「キレイの先生」編集部です。
ニキビが出来たとき、化粧品で外からケアするだけで十分ですか?
エステサロンの先生方に取材して分かったことがあります。お肌は身体の状態が表れます。
特にニキビは、身体の不調が原因になっている場合が多いです。
すると、化粧品だけでは根本的な改善になりませんね。
そんなとき、「ツボ」という方法もあります。
Private Salon éclat の南雲 わこ 先生に、話をお聞きしました。南雲 先生の記事の後編で、テーマは「ニキビに良いツボ」です。
ニキビといっても、いくつかのタイプがあります。
南雲 先生には、東洋医学の視点から、それぞれのタイプを解説いただき、おすすめのツボを教えていただきました。
とても丁寧にまとめていただき、分かりやすいです(南雲 先生、ありがとうございます!)。
南雲 先生の前編の記事では、ツボの基本的な考え方を、こちらも丁寧にまとめていただいています。是非セットでご覧ください。
* 南雲 先生の前編の記事は、「手の甲に美肌のツボが?肌荒れにいい「合谷」の場所と押し方」からご覧ください。
目次
五行論とは
・五臓(肝・心・脾・肺・腎)
「肺」タイプのニキビ(白ニキビ)
・おすすめのツボ「迎香」
「肝」タイプのニキビ(赤ニキビ)
・おすすめのツボ「太陽」
「脾」タイプのニキビ(黄ニキビ)
・おすすめのツボ「地倉」
ニキビについて
ここでは思春期のニキビではなく、20代以上の大人ニキビについて取り上げていきます。
大人ニキビは、メイクなどによる肌表面の問題だけではなく、内臓の乱れ・ストレス・栄養バランスの悪さなどが原因で、皮脂の分泌や角質の増殖によって毛穴が詰まり、細菌感染することで起こることがほとんどです。
そのため、「ニキビ」といっても、原因は人さまざまです。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。ニキビについて、簡単に補足させていただきます。
ニキビは、毛穴が詰まって炎症を起こした状態のことをいいます。
[毛穴に詰まるもの]
・皮脂(毛穴から分泌されている油分)
・角質(お肌の表面の古い肌細胞)
・メイクの汚れ
・ほこり
など
ニキビは、本当に色々なことが原因になります。エステサロンの先生方に話をお聞きしていると、お肌の表面の問題というよりも、体内の状態から来る場合の方が多いようにも感じます。そして先生方は、「(ニキビは)厄介な肌トラブル」と口をそろえておっしゃいます。
たしかに、「炎症」しているだけに、正常な状態とはいえません。
ニキビについては、このサイトでも何度か取り上げました。下記の記事も、合わせてご覧になってみてください。
ここでは、東洋医学的な考え方で体質別にニキビをみていき、東洋医学の「五行論」に沿って、ツボを選んでいきたいと思います。
五行論とは
「五行論」に沿って、体質別にニキビをみていくため、まずは五行論についてご紹介します。
五行論は、自然界に存在するものを、日常生活や生産活動の基本物質である「木・火・土・金・水」の5元素に結び付けて分類したものをいいます。
人間の身体の内臓では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)に割り当てられます。
これは、現代解剖学の肝臓や心臓などと同じようなものですが、内臓を単なる身体の構成物質ではなく、生理的・病理的な現象や精神活動の中心として捉えています。そのため、考え方や機能は、現代医学とはまったく違う考えをするものです。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)
とても簡単になってしまいますが、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きをご説明します。
■ 肝
主に、気・血・津液の流れを促したり、血を貯蔵したりする働きがあります。。情緒の安定や、目・筋肉を司っています。
■ 心
主に、血液循環や、思考・意識など精神活動を制御する働きがあります。
■ 脾
消化と吸収を行い、気・血・津液の原料を供給する働きがあります。
■ 肺
呼吸によって、気や津液などを全身に拡散し、汚れた気などを外に排出する働きがあります。また、気や津液を上から下ろして、排泄のコントロールをする働きもあります。
