美容のスペシャリストが教えるキレイ

シミを消したい!でもシミがなかなか消えないのはどうして?

本日のキレイの先生

高木 愛 先生

シミを消したい!でもシミがなかなか消えないのはどうして?

「キレイの先生」編集部です。

「シミを消したい!」

よく分かります。

「でもシミがなかなか消えない…」

もっとよく分かります。

いちどシミが出来ると、なかなか消えてくれないことがありませんか?

それは、シミが皮膚の上にペッと付いているからではなく、柱のように埋まっているイメージだからだそうです。

…きっと、何の話をしているのか、分かりませんよね。

今回は、Total Beauty Salon A.mstic の高木 愛 先生に、話をお聞きしました。

そこで、「シミを消したい!」と思っても、どうしてなかなか消えない理由がみえてきました。

シミを消すには、多少ゆっくりと時間をかける必要があるようです。

「そんな悠長にはいられない!」というのも分かりますが、その理由をご覧になっていただければと思います。

目次

シミがなかなか消えない理由

日本人はシミができやすい?

真皮に出来るシミ
・真皮のシミを消すには

皮下組織に出来るシミ

シミを消すには
・抗酸化力の高い成分を摂る
・お風呂に入る

まとめ

シミがなかなか消えない理由

シミは、一見すると、お肌のいちばん上にペロッと付いているように見えるかもしれません。

そのせいでしょうか、シミを取るために、お肌をカミソリで剃ったという方にお会いしたこともあります(かえってお肌を傷つけてしまいますので、真似しないようにしましょう)。

ただシミは、お肌のいちばん上に付いているわけではありません

シミでもっとも多いのが、「表皮(ひょうひ)」に出来たものです。

編集部のコメント

「キレイの先生」編集部です。

皮膚は、「表皮(ひょうひ)」・「真皮(しんぴ)」・「皮下組織(ひかそしき)」の3層構造になっています。下のような断面図をイメージください。

皮膚の断面図イメージ

表皮は、表層の目に見えるところから、「角質(かくしつ)層」・「顆粒(かりゅう)層」・「有棘(ゆうきょく)層」・「基底(きてい)層」と、さらに細かい層に分かれています。

表皮の基底層には、メラニン色素を作る「メラノサイト」という細胞があります。

そして、メラノサイトの周りには、「ケラチノサイト」という、いわゆる通常の肌細胞が36個付いています。

このケラチノサイトの中にある「(細胞の)核」が、紫外線・ストレス・刺激(例えば、スキンケアでこするなど)などによって、ダメージを受けそうになると、メラノサイトがそれを守るためにメラニン色素を放出します。

編集部のコメント

「キレイの先生」編集部です。

メラノサイトがメラニン色素を放出してしまうのは、こういうことですね。

1) 紫外線を浴びる、など。

2) 肌細胞(ケラチノサイト)の中にある「核」がダメージを受けそうになる。

3) メラノサイトが、ケラチノサイトの核が壊されないように、メラニン色素を放出する。

つまり、メラノサイトがメラニン色素を放出するのは、身体を守るためといえそうです。

メラニン色素が放出されても、通常はターンオーバー(お肌の生まれ変わり)によって排出されていきます。

ターンオーバーの周期は、28日が理想といわれています。

若いときは日焼けをしてもシミに残りにくいのは、ターンオーバーの周期が28日近くで回っていて、メラニン色素を排出できるためです。

ただターンオーバーは、加齢などによって周期が遅くなります。

すると、メラニン色素が排出されずに、たまっていってしまいます。積み重なるようにして、柱状にたまっていくような状態をイメージしてみてください。

編集部のコメント

「キレイの先生」編集部です。簡単で申し訳ありませんすが、下がイメージ図です。

シミのイメージ図

シミがこうして柱になっていると思うと、たしかに消すのには少し時間がかかりそうですね…。

「隠れシミ」という言葉もありますが、シミが隠れているわけでありません。

お肌の奥にメラニン色素がたまっていて、それが時間をかけて上に上がってくると、シミになるのです。

このようにシミは、お肌の表面に付いているものではありません。

そのため、シミを1~2日で消すことは難しいです。たまったメラニン色素をターンオーバーで排出することで、1~3ヶ月かけて自然にゆっくりと消えていくものです。

日本人はシミができやすい?

日本人はシミができやすい?

ちなみに、メラノサイトには2種類があります。

・紫外線を浴びると活発になるタイプ

・日常的な活発なタイプ

この2つの比率によって、お肌・髪・目の色が変わります。

例えば、白人には「紫外線を浴びると活発になるタイプ」、黒人には「日常的に活発なタイプ」のメラノサイトが多いです。

では、日本人はどうしでしょうか?

