
そのバランスが保たれていれば、乾燥や外からの刺激に強いお肌を作ることができます。
そうすると極端なことをいえば、スキンケア化粧品で油分を補わなくても皮脂だけで健(すご)やかなお肌を保つことができます。
例えば、赤ちゃんはそうした生理機能が整っているから、化粧品を何も付けなくても皮脂だけできれいなお肌を保つことができます。
ですので化粧品のクリームなどは、その皮脂の代わりということもできますね。
そうすると皮脂は、一概に悪いものとはいえませんね…。
はい、皮脂はそれに加えて、体温を調整したり、お肌を弱酸性に保ったりするような役割もあって、本来はお肌に必要なものです。
皮脂の働き
・肌の乾燥を防ぐ
・外の刺激から肌を守る
・体温を調整する
・肌を弱酸性に保つ
など
【編集部補足】皮脂膜について
皮脂と汗などの水分によって作られる皮脂膜には、皮膚の水分の蒸発を防いだり外部の刺激から皮膚を保護したりする働きがあります。
肌の乾燥によっても皮脂分泌が増えるなど
皮脂がお肌にとって大切な働きをしていることはわかりましたが、それでも皮脂が多くなるとマイナス面も出てきますよね…。
そうですね、まずは見た目も油っぽくなってしまいます。
特に皮脂腺の多いTゾーンは、テカリが起きやすいです。
それにお化粧も崩れやすくなりますし、夕方になると、分泌された皮脂とお化粧が混じって、くすんだ印象も出やすくなります。
後は、過剰な皮脂の分泌で吹き出物を招いてしまう場合もありますね。
そうして顔の皮脂が増えるのは、何が原因になるんですか?
若い方の場合は、不規則な生活や食べ物に原因があることが多いです。
それに対して年齢が上がってくると、女性ホルモンの影響が大きくなってきます。
それは、サロンのお客様をみていても感じることです。
エステに起こしになられる方は、普段からきちんとお手入れされている方が多いです。
それでも、お顔の皮脂分泌が多くなっている方もいらっしゃいます。
そういった方の皮脂の過剰分泌を突き詰めていくと、普段のお手入れに原因があるというよりも、ホルモンバランスの影響を受けていることが考えられます。
それから、お肌の乾燥も皮脂の過剰分泌の原因になります。
お肌が乾燥しているから、自分で皮脂を多く出してしまうのですね。
中には、皮脂の分泌が多いときは、ベタベタするのでクリームを塗らなかったりしてお手入れを抑える方もいらっしゃるでしょう。
ただ皮脂の過剰分泌は、お肌の乾燥からも起こりますので、そうしてお手入れでの保湿が不足していると、余計に皮脂が出やすくなってしまう可能性もあります。
顔の皮脂が増える原因
・生活サイクルや食事などの生活習慣の乱れ
・加齢によるホルモンバランスの乱れ
・肌の乾燥
など
【編集部補足】皮脂分泌について
肌の水分が不足していると、それ以上の乾燥を防ぐために皮脂の分泌が増えやすくなります。
そうして肌表面はオイリーで内部は乾燥している状態を「乾燥性脂性肌・インナードライ」といいます。
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顔の皮脂を抑える方法
皮脂は取るのではなくシルクパウダーに吸収させる
顔の皮脂を抑えるには、いま出ている皮脂を取ったほうがいいんですよね?
