「キレイの先生」編集部です。
今回のテーマは、「シアバターで手作りする日焼け止め」です。
小さな隠れ家 女性専用サロン ドールズ のしのぶ 先生にインタビューさせていただきました。
日焼け止めクリームは、シアバターをベースに手作りすることができます。
手作りの日焼け止めクリームは、紫外線のブロック効果を季節に応じて調整することもできますし、シアバター自体が保湿力に優れているので、お肌の保湿にもなります。
しのぶ先生は、手作り化粧品の講師もされていて、ご自身でも、手作りした日焼け止めをお使いになっているといいます。
そんな先生に、シアバターの日焼け止めクリームの作り方を教えていただきました。
目次
手作りの日焼け止めは何がいい?
・シアバターが基材でオールシーズン使える
手作り日焼け止めクリームの材料
・シアバターについて
・椿オイルについて
・精油について
・保存容器や道具について
シアバターの日焼け止めクリームの作り方
・保存方法や使い方
手作りの日焼け止めは何がいい?
私は、夏のシーズンは、手作りした日焼け止めクリームを使っています。
手作り化粧品は、自分の好きな素材で作れることがいちばんの魅力です。
それに、保存料を入れずに、フレッシュな材料で作ることもできます。
もちろん、市販されている化粧品にも良いものはありますが、自分にとっては必要性の少ない成分が含まれていたりもします。
手作りの化粧品であれば、例えば「アンチエイジングなら、アンチエイジング」・「美白なら、美白」といったように、目的にぴったりと合ったものを作ることができます。
日焼け止めも、SPF(UVB波・紫外線B波を防止する作用を表した数値)が高すぎると、特にお肌の弱い方には負担がかかってしまいます。
SPFの数値的には、レジャーなどではなく日常生活を送る上では、10前後でも良いといわれています。
ただ、市販の日焼け止めは、夏場ですと、「SPF50」くらいのものが増えてきます。
そうすると、「SPFがもうちょっと低い日焼け止めがいいな…」と思っても、選択肢に限りが出てきます。
それに対して、日焼け止めを手作りすれば、SPFの数値を自分調整することが可能です。
手作り日焼け止めの魅力
・自分の好きな材料で作れる
・保存料を入れずに作れる
・フレッシュな材料で作れる
・SPFの数字を調整できる
など
シアバターが基材でオールシーズン使える
今回ご紹介する手作り日焼け止めクリームは、シアバターをメインに使います。
ですので、保湿力もあり、例えば、冬はSPFを抑えて保湿力を上げ、夏は紫外線対策でSPFを高めにする、といったこともできます。
夏場もエアコンなどでお肌は乾燥しがちなので、保湿力のあるシアバターは、その点からもおすすめです。
シアバターで手作りする日焼け止めクリームは、SPFや保湿力を調整することで、オールシーズンお使いいただけるので便利ですよ。
季節でカスタマイズ
・夏:SPFを高めて紫外線対策
・冬:SPFを抑えて保湿力を高める
手作り日焼け止めクリームの材料
日焼け止めクリームは、シアバターやキャリアオイル(植物油)などで手作りすることができます。
そこに、「酸化亜鉛」や「二酸化チタン」を加え、紫外線のブロック効果を高めます。
日焼け止めクリームを30g手作りする場合は、シアバターが15g、キャリアオイルが15g、酸化亜鉛と二酸化チタンが少々、それに、精油5~6滴を用意します。
ちなみに、手作りの日焼け止めクリームには、キャリアオイルは「椿オイル」がおすすめです。
手作り日焼け止めの材料
・シアバター:15g
・椿オイル(キャリアオイル):15g
・酸化亜鉛:少々
・二酸化チタン:少々
・精油:5~6滴
シアバターについて
シアバターは、シアという樹木の種子の胚(はい)から抽出される油分で、産地はアフリカが中心です。
シアバターは、保湿効果に優れているのに加え、天然のUVケアの効果があり、現地の方はボディや髪の毛の日焼け止めとしても使っているそうです。
ちなみに、手作りの日焼け止めクリームでは、シアバターは「マンゴーバター」で代用することもできます。
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椿オイルについて
日焼け止めクリームを手作りするのに、シアバターと合わせるキャリアオイルには、特に「椿オイル」がおすすめです。
椿オイルは、ヘアケアの成分としてよく知られていて、シャンプーなどに入っていることも多いです。
椿オイルも、シアバターと同じように、天然のUVケアの効果に優れていて、保湿しながら紫外線をブロックすることができます。
また、お肌への刺激が少なく、浸透力が早いのも特徴です。
もちろん、椿オイル以外のキャリアオイルでも、日焼け止めクリームを手作りすることはできますよ。
