今回のテーマは、「ココナッツオイル」です。
アーユルヴェーダサロン Anila の紺野 由紀子 先生に取材させていただきました。
ココナッツオイルは、食用のオイルのイメージが強いかもしれませんが、美容面での効能にも優れていて、お肌や髪のケアにも向いています。
アーユルヴェーダ(インド・スリランカの伝統医学)でも、ココナッツオイルは、マッサージオイルとして一般的に使用されています。
そんなココナッツオイルの効能やスキンケアなどでの使い方について、紺野先生に教えていただきました。
目次
ココナッツオイルとは
・液体に戻したココナッツオイルは肌なじみが良い
ココナッツオイルの効果・効能
・口から摂るとダイエットにも良い
・保湿力があるので肌に付けるのもおすすめ
ココナッツオイルを肌や髪に使用する方法
・スキンケアではブースターオイルなどとしても
・髪の保護作用もありヘアケアにもおすすめ
・アーユルヴェーダではトリートメントに使用される
ココナッツオイルとは
紺野先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「ココナッツオイル」です。
ココナッツオイルは、ココナッツから抽出されるオイルなんですよね?
はい、ココナッツオイルは、ヤシの実を割ると白い果肉がありますが、その部分から抽出されたオイルです。
ココナッツは、温暖な地域の植物のイメージがあります。
そうですね、ココナッツはヤシ科の単子葉植物です。
主な産地は、温暖な東南アジアやインドネシアなどです。
後は、アフリカや中南米の赤道付近の国などにも自生しています。
ココナッツオイルは、ココナッツの実からどのように抽出されるんですか?
一般的なココナッツオイルは、乾燥させたココナッツ果肉を高温で圧搾(あっさく)して、オイルが抽出されることが多いようです。
量も多く抽出できるので、価格的にも比較的お手頃です。
ただ、ココナッツオイルでもおすすめなのが、エクストラバージンオイルです。
エクストラバージンオイルは、生の果肉を低温圧搾法(熱を加えずに圧搾してオイルを抽出する方法)でオイルを抽出しているものが多く、ココナッツ本来の栄養分がしっかり残っています。
それに、ココナッツの豊かな香り残っています。
ココナッツオイルについて
・植物:ヤシ
・抽出部位:実
・抽出方法:圧搾法
液体に戻したココナッツオイルは肌なじみが良い
ココナッツオイルは「オイル」といいますが、白い固形になっていますよね。
はい、ココナッツオイルは、元々は液状のオイルですが、25度以下の温度になると固まる性質があります。
それは、ココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)が低温で固形化するためです。
ですので、ココナッツオイルを温めてあげると、また液状に戻りますよ。
液状に戻したときのココナッツオイルは、どんなテクスチャーなんですか?
サラッとしていて伸びが良く、肌なじみもいいです。
ですので、トリートメント(マッサージ)にも使いやすいですよ。
ココナッツオイルは、香りも付いているんですよね?
はい、抽出方法によって差はありますが、ココナッツの甘い香りがしますよ。
オイルの特徴
・質感:サラッとしていて伸びが良い
・肌なじみ:良い
・香り:ココナッツの甘い香り
・その他:25度以下の温度で固形化する
ココナッツオイルの効果・効能
口から摂るとダイエットにも良い
ココナッツオイルには、どんな栄養が含まれているんですか?
飽和脂肪酸が90%以上です。
それから、食物繊維・ビタミン・ミネラルなども豊富に含まれています。
ココナッツオイルは、どんな効果・効能が期待できるんですか?
口から摂っても、健康や美容にもいいんですよね?
そうですね、一般の食用油に含まれる「長鎖脂肪酸(ちょうさしぼうさん)」は、体内に吸収された後、血管やリンパ管を通って、脂肪組織・筋肉・肝臓などに運ばれて貯蔵され、必要に応じてエネルギーとなります。
それに対して、ココナッツオイルに多く含まれる「中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん・飽和脂肪酸の一種)」は、体内への吸収が早く、効率よくエネルギーになります。
ですので、体内にたまりにくい特徴があります。
そうすると、ココナッツオイルはダイエットに良さそうです。
はい、それに中鎖脂肪酸は、植物性脂肪の燃焼を助けてくれる作用があるといわれています。
それも、ダイエットに有効な作用ですね(笑)。
それから、ココナッツオイルは食物繊維を含んでいるので、便秘改善にも期待できます。
それに、ビタミンEを含んでいるので、血流改善にもいいです。
後は、ココナッツオイルは、ウイルスや細菌を抑制する抗菌作用があるとされていますし、血管系の病気や認知症などの予防にも役立つといわれています。
効果・効能
(口から摂取した場合)
・中鎖脂肪酸は体内にたまりづらく、植物性脂肪の燃焼を助ける作用がある
・食物繊維を含んでいて、便秘改善に期待できる
・ビタミンEを含んでいて血流改善にもつながる
・ウイルスや細菌を抑制する抗菌作用がある
・血管系の病気や認知症などの予防に役立つ
など
保湿力があるので肌に付けるのもおすすめ
ココナッツオイルは、肌に付けて使うこともできるんですよね?
