「キレイの先生」編集部です。
「お肌のハリを戻すには美容器がおすすめ」
そんな話題が出たのは、プライベートエステサロン Belle Reste の小俣 美穂 先生に、しわについての取材を行っているときでした。
しわは、出来る深さによって、対処方法が変わるといいます。
皮膚の表層(表皮)の小じわは、乾燥が主な原因のため、スキンケアでの保湿が大切です。
そして、もう少し深いところ(真皮)のしわには、美顔器がおすすめだそうです
それは、どうしてなのでしょうか?
小俣 先生の前編の記事では、表層の乾燥の小じわ(ちりめんじわ)について、まとめさせていただきました。
この後編では、真皮のしわについて、まとめさせていただきます。
* 小俣 先生の前編の記事は、「ちりめんじわの対策方法!乾燥の小じわは保湿して深くしない」からご覧いただけます。
目次
真皮のしわの原因
・コラーゲンの変成・現象
・糖化
真皮のしわ
表層の小じわは、線が細かくて浅いです。
それに対して、真皮のしわは、線が(垂直に入ったように)明らかに見えているのが特徴です*。例えば、目尻のしわやほうれい線などのイメージです。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
真皮のしわの特徴をよりよく知っていただくのに、表層の小じわについて、簡単にご紹介させていただきます。これは、小俣 先生の前編の記事を簡単にまとめた内容です。
しわは、大きく3段階に分けられるといいます。
第1段階 表層(表皮)のしわ
第2段階 真皮のしわ
第3段階 筋肉層のしわ
3段階のしわが、どの場所(深さ)に出来ているかは、下の皮膚の断面図イメージをご覧ください。
表層(表皮)のしわは、もっとも浅いしわといえます。しわの線は細かく薄く、いわゆる「ちりめんじわ」です。
乾燥が主な原因のため、しっかり保湿してあげることが大切になります。
そして、そこから段階が進み、もうひとつ深い場所に出来るのが、今回のテーマの「真皮のしわ」です。
ちなみに、表層(表皮)と真皮のしわは見分けやすいですが、真皮と筋肉層のしわは見た目が似ていて、見分けるのが難しいそうです。
* 小俣 先生の前編の記事は、「ちりめんじわの対策方法!乾燥の小じわは保湿して深くしない」からご覧いただけます。
真皮のしわの原因
コラーゲンの変成・現象
真皮のしわは、お肌のハリがなくなって、たるむことが主な原因になります。
真皮は、コラーゲンやエラスチンといった弾力成分で構成され、お肌のクッションのような役割があります。
しかし、下のような原因で、コラーゲンが変性したり、生成量が減ったりすると、(クッションが減ることで)お肌がゆるみ、しわにつながります。
■ 加齢
コラーゲン・エラスチンを生成しているのが、「繊維芽細胞(せんいがさいぼう)」です。繊維芽細胞は、加齢によって老化し、働きも弱まります。それによって、コラーゲンなどの生成量が低下し、お肌はたるみやすくなります。
■ 紫外線
紫外線のA波(UVA)は、コラーゲンを破壊する作用があります。そのため、紫外線をたくさん浴びると、お肌がたるみ、しわの原因になります。
■ 酸化
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
「酸化」は、身体の細胞が錆びてしまうようなことをいいます。それだけでも身体(お肌)に悪いことは、イメージがつきますよね。
健康・美容に良いことは、何ひとつありません。
酸化については、「活性酸素・過酸化脂質は美肌作りの大敵!活性酸素の原因とは」でもご紹介しています。
「酸化は本当に美容の大敵だ…」ということが感じられると思いますよ。
糖化
体内のタンパク質は、余分な糖質とくっつくと固くなる作用があります。それを、「糖化」といいます。
例えば、ホットケーキを焼くと、表面がこげ茶色になって固くなると思います。
それも、(卵や牛乳などに含まれる)タンパク質と(砂糖などの)糖質がくっつく、糖化現象といえます。
糖質の摂り過ぎなどで、皮膚が糖化して固くなることでも、しわの原因になります。
* ちなみに、糖化は血管をはじめ全身で起こりうる現象です。
美容器でハリを取り戻す
表層(表皮)の乾燥の小じわは、スキンケアでしっかり保湿することでケアすることができます。
それに対して、真皮のしわを改善するには、コラーゲンを増やして、お肌のハリを取り戻すことが大切です。
ただ、それはハンドテクニックだけでは難しく、美顔器をお使いになるのが良いと思います。
(ハンドテクニックで行えるのは、マッサージでの血行促進くらいでしょうか)
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
小俣 先生のおっしゃるように、真皮のしわは、スキンケアだけでは不十分といえます。
化粧品は基本的に、角質層までしか浸透しません。
この角質層がどこに当たるかというと、表皮のもっとも表層の部分で、厚さは0.02mmしかありません(ちなみに、表皮の厚さは約0.2mmといわれています)。
コラーゲンのある真皮は、その奥深くです。
そのため、通常のスキンケアだけでは、真皮のしわの改善は難しいのです。
ただ、マッサージによる血行促進は、即効性はないかもしれませんが、効果は期待できます。
全身の細胞には、血液から必要な栄養や酸素が運ばれています。
血行が良くなって、細胞に栄養や酸素が行き届けば、細胞は元気になります。繊維芽細胞もそれによって活性化すれば、コラーゲンやエラスチンの生成が促され、ハリを取り戻す効果が期待できます。
血行促進は、あらゆる肌トラブルのケアになるといえます。
例えば、「フォトフェイシャル」という美容器は、特殊な光線を当てて、繊維芽細胞を熱で元気にします。それによって、コラーゲンなどの生成を促します。
また、お肌の深部にまで美容成分を入れる「エレクトロポレーション」という美容器もあります。
これらの美容器は、美容液やジェルを付けて、その上から使います。
お肌のハリを取り戻したいときは、成分的にはコラーゲンでも良いですが、コラーゲンは分子のサイズが大きいため、それよりもビタミンCがおすすめです。ビタミンCは、体内でコラーゲンを作る材料になります。
ちなみにサロンでは、「ミラクルウェーブ」という美容器を使っています。これは、お肌がコラーゲンなどを自分で作る力を高めるものです。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
真皮のしわは、コラーゲンの変性や減少が原因にあるといいます
化粧品は基本的に、角質層までしか浸透せず深くまで入ってきませんから、自分でケアをするのは難しいですよね。
小俣 先生は、「表層の乾燥の小じわ(ちりめんじわ)の段階で、しっかり保湿して、しわが深くならないようにすることが大切」とおっしゃっていました。その意味が、よく分かりました。
美容器は、フォトフェイシャルやイオン導入器は、比較的手に入りやすいです。ただ、おもちの方はそう多くはないと思います。
しわ対策の基本は、小じわのときに保湿して、深くしないようにすることです。
それでも、線の明らかな(真皮の)しわに進んでしまったら、エステサロンでプロに美容器などのケアをしてもらうのも良いと思います。
* 小俣 先生の前編の記事は、下からご覧ください。
(取材・文:「キレイの先生」編集部)