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酸化亜鉛・二酸化チタンについて
手作りの日焼け止めクリームは、シアバターとキャリアオイルに、酸化亜鉛・二酸化チタンを加えることで、紫外線のブロック効果を高めていきます。
シアバターや椿オイルにも、天然のUVケアの効果がありますが、日焼け止めとしては少々物足りません。
酸化亜鉛などを加えないと、日焼け止めクリームというよりも、美容クリームに近い仕上がりになります。
日焼け止めの効果としては、酸化亜鉛が「UVA波」を、二酸化チタンが「UVB波(紫外線B波)」をブロックします。
日焼け止めクリームのSPFの数値は、これらの分量で調整していきます。
例えば、肌荒れを起こしやすい春などは、酸化亜鉛などを少なめにしてもいいですよね。
分量は、SPFを7~12で作る場合は、全体の容量に対して約5%、SPFを14~24で作る場合は、全体の容量に対して約10%が目安です。
酸化亜鉛などの分量
■ SPFを7~12で作る場合:(全体の容量に対して)約5%
(30gの日焼け止めクリームを手作りする場合)
・酸化亜鉛:1.5g
・二酸化チタン:1.5g
■ SPFを14~24で作る場合:(全体の容量に対して)約10%
(30gの日焼け止めクリームを手作りする場合)
・酸化亜鉛:3g
・二酸化チタン:3g
酸化亜鉛・二酸化チタンは、アロマ専門店やインターネット通販などで、粉末のものを入手できます。
ちなみに、酸化亜鉛・二酸化チタンには、水溶性(水に溶ける性質)のものと油溶性(油に溶ける性質)のものがあります。
日焼け止めクリームは、油分に溶かして手作りしますので、油分に溶けるタイプをお選びになるといいですよ。
また、「微粒子」や「超微粒子」のタイプのほうが溶けやすいので、そういったものがおすすめです。
精油について
精油は基本的に、お好きなものをお選びいただければ大丈夫です。
ただ、柑橘(かんきつ)系の精油は、「光毒性(紫外線を受けると炎症などを引き起こす性質)」があるため、日焼け止めクリームにお使いになるのはおすすめしません。
それによって、シミの原因になる場合もあります。
ちなみに、今回は、「ローズマリー」と「ローズウッド」の精油を使います。
このふたつの精油は、香りが喧嘩することなく相性も良いですし、美容面の効能も優れています。
ローズマリーは、「若返りの精油」とも呼ばれていて、アンチエイジングにも良いです。
ローズウッドは、抗炎症作用があるので、ニキビのケアなどにも良いですし、気分が高揚するような香りです。
精油について
・ローズマリー:「若返りの精油」とも呼ばれていて、アンチエイジングにも良い
・ローズウッド:抗炎症作用があり、気分が高揚するような香り
保存容器や道具について
手作りした日焼け止めクリームを保存するのは、プラスチック製の遮光ビンがおすすめです。
例えば、日焼け止めクリームをポーチに入れて持ち歩くときにも、遮光ビンであれば、中味が傷みにくいです。
それから、日焼け止めクリームは、いちど湯煎(ゆせん・耐熱容器などをお湯に入れて間接的に熱すること)で熱して、その後に冷やして手作りします。
そのとき、例えば冷蔵庫で冷やしたりすると、温度が急激に冷えますから、ガラス製の容器では割れてしまう可能性があります。
ですので、その点からも、プラスチック製の容器がおすすめです。
また、使う道具や保存容器は、事前にエタノール消毒などしておくことも大切ですよ。
それらが汚れていたりすると、菌が発生する原因にもなってしまいます。
シアバターの日焼け止めクリームの作り方
日焼け止めクリームを手作りするには、まずは、シアバターと椿オイルを湯煎します。
シアバターは、常温では固形ですが、約36度以上になると溶けます。
シアバターと椿オイルをビーカーに入れて、それをお湯の張ったお鍋に入れて湯煎しながら、よく混ぜ合わせます。
シアバターは、キャリアオイルと一緒に湯煎することで、溶けが良くなります。
今回は、80~90度くらいのお湯で湯煎しましたが、自宅でお作りになるときは、もう少し低い温度で行っても大丈夫ですよ。
シアバターが溶けて椿オイルときれいに混ざり合ったら、湯煎から外します。
これが、日焼け止めクリームの素となります。
次は、計量した酸化亜鉛・二酸化チタンを加えて、よく混ぜ合わせます。
今回は、SPFが7~12の日焼け止めクリームを作るので、それぞれを1.5gずつ加えました。
酸化亜鉛などを混ぜている途中でクリームが固まってきたら、もういちど湯煎に戻して混ぜるといいですよ。
酸化亜鉛などは、少し粉末が残っていても、クリームを固めるときに沈殿するので、完全に混ざり合わなくても問題はありません。
そうして全体的に混ざり合ってきたら、精油を入れて、また混ぜ合わせます。
