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美髪になるには?女性の薄毛、抜け毛、髪の傷み等の原因とは

本日のキレイの先生

小笠原 やすこ 先生

美髪になるには?女性の薄毛、抜け毛、髪の傷み等の原因とは

「キレイの先生」編集部です。

シャンプーのCMで髪をなびかせる女優さん。

憧れますよね。ああやって美髪をなびかせてみたくても、手櫛(てぐし)で引っかかってしまったりして…。現実は、薄毛や抜け毛、髪の痛みなど、髪に悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

鍼灸 カメリア の小笠原 やすこ 先生は、「美髪鍼」を行っていらっしゃいます。鍼を刺して刺激することで、髪の悩みにアプローチします(私は鍼で髪にもアプローチできることを知らずに、初めて話をお聞きしたときは驚きました)。

小笠原 先生は30数年にわたって、たくさんのお客様を治療されてきました。髪の悩みも色々ご覧になられたそうです。

今回は、そんな女性の髪の悩みについて、小笠原 先生に話をお聞きしました。

目次

美髪とは
・髪の構造

女性の髪の悩み1 円形脱毛症
・年代:子どもから大人まで
・原因:ストレス
・改善策:ストレスを感じない

女性の髪の悩み2 薄毛・抜け毛・髪のダメージ
・年代:20~30代
・原因:生活習慣
・改善策:生活習慣を見直す

女性の髪の悩み3 薄毛(40代後半以降)
・年代:40代後半以降
・原因:ホルモンバランス

美髪鍼とは
・効果を実感するまでの期間
・ホームケアするには

まとめ

美髪とは

私たちはひとりひとり体質が違うように、縮れ毛や猫っ毛(細毛でボリュームも少ないこと)など、髪質も違います。

ただ、どんな髪質でも、髪に適度な水分があってしなやかなのが、理想の髪の毛ではないでしょうか?

髪に適度な水分があれば、ツヤもあります。髪がしなやかでやわらかければ、手ですいたときもサラッとしています。

それが、美髪といえるのではないかと思います。

髪の構造

では、その美髪とは、髪の毛がどんな状態なのか、髪の構造から簡単に考えてみたいと思います。

下の写真は、髪の毛を横で切ったときの断面図のイメージです。このように、髪の毛は3層になっています。

美髪とは

この3つの層に栄養が行き届いているのが、健康的な髪です。つまり、美髪です。

これらの層の内、表面の層を「キューティクル」といいます。キューティクルは、皆さまもCMなどでお聞きになったことがあるのではないでしょうか?

キューティクルは、ウロコ状に重なっています。

これがガサガサの状態になっていると、髪がごわごわして、髪のまとまりも悪くなってしまいます。

美髪には、キューティクルもツヤツヤして、きれいにウロコ状に覆われていることも、大切な要素です。

キューティクルのイメージ

女性の髪の悩み1 円形脱毛症

年代:子どもから大人まで

円形脱毛症は、中学生くらいの子どもから大人まで、幅広い方に見られる髪の悩みです。

こめかみやもみあげの部分、後頭部などに出来る人が多いように感じます。後頭部に出来ると、ご自分では気付きにくいため、美容院などで指摘されて初めて気づいた、という方も少なくありません。

最初は、小指のツメくらいの大きさだったのが、次第に大きくなってしまった、という方もいらっしゃいます。

原因:ストレス

円形脱毛症の原因 ストレス

円形脱毛症の原因として挙げられるのは、ストレスです。

中学生でも、受験や友達関係などの悩みから、円形脱毛症になってしまう子どももいます。

私が以前治療したお客様の中にも、受験の悩みで円形脱毛症になってしまった子どもがいました。彼女はその悩みを親にも言えず、強いストレスになっていたようです。

円形脱毛症が出来るのは、感受性が強かったり、真面目だったりする人が多いです。

また、ストレスは減っても、円形脱毛症に気付いてそのショックからまたストレスを感じ、円形脱毛症が広がってしまうケースもありました。

ストレスは、腎臓や肝臓の機能を低下させます。これらの内臓は解毒の働きがありますから、免疫力が下がり、栄養が全身に行き届かなくなります。

すると、髪の毛は栄養不足で、抜け毛などにつながります。

改善策:ストレスを感じない

現代社会で、ストレスのまったくない生活を送るのは難しいのかもしれません。

美髪鍼ではありませんが、4~5歳から鍼治療で来院していた子どももいました。その頃から、お受験の準備でスケジュールもきっちり決められており、それがストレスになっていたようです。

