中村先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「くすみ肌」です。

お肌のくすみで、見た目の印象も変わってくると思います。

そうですね、お肌がくすんでいると、透明感がなくなって老けてみえやすくなります。

それに、「疲れている…？」、「体調が悪い…？」、「元気がない…？」といった印象を与えやすくなります。

幸福感の薄い印象というのでしょうか…。

先生のおっしゃりたいことは、何となくわかります…（笑）。

お肌のくすみは、何から起こるんですか？

くすみには、いくつかの原因が考えられて、そのひとつが血行不良です。

血行不良によるくすみは、青グレーに近い色をしています。

そういえば、目元のクマも青グレーに近い色をしていますが、血行不良によるくすみは、それと近いんですか？

そうですね、血流が悪くなっていると、体内の不要な二酸化炭素や老廃物を回収して流すことが難しくなります。

それが、皮膚から透けてみえることで、お顔全体のくすみになります。

それに、血流が悪くなると、毛細血管からお肌に酸素や栄養を行き渡らせるのも難しくなりますね。

そうすると、お肌の代謝も落ちてしまいそうです…。

はい、そういった影響もありますね。

ちなみに先程、目元のクマのお話が出ましたが、お顔の中でも、目元は特に皮膚の薄い場所です。

ですので、目元は、特に血行の悪さが透けてみえやすく、それがクマの原因になります。

日々の生活習慣で、血行不良の原因になることはありますか？

特に大きいのが、身体の冷えです。

それは、運動不足によるところもありますし、お風呂に入らずシャワーで済ませるといった身体を冷やしやすい習慣による影響もあります。

それから、乱れた食生活・水分不足・喫煙なども、血行不良の原因になります。

そうすると、それらが、お肌のくすみの根本的な原因といえそうですね。

お肌のくすみは、肌表面の状態によるケースもあります。

そういったくすみは、グレーや茶色をしています。

肌表面の状態によるくすみというのは、どういうことですか？

皮膚の新陳代謝は、年齢とともに遅くなります。

「ターンオーバー」のことですね。

ターンオーバーの乱れで、古い角質（肌表面の古い肌細胞）が剥がれ落ちずに肌表面にたまってくると、「角質肥厚（かくしつひこう・肌表面に角質が分厚くたまった状態）」と呼ばれる肌状態になります。

それによって、肌表面の角質が均一ではなく、まだらな状態になって、お肌のキメも乱れます。

そうすると、光が乱反射して、お肌は透明感がなくなりくすんでみえやすくなります。

ちなみに、年齢以外で、お肌のターンオーバーが乱れる原因はあるんですか？

内側の原因としては、血行不良も、お肌に酸素や栄養が行き届かなくなるので、ターンオーバーの乱れにつながります。

血行不良は、ターンオーバーの点からも、お肌に悪影響があるんですね（苦笑）。

それから、お肌は寝ている間に修復が行われますので、睡眠不足も良くありません。

外側の原因としては、ご自身に合っていないクレンジング料や洗顔料の使用も大きいです。

例えば、クレンジング料は本来、メイクの状況に合わせて選んでいただくのが理想です。

ただ、軽いメイクのときも、しっかりしたメイクのときも、どちらも同じクレンジング料をお使いの方も多いでしょう。

そうすると、本当は、メイクの状態に合わせてクレンジング料を使い分けたほうがいいんですね…。

はい、しっかりしたメイクに、洗浄力の弱いクレンジング料を使用していると、汚れを落とし切れない場合もあります。

そうすると、お肌に残ったメイク汚れが酸化したり、雑菌が繁殖したりする原因にもなります。

それは、洗顔料にもいえることです。

どんな季節や肌状態でも同じ洗顔料をお使いの方が多いですが、不要な角質をきちんと落とせていないと、そこからくすみにつながる場合もあります。

そうすると、洗浄力の強いクレンジング料・洗顔料を使ったほうが確実なんでしょうか？

いえ、そういうわけではありませんよ（笑）。

逆に、洗浄力の強いクレンジング料や洗顔料で、必要な角質・バリア機能まで落としすぎてしまうと、お肌を守ろうとして角質を厚くしまう可能性もなります。

なるほど、つまり、クレンジング・洗顔は、汚れが残ってしまうことも、逆に洗いすぎてしまうことも良くないんですね（笑）。

それから、お肌は内臓の状態が表れます。

例えば、アルコールの飲みすぎや長年の薬の服用で、肝臓に負担がかかっていると、お肌が黄色味がかったくすみにつながる場合があります。

後は、現代人食事は糖質が多くなりがちです。

糖質を摂りすぎると、タンパク質と糖質が結合して「糖化（とうか）」が起こり、細胞は黄色味がかります。

糖化は、肌老化の原因のひとつといわれていますよね。

はい、それも、お肌のくすみの原因になります。

他には、紫外線を浴びてメラニンが発生することでも、お肌のトーンが落ちます。

ただそれは、お肌のくすみというよりも、シミに分類できるかもしれませんね。

お肌のくすみを取るには、どうしたらいいですか？

ひとつは、お肌の状態やメイクに合ったクレンジング・洗顔を行っていただくことです。

ちなみにサロンでは、クレンジング料は、お肌に負担の少ないミルクタイプを使用しています。

ミルククレンジングは、クレンジングの中でも、洗浄力がいちばん優しいといいますよね。

はい、一般的なメイクでしたら、ミルククレンジングは洗いすぎも防げるので、おすすめです。

ただ、しっかりしたメイクの方は、洗浄力の優しいクレンジング料で、長時間クレンジングを行うことのほうが、お肌への負担が大きくなってしまいます。

ですので、そういった方は、オイルタイプなどを使用して、クレンジングを1～2分で済ませたほうが、お肌への負担という点では少なくなります。

もしくは、オイルタイプを部分使いするのもいいですね。

それで、洗顔は、タンパク質の汚れを落とす効果がありますので、洗顔を正しい方法で行っていただくだけでも、くすみは取れやすいですよ。

正しい洗顔方法とは、どういうことですか？

泡洗顔でしたら、しっかりと泡立てて、手ではなくその泡でお顔を洗います。

それによって、肌摩擦を防ぐことができます。

それから、洗顔での洗いすぎも逆効果になるので、くすみが気になるからといって、長時間は行わないようにしていただきたいです。

そうして、ご自分に合ったクレンジング・洗顔を行っていただいた上で、古い角質をほぐす「ピーリング（余分な角質をほぐして剥がれ落ちやすくするお手入れ）」もおすすめです。

ピーリング化粧品は市販もされていますし、たんぱく質を分解する酵素の入った洗顔料なども出ていますね。

ご自分でピーリングを行うときは、商品に記載されている方法や時間を守るようにしましょう。

ピーリングを過度に行って、必要な角質まで取りすぎてしまうと、お肌が乾燥しやすくなるだけではなく、お肌を傷めてしまう可能性もあります。

もし、ご自分でピーリングを行うのが心配な方は、サロンや医療機関に行かれるのもいいですよ。