「キレイの先生」編集部です。
スキンケアは化粧品だけじゃない。先生方に取材をしていて、そう強く感じます。
ある先生が「お肌は内臓の鏡だ」と仰っていたことがありました。身体が健康でなければ、それがお肌に表れます。きれいなお肌を作るには、健康がもっとも大切なのかもしれません。
そして、私たちの身体の働きは、食べたものが栄養源になっています。それはもちろんお肌も同じです。
食事を改善することも、スキンケアといえます。
シミの予防にも、食事が大切です。
Salon Theresia 桜宮 美奈 先生によると、ターンオーバーを活性化できるように、栄養バランスの良い食事をすることが、シミ予防の基本になるそうです。
今回は、桜宮 先生にシミ予防のアドバイスをいただきました。
目次
シミのメカニズム
・1. 活性酸素
・2. メラニン色素
・3. ターンオーバーの乱れで色素沈着
・紫外線以外のシミの原因
シミ予防の基本はターンオーバーの活性化
・シミは予防が大切な理由
・ターンオーバーを活性化するには?
・ビタミン・ミネラル検査
・ビタミンC等、シミ予防におすすめの栄養素
・その他
シミが出来たときは
・FCRハーブ
シミのメカニズム
1. 活性酸素
シミ予防に大切なことを理解するにはまず、シミのメカニズムを知ることから始めましょう。
シミのいちばんの原因である紫外線を例に、シミが出来るまでの流れをみていきたいと思います。
紫外線は身体に害があります。特に現在は、オゾン層の破壊などで、地上には強い紫外線が降り注いでいます。
私たちのお肌は紫外線を浴びると、「攻撃されている!」と活性酸素が発生します。
活性酸素のことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか? おそらく、お肌に悪いものというイメージが強いのではないかと思います。
ただ本来は、この活性酸素は細菌やウイルスを退治してくれる優れものです。正義の味方ともいえます。
ただ、正義の味方でも、度が過ぎてしまうと、トラブルの原因になります。
2. メラニン色素
活性酸素が過剰に発生したりすると、メラノサイトという細胞が働き始め、メラニン色素を作り出します。
ちなみに、このメラニン色素も活性酸素を抑えるための働きがあり、一概に悪いものとはいえません。
3. ターンオーバーの乱れで色素沈着
メラニン色素は通常、ターンオーバーではがれ落ちていきます。
ターンオーバーとは、お肌の新陳代謝です。新しい肌が奥から生まれて、表皮(表面の古い肌)を押し上げるようにして、はがれ落とします。このお肌の入れ替わりのことを、ターンオーバーといいます。
20歳くらいのターンオーバーの周期が約28日とされ、それ以降は年を取るごとに、その周期は少しずつ遅くなります。
また、加齢以外にも、ストレス・睡眠不足などの生活習慣や、ホルモンバランスの乱れによって、ターンオーバーの周期は乱れます。
そして、ターンオーバーの働きが悪化して、お肌の生まれ変わりが遅くなると、メラニン色素が落ちずに色素沈着してしまいます。
それが、シミです。
そのため、シミの予防にはターンオーバーを活性化させ、肌の中のメラニン色素をはがし落としてあげることが大切です。
紫外線以外のシミの原因
活性酸素は、ストレスや睡眠不足などでも発生します。
生活習慣の乱れがお肌の敵であることが、こんなところからもお分かりいただけるのではないでしょうか?
また、お肌をかいたりすることも、シミの原因になります。摩擦や外部の刺激は、お肌を傷つけます。メガネ跡の鼻の部分なども、シミが出やすいです。
その他にも、皮脂*のバランスが崩れていても、シミにもつながります。皮脂のバランスを整えるには、適度な運動をして汗をかくのがおすすめです。
そして、ホルモンバランスの乱れによるシミもあります。それを「肝斑(かんぱん)」といい、特に治すのが難しいシミです。
* 編集部:皮脂については、「皮脂の働きを理解しオイリー肌・脂性肌のスキンケアにいかす」も合わせてご覧ください。
シミ予防の基本はターンオーバーの活性化
シミは予防が大切な理由
シミは表に出てくるまで時間がかかります。昔浴びた紫外線で、お肌の中ではシミが順番待ちしていることもあります。
だからこそ、シミには予防が大切です。
そのためには、ターンオーバーを活性化することが基本です。
お肌の中でメラニン色素が作り出されても、ターンオーバーではがし落とし、色素沈着してシミまでならないようにしましょう。
ターンオーバーを活性化するには?
お肌のターンオーバーは、代謝の働きのひとつです。
これは前回の記事*でもご紹介しましたが、代謝が働くには、
・酵素
・ビタミン
・ミネラル
の3つの栄養素がセットで必要です。
(詳細は「ファスティングの効果と基本的な方法とは?一食置き換えも可」をご覧ください)
ビタミンCは、シミに効果的な栄養素としてよく知られています。
しかし、ビタミンCばかりを摂っていても、他の栄養バランスがとれていないと、有効に働いてくれません。
ワインの樽を想像してみてください。樽を作っている一枚一枚の細長い板が、栄養素です。
もし、この中の栄養素のどれかが、必要な半分の量しかなかったらどうなるでしょうか?