はい、ココナッツオイルは保湿力がありますので、スキンケアに使うこともできます。
それに、抗菌・殺菌作用もあります。
そうすると、肌荒れなどの予防にも良さそうですね。
それに、皮膚の炎症を抑えるような作用も期待できるので、日焼け後のケアにもお使いいただけます。
それから、ココナッツオイルには、太陽光を身体になじませる作用もあるとされています。
ですので、タイの南北のほうでは、日焼け止めとして使われることもあるそうです。
ちなみに、アーユルヴェーダでは、アーユルヴェーダで熱性の「ピッタ」という体質があるのですが、ココナッツオイルは、それを全体的に下げてくれる作用があります。
ですので、ココナッツオイルは、どちらかというと夏の暑い時期におすすめのオイルです。
それから、例えば皮膚の炎症や胃腸系のトラブルを感じたときなども、ココナッツオイルでのトリートメントが向いています。
効果・効能
(肌に塗布した場合)
・保湿力がある
・抗菌・殺菌作用があって、肌荒れの予防に役立つ
・皮膚の炎症を抑える作用があり、日焼け後のケアにも使用できる
・太陽光を身体になじませる作用もあるとされている
・アーユルヴェーダでは、熱性を下げる作用があるとされている(そのため、夏の暑い時期や肌が炎症を起こしているときのケアに向いている)
など
ココナッツオイルを肌や髪に使用する方法
ココナッツオイルをセルフケアに使うときは、固形の状態から液体に戻すんですよね?
はい、手でなじませていくと、人肌の温かさで溶けていきますよ。
ただ、おすすめなのは、湯煎(ゆせん・耐熱容器に入れてお湯で間接的に温めること)で、固形から液状に戻すことです。
そうすると、使いやすいですよ。
当サロンでも、ココナッツオイルは湯煎で液体に戻してから、トリートメントに使用しています。
使い方
(固形から液体への戻し方)
・手でなじませて、人肌の温かさで液体に戻す
・湯煎して液体に戻す
スキンケアではブースターオイルなどとしても
ココナッツオイルは、スキンケアではどんな使い方ができますか?
色々な使い方ができますが、お顔を洗ったすぐ後にお付けいただいても大丈夫です。
ココナッツオイルを「ブースターオイル(洗顔後の最初にオイルを付けてその後のスキンケア化粧品の浸透を高める)」として使うということですね。
それに、化粧水の後にお付けいただくこともできます。
後は、クレンジングオイルとしても、ココナッツオイルを使用できますよ。
使い方
(スキンケアに使用する場合)
・洗顔後にブースターオイルとして使用する
・化粧水後の美容オイルとして使用する
・クレンジングオイルとして使用する
など
髪の保護作用もありヘアケアにもおすすめ
他に、ココナッツオイルは、セルフケアに使えることはありますか?
ココナッツオイルは、髪を健康に保って保護する特性もあって、ヘアケアにもいいです。
特に、カラーリングなどで傷んだ髪のケアに向いています。
ヘアケアには、どんな使い方ができるんですか?
洗髪前に、髪の毛にココナッツオイルを塗布してあげるのがおすすめです。
それによって、髪の強さの向上にもつながりますよ。
使い方
(髪に使用する場合)
・洗髪前に髪の毛に塗布する
など
アーユルヴェーダではトリートメントに使用される
ちなみに、アーユルヴェーダでは、ココナッツオイルはどんな使い方がされているんですか?
トリートメントに使用されることが多いです。
ボディのトリートメントに、ココナッツオイルをベースにしたハーブオイルが使われたりしています。
後は、足裏にほてりを感じたようなとき、足裏のマッサージにココナッツオイルを使うこともあります。
それによって、その熱性を下げてくれます。
先生のサロンでも、トリートメントにココナッツオイルを使っているんですか?
はい、トリートメントオイルは、お客様の体質に合わせて選びますので、例えば「ピッタ」の強い方や皮膚トラブルのあるような方には、ココナッツオイルをベースにしたハーブオイルを使うことが多いです。
合わせて読みたい!
編集部の選ぶココナッツオイル好きにおすすめの化粧品
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、紺野先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部の選んだココナッツオイル好きにおすすめの化粧品をご紹介します。
ヴァーチェ マルラオイル
南アフリカで「神の木」とも呼ばれるマルラの木の実から採れる希少なエイジングケアオイルです。マルラの木が乾燥の厳しい環境で育つだけに高保湿で、アルガンオイルの約3.6倍の抗酸化力を備え、「ビタミンC・E」や「オメガ6・9」などの年齢肌に大切な成分を豊富に含んでいます。オイルとは思えないサラサラした質感が特徴で、肌にすっと浸透して油浮きの不快感もなく、オイル独特の匂いもほとんどありません。
●内容量:18mL
●通常価格:税別3,680円
美容家の感想
オイル苦手女子にもすすめられるサラサラ感!保湿力も高くて肌がふっくら!
オイルだけどサラサラで浸透がいいから肌にスッとなじんで、オイルのべたつきな苦手な方にもすすめられる使いやすさです。それでいて、オイルならではの保湿感は高くて、夜のお手入れの仕上げに使うと翌朝までうるおいが保てましたし、肌に弾力が出てふっくらして乾燥小じわも改善されました!
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
まとめ
ココナッツオイルは、食用のオイルのイメージが強いかもしれませんが、アーユルヴェーダではトリートメントオイルとして使用されています。
保湿力もあるので、スキンケアでお肌に付けても良いですし、髪を保護する作用もあるので、ヘアケアにも向いています。
アーユルヴェーダでも、トリートメントオイルとして一般的に使用されています。
普段のセルフケアに、ココナッツオイルを取り入れてみてはいかがでしょうか?
* 2018年1月17日に公開した『美容家の語るココナッツオイルの効果効能!スキンケア等にもオススメ』を再編集しました。