髪は黒いです。目も黒いです。ただ、お肌は(白か黒かでいうと)白に近いです。

つまり日本人は、2つのメラノサイトの比率が、センシティブといえるように感じます。

そのため、日本人のお肌は刺激に弱く繊細で、シミが出来やすいといえるかもしれません。

真皮に出来るシミ

先程は、表皮に出来るシミについてお話しました。

シミは大きく、出来る場所(深さ)によって、3種類に分けられます。

・「表皮」に出来るシミ

・「真皮」に出来るシミ

・「皮下組織」に出来るシミ

次は、真皮に出来るシミについて、お話したいと思います。

編集部のコメント

「キレイの先生」編集部です。もういちど、先程の皮膚の断面図です。

皮膚の断面図イメージ

真皮は、真ん中の層ですね。コラーゲンやエラスチンなどの弾力成分で構成されていて、お肌のハリの元になっています。

表皮と真皮の間には、「基底膜」という膜によって、2つは分かれています。

ただ、メラニン色素の柱(表皮のシミ)が、その膜を破って真皮まで落ちてしまう場合があり、それが真皮のシワになります。

その他にも、女性ホルモンの乱れが原因になるといわれている「肝斑(かんぱん)」なども、真皮に出来るシミです(肝斑は現在でも、科学的に細かく分かっていない部分もあります)。

* ちなみに、目に見えているシミが、表皮に出来ているのか、真皮に出来ているのかを、見分けることは難しいです。

真皮のシミを消すには

真皮は、代謝に2~5年がかかるといわれています(この周期は、年をとるにつれて長くなります)。

そのため、代謝によって真皮のシワが消えるまでには、数年の時間がかかってしまうことになります。

ただ真皮には、「マクロファージ」という貪食(どんしょく)細胞があります。これは、「貪食」というように、色素やウイルスの死骸など、あらゆるものを「貪」欲に「食」べる細胞です。そして、色素などを食べた後に、ゴミを毛細血管から静脈(血液)やリンパに捨てます。

血液はこのようなゴミ(老廃物)を運ぶのと同時に、全身の細胞に必要な栄養や酸素を届けている役割もあります。

そのため血流が悪くなると、身体の隅々にまで栄養・酸素が行き届かず、細胞も元気がなくなってしまいます。

それによって、マクロファージの働きが低下すると、真皮のシミも消えにくくなるといえます。

身体が健康でなければ、美しくなることはできません。シミを消すためにも、血流を良くすることは大切です。

皮下組織に出来るシミ

皮下組織に出来るシミ

シミの輪郭がクッキリしている場合、そのシミは皮下組織に出来ている可能性が高いです。

皮下組織に出来るシミは、お肌の老化現象といえるものです。

細胞の中には、「リポフスチン」という不溶性の色素があります。

これは、ゴミといえるもので、排出されるべきものです。若いときは身体も排泄力がありますが、年をとると排泄機能が低下します。

すると、リポフスチンがたまってしまい、シミになります。それが、「老斑(ろうはん)」と呼ばれるものです。

基本的には、年配の方に出来ることが多いですが、若くても老斑の出来る方はいらっしゃいます。

それは、血流が悪くなり排泄力が低下していることが、原因といえるでしょう。

シミを消すには

シミを消すには

シミを防御するには、きちんと日焼け止めをして、日焼けしないようにすることがいちばんです。

もしシミが出来てしまったときは、血流を良くして、お肌と身体の代謝を上げることが大切です。

例えばサロンでは、下のような方法があります。

・お肌の代謝を上げる → ハーブのピーリング

・身体の代謝を上げる → 波指法(なみしほう)

(波指法とは、商標も取得している、オリジナルのリンパドレナージュです。骨髄のレベルまでアプローチし、指で波を立たせるように、血液やリンパを流していきます)

ご自宅では、抗酸化力の高い成分を摂ることと、お風呂がおすすめです。

抗酸化力の高い成分を摂る

メラニン色素の色がつくのも、身体(やお肌の)老化現象も、「酸化」が原因にあります。

そのため、抗酸化力の高い成分を摂ることで、シミの元を絶つ効果が期待できます。

抗酸化力の高い成分には、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなどがあります。

食べ物では、緑黄色野菜に多く含まれていて、下のようなものがおすすめです。

・アボカド
・レモン
・トマト
・オリーブオイル
など

これらの材料に、塩コショウを加えて、サラダにすることもできると思います。

他にも、ニンジンなどに多く含まれる「βカロテン」は、体内でビタミンAになって、代謝を上げることにもつながるのでおすすめです。

ただ食べ物は、お肌に栄養が届くまで、食べてから約1週間かかるといわれています。

そのため化粧品で、顔から成分を与えてあげることも大切です。

お風呂に入る

血流を良くして代謝を上げるのには、お風呂もおすすめです。

日本人は腸が長いため、シャワーでは、身体を芯まで温めることが難しいといわれています(それに対して、外国人はシャワーだけでも身体を温められるといいます)。

お風呂は、身体の芯まで温めることができ、適度に水圧もかかるため、血行促進につながります。

まとめ

「キレイの先生」編集部です。

シミは、皮膚の表面に付いているわけではありません。

(表皮に出来るシミでも)メラニン色素がたまって柱状になっている状態であれば、表面だけを取っても、シミを消すことはできません。

シミがいちど出来たら、なかなか消えないのは、お分かりいただけたのではないでしょうか?

「シミを消したい!」というときは、少し時間がかかるかもしれませんが、血流を良くして代謝を上げることを心がけるようにしましょう。

(取材:「キレイの先生」編集部 文:Total Beauty Salon A.mstic 高木 愛 先生、「キレイの先生」編集部)

関連キーワード