それは、樽のどれかの板が半分しかない状態です。すると、樽の中には、ワインが半分しか入りませんね。
栄養も同じです。ビタミンCをたくさん摂っても、例えば他の栄養素が不足していれば、ビタミンCもその力を最大限に発揮することはできません。サプリメントを飲んでも、栄養バランスが偏っていれば、あまり効果を感じられないこともあります。
健康に気を使い、栄養バランスのとれた食事を心がける方が、結果的には効果を実感しやすいかもしれません。
シミの予防にも、まずは栄養バランスの良い食事で、ターンオーバーを活性化させることが基本です。
その上で、ビタミンCを多めに摂取すれば、さらに効果的なのではないでしょうか?
もちろんこれは、シミ予防だけに限った話ではありません。他のお肌の悩みにも当てはまることです。
ビタミン・ミネラル検査
ひとえにビタミン・ミネラルといっても、下記のように色々な種類があります。
■ ビタミン
・ビタミンA
・ビタミンB
・ビタミンC
・ビタミンE
など
■ ミネラル
・カルシウム
・カリウム
・マグネシウム
・鉄分
・亜鉛
など
それぞれ、身体に必要な量は異なります。この内のひとつでも不足していると、代謝は十分に働けません。
いま自分の身体は、どの栄養素が不足しているのか? それが分かるのが、ビタミン・ミネラル検査です。
ひとつひとつの栄養素が足りているのか、どのくらい不足しているのか、すぐに分かります。
検査をしていただくと、「自分はこんなに栄養が足りていないんだ…」と驚きになる方も、少なくないと思います。
また、健康に気をかけた食事をしていても、栄養に偏りが出てしまうこと、それを感じられると思います。野菜をメインに食べるようにしていても、こういった野菜が多い、というような癖があるんですね。
ビタミン・ミネラル検査の結果を見ながら、食事を改善していくと、とても効果的でしょう。
ビタミンC等、シミ予防におすすめの栄養素
このように、シミの予防には、栄養バランスの良い食事で、ターンオーバーを活性化させることが基本です。
その上で、シミに効果的な栄養素を摂るのが良いと思います。では、シミにはどんな栄養素が良いのでしょうか?
真っ先に挙げられるのは、先程もご紹介した「ビタミンC」です。
ビタミンCは活性酸素をコントロールする働きがあります。活性酸素が発生すると、ビタミンCが消費されて不足しがちになりますので、シミ予防にしっかり摂りたい栄養素です。
また、「ビタミンE」もアンチエイジングの働きがあるため、おすすめです。
その他にも、「亜鉛」なども効果的です。
その他
その他、心がけられるシミ予防には、下記のようなことがあります。
■ 白砂糖やカフェインを摂り過ぎない
食事面では、白砂糖やカフェインを摂り過ぎないことも、シミの予防になります。白砂糖は摂り過ぎると、シミの出来やすい成分が出るとされています。また、カフェインはメラニン色素を広げる働きがあり、こちらも摂り過ぎには注意しましょう。
■ 入浴
代謝を上げるには、栄養をバランス良く摂ることもそうですが、体温を上げることも大切です。入浴は体温が上がり、血行促進になるのでおすすめです。
■ 睡眠をしっかりとる
先程ご紹介したように、睡眠不足は活性酸素が発生する原因になりますから、睡眠をしっかりとるようにしましょう。シミ予防だけではなく、健康にも大切なことですね。
■ 保湿
お肌が乾燥していると、角質(お肌の表面の古い肌細胞)が乱れて、ターンオーバーの働きも悪化してしまいます。そのため、日頃からスキンケアできちんと保湿してあげることも大切です。
シミが出来たときは
最後に、予防していてもシミが出来てしまったときのケアを、簡単にご紹介させていただきます。
基本は、やはりターンオーバーを活性化させることです。そのために、栄養バランスよい食事が大切なのは、予防と同じですね。
シミのスキンケアには、下記のような成分の配合された化粧品がおすすめです。
・ビタミンC誘導体
・プラセンタ
・ハイドロキノン*
など
* ハイドロキノンは皮膚科の塗り薬などにも使用される成分です。
FCRハーブ
「Salon Theresia」で、シミのお悩みの方におすすめしているのが、「FCRハーブ」というメニューです。
FCRハーブは、ハーブを顔に乗せる施術で、珊瑚(さんご)の細かなかけらをお肌に刺すとイメージしてください。すると、お肌は「ヒャッ!」と驚いて、それを押し返そうとして、ターンオーバーの活性化につながります。
シミをはじめ、お肌の再生が滞ることによる悩み(たるみ、ニキビ、吹き出物、しわなど)に良いです。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
「食事はバランス良く食べなさい」
皆さまも子どもの頃から言われたのではないでしょうか? そういう当たり前のことが、美容の基本でもあるんですね。
桜宮 先生の取材の中で、印象に残った話がありました。
日本人はこれが良いとなったら皆して「右向け右!」という傾向が強いのかな、と感じることがあるそうです。
私にも耳が痛い話です。
例えば、炭水化物は、「炭水化物ダイエット(食事で炭水化物を抜くダイエットの方法)」があるように、悪者にされがちです。ただ、炭水化物は三大栄養素のひとつで、身体には必要なものでもあります。大切なのは、炭水化物をまったく摂らないのではなく、過剰に摂取しないよう、全体をコントロールすることかもしれません。
きっと何事もバランスが大切なのでしょうね。
それがシミの予防にも当てはまります。ビタミンCも良いけど、まずは栄養をバランス良く摂ること。
私もたり前のことから見直していきます。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Salon Theresia 桜宮 美奈 先生、「キレイの先生」編集部)
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