精油は、揮発(きはつ・液体が気体になること)する性質があるため、最後に加えます。
ちなみに今回は、ローズマリーを3滴、ローズウッドを3滴の合計6滴を入れました。
それで、クリームの温度が下がってきたら、遮光ビンの容器に移します。
そして、容器のふたを開けたまま、冷蔵庫で冷やします。
それは、容器のふたを開けたままで冷やすのは、ふたを閉じると、中で熱がこもってしまうためです。
それで1~2時間置いておくと、クリームが固まって、日焼け止めクリームの完成です。
日焼け止めの作り方
1. シアバターと椿オイルをビーカーに入れて、それをお湯の張ったお鍋に入れて湯煎しながら、よく混ぜ合わせる(ふたつを一緒に湯煎することで、シアバターの溶けが良くなる)
2. シアバターが溶けて椿オイルときれいに混ざり合ったら、湯煎から外す
3. 計量した酸化亜鉛・二酸化チタンを加えて、よく混ぜ合わせる(その途中でクリームが固まってきたら、もういちど湯煎に戻して混ざる)
4. 全体的に混ざり合ってきたら、精油を入れて、混ぜ合わせる
5. クリームの温度が下がってきたら、遮光ビンの容器に移して、冷蔵庫で冷やす(このとき、容器のふたは開けたまま冷やすようにする)
6. 1~2時間置いておくと、クリームが固まって、日焼け止めクリームが出来上がる
保存方法や使い方
手作りした日焼け止めクリームは、材料に水を使っていないため腐りにくく、比較的長く保存がききます。
季節や保管状態によりますが、一ヶ月くらいはもちます。
保管は、冷蔵庫がおすすめです。
この日焼け止めクリームは、お顔と身体の両方にお使いいただけます。
シアバターを基材(ベースとなる材料)に作っているので、美容クリームの代わりにもなりますよ。
例えば、夏場は美容クリームの代わりに使って、冬場はクリームの後に使うような形でもいいと思います。
私自身も、夏場は、乳液の後に、日焼け止めクリームを使うようにしています。
それから、使用の際は、必ずいちどパッチテストを行い、お肌に合わないときは使用を中止してください。
使い方
■ 夏場
1. 化粧水・美容液・乳液
2. (美容クリーム代わりに)日焼け止めクリーム
■ 冬場
1. 化粧水・美容液・乳液
2. クリーム
3. 日焼け止めクリーム
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編集部の選ぶおすすめのシアバター
「キレイの先生」編集部です。
ここまでが、しのぶ先生の取材記事です(しのぶ先生、ありがとうございました!)。
ここからは、編集部のおすすめするシアバターをご紹介します。
ココロピュア シアバター
「ココロピュア」はオーガニックのコスメブランドで、オーガニック認証の「エコサート」を取得したオーガニック100%のシアバターです。
天然100%のシアバターを、水洗いして不純物を取り除く手法で、日本で手間暇をかけてろ過しているため、全身に安心してお使いいただけます。
低温圧搾で抽出してから水洗いでろ過するまで、熱を加えることがないため、シアバター本来の栄養成分が損なわれることなく含まれています。
美容家の感想
最初は固形で、手に取ってなじませて溶かしていくと、しっとり感がすごくあります。オイリーな香りがしますが、その中にも植物本来の香りが感じられて、「これが本物のシアバターの香りなんだな…」ということを初めて知りました。スキンケアのクリーム代わりに使いましたが、植物的なカバー感がすごくあって、お肌をしっかりと保護してくれ、お肌がもっちりして翌日のうるおいも感じられました。シアバターにはUVケアの効果もあるので、夏の日焼け後に塗ってあげるのも良さそうですよね。
* 個人の感想で、効果・効能を保証するものではありません。
編集部のここがオススメ!
・オーガニック認証「エコサート」を取得したオーガニック100%のシアバター!
・日本で手間暇をかけて水洗いしてろ過しているので全身に安心して使える!
・製造工程で熱が加えられずシアバター本来の栄養成分が損なわれずに含まれている!
まとめ
手作りの日焼け止めクリームは、SPFの数値を自分で調整できるので、季節に応じて中味を作り変えることもできます。
例えば、夏場はSPFを高めに手作りして、冬場はそれよりも保湿力を高めるのも良いですよね。
シアバター自体、保湿力が高いので、保湿クリームの代わりになるの便利で嬉しいです。
手作り化粧品のお好きな方は、シアバターの日焼け止めクリームもおすすめですよ。
季節にご自分のお肌に合った日焼け止めを、手作りされてみてはいかがですか?
(取材:「キレイの先生」編集部 文:小さな隠れ家 女性専用サロン ドールズ しのぶ 先生、「キレイの先生」編集部)
* 2016年7月25日に公開した『シアバターで日焼け止めを手作り!保湿と紫外線対策のW効果』を再編集しました。