■ 腎
先天的、後天的な生命活動の源を発展させて維持する働きがあります。また、体内の水液の調整や、呼吸にも深く関与しています。
編集部のコメント
「キレイの先生」編集部です。
「気」・「血」・「津液」など、あまり聞きなれない言葉が出てきたかもしれません。これは東洋医学の考え方で、生きる3大要素です。
南雲 先生の前編の記事で解説いただきましたので、そちらから抜粋させていただきます。
・気 (生命活動のエネルギー源)
・血 (体の栄養を与え、滋養する物質)
・津液 (体の水分の総称)
* 南雲 先生の前編の記事は、「手の甲に美肌のツボが?肌荒れにいい「合谷」の場所と押し方」からご覧ください。
「肺」タイプのニキビ(白ニキビ)
白く細かいニキビは、「肺」タイプである場合が多いです。おでこや鼻の周りに出来やすいです。
肺タイプは、もともと皮膚トラブルを起こしやすいといえ、お肌が乾燥気味なのにニキビが出来てしまいます。
下のような症状に当てはまるものが多いと、「肺」タイプと考えられるでしょう。
・どちらかというとドライスキン
・喉や鼻が乾燥しやすい
など
肺には気・血・津液を拡散する役割があり、肺の調子が崩れると、その流れが滞ってしまい、身体やお肌は乾燥しやすくなります。
そのため、肺タイプのニキビは、化膿するようなもの(赤・黄ニキビ)というよりも、代謝の悪化で角質が剥がれないことによるポツポツとしたものが多いです。
おすすめのツボ「迎香」
肺の機能を高めるには、「迎香(げいこう)」というツボがおすすめです。
迎香は、小鼻の両脇のくぼんだところにあり、鼻水や鼻づまりにも良いとされています。
皮膚と垂直に押しましょう。
「肝」タイプのニキビ(赤ニキビ)
赤いニキビは、「肝」タイプである場合が多いです。こめかみや、髪の生え際に出来やすいです。
「ストレス」タイプということもでき、ストレスが多く、生活が不規則な人に起こりやすいです。
下のような症状に当てはまるものが多いと、「肝」タイプと考えられるでしょう。
・便秘気味
・月経前に体調が崩れやすい
・イライラすることが多い
・高カロリーの食事が多い
など
おすすめのツボ「太陽」
肝の機能を高めるには、「太陽(太陽)」というツボがおすすめです。
太陽は、こめかみにあって、目尻と眉尻を結んだ線の真ん中から、親指1本分*外側のくぼみの場所です。
皮膚と垂直に押しましょう。
* 親指の太さ(幅)で測って1本分です。
「脾」タイプのニキビ(黄ニキビ)
黄色く膿んだニキビニキビは、「脾」タイプである場合が多いです。ニキビの中では、もっとも重症のタイプといえます。
胃腸のトラブルから来ることが多く、食生活の乱れと関係が深いです。また、お肌に熱を持っていることが考えられます。
下のような症状に当てはまるものが多いと、「肝」タイプと考えられるでしょう。
・オイリー肌
・甘いものや脂質の多いものを摂りがち
・便秘症
など
おすすめのツボ「地倉」
脾の機能を高めるには、「地倉(ちそう)」というツボがおすすめです。
地倉は、口角の外側にあって、瞳の真下に位置します。口内炎の予防やほうれい線の予防にも効果があります。
皮膚と垂直に押しましょう。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
私は取材前、「ニキビにおすすめのツボはここ!」といったように、ひとつのツボをご紹介いただけるのかと思っていました。
ただ、南雲 先生のおっしゃるように、ニキビの原因は人によって様々です。それぞれのタイプで、アプローチも変わってきますよね。
ニキビは、外側からのケアだけではなく、根本となっている原因を取り除くことも大切です。
ツボは、刺激を与えることで、そこにつながっている臓器の調子を整えることができます。
ニキビでお悩みのときは、ツボで体内を整えることも行ってみてはいかがでしょうか?
* 南雲 先生の前編の記事は、下からご覧ください。
(参考文献:東洋療法学校協会『東洋医学概論』、ナツメ社『東洋医学の教科書』、高橋書店『ホントのツボがちゃんと押せる本』、池田書店『中医アロマテラピー 家庭の医学書』)
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Private Salon éclat 南雲 わこ 先生、「キレイの先生」編集部)