「キレイの先生」編集部です。
今回は、アーユルヴェーダサロン Anila の紺野 由紀子 先生に取材させていただきました。
アーユルヴェーダはインド・スリランカの伝統医学で、トリートメント(マッサージ)などでは、主にごま油・セサミオイルがベースのハーブオイルが用いられます。
アーユルヴェーダの知恵は、日常生活に取り入れることもできて、例えば身近なところでは、ごま油でうがいすることも、健康面での効果があるといいます。
そこで今回は、「ごま油・セサミオイル」をテーマに話をお聞きしてきました。
ごま油は、どんな効果・効能があるのでしょうか?
そして、料理以外では、どんな使い方ができるのでしょうか?
紺野 先生に教えていただきました。
目次
ごま油の効果・効能
・栄養
・効果・効能
ごま油でうがいする?
・効果
・やり方
本日のキレイの先生
アーユルヴェーダサロン Anila
紺野 由紀子 先生
「キレイの先生」編集部
ごま油について
紺野 先生、よろしくお願いします。
今回のテーマは、「ごま油・セサミオイル」です。
アーユルヴェーダではセサミオイルが用いられますが、一般的な料理用のごま油とは違うものなんですよね?
はい、(アーユルヴェーダで用いられるセサミオイルは)茶色くて香りの香ばしい一般的なごま油とは、そもそも精製方法が違っています。
一般的にイメージされる食用のごま油は、「焙煎」方法で作られています。
火にかけたごまから抽出されるということですね?
はい、炒(い)ったごまから作られていて、香りも強めで香ばしいです。
それに対して、アーユルヴェーダのセサミオイルは、「圧搾」方法で(ごまを)生のまま絞って作れています。
淡い琥珀色で、香りはそれほど強くありません。
「太白ごま油」と呼ばれるものですね。
太白ごま油について
アーユルヴェーダでは、セサミオイルがどのように使われているのですか?
主には、トリートメント(マッサージ)に使われます。
セサミオイルをベースにしたハーブオイルを、トリートメントで身体の中に浸透させていきます。
後は、(セサミオイルは)シロダーラで使われる他、身体全体にハーブオイルを垂らしていくようなトリートメントもありますし、腰痛のときなどには土手のようなものを作ってその中に温めたセサミオイルを浸して温熱湿布のようにする施術もあります。
シロダーラとは
シロダーラは、温めたセサミオイルなどを第3の目といわれる眉間の辺りを中心に、一定量を垂らし続ける療法のことをいいます。
シロダーラについて
先生のサロンでは、セサミオイルをどのようにお使いになっているんですか?
主には、セサミオイルをベースとしたハーブオイルを、全身のトリートメントに使っています。
それから、シロダーラでもご希望の方には、セサミオイルを使うこともあります。
ごま油の効果・効能
栄養
ごま油は、どんな栄養を含んでいるんですか?
主には、「セサミン」や「セサミノール」、「ビタミンE」などです。
セサミンやセサミノールは、ごまならではの成分ですね。
はい、セサミンやセサミノールは抗酸化成分で、細胞を酸化・老化させる活性酸素を除去する働きもあります。
抗酸化について
効果・効能
ごま油は、どんな効果・効能が期待できるんですか?
アーユルヴェーダでいう「ヴァータ」という乾燥性・冷性を表す性質があるんですが、セサミオイルはそれを下げてくれる作用があるといいます。
ですので、例えばトリートメントに使うと、お肌にうるおいを与えてくれます。
また、ヴァータが増えると、気持ちの面でも落ち着かなくなったり眠りが浅くなったり(眠りから)目がすぐ覚めやすくなったりすることもありますが、(セサミオイルは)このヴァータを落ち着かせるような作用もあるといわれています。
それから、セサミオイルは、身体を温めてくれる作用もあります。
後は、セサミオイルは、デトックス(体内から毒素を排出すること)の効果も高いとお聞きしたことがあります。
そうですね、例えばトリートメントでセサミオイルを使うと、オイルがお肌を通じて毛細血管に入り、血液を通じて全身をめぐります。
それによって、身体の中にたまった老廃物も出しやすくなります。
ごま油でうがいする?
