「キレイの先生」編集部です。
「春の旬の食材かあ。野菜も色々出てくるシーズンだし、何が美肌に良いんだろう? 楽しみだなあ」
どの先生の取材も面白くいつも勉強させてもらっているのですが、今回の節約美容料理研究家 金子 あきこ 先生の取材も楽しみにしていました。テーマは、美肌レシピです。
こう見えて(?)、料理は好きなんです(趣味と言えるほど凝ったものは作れませんし、似たようなレパートリーで回しちゃうことが多いんですが…。こう書くと、「料理が本当に好きなの?」という声が聞こえてきそうですね)。
節約美容料理というと、「なにかを我慢したり、制限したりするのかな」と思ったのですが、そういうわけではないそうです。
金子 先生も「特別なことは何もありませんよ。食べることを楽しむだけです。」と笑っておっしゃっていました。話をお聞きすると、たしかにだれでも簡単に出来る内容です。
お肌も食べたもので出来ていますし、健康が美肌を作ります。
金子 先生に、美肌におすすめのレシピを教えていただきましょう。今回は、春が旬の食材を使います。
目次
節約美容料理とは
・食材:旬の野菜
・基本食:ごはんと味噌汁
・食べ方:たくさん噛む
春の旬の食材:春キャベツ
・春キャベツとは
・効能
・選び方
・食べ方
春キャベツとあさりの炒め物のレシピ
・材料
・下準備
・作り方
節約美容料理とは
主婦がきれいでいることは、とても大切です。ただ、独身時代と比べて、自分にそこまでお金をかけることは難しいのではないでしょうか?
私自身も二児の母です。忙しいママがきれいでいられるように考えたのが、節約美容料理です。
節約といっても、「食べてはいけない」「がまん」などのストレスは、お肌にも悪影響を及ぼします。食事は楽しく、罪悪感を抱かず食べる事が必須です。
節約美容料理は、特別なものではありません。お金をあまりかけずに、毎日の生活に簡単に取り入れられて、きれいも追及できる、そんな料理です。
食材:旬の野菜
美容のために、サプリメントや健康食品を摂っている方もいらっしゃると思います。それも、ひとつの方法だと思います。ただ、それらは値が張るものも少なくありません。
それよりも、食べ物の素材を購入し食べることで、金銭的にも余裕が生まれます。
その浮いたお金で、野菜やお米の質を上げたり、栄養価の高い質の良い雑穀を加えたりすることで、サプリメントや健康食品に頼らなくても、栄養をしっかり摂ることができます。
そして食事を楽しみ、しっかり栄養素を補うには、旬の食材が必要不可欠です。
旬の野菜は、スーパーなどでも山積みで、元気そうなものが多いですよね。その季節には、価格も下がります。
何より栄養価が高く、そのときの身体に必要な栄養素がたくさん含まれています。
例えば、夏が旬の野菜「きゅうり」で考えてみたいと思います。
きゅうりは、身体を冷やす作用がありますから、暑い夏には良いですね。また、カリウムも多く含んでいます。カリウムは、汗でナトリウムと一緒に身体から出ていってしまいます。汗をよくかく夏には、補給しておきたい栄養素です。
夏はきゅうりの他にも、パプリカをはじめカラフルな野菜で旬なものが多いです。それらは抗酸化作用の高い栄養素が豊富です。紫外線が気になるシーズンには、摂っておきたいですね。
このように旬の野菜は、
・夏 → 身体を冷やす
・冬 → 身体を温める
といった作用があり、含まれている栄養素もそのときの身体に必要なものが多いです。
基本食:ごはんと味噌汁
節約美容料理でもうひとつのポイントが、ごはんと味噌汁を基本食とすることです。
身体を作るのに必要なアミノ酸は、ごはん(お米)と大豆系の食品(味噌)を一緒に食べると、バランス良く摂ることができます(その点では、ごはんと納豆などの組み合わせもおすすめです)。
それによって、ダイエットに必要な筋肉もしっかり作られます。
ごはんは「カロリーが高いから…」と気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、それを熱量に変えればそれほど心配はいりません。
そして、味噌汁に根菜や青菜などを沢山いれることで、野菜もしっかり摂れます。
ごはんと味噌汁を一緒に食べることで、しっかり代謝できるようバランスが整うので、一緒に食べることがおすすめです。
また、ごはんと味噌汁は、それぞれ下記のような点でも美容に効果的です。
■ ごはん
お米は水分をたっぷりと吸収しますから、ごはんを食べると、そこに含まれている水分も一緒に摂ることができます。それがお肌のみずみずしさなど、美肌にもつながります。
「糖質制限ダイエットをしてお肌が乾燥しちゃった」という話を聞くことがありますが、それはごはんを抜いていることも、ひとつの原因として考えられます。
■ 味噌汁
厚生労働省は一日に350gの野菜を摂ることを推奨しています。ただ、その量を生のまま摂るのはなかなか大変です。
その点、味噌汁は野菜をたくさん入れることができます。
しかも、水溶性の栄養素(代表的なところではビタミンC)も、味噌汁の中に溶け込みますから、損なうことなく摂ることができます。
食べ方:たくさん噛む
食べ物から摂取した栄養は、生命維持に大切な場所(内臓や脳など)から届けられます。お肌に栄養が届けられるのは最後です。
栄養素が不足していると、お肌まで必要な成分が届きません。
そのため美肌を作るには、食べ物の栄養素をしっかり吸収することが大切です。
それには、食事のときにたくさん噛むことです。
食べ物をたくさんかむと、胃腸の働きが良くなるため、消化が良くなります。栄養素もしっかり吸収することができますね。