ストレスは髪にも、お肌にも、健康にも、大敵です。

ストレスをまったく感じずに生きるのは難しいかもしれませんが、できるだけリラックスの時間を持つようにすることが大切です。

女性の髪の悩み2 薄毛・抜け毛・髪のダメージ

年代:20~30代

若い女性(20~30代)でも、薄毛や抜け毛、髪の傷み(ダメージ)でお悩みの方は少なくありません。

皆さまも手で髪をすかして、抜け毛が気になったことはありませんか?

原因:生活習慣

薄毛や抜け毛の原因 生活習慣

20~30代の髪の悩みは、下記のような生活習慣が原因と考えられます。

1) 体質に合わないシャンプーなどを使っている
シャンプーの他、スタイリング剤やカラーリング剤なども、体質に合っていないと髪のダメージにつながります。

2) 朝シャンプー
朝は時間に余裕のない方が多いのではないかと思います。そのため、朝のシャンプーは、すすぎ落とすのが不十分になりがちです。シャンプーをきれいに落とし切れていないと、髪のダメージの原因になります。また、髪が渇き切らない内に外出してしまうと、やはり髪はダメージを受けやすいです。

3) ストレス
20~30代のストレスは、仕事によるところが多いのではないでしょうか? それが、薄毛や抜け毛などにつながります。

4) 睡眠不足
睡眠不足でも、腎臓や肝機能の働きは低下します。それが免疫力の低下につながり、抜け毛などの原因になります。

5) 食生活の乱れ
美髪は、栄養が行き届いた健康的な髪のことです。食生活が乱れ、栄養が偏っていれば、髪も影響を受けてしまいます。

6) 直射日光
お肌と同じように、直射日光を長時間浴びることも、髪の毛には良くありません。
以前、私はサーフィンをしていたのですが、その頃は何時間も海に入って、髪は塩水にぬれ、ずっと強い日差しを浴びていました。サーフィンを終えた後は、シャワーで髪もきれいに洗うのですが、それでも髪は日焼けしてしまいました。そして、夏に浴びた直射日光は、秋に髪のダメージに表れやすいです。

私はお客様から髪の毛を「キレイ」、「ツヤがある」とお褒めいただくことがあります。

ただ、私も髪のダメージがひどい時期がありました。仕事で忙しく、過労気味だった頃のことです。

そのときは、朝食を食べたら次食べられるのは夕食、といったように決まった時間に食事ができませんでした。夕食も、疲れて夜遅く帰宅してそれから料理を作るのは大変で、適当に済ませてしまうことも多く、バランスの良い食事とはいえないものでした。

また、睡眠時間も短く、今にして思えばストレスもピークだったように感じます。

そんな生活習慣の乱れは、髪の毛にも正直に表れるのです。

当時の髪の毛は、毛先がごわごわして、ツヤがありませんでした。手櫛で引っかかったり、ドライヤーをかけると静電気が起きたりしました。

お客様からお褒めいただける髪の毛に戻ったのは、その生活習慣を見直してからです。

改善策:生活習慣を見直す

20~30代の髪の悩みには、生活習慣を見直すことから始めてみましょう。

1) 体質に合わないシャンプーなどは控える
シャンプーの洗い方もゴシゴシすると、髪の毛が切れやすくなってしまいます。優しく洗うのが基本です。そして、シャンプーはきれいに洗い落としましょう。

2) 睡眠はしっかりとる
もし、睡眠時間を取るのが難しくても、2~3時間でも良い(深い)睡眠をとることを心がけましょう。そのためには、脳のリラクゼーションが大切です。

3) 栄養のバランス良く3食を食べる
私も髪が痛んでいたときは食生活を見直し、できるだけ3食、栄養バランスの良い食事をするようにしました。特に、髪の毛を作るのに必要なたんぱく質・ミネラルを摂るため、お肉やお魚、大豆などを食べるように心がけました。

