「キレイの先生」編集部です。
白髪染めとして知られる「ヘナ」。
ヘナとハーブのお店 mashiro の岩城 里美 先生の「ヘナ」について後編の記事です。
前編の記事では、ヘナの効果について取り上げました。
ヘナは、髪を染めるだけではない効果があり、(インドの伝承医学の)アーユルヴェーダでは薬代わりにも使われるといいます。
この後編では、そんなヘナの使い方や染め方をまとめます。
私は勘違いをしていたのですが、白髪を染めるとき、ヘナを単品で使うことはあまりないそうです。
それは、どうしてなのでしょうか?
* 岩城 先生の前編の記事は、「ヘナの効果4つ!白髪を染めるだけではなく洗髪などの効果も」からご覧いただけます。
目次
ヘナの効果
・ヘナとは
・白髪染め
・美髪
・その他
・ヘナは何が魅力なのか?
本日のキレイの先生
Private Salon mahora
岩城 里美 先生
「キレイの先生」編集部
ヘナの効果
岩城 先生のインタビューの内容に入る前に、前回の記事のおさらいです。
ヘナの効果について、面白い話をお聞きできました。
是非、こちらの記事の前にご覧いただきたい内容です。
私の方で、その内容を簡単にまとめさせていただきます。
ヘナとは
ヘナはミツバキ科の植物で、インドのハーブです。
昼が40~50度、夜が10度くらいで、雨があまり降らない過酷な環境の中でも、自生することができます。
日本で白髪染めに使われるヘナは、ハーブを粉末にしたものです。
本場のインドでも、白髪染めに使われるのが、一般的です。
また、アーユルヴェーダ*では、ヘナが薬代わりにも使われたりしています。
他にも、「メヘンディ(ヘナタトゥー)」などに使われます。
* アーユルヴェーダは、インドの伝承医学です。このサイトでも、「アーユルヴェーダの体質で選ぶ美容オイル!貴方に合うのは?」などで取り上げました。
白髪染め
ヘナには、「ローソン」という赤色の色素が含まれています。
この色素がタンパク質にからみつくようにして、髪を染めたり、タトゥーを描いたりすることができます。
岩城 先生は、ヘナで染まる色について、絵の具で分かりやすく例えられました。
「白」に「赤」を混ぜれば、「オレンジ」になります。
そのため、ヘナは白髪をオレンジに染めることができます。
その一方で、「黒」に「赤」を混ぜても色はあまり変わらないため、ヘナで黒い髪を染めるのには適していません。
美髪
ヘナは、髪を染めるだけではなく、余分な油を取ったり毛穴を洗浄したりして、髪の毛をきれいにする効果もあります。
そのため、シャンプー代わりにもなるといいます。
また、キューティクル*を引き締めることで、髪にハリやツヤが出てきます。
* 髪の毛の表面は、ウロコ状になっていて、それを「キューティクル」といいます。キューティクルがガサガサの状態になっていると、髪がごわごわして、髪のまとまりが悪くなります。
その他
ヘナに含まれる「ローソニア・アルバ」という成分は、肝臓の毒素を排出する作用があるといわれています。
身体のデトックスを行う肝臓の働きが良くなることで、体質の改善につながり、健康や美容にも効果があります。
他にも、ヘナには、子宮の調子を整えるのにも良いです。
ヘナは何が魅力なのか?
ヘナは、白髪染めとして知られていると思います。
私自身も、そのイメージしかありませんでした。
ただ、岩城 先生の話をお聞きすると、ヘナのいちばんの魅力は、健康や美容に良いということかもしれません。
実際、身体のケアの目的で、ヘナをお使いになっている方もいらっしゃるそうです。
今回は、そんなヘナの使い方や染め方を、岩城 先生に教えていただきます。
では、岩城 先生のインタビューの内容です。
ヘナの使い方
岩城 先生、よろしくお願いします。
ヘナの効果についてのお話は、とても面白かったです。今回は、「ヘナの使い方・染め方」について教えていただきたいと思います。
ヘナは、単品で使うと、オレンジに染まります。
そのため、基本的には、他のハーブとブレンドして使います。
市販されているヘナは、もともとブレンドされているものが多いです。
「ヘナしか使っていない」という商品で、髪を黒く染めることができるものは、科学的な成分が入っている可能性があります。
取材の中でも、「ヘナには赤色の色素が含まれていて、それによって髪が染まる」というお話がありました。
たしかに、ヘナ単体ではオレンジに染まってしまい、黒や茶色にはなりませんね。
では、ヘナを白髪染めに使うときは、どんなハーブとブレンドして使うのでしょうか?
私は、「ヘナ」・「インディゴ」・「アーマラキー」・「ハーバル」*というハーブをブレンドして使っています。
「インディゴ」は、藍染めです。デニムを染めるものですね。
絵の具を想像してみてください。
「オレンジ」と「青」を混ぜると、「茶色」になりますね。
ヘナとインディゴの配合によって色を調整したり、2回に分けて限りなく黒くしたりすることができます。
2回に分けるというのは、最初にヘナ、次にインディゴを使う、といった感じです。
たしかに、オレンジと青を混ぜると、茶色になります。
ヘナとインディゴで、色味を調整するのですね。
ちなみに、「アーマラキー」と「ハーバル」は、どのようなハーブなのでしょうか?