私は初めて聞いたとき驚いたんですが、ごま油はうがいにも使えるそうですね。
はい、アーユルヴェーダでも、うがいといいますか、セサミオイルでマウスウォッシュするような使われ方はされています。
セサミオイルを口の中に含ませ口内全体に行き渡らせ、少し時間を置いた後、口から出します。
効果
ごま油でのうがいは、どんな効果・効能が期待できるんですか?
歯肉炎など、歯ぐきの悩み全般に良いといわれています。
後は、喉の調子が悪いときにも良いといわれています。
ごま油がデトックスの作用も高いことを考えると、殺菌ではありませんが、体内の悪いものを排出するのにも効果が高そうです。
そうですね、舌の裏や口内の粘膜は吸収力が高いといわれていますから、(デトックスにも)良いと思いますよ。
それから、マウスウォッシュのように(ごま油を口の中に含ませて)ブクブクすることで、口の筋肉を使うことにもつながり、お肌にハリを与えてエイジングケアにもなるかと思います。
口の筋肉について
口の筋肉が衰えると、顔のたるみの原因にもなります。ごま油でうがいすると、口の筋肉を使って鍛えることにもなるため、リフトアップ効果も期待できます。
やり方
ごま油でうがいするときは、一般的な香ばしい茶色のごま油でもいいんですか?
香ばしいごま油は調理用として使うのに適しているので、うがいするのにも、圧搾法で抽出されたオイルの方が成分も壊れていないので適していると思います。
抽出法による違い
一般的な香ばしいごま油は、焙煎したごまから抽出されますが、熱を加えたときに損なわれてしまう成分もあります。
セサミオイルをアーユルヴェーダのトリートメントに用いる際は、何というんでしたっけ…加熱処理しますよね。
「キュアリング」ですね。
はい、キュアリングです!
そうですね、(アーユルヴェーダでは)セサミオイルを100度以上にならないように弱火にかけ、その手前で火から離して冷やしたものをビンなどに保存しておいて、それを使います。
キュアリングについて
ごま油でうがいするときも、キュアリングしたオイルがいいんですか?
はい、その方が良いとはいわれています。
加熱することで、オイルの不純物を飛ばすこともできますので。
ごま油でのうがいは、いつするのがおすすめですか?
朝起きてすぐするのがおすすめです。
夜寝ている間に口の中にたまったものを、(ごま油でのうがいで)出してくれますので。
ごま油をマッサージなどに使う
ごま油は、アーユルヴェーダのトリートメントのように、セルフケアでもマッサージなどにも使えますよね?
そうですね、全身の保湿ケアに使うこともできますし、ヘッドマッサージにもお使いいただけます。
それから、足裏のマッサージなどにも良いですよ。
マッサージにごま油を使う場合は、(太白ごま油を)いちどキュアリングしたものがいいんですよね?
はい、後は、キャリアオイル(精油を希釈するトリートメント用の植物オイル)としてもセサミオイルは売られていて、そういうものでしたらキュアリングの必要はなく、そのままトリートメントに使うことができます。
キャリアオイル
キャリアオイルとして販売されているセサミオイルは、製品にもよりますが、高温圧搾で抽出されて熱が加えられていたり、精製されていたりするものが多いため、基本的にはそのままトリートメント(マッサージ)にお使いいただけます。
セサミオイルをマッサージに使うときは、湯煎(耐熱性の容器に入れてお湯で間接的に温めること)などで人肌くらいに温めたものを使うと浸透力が上がりますよ。
セサミオイルは(アーユルヴェーダ的には)万人に使いやすいオイルですが、注意点としては、熱性の強い性質の方はできたら避けた方がいいのと、むくみやすい水の性質を持っている方は大量にベタベタと使わない方がいいです。
まとめ
アーユルヴェーダはインド・スリカンカの伝統医学で、現地では現在でも医療として成り立っています。
ごま油(セサミオイル)は、そのアーユルヴェーダでもっとも代表的なオイルだからこそ、トリートメントだけではなく、うがいにも使えるのかもしれませんね。
ごま油でのうがいは、口内のトラブルにも良いですし、風邪などの予防にもなります。
ホームケアでは、ごま油をマッサージ等に使うこともできます。
皆さまも、アーユルヴェーダの代表的なオイルのごま油を、ホームケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?