「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「ヘナの効果」です。
アーユルヴェーダ エステサロン VERMA の須藤 るり子 先生にインタビューさせていただきました。
ヘナは、アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)で使用されるハーブで、白髪染めなどに用いられています。
須藤先生は、アーユルヴェーダサロンの運営に加え、ヘナの体験型ワークショップの講師をされていらっしゃって、サロンにもヘナトリートメントのメニューがあります。
先生の話をお聞きすると、ヘナの効果は、ただ白髪を染めるだけにはとどまらないそうです。
ヘナカラーは、どんな効果を期待できるのでしょうか?
須藤先生に教えていただきました。
目次
ヘナとは
・ヘナで毛染めする
ヘナの効果
・美髪
・小顔・美肌
・リラックス
・その他
ヘナを使った髪の染め方
・白髪染めに使うヘナの選び方
・ヘナペーストの作り方
・白髪の染め方
・ヘナの染め時間
・インディゴハーブで二度染めする
ヘナのその他の使い方
・ヘナ風呂
・ヘナのパックなど
ヘナとは
ヘナは、ミソハギ科の植物で、デトックス効果(体内の老廃物を排出すること)の高いハーブです。
アーユルヴェーダ発祥の地インドでは、専門のドクターの処方で、ヘナジュースや岩塩・ギー油などとブレンドしたものが、体質を整えるために内服されたりしています。
デトックスを促す体質作りのひとつとして、薬草のように使われているとイメージしてください。
ギーについて
ヘナで毛染めする
ヘナは、アーユルヴェーダでは薬草としても使われていますが、インドの一般家庭では毛染めとして一般的です。
日本でも、ヘナは白髪染めとして知られているのではないかと思います
ヘナの葉っぱには、「ローソン」という成分が含まれていて、そのローソンには髪を染める作用があります。
日本で流通しているヘナは、葉っぱの部分をパウダー状にしたもので、白髪染めに使うと、髪はきれいなオレンジ色に染まります。
ヘナには、市販のヘアカラーリング剤とは違い、ケミカルな成分が含まれておらず、髪を染めるのも天然成分の働きです。
ですので、ヘナは、害の少ない白髪染めといえるのではないかと思います。
ヘナカラーの効果
ヘナは、ただ白髪を染めるだけのものではなく、デトックス効果も大きな魅力です。
実際、ヘナをお使いの方には、白髪を染めることが目的ではなく、そのデトックス効果を得ることを目的とされている方も少なくありません。
美髪
髪の毛は、表に出てきた細胞の死骸(しがい)のようなもので、それ自体には自己再生能力がありません。
また、髪の毛は、体内の有害な金属などの排出器官でもあります。
そのため、髪の毛が細くなると、有害金属を排出する力が弱まってしまい体内にため込む原因になります。
ヘナの葉っぱに含まれるローソンには、髪の毛を修復する作用があるとされています。
ヘナを頭皮や髪に付けてあげることで、細くて弱かった髪の毛が健康・元気になって、有害金属の排出もしっかり働くようになり、頭から解毒が進みます。
つまり、頭皮のデトックスです。
小顔・美肌
ヘナのデトックス効果は、お顔やお肌でも変化をご実感いただけると思います。
ヘサロンのお客様も、ヘナのトリートメントをお受けになった後は、顔のむくみが取れて顔がシュッとなり、お肌にツヤの出る方がほとんどです。
それから、こわばっていた表情の方は表情がやわらかくなったり、目に輝きが出たりして、お顔の雰囲気も変わってきます。
後は、ヘナのトリートメントをされたお客様からは、「視界が広くなった」といった感想をいただくこともあります。
リラックス
ヘナは、疲労感の回復にも効果的で、少し大げさですが、交感神経を強制的にリセットするようなイメージです。
実際、交感神経がパンパンになっている方にヘナのトリートメントを行うと、心がゆるむ反動がとても大きく、お客様の中には、帰宅時に「心がゆるんで、電車のアナウンスがまったく頭に入ってこなかった」という方もいらっしゃいました。
ですので、サロンのお客様には、ヘナトリートメントをお受けになった後は、そのまま何もせずにご自宅にお帰りになられることをおすすめしています。
交換神経とは
「キレイの先生」編集部です。交換神経は、人の身体と心をコントロールする「自律神経」のひとつです。自律神経には、「交感神経(緊張の神経・昼に優位になる)」と「副交感神経(リラックスの神経・夜に優位になる)」があり、交互に入れ替わってバランスを取っています。そのバランスが崩れると、心身に大きな影響があります。
また、ヘナは、茶葉に似た優しい香りがします。