特に、ごはんなどの糖質は、唾液の消化酵素としっかり混ぜ合わせることで、口から消化が始まります。
唾液をしっかり出して消化を良くするためにも、たくさん噛むことが必要です。
また、たくさんかむことで、フェイスラインがシュッとなる効果も期待できますね。
春の旬の食材:春キャベツ
冬は、老廃物を溜め込みやすい時期であり、なんとなく体重も増加傾向にあります。春は、身体がそれを出そうとする季節です。
春が旬の食材は、それを手伝うようなデトックス効果のあるものが多いです。
今回ご紹介するレシピで使う「春キャベツ」も、その効能の高い食材です。
春キャベツとは
春キャベツは葉が柔らかくて、小振りで巻きがゆるいのが特徴です(普段に出回っているキャベツは、キュッと身がつまっているグリーンボールという種類が多いです)。
味は、甘みがあります。
3月の終わりから4月にかけてが、旬になります。
効能
春キャベツはビタミンCが豊富で、胃腸の調子を整える効能があります。腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスも整えてくれます。
身体の根本を整えてくれる、といったイメージでしょうか。
胃腸の調子が良くなれば、消化吸収も良くなり、食べ物の栄養をしっかり摂ることができます。それによって、美肌にもつながりますね。
選び方
これは他の野菜の選び方にも当てはまりますが、春キャベツは元気なものを選ぶようにしましょう。
選び方のポイントは下記を参考にしてみてください。
・葉がみずみずしい色をしている
・葉がクタッとしているのではなく、ピンッとしている
・葉がふわりとして、やわらかい
・巻きがゆるい
など
食べ方
春キャベツは、炒めたりゆでたりするなど、色々な使い方ができます。味噌汁に入れてもおいしいですね。
いちばん簡単なのは、ザクッザクッと大きめに切って、味噌をつけて生のまま食べることです。
大きめに切るのは、咀嚼の回数も増やすためです。
咀嚼することで、胃での負担を最小限に抑えられます。また、食べる時間もかかるので、満腹感も感じやすくなります。
ドレッシングをお使いになっても良いですが、ドレッシングには油分や添加物が含まれているものも少なくありません。
そのため、生の春キャベツにつけるのは、味噌がおすすめです。
また、オリーブオイルとビネガー、塩を合わせて、春キャベツをそれにつけるのも良いですね。
生で食べておいしいのも、旬の野菜ならではです。
春の旬の食材:あさり
今回のレシピで、春キャベツともうひとつメインになる食材が、「あさり」です。
あさりも、春が旬になります。
タウリンが豊富で、疲労回復におすすめの食材です。また、肝臓の働きを良くする作用があります。
食べたものは胃で消化し、小腸で吸収され、さらに大腸にて必要な成分を吸収します。そして、小腸で吸収されたたんぱく質や糖質、脂質は、その後に肝臓へ移り代謝されます。
つまり、肝機能がアップするということは、吸収されたものをしっかり代謝できるということです。
アルコールの解毒作用も肝臓が元気でなければ効率よく行うことができません。
栄養をしっかり吸収し代謝され、必要なところに使われることで、お肌にも栄養素が行き渡って肌色が良くなったり、肌ツヤが出たりするなど、美肌につながります。
春キャベツとあさりの炒め物のレシピ
材料
・あさり:300g
・春キャベツ:1/4玉
・オリーブオイル:大さじ1
・白ワイン:大さじ2
・レモン:1/2個
あさりの下準備
まずは下準備で、あさりの砂抜き・塩抜きをします。
■ 砂抜き
あさりは、海水と同じ塩分濃度(3%)にすると砂を吐き出しやすくなります。
水1Lに塩30g(大さじ2弱)を入れ、そこにあさりを加え新聞しをかけて、3時間ほど置おいておきましょう。
■ 塩抜き
砂抜きしたあさりを平らなザルに上げ、その上から新聞紙をかけ1時間位置いておきます。
作り方
1) キャベツを洗い大き目にザクザクっと切ります。
2) レモンはいちょう切りにします。
3) 熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、さっと炒めたら白ワインを加えて蓋をします(中火)。
4) 5分位して、あさりの蓋が開いているのを確認したら、レモンとキャベツを加えさっと合わせます。
5) 器に盛り付けて出来上がりです。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
金子 先生の話をお聞きするまで、節約美容料理は何かを制限(節約)して、安くて美容に良い食材を中心に使うものと想像していました。
でも違うんですね。
たしかに、旬の食材は栄養豊富です。安くなります。しかも、おいしいです。「一石何鳥になるんだろう」というくらい、良いことだらけですね。
今回の取材でひとつ残念だったのが、「春キャベツとあさりの炒め物」の美肌レシピを試食できなかったことです。
金子 先生のお作りになった写真を見るだけでおいしそうですよね…。
早速、自宅でチャレンジしてみます。これで一品、レパートリーが増えました。
旬の食材を使って、楽しくおいしく美肌作りができちゃいましょう。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:節約美容料理研究家・管理栄養士 金子 あきこ 先生、「キレイの先生」編集部)
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