「キレイの先生」編集部です。
さて、久しぶりのテーマです。
私も大好きな「手作りアロマ化粧水」。
このサイトではこれまで、「若返りの水」とも呼ばれるハンガリーウォーターや、グリセリンを使った保湿化粧水の作り方をご紹介しました。
今回は、「赤ら顔におすすめのアロマ化粧水」です。
Aromatherapy salon ニワトコ – 庭常 – の青野 由布子 先生に、「赤ら顔」について話をお聞きし、その後編です。
鎮静作用のあるアロマ化粧水の作り方を教えていただいたので、まとめたいと思います。
作って面白く、使って嬉しいのが、手作り化粧水の魅力ですね。
赤ら顔に良い手作り化粧水には、どんなアロマがおすすめなのでしょうか?
青野 先生に教えていただきました。
青野 先生の「赤ら顔」の記事
目次
アロマ化粧水の材料
・「脂漏性皮膚炎」におすすめ
・「ニキビ・ニキビ痕」・「毛細血管拡張症」におすすめ
・「皮膚が薄い」・「乾燥・かぶれ」におすすめ
手作りアロマ化粧品の魅力
化粧品を手作りすると、材料に何が入っているのか、自分で確かめることができます。
そして、好きな精油を、いまの自分のお肌の状態に合わせて選ぶ楽しさがあります。
スキンケアをしながら、精油の優しい香りでリフレッシュできるのも楽しいです。
また、低コストで気兼ねなくたっぷりと使うことができるのも、魅力のひとつです。
編集部のコメント
私も、このサイトでエステサロンの先生方に取材するようになり、手作りのアロマ化粧品が大好きになりました。
アロマ(精油・エッセンシャルオイル)は、好きな香りで選ぶこともできます。
また、そのときのお肌の状態や悩みに合わせて、効能から選ぶこともできます。
香りを楽しみながら、お肌に良い成分を与えらる。
それが、私の感じる手作りアロマ化粧品のいちばんの魅力です。
赤ら顔におすすめの作用
今回は、赤ら顔に良い手作りアロマ化粧水をご紹介させていただきます。
顔の赤みには、下のような作用のある精油を中心に、材料をお選びいただくのが良いのではないかと思います。
・抗炎症作用
・皮膚弾力回復作用
・神経バランス回復作用
・うっ血除去作用
・鎮静作用
・収斂作用
など
編集部のコメント
どうして、顔の赤みには、これらの作用が良いのでしょうか?
青野 先生の前編の記事で、「赤ら顔」について取り上げています*ので、その内容を簡単にまとめさせていただきます。
アロマ化粧水の作り方をすぐご覧になりたい方は、こちらを読み飛ばしてください。
赤ら顔は、「炎症を起こしている場合」と「血管が見えている場合」があり、大きく下のようなタイプに分けることができるといいます。
【炎症を起こしている場合】
1. 脂漏性皮膚炎
皮脂(毛穴から分泌されている油分)の分泌が増え、お肌の刺激になって炎症を起こし、赤みが出ます。
2. 乾燥・かぶれなどの肌荒れ
お肌が乾燥していると、バリア機能が低下して刺激に弱くなり、肌荒れが起きやすいです。
3. ニキビ・ニキビ痕
膿を持ったニキビ・赤ニキビ・ニキビ痕の赤みが残る場合があります。
【血管が見えている場合】
4. 皮膚が薄いこと
皮膚が薄いと、毛細血管が透けて、顔が赤く見えます。
5. 毛細血管拡張症
自律神経の乱れなどで、毛細血管が拡張して浮き出る場合があります。
【その他】
6. 遺伝
つまり、タイプ別には、下のような「作用」の化粧品が良いといえそうです。
■ 「炎症」から来ている顔の赤みには
・抗炎症作用(かゆみ・痛み・免疫反応などの炎症を抑える作用)
・鎮静作用(興奮状態・かゆみ・痛み・免疫反応などの炎症を鎮める作用)
・皮膚弾力回復作用(お肌を元気にする)
・収斂作用(お肌・毛穴を引き締め、皮脂バランスを整える)
■ 「血管が見えている場合」の顔の赤みには
・うっ血除去作用(静脈の血流が滞った状態を取り除き、血流を良くする)
・神経バランス回復作用(自律神経のバランスを整える)
・鎮静作用(興奮状態・かゆみ・痛み・免疫反応などの炎症を鎮める作用)
* 青野 先生の前編の記事は、「赤ら顔の対策方法!顔の赤みの原因は?6つのタイプ別にみる」からご覧ください。
アロマ化粧水の材料
アロマ化粧水に必要な材料は、下の通りです。
・精製水 50mL
・グリセリン 5mL
・精油 5~10滴
編集部のコメント
グリセリンは保湿力の高い成分で、市販されている多くの化粧品にも配合されています。
化粧水を手作りするときに、グリセリンを加えることで、しっとりとしたテクスチャに仕上げることができます。
グリセリンを使った化粧水の作り方は、「手作り保湿化粧水の簡単な作り方|乾燥肌向けグリセリン入り」でも取り上げています。
今回は、お肌の赤みに良い精油を、赤ら顔のタイプ別にいくつか選んでみました。
これらは、光毒性*がなく刺激も少ないため、使いやすいと思います。
* 編集部:光毒性とは、紫外線に当たるとお肌にダメージを与えてしまう性質のことをいいます。そのため、光毒性の成分を含む精油で化粧品を作った場合、朝のスキンケアでお使いになるのはおすすめしません。
「脂漏性皮膚炎」におすすめ
編集部のコメント
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌増加が大きな原因です。