「アーマラキー」は、アムラという果実です。
ビタミンCが豊富に含まれています。
ポリフェノールやミネラルも含まれているため、髪の毛のトリートメント効果も高いです。
また、ヘナの赤みを抑える作用もあります。
「ハーバル」は、私の使用しているメーカーのオリジナルのもので、7種類のハーブがブレンドされています。
これらは、色が付くハーブではありません。
ヘナやインディゴの相乗効果を高めてくれるものです。
ちなみに、化粧水に使うこともできるのですよ。
白髪を黒く染めたいときは、それぞれどのくらいの分量を使えば良いのでしょうか?
配合のおすすめは、メーカーさんによって違うので、一概にはいえません。
ただ、黒く染めたいときは、ヘナとインディゴを2回に分けて別々に使うのが良いと思います。
茶色であれば、私の使っているメーカーのものでは、
・ヘナ 2
・インディゴ 2
・アーマラキー 1
・ハーバル 1
が目安です。
ヘナは、おしゃれ染めを求める方には、あまりおすすめしません。
ヘナは自然なものですから、そのときの体調や気温などで、色の入り方が変わることがあります。
一般的なカラーリングには、科学的な成分が含まれています。
それらで身体に影響が出る方や、そういったものを使いたくない方、脱シャンプーをしたい方に、ヘナはおすすめです。
ヘナは、染まり方が100%安定しているわけではないのですね。
ただ、考えてみれば当然のことです。ヘナはハーブで、自然なものですから。
ヘナは、健康や美容の効果も高いですから、白髪染めとしてだけではなく、身体に良いものを摂りたいという方にも良さそうです。
* ハーブの種類は、ブランドによって異なります。
ヘナの染め方
市販されているヘナは、粉末になっているものが多いと思います。
これをどのように使って、髪を染めていくのでしょうか?
まずは、ヘナの粉末を、40~50度のお湯で溶きます。
マヨネーズより少しゆるく、ホットケーキの素よりも少し固めに戻します。
お湯の量は、具体的に何mLとお伝えすることは難しいです。
ヘナは自然なもので、同じお湯の量でも、ゆるくなったり固くなったりします。
そのため、お湯の量は、固さをみながら感覚で調整することをおすすめします。
先程の「染色の色」のお話と同じですね。
ヘナは自然なものですから、そのときによって、溶いたときの固さが変わるのも、当たり前のことです。
お湯で戻したヘナを、髪に塗っていくのですか?
はい。ただ、ヘナは、髪にただ塗れば良いというものではありません。
身体に吸収させた方が良いです。
そのため、ヘアパックのイメージで、頭皮にメインで塗って、さらに髪の毛にも塗るようにしてください。
その上からタオルを巻き、シャワーキャップをかぶります。
ヘナは、髪の毛をただ染めるだけではなく、健康や美容の効果も高いです。
頭皮にしっかり塗ることで、ヘナの良いものを体内に取り入れる、ということですね。
ヘナを塗った後は、どのくらい置いておけば良いのでしょうか?
ヘナが初めての方は、20分程の置き時間をおすすめします。
また、ヘナを白髪染めではなく、身体のケアとしてお使いになるときも、20分くらいで大丈夫です。
髪に色を付けるときは、30分から最大1時間くらいヘナパックをします。
その後に、ヘナを洗い流します。
このときは、シャンプーを使わないようにしましょう。
洗髪後は、タオルで髪を拭き、ドライヤーをお使いいただいて大丈夫です。
ヘナを使うときは、シャンプーなどをしてからの方が良いのですか?
髪の毛に何も付いていなければ、そのままお使いいただいて大丈夫です。
ただひとつ、ヘナを白髪染めとして使うときは、前日はシャンプーのみにして、トリートメントは控えてほしいと思います。
トリートメントをすると、髪に膜を作って、ヘナが絡みつきにくくなります。
また、ヘナを使う前に、オイルマッサージを行っておくこともおすすめです。
先生は、「ヘナがシャンプー・トリートメントになる」とおっしゃっていました*。
ヘナは、髪を染めながら、きれいにすることができます。
だから、シャンプーをせずにヘナを塗っても、ヘナがシャンプー代わりになるのですね。
今回は、ヘナの意外な話をお聞きできました。
ヘナが、単体ではオレンジに染まるため、白髪染めにはインディゴなどのハーブとブレンドして使うこと。
ヘナは自然のもののため、いつも同じ色で染まるわけではなく、同じお湯の量でも、戻したときの固さに違いが出ること。
私自身も、勉強になりました。
ありがとうございました。
* ヘナの効果については、岩城 先生の前編の記事でまとめています。「ヘナの効果4つ!白髪を染めるだけではなく洗髪などの効果も」からご覧ください。
まとめ
ヘナは、白髪染めとして知られていると思います。
ただ単体ではオレンジに染まって、黒や茶色には染まりません。
インディゴと合わせることで、黒や茶色に染色することは、私も初めて知りました。
そして、もうひとつ印象的だったのが、ヘナはそのときによって色が微妙に変わるというお話です。
自然なものならではですね。
それも、ヘナの魅力のひとつといえるでしょう。
岩城 先生もおっしゃっていましたが、ヘナは、髪の毛をきれいに染めるというよりも、身体に良いものを摂りつつ白髪を染めるのに良さそうです。
もし、白髪でお悩みの方がいらっしゃれば、岩城 先生に教えていただいた使い方・染め方を参考に、ヘナをお試しになってみてはいかがでしょうか?
* 岩城 先生の前編の記事は、下からご覧ください。