たしかに皮脂が多いときは、それを取りたくなるお気持ちはよくわかります。
ただ先程もお話しましたが、皮脂の過剰分泌はお肌の乾燥から来ている場合もあります。
そこで皮脂を取ってしまうと、また皮脂が分泌されやすくなってしまいます。
そうか、皮脂を取りすぎると、お肌は余計乾燥しやすくなりますもんね…。
はい、ですので皮脂を取るのにも、あぶらとり紙は控えていただきたいです。
あぶらとり紙は、必要な皮脂まで取りすぎてしまいやすいです。
それよりもおすすめなのが、シルクパウダーを使用することです。
これは、サロンのお客様にもおすすめしています。
お顔の皮脂が気になったときは、お顔をシルクパウダーで抑えてあげましょう。
そのときも、皮脂を取るというよりも、シルクパウダーをお肌になじませるようなイメージです。
それによって、シルクパウダーが皮脂を吸収してくれます。
例えば日頃からシルクパウダーを持ち歩くようにして、お化粧直しのときなどにお顔をシルクパウダーで抑えていただくのもいいですね。
後は、朝のお化粧の前にシルクパウダーを付けていただくのもおすすめです。
それでその上から、ファンデーションを乗せていきます。
ファンデーションも、シルクパウダーで整えたところに塗ったほうが乗りも良くなります。
それに、朝にシルクパウダーを付けておけば、日中に皮脂が出ても、パウダーになじんでテカリなどを抑えることにもつながります。
顔の皮脂を抑える方法
【皮脂を取る方法】
・シルクパウダーで抑えて皮脂を吸収させる
顔の皮脂を抑えるにはスキンケアでの保湿も大事
ここまでの話をお聞きすると、顔の皮脂を抑えるにはスキンケアでの保湿も大事といえそうです。
はい、皮脂の過剰分泌は肌質や生活習慣によるところもありますが、お肌の乾燥から来ているケースもとても多いです。
お肌がきちんとうるおっていれば皮脂も出づらくなりますので、皮脂を抑えるのにも、スキンケアでの保湿は大切です。
スキンケアでの保湿方法でアドバイスはありますか?
お顔をたっぷりと保湿するには、ローションパック(化粧水でパックを行うこと)もおすすめです。
それでローションパックは、水の力を借りて行うといいですよ。
それは、どういうことですか?
ローションパックはまず、コットンにお水を少し含ませてあげます。
それからコットンに化粧水をひたして、お顔に乗せます。
それによって、コットンに含んだお水の力で、化粧水がさらにお肌に入り込みやすくなります。
それからローションパックで意外と勘違いされているのが、パックは長く行うほど効果的ということです。
ローションパックを長時間行うと、パックが乾燥して、逆にお肌の水分がパックのほうに持っていかれてしまいます。
それによって、お肌の乾燥の原因にもなります。
ですのでローションパックを行う時間は、3分くらいで大丈夫です。
ちなみにローションパックは、お化粧の上から行うこともできます。
え、そうなんですか(笑)!?
はい、ですので、例えばお昼休みの食事の後、歯を磨く間だけローションパックのコットンをほっぺの上に一枚置いておくだけでも、お肌の乾燥は変わってきますよ。
他に、顔の皮脂を抑えるのに、スキンケアでのポイントはありますか?
先程もお話しましたが、皮脂の分泌が多いときは、べたつきが気になってクリームを塗らない方もいらっしゃいます。
中には、お手入れを化粧水だけで終わらせている方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、皮脂の過剰分泌はお肌の乾燥からも起こりますので、そういうときでも、クリームなどでお肌に足りていない油分を補っていただきたいです。
それが、皮脂を抑えることにもつながります。
実際サロンでも、そういったお客様には、皮脂の分泌が多いときも、お手入れの最後はクリームなどでふたをしていただくようにお伝えしています。
そうして正しいスキンケアを行ってお肌の水分を保つことが、皮脂を抑えることにもつながります。
それからスキンケアに、収れん化粧水(肌の引き締め作用の高い化粧水)を取り入れるのもひとつです。
収れん化粧水で毛穴を引き締めてあげることで、皮脂を抑えることにもつながります。
それに、特に夏場に多いですが、毛穴が開いたままお化粧を乗せていっても、お化粧は美しく仕上がりません。
そうした化粧ノリを良くするのにも、収れん化粧水はいいですよ。
顔の皮脂を抑える方法
【スキンケアでの保湿方法】
・ローションパックを行う
・べたつきが気になるときもお手入れはクリームなどで仕上げる
・収れん化粧水で毛穴を引き締める
など
オイリーケアに美容家がみずみずしさに驚いた洗顔後ミルク!