4) 直射日光を浴びない

このように、美髪にも規則正しい生活が大切です。それは、美髪、美容、健康など、何事もの基本です。

女性の髪の悩み3 薄毛(40代後半以降)

年代:40代後半以降

40代後半くらいになると、薄毛でお悩みの方が増えてきます。

「それまではポニーテールをしても、結び目が太かったのに、こんなに細くなっちゃった」という声をいただくこともあります。毛が細くなってきているのです。

すると、髪を乾かすとフンワリしていたのがベッタリとなったり、分け目を作ると地肌が見えたりするようになってしまいます。

また、髪の毛にハリやコシもなくなってきます。

原因:ホルモンバランス

髪の毛は、ホルモンとも深く関係しています。

40代後半になると、女性ホルモンの分泌量も減少するため、ホルモンバランスの乱れも薄毛の原因のひとつです。

また、加齢にともなう内臓の不調も、薄毛につながります。

美髪鍼とは

鍼は、ツボに刺すことで身体を活性化する療法です。鍼を刺すと細胞がイキイキと元気になり、血液やリンパの流れを促します。

それによって、栄養を全身に行き届くようになります。

「鍼灸 カメリア」の美髪鍼では、鍼を頭だけではなく身体にも刺して、アプローチしていきます。

それは、これまでご紹介してきたように、髪は内臓の調子やストレスとも関係があるからです。

鍼で腎臓・肝臓や神経系のツボを刺激するのも、美髪には効果的です。

効果を実感するまでの期間

薄毛や抜け毛でお悩みの方は、美髪鍼を行った日の夜にシャンプーをしたとき、「今日は抜け毛が少ない」などと、実感される方が多いようです。

月に2~3回、2~3ヶ月通っていただくと、髪の違いが感じられると思います。

ただ、「髪の調子が良くなった」と鍼をやめてそのままにしていると、元に戻ってしまいます。改善された状態をキープするには、2~3週間にいちど、美髪鍼をお受けになられるのをおすすめします。実際、「カメリア」でも定期的に通われているお客様が多いです。

円形脱毛症は、週に1回通っていただき、3~5回くらいで変化を実感いただけると思います。最初は産毛が生え、それが黒くなり伸びてきて、円形脱毛症は改善されていきます。

ホームケアするには

鍼灸でホームケアするには、「せんねん灸」などがあります。人にお灸を行うには国家資格が必要ですが、ご自分で行う分には問題ありません。

お灸はお腹のツボなどに置いて、行います。美髪には、腎臓や肝臓、女性ホルモン(婦人科系)のツボがおすすめです。

ホームケアのお灸

お灸の書籍も刊行されていますので、ツボの場所はそういったものでもご確認いただけると思います。

また、サロンまでお越しいただければ、「置き鍼」という方法もあります。これは、小さくて薄い鍼をツボに刺したままにする療法です。

テープで簡単に外すことができます。お風呂などで自然に外れてしまうこともありますが、そのときはそのままにしておいて大丈夫です。一旦外れてしまうと、もういちど刺すことはできないので、安心安全です。

以前は、スポーツ選手が置き鍼をしたまま試合に臨むことも少なくありませんでした。お相撲さんの背中に四角いテープが貼られていれば、それは置き鍼です。箱根駅伝で置き鍼をして走った選手もいましたね。

海外出張時に「長時間のフライトで痛めないよう腰に」、「現地で食事に当たらないよう胃腸に」と、置き鍼をされていく方もいらっしゃいます。

置き鍼をしておけば、そのツボを刺激し続けることができるので効果的です。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

お肌についての取材で、生活習慣の乱れが肌トラブルに表れる話は必ずお聞きします。それは、髪の悩みも同じなんですね。

美髪にも、規則正しい生活を送ることがいちばん大切です。

ストレスをためない。睡眠時間をしっかりとる。バランスの良い食事をする。

当たり前のことで分かってはいるのですが、出来ているかと言われると、即答できない自分がいます。そういう方は多いのではないでしょうか?

美髪のためにも、できるだけ規則正しい生活を心がけたいですね。

もし、お仕事や育児などでどうしても難しいときは、鍼でケアするのもおすすめです。

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(取材:「キレイの先生」編集部 文:鍼灸 カメリア 小笠原 やすこ 先生、「キレイの先生」編集部)