「キレイの先生」編集部です。
皆さまは、ご飯を食べるとき、どんな順番で食べていますか?
私は、主菜から口にすることが多いです。
好物のものを食べるときほど、その傾向が強いです。
副菜は、最後になりがちです。
実は、食事のとき、身体に良い「食べる順番」があるといいます。
今回は、元気ラボ の黒田 佳子(くろこ) 先生に取材させていただきました。
黒田 先生は、ローフードや発酵食品の講師をされていらっしゃって、食べる順番を変えることで健康や美容の効果もあるといいます。
食事は、どんな順番で食べると良いのでしょうか?
そして、それはどうしてなのでしょうか?
黒田 先生に教えていただきました。
目次
本日のキレイの先生
元気ラボ
黒田 佳子(くろこ) 先生
「キレイの先生」編集部
酵素の働き
黒田 先生、よろしくお願いします。今回のテーマは、「食べる順番」です。
私は正直、食事で、食べる順番をあまり考えません。
先生は、ローフードや発酵食品の講師として、たくさんの生徒さんと会われていると思います。きちんと食べる順番を考えている人はいらっしゃいますか?
食べる順番を意識している人は、ほとんどいらっしゃいません。
そのため、このお話をすると、皆さまびっくりされます。
分かります(笑)。
どうして、食べる順番が大切になるのでしょうか?
それは、「酵素(こうそ)」が関係しています。
人間の身体には、食べたものを消化するのに使われる「消化酵素」と、「代謝酵素」があります。
酵素とは?
酵素について、簡単に補足させていただきます。
「消化酵素」は食べたものの消化に使われ、「代謝酵素」はそれ以外の生命活動のすべてに関係しています。
■ 消化酵素
食べたものの消化に使われる。
■ 代謝酵素
消化以外の生命活動のすべてに関係している。
例えば、呼吸をするのも、身体を動かすのも、いまこの記事をご覧になっているのも、すべてに代謝酵素が関係しています。細胞の新陳代謝などもそうですね。
そのため、下の記事でも紹介していますが、酵素がなければ人は生きていくことができないといいます。
つまり酵素は、私たちの身体にとって、もっとも大切なものなのです。
▼▼黒田先生▼▼
人間の身体は、食べたものを消化することが最優先の事項で、酵素が食べ物を消化しようとします。
消化酵素が働くということですね。
はい、その間は、代謝酵素はあまり働きません。
そして、消化が終わると、代謝酵素が活発に働けるようになります。
特に、寝ているときは、夕食の消化が終わり、代謝酵素を使って身体を動かすこともほとんどないので、傷ついた細胞を修復したり、古い細胞を入れ替えたりすることができます。
消化酵素が働いている間、代謝酵素はあまり働きません。
そのため、代謝酵素をたくさん働かせるには、消化酵素を節約する必要があります。
そこで出てくるのが、第3の酵素である「食物酵素」です。
食物酵素は、生の食べ物、例えば生野菜・果物・海藻・種子・生肉・発酵食品などに含まれています。
食物酵素を摂ることで、消化を助けて消化酵素を節約することができ、代謝酵素が働くようになって、健康にもつながります。
食物酵素を摂ると…?
例えば、人間が元々持っている酵素の量を、100とします。
食べ物を食べたときは、優先的に消化酵素に使われますから、下のようなイメージです。
■ 食べ物を食べたとき
・消化酵素:50
・代謝酵素:50
それを、食物酵素を摂ることで、消化酵素を助けることができ、下のようになります。
■ 食物酵素を摂ることで
・食物酵素:10
・消化酵素:40(食物酵素の分を節約できる)
・代謝酵素:60(消化酵素の節約分を増やせる)
つまり、食物酵素を摂ることで消化酵素を節約でき、その分を代謝酵素に回せるようなイメージです。
食べる順番
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酵素が、食べる順番にも関係しているとのことですが、食事はどんな順番で食べると良いのでしょうか?