日本人にはなじみの深い香りですので、それの香りでも癒されると思います。
インドには、ヘナの花の部分から抽出したエッセンシャルオイルもあって、睡眠を促したりストレスを解消したりする作用があるとされています。
その他
ヘナのトリートメントをお受けになったお客様からは、「おトイレが近くなった」・「便秘が改善した」・「ヘナの足湯で足が細くなった」・「頭痛がやわらいだ」といったお声をいただくこともあります。
■ ヘナの効果の一例
・利尿作用がある
・便秘が改善した
・ヘナの足湯で足が細くなった
・頭痛がなくなった
・など
これらも、ヘナのデトックス作用による効果だと思います。
ヘナ、はただ髪を染めるだけではなく、健康面や美容面にも効果が期待できることがお分かりいただけるのではないかと思います。
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ヘナを使った髪の染め方
ヘナは、20~30年前に白髪染めとして日本に入ってきました。
その当時は、ヘナで白髪を染めるのにも、時間がかかったそうです。
■ 20~30年前のヘナの使い方
1) ヘナのパウダーをお湯で溶く
2) そのまま一日置いて酸化させてから、髪に付ける
3) 髪の毛に色がなじむまでにも時間がかかる
当時は、白髪の染まりを良くするために、ヘナに紅茶を入れて使われたりすることもあったそうです。
そのため、今でも、年配の方が「(白髪染めに)ヘナは時間がかかるんでしょ」とおっしゃることがありますが、そんなことはありません。
それは当時、日本に入ってきたヘナの品質が低かったためです。
品質の良いヘナをお使いいただけば、20分くらいで髪は染まりますし、使い方も簡単です。
白髪染めに使うヘナの選び方
ヘナは、ケミカルの成分を含まず、天然の成分で髪を染めることができます。
ただ、市販されている商品の中には、「ナチュラル」といっていても、ケミカルの成分が一部加えられているものもあります。
また、量をかさ増しするために、ヘナの茎や根のパウダーを混ぜている商品もあるようです。
先程お話ししたように、ローソンという成分が含まれているのは、ヘナの葉っぱの部分です。
ヘナのデトックス効果を得るには、できるだけ余分な材料の含まれていないものをお選びになることをおすすめします。
それから、ヘナを選ぶときは、その品質にも注目していただきたいです。
サロンで使用しているのは、ヘナの名産地である「ソジャット」のヘナで、もちろんケミカルな成分は含まず、葉っぱの部分のみをパウダーにしたものです。
それに、ヘナは春と秋に収穫されますが、もっとも品質が良い状態なのは、インドの雨期の後で栄養をたっぷりと含んだ秋に収穫されたヘナで、サロンではその秋のものを使用しています。
ヘナペーストの作り方
ヘナを使った白髪の染め方をご紹介します。
まずは、ヘナのパウダーを50度以上のお湯で溶いてペースト状にします。
お湯に溶くことで、髪を染めたときの発光が良くなります。
お湯は、ヘナの3~4倍くらいの量が目安です。
ヘナは、髪型によって使う量も変わります。
■ 髪型によるヘナの量:
・ショート:40~50g
・ミディアム:70g
・ロング:100g
ケーキを作るときと同じように、ヘナも、パウダーにお湯を入れるとダマが出来やすいです。
お湯の中にパウダーを入れると混ざり合いやすいですよ。
白髪の染め方
ヘナのペーストの準備が出来たら、まずは頭皮にヘナを付けていきます。
そうすることで、ヘナが悪い油分を吸着して毛穴の中をきれいにしてくれます。
それによって、毛根が元気になりますし、抜け毛の予防にもなります。
その後に、髪の毛にヘナを付けていきます。
ヘナの塗り方に、特に決まりはありませんが、ムラなく塗るはラインで付けていくことがおすすめです。
まずは、前髪・横髪は縦に1ラインずつ、ヘナを髪の毛の根本から髪先に付けていきます。
後ろ髪は横に1ラインずつ、ヘナを髪の毛の根本から髪先に付けていきます。
ヘナを髪にムラなく付けなら、髪をラップでくるみます。
そして、さらにその上からフェイスタオルを巻きます。
このとき、フェイスタオルではなく、アルミキャップをかぶせても大丈夫です。
髪の毛にヘナをしばらく塗ったままにしておくと、熱を発して頭がポカポカと温かくなります。
そのため、夏場にヘナのトリートメントを行うと、汗でヘナが垂れてくることがあります。
そのときは、ラップの境目にティッシュをはさんで、ヘナが垂れてこないように抑えてあげましょう。
ヘナの染め時間
その状態で、20分くらい置いておくと、髪の毛が染まります。
ヘナにはデトックス・リラックス効果があるため、すぐに落とさず、そのまま何時間でも置いておいて大丈夫です。