そのためここでは、「皮脂のバランスを整える作用」のあるアロマが中心に挙がっています。
1. イランイラン
インドネシア語で、「花の中の花」という意味を持つ「イランイラン」の花から抽出される精油です。
エキゾチックでセクシーな花の香りで、自由奔放なイメージです。
皮脂の分泌バランスを整える作用が期待できます。
2. ローズマリーベルベノン
ローズマリーには、いくつかの種類がありますが、その中でも「ローズマリーベルベノン」は刺激が少なく、頭をすっきりとさせてくれるようなハーブ調のクリアな香りです。
花と茎葉から抽出される精油です。
解毒作用や、皮脂で炎症を起こしたお肌の再生作用、お肌を引き締める作用があり、毛穴の開きを引き締めるのに良いです。
3. マンダリン
日本の温州ミカンと同じ系統の柑橘で、果実の皮から抽出される精油です。
程良いビターなオレンジの香りで、「少し大人な雰囲気」のイメージです。
酸化した皮脂の菌から肌を守り、皮脂の分泌を整えて、血流を促す作用があります。
「ニキビ・ニキビ痕」・「毛細血管拡張症」におすすめ
編集部のコメント
ニキビ・ニキビ痕には「炎症を抑える作用」、毛細血管拡張症には「血流を良くする作用」のあるアロマが中心に挙がっています。
4. ネロリ
「ビターオレンジ」の花から抽出されます。
心を穏やかにしてくれる優雅なフローラルな香りです。
自律神経のバランスを整えるのに良いです。
また、皮膚の弾力を回復し、拡張した顔の毛細血管を鎮静させる作用も期待できます。
5. サンダルウッド
「ビャクダン」という植物の心材(樹木の中心に近い部分)から抽出されます。
海外の寺院を思わせる、お香のようなオリエンタルな香りです。
お肌を鎮静し、静脈の流れを良くする作用や、抗炎症や殺菌の作用が期待できます。
6. パチュリ
「パチュリ」というインドなど熱帯地方に生息する植物の葉から抽出されます。
墨汁や畳など、土っぽいどこかなつかしさを感じさせる香りです。
血液やリンパの流れを促し、皮膚の細胞の再生を促す作用が期待できるため、ニキビ痕や沈着した色素などに良いです。
「皮膚が薄い」・「乾燥・かぶれ」におすすめ
編集部のコメント
ここでは、美肌効果が高いことで知られるアロマが挙がっている印象です。
うるおいのあるきれいなお肌を作ることは、顔の赤みの改善にもつながります。
7. ラベンダー
「ラベンダー」の花から抽出されます。くっきりとしたハーブ調の中に甘さのある香りです。
刺激も少なく、赤みやヒリヒリ感などの炎症を鎮めて、皮膚の再生を促します。
8. ゼラニウム
フランスや南アフリカに生息する多年性の低木で葉から抽出されます。
バラの香りにグリーン調を足した女性らしい華やかな香りです。
皮膚の免疫力を上げて、ハリツヤを与えてくれることが期待できます。
9. フランキンセンス
ソマリアなどアフリカの乾燥地帯に生息するフランキンセンスの木の樹脂から、抽出されます。
古くから乾燥地帯の人々の肌を守ってきた植物です。
炎症をしずめてヒリヒリ感をやわらげる作用、お肌を強くする作用、さらにアンチエイジング効果が期待できます。
アロマ化粧水の作り方・使い方
化粧水を手作りするときは、容器やビーカーを消毒液ですすいで乾かすことから始めましょう。
作り方は、まずビーカーにグリセリンを5ccの計量スプーンで計って入れます。
そこに、精油を5~10滴加えて混ぜます(精油は水に溶けないため、最初にグリセリンと混ぜ合わせます)。
ビーカーで精製水をビーカーに50cc計って加え、容器に移し良く混ぜれば、アロマ化粧水の出来上がりです。
手作りしたアロマ化粧水は容器に移し、直射日光が当たらず、子どもやペットの手が届かない場所で、常温で保存します。
化粧水は、強くパッティングするのではなく、優しく押さえるようにして付けましょう。また、コットンにひたひたに付けて、ローションパックにするのも良いです。
2週間以内を目途に使い切ることをおすすめします。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
アロマ化粧水は、お肌の状態や悩みに合わせて好みの精油を選び、手作りすることができます。
今回、青野 先生には、「赤ら顔」に良い精油をいくつかお選びいただきました。
「炎症を抑えたり鎮静したりする作用」のあるアロマなどが挙げられていました。
例えば、「ラベンダー」や「ゼラニウム」などは定番の精油で、ほとんどのアロマブランドにあるのではないかと思います。個人的には、「マンダリン」の香りが好みでした。
これらの精油は、いくつかをブレンドするのも良いですし、一種類で化粧水を作ることもできます。
アロマ化粧水は、材料をそろえて混ぜ合わせるだけで、作り方もとても簡単です。
アロマが好きで、顔の赤みが気になられる方は、アロマ化粧水でケアされてみてはいかがでしょうか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Aromatherapy salon ニワトコ – 庭常 – 青野 由布子 先生、「キレイの先生」編集部)