キレイの先生 ブースターミルク
みずみずしいミルクでうるおいが肌奥までギュッと引き込まれる!(サロン結香 矢澤 ともみ 先生)
キレイの先生 ブースターミルク
みずみずしいミルクでうるおいが肌奥までギュッと引き込まれる!(サロン結香 矢澤 ともみ 先生)
クレンジング・洗顔後に温冷ケアで毛穴を引き締めるなど
顔の皮脂を抑えるのに、クレンジング・洗顔でのポイントはありますか?
まずは、お顔のべたつきが気になるからといって、クレンジング・洗顔でゴシゴシとお顔を洗わないことです。
そうすると、お肌に必要な皮脂まで落としすぎてしまいやすいですし、摩擦はお肌自体にもダメージを与えてしまいます。
ですので、クレンジング・洗顔は優しく行うようにしましょう。
例えば洗顔は、しっかりと泡を立てて、その泡でお顔を洗います。
それから毛穴を閉じるのに、洗顔後に温冷ケアを取り入れるのもおすすめです。
サロンのお手入れでも、お肌を引き締めるために、90分の施術の間に温冷ケアを取り入れています。
その温冷ケアはどんなことができるんですか?
ご自宅でしたら、洗顔後に温タオルと冷タオルをお使いになるのもいいですね。
洗顔後、お肌のべたつきや毛穴開きが気になる場所に、まずは温かいタオルを当てます。
そしてしばらくしたら、次に冷たいタオルを乗せます。
それによって、毛穴の引き締めにもなりますし、小顔効果も期待できますよ。
顔の皮脂を抑える方法
【クレンジング・洗顔のポイント】
・クレンジング・洗顔は優しく行う
・洗顔後に温タオルと冷タオルを当てて毛穴を引き締める
など
お風呂は湯船につかるようにして生活習慣を整える
顔の皮脂を抑えるのに、生活習慣で心がけたいことはありますか?
皮脂の分泌に限ったことではありませんが、お風呂をシャワーだけで済ませてしまうことは、お肌にもマイナスです。
ですので、お風呂はきちんと湯船につかって身体を温めていただきたいです。
それから、睡眠不足などの生活習慣も皮脂分泌が増える原因になります。
皮脂を抑えるのにも、基本的なことではありますが、睡眠時間を十分にとるようにするなど、生活習慣を整えることも大切ですよ。
顔の皮脂を抑える方法
【生活習慣で心がけたいこと】
・お風呂は湯船につかる
・睡眠などの生活習慣を整える
など
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顔の皮脂を抑えるのにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、今泉先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部の選んだ顔の皮脂を抑えるのにおすすめの化粧品をご紹介します。
キレイの先生 ブースターミルク
うるおいを抱えて乾燥知らずに!美容家も驚く洗顔後すぐのミルク
この『キレイの先生』に登場した美容のスペシャリストの先生方と開発した、洗顔後の最初のミルクです。
みずみずしいミルクが肌をふっくらとやわらかくして、うるおいを肌の奥までグングン引き込み、肌の水分保持成分の「セラミド」と「天然保湿因子」がそのうるおいを抱き込んで乾燥知らずのウルウル透明肌に導きます。
●内容量:30mL
●通常価格:税別2,980円
開発協力者の声

みずみずしいミルクがうるおいを肌奥でギュッと抱えて乾燥知らずのフワフワ肌に!
まずは、ミルクのイメージを裏切るようなみずみずしさにびっくりしました。乾いたスポンジに水分が入っていくみたいにうるおいが肌の奥にギュッと引っ張られて、そのままでいても乾燥を感じません! 肌が水分をきちんと抱え込めるようになって、やわらかくフワフワの肌になって透明感も出て感謝しています(笑)。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
顔のべたつきが気になるときは、皮脂を取ることに意識が向きがちです。
ただ皮脂分泌が増えるのは、肌の乾燥によるところも大きいです。
そのため顔の皮脂を抑えるには、スキンケアでしっかりと保湿を行うことや、皮脂を取りすぎないことも大切です。
まずはそういったところを意識することをおすすめします。
* 2018年2月23日に公開した『皮脂を抑えるには?肌育美容家からのスキンケア等のアドバイス8つ!』を再編集しました。