ヘナは、シャワーで洗い落とします。
ヘナの天然成分は吸着に24時間かかるといわれているため、ヘナのトリートメントを行った日はシャンプーをしないのがおすすめです。
シャンプーをすると髪の毛が染まらないわけではありませんが、ヘナには汚れを取る働きもあるので、シャンプー代わりにもなります。
インディゴハーブで二度染めする
サロンのヘナトリートメントでは、ヘナで白髪をオレンジに染めた後、インディゴハーブで二度染めされる方が多いです。
インディゴハーブも、天然の成分で、白髪を濃い藍色に染めることができます。
例えば、髪の一部分だけが白髪の場合、ヘナだけでは染め上がりがどうしてもムラが出来てしまうことがあります。
そこでインディゴハーブと掛け合わせることで、ムラのないきれいな染め上がりに仕上げることができます。
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ヘナのその他の使い方
ヘナ風呂
ヘナ好きの方には、「ヘナ風呂」も人気があります。
ヘナをお風呂に入れると、身体を温める効果が上がって、身体の芯から温めることができます。
お風呂から上がっても、あまり湯冷めしません。
ヘナのパウダーを大さじ1杯くらいお風呂に入れれば、ヘナ風呂になります。
それよりも、もっと簡単でおすすめなのは、お風呂でヘナのトリートメントを行って、ペースト状のヘナをそのままお風呂に洗い流すことです。
それだけでヘナ風呂になって、身体やお肌のデトックスになります。
ヘナのパックなど
ペースト状にしたヘナは、パックに使うことができます。
足裏のかかとや肘(ひじ)などの角質ケアにも良いですね。
ヘナは加齢臭の予防にもなりますので、旦那さまの首まわりにパックしてあげるのも良いかもしれません(笑)。
また、ヘナ好きの方の中には、お顔やデコルテのパックにお使いになる方もいらっしゃいます。
ヘナにはタンパク質の修復作用もあるので、ヘナでお顔のパックを終えた後は、お肌がツヤツヤになるそうです。
お顔のパックには、ヘナの中でも、色の付いていない「クリア」という種類が向いています。
これは、「カシア」というハーブがメインのもので、ローソンの含有量が少なく、通常のヘナよりもデトックス効果が優しいです。
後は、ヘナは、最近では「ヘナタトゥー」といって、タトゥーを描くのにも使われたりしています。
編集部の選ぶおすすめのヘナ
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、先生の取材記事です(先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部の選んだおすすめのヘナをご紹介します。
シムシム ジャパン マダムヘナ
シムシム ジャパンは、アーユルヴェーダのヘナカラーのメーカーで、マダムヘナは、国際有機認証機関「エコサート」で認証されたオーガニックヘナです。
色素成分の「ローソニア」が高配合されていて、原産地のインドで最高品質「AAA」のランク付けされたヘナをはじめ、厳選したハーブを独自の配合でブレンドされています。
マダムヘナは4色(オレンジ・ブラウン・ソフトブラック・クリア)からお好みのカラーをお選びいただけ、ヘナをボトルから髪に直接ペーストできるノズルボトルが本品2個に付く「ノズルタイプ」が使いやすくておすすめですよ。
編集部のここがオススメ!
・国際有機認証機関「エコサート」で認証されたオーガニックヘナ!
・原産地のインドで最高品質のランク付けされて「ローソニア」が高配合されたヘナを使用!
・ヘナをボトルから髪に直接ペーストできるノズルボトルが使いやすくて便利!
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
ヘナが白髪染めとして用いられていることを知っていましたが、ヘナのいちばんの効果は、それ以上にデトックス作用といえそうです。
デトックス作用が高いからこそ、ヘナで白髪を染めることで、頭皮の解毒になって美髪効果も期待できます。
実際、須藤先生のサロンのお客様には、ヘナのデトックス作用を目的にトリートメントを受けられる方も多いとのことでした。
髪の毛にも良い白髪染めをしたいときは、ヘナをお試しになってみてはいかがでしょうか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:アーユルヴェーダ エステサロン VERMA 須藤 るり子 先生、「キレイの先生」編集部)
* 2016年3月16日に公開した『白髪染めだけじゃないヘナのデトックス効果!染め方の解説も』を再編集しました。