食事は、消化の早い順番から食べることをおすすめします。
食事の中に、生のジュースがあれば、それが最初です。例えば、生のオレンジを搾ったジュースなどですね。
生のジュースは、いちばん消化が早いです。
生野菜やフルーツには、食物酵素が含まれています。それが液体になっていますから、消化はとても早そうです。
次は、野菜やフルーツのグリーンスムージーです。
最近、スムージーは人気がありますね。私も好きです。
ジュースに比べると、とろみがあって、消化は遅そうです。
次が、バナナ・みかん・リンゴなど、生のフルーツです。
フルーツを、メインの前に食べてしまうのですか!? 私はいつも、食事の最後に食べています。
フルーツは「水菓子」とも呼ばれ、デザートとして最後に食べるイメージがあるかもしれません。
しかし、加熱食より圧倒的に消化の早い果物は、メインの前に食べた方が良いのです。
次が、生野菜のサラダです。
その次が、生の加工食品です。例えば、酢の物やおしんこ、和え物、カルパッチョなどですね。
もし、スープやお吸い物があれば、その後です。
ジュースやグリーンスムージーと同じ液体ですが、加熱されたものは、消化に多少時間がかかるので、後に回します。
ただ、固形食よりは先です。
次が、メインです。
メインは、出来れば一種類だけの方が良いです。
お肉ならお肉だけ、魚なら魚だけ、ごはんならごはんだけ、といったように、ひとつだけを選択します。
お肉を選択したら、魚やごはんは食べないようにする方が、消化には良いです。
え、そうなのですか!?
私は、おかずとお米を食べられる定食が大好きなのですが…。
消化酵素は、たくさんの種類があって、最低でも3,000種類以上あるといわれています。
そして、ひとつの酵素は、一種類しか分解できないといいます。例えば、お肉を分解する酵素は、魚を分解することができないのですね。
例えば、ステーキを消化するのには、4~5時間がかかるといわれています。それにごはんをプラスすると、その時間は3倍近くになるそうです。
メインが数種類あると、その種類だけ消化酵素が同時に出ます。
そして、それらが中和されたりすると、消化が遅れてしまいます。
そのため、スムーズな消化を最優先させる場合は、メインは一種類が良いです。
その考え方は、これまでまったくありませんでした…。
そして、デザートはなしが良いです。
これが、消化の早さを考えた食べる順番です。
また、お水は、食事の前後30分は控えた方が、消化には良いですね。
お水は消化液を薄めてしまうため、消化が遅くなりやすいためです。
おすすめの食べる順番
食べる順番は、下のように、消化の早い順番に食べるのが良いとのことでした。
1. 生のジュース
2. グリーンスムージー
3. 生のフルーツ
4. 生野菜のサラダ
5. 生の加工食品
6. スープやお吸い物
7. メイン(一種類が理想)
「メインは1種類が良い」というお話には、本当に驚きました。
私は、メインをおかずにしてお米を食べることが好きです。それも、もちろん健康に悪いわけではありませんが、消化の面では「最適」とはいえないのですね。
食べる順番を変える効果
食べる順番を変えることで、どんな効果が期待できるのでしょうか?
食後に眠くなるのは、消化がフル稼働して疲れやすいためです。その間は、他の機能を休ませています。
食べる順番を消化の早い順から変えると、眠くなりにくくなります。
便通も良くなります。
食べたものが消化できずにたまってしまうと脂肪に変わるため、肥満の防止になります。
そして、消化酵素を節約して、代謝酵素を早く働かせることができるので、新陳代謝が働き、アンチエイジングになり、ダイエットにも良いです。
成人病の防止にもなり、身体のだるさからも解放されます。
食べる順番を変えるだけで、健康や美容の効果が高いことは分かりました。
ただ、先生、すいません。私は正直、それをすべてきちんと行う自信がありません。
他に、何かできることはありませんか?
食事で、生の食べ物を多く摂ってほしいです。
理想は、生の食べ物が75%で、加熱食が25%です。それが「難しいな…」という方は、生の食べ物で50%くらいを目標にすると良いと思います。
それだけでも、身体が軽くなって元気になります。
食事の食べ方を変えるだけで、身体は変わっていきますよ。
まとめ
私は、定食が大好きです。お肉やお魚と一緒に、お米も食べたいです。
それが、決して悪いわけではありませんが、消化には最適ではなかったのですね。
私はこれまで、消化のことを考えて、食事したことはありませんでした。食べる順番を深く考えず、好きなように食べていました。
今回、黒田 先生には、消化に良い食べる順番を細かく教えていただきました。
食べる順番を変えるだけで、健康や美容への効果も期待できます。
私もこれから、食事のときには、食べる順番を意識するようにしたいと思います。
(わざわざ補足する必要もないかと思いますが、黒田 先生は「こういう食べ方をしてください」とおっしゃっているわけではありませんよ)