みなさんは「アーユルヴェーダ」をご存知でしょうか? ご存知の方も、美容法のイメージをお持ちの方が多いかもしれません。たしかに、アーユルヴェーダにはトリートメント(お肌や身体を癒す手技)があり、アーユルヴェーダの考え方や知識を美容に取り入れることはできます。ただ、アーユルヴェーダは本来、美容法にとどまらず、もっと広いものです。今回は、アーユルヴェーダとは、そもそもどんなものか、ということを簡単にご紹介しようと思います。
アーユルヴェーダとは
まずは、「アーユルヴェーダ」という言葉が持つ意味から考えてみましょう。
アーユルヴェーダは、「アーユス」と「ヴェーダ」というサンスクリット語が合わさった言葉です。それぞれの意味は下記の通りです。
・アーユル:生命
・ヴェーダ:科学
アーユルヴェーダが、美容にとどまらず、もっと広く大きなものというイメージがつくかと思います。
命や人生を輝かせる智慧
では、アーユルヴェーダとはなにかというと、5,000年ものの歴史を持った、「命や人生をどうやったら輝きにあるものにできるか」という昔からの智慧といえます。
それは、体質や生活習慣といったことも、もちろん含んでいますし、自然や宇宙といったところにまで広げて考えられています。
例えば、私たちはこの大宇宙の中のひとつ、という考え方もできるわけです。生まれたとき、どの星が、どの位置にあったか、ということも、その人の体質に影響すると、アーユルヴェーダでは考えられています。
インドでは医療としても
少し話が大きくなりましたが、アーユルヴェーダは「生きる智慧」として、インドでは医療としても活用されています。
薬草(ハーブ)をすりつぶして薬として服用されるなど、自然の恵みを生かした、まさに昔からの生活で培われた智慧といえるでしょう。
私は3ヶ月間、インドにヨガの勉強で滞在しており、そのときにアーユルヴェーダのパンチャカルマという改質改善のプログラムも受けました。そのときには、癌やアトピーの方が長期間、アーユルヴェーダのプログラムを受けているとお聞きしました。
アーユルヴェーダの「ヴェーダ」とは、サンスクリット語で「科学」を意味することはご紹介しましたが、それがご理解いただけるのではないかと思います。
※注記
日本ではアーユルヴェーダは「医療」としては認可されていません。インドでは、アーユルヴェーダが医療として根付いており、専門のドクターもいます。日本にも、インドの大学などで学んだアーユルヴェーダ医師はいますが、医療行為ではなく、生活の智慧を学んだり、体質改善のトリートメントなどを受けたりすることはできます。
「健やかさ」 = 「美容」
では、なぜ日本では、アーユルヴェーダは美容法として知られているのでしょうか? なにか美容に関しても教えがあるのでしょうか?
結論からいってしまうと、美容に特化した教えというものは、具体的にはないように思えます。
ただ、アーユルヴェーダが「命や人生を輝かせる智慧」とご紹介しましたが、人間が「健やか」でいるための教えは豊富にあります。生活習慣や、体質に合った食事の指南、そして自然の恵みの智慧などです。
それを日々の生活で実践していくことで、「健やかさ」が生まれます。そして、「健やか」であるということは、美しさにもつながります。
例えば、体内がきれいになって体質改善すると、体の治癒力や免疫力も高まります。お肌も身体の一部ですから、お肌の再生力が上がることにもつながります。
このように、内側(体内)の美しさは、外側の美しさにつながると考えることができます。つまり、「健やかさ」=「美容」なのです。
これこそが、日本でアーユルヴェーダが美容法として知られている理由ではないかと思います。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:スタジオ For me AYANO 先生、「キレイの先生」編集部 )