美容のスペシャリストが教えるキレイ

そのしわの原因は? しわは深さで種類が違うの知っている?

本日のキレイの先生

中村 翠 先生

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ひと言で「しわ」といっても、大きく3種類に分けることができます。それぞれで、しわの特徴も、考えられる原因も異なります。つまり、しわがどの種類かによって、対処方法が変わってくるということです。まずは、しわにどんな種類があり、どんな特徴があるのかを、みていきたいと思います。

皮膚の構造を理解する

しわの種類をご説明するには、まずは皮膚の構造を簡単に理解しておくことが必要です。

皮膚は、わずか数ミリの厚さしかありませんが、その中身はというと、下記のような構造となっています。

・表皮
・真皮
・皮下組織

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今回、しわで関わってくるのは、その中の「表皮」と「真皮」という部分です。表皮と真皮にどのような働きがあるのか、簡単にご紹介します。

■ 表皮
お肌の水分の蒸発を防いだり、有害物質が体内に侵入するのを防いだりする、バリア機能がある。

■ 真皮
コラーゲンやエラスチンといった弾力成分があり、お肌のハリのもとになっている。

この皮膚の構造をご理解いただいた上で、しわにどんな種類があるのか、みていきましょう。

1. 「表皮」のしわ

まず一種類目のしわは、「表皮」にできるしわです。お肌のいちばん表面の部分にできるしわですね。

表面部分ですから、深さも浅く、細かくて薄いのが特徴です。小じわや、ちりめんじわといったものが、これに当たります。

しわというと、加齢によって表れるイメージがあると思います。しかし、この表皮のしわは、子どもでもできることがあります。

保湿不足の乾燥が原因

表皮のしわの原因としては、お肌の乾燥が挙げられます。

このしわは浅くて薄いため、保湿してあげるなど、しっかり対策すれば、比較的簡単に改善が見込めます。

2. 「真皮」のしわ

そして、もう一種類が、「真皮」にできるしわです。

こちらは、表皮のしわと比べると、深くて長いのが特徴です。その分、しわを簡単に消すことは難しく、地道に対策していくことが必要になります。

お肌の弾力の低下が原因

皮膚の構造でご説明したように、真皮はお肌のハリ(弾力)のもとになっている部分です。そこにしわができるということは、弾力が低下していることの表れです。

つまり、弾力成分のコラーゲンやエラスチンが減少しているということです。

では、なぜ、コラーゲンやエラスチンは減少してしまうのでしょうか? それこそが、真皮にしわを作ってしまう、本当の原因ともいえます。

コラーゲンやエラスチンが減少する原因

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加齢(お肌の老化)

コラーゲンとエラスチンも、代謝が働いており、新しいものが作り続けられています。お肌の中でコラーゲンやエラスチンを生成しているのが、真皮にある「線維芽細胞」という細胞です。

しかし、その線維芽細胞は、30~40代を境にして、その働きが次第に弱まって、コラーゲンやエラスチンの生産量が減少してしまいます。

その結果、年をとるにつれ、弾力成分が減少してしまうのです。それは、お肌の老化、つまり自然現象といえます。

紫外線

紫外線は、あらゆる肌トラブルを引き起こすといいますが、しわも例外ではありません。

紫外線は、波長の長短で、A波とB波に分けられます。しわの原因になるのは、お肌の内部の真皮にまで入り込むA波です。

お肌に紫外線が入り込むと、活性酸素が発生します。すると、お肌の酸化が進んでしまいます(編集部:紫外線と活性酸素の関係性については、「シミの原因を知る! 紫外線から日常のスキンケアも」もご覧になってみてください)。

お肌の酸化は、「お肌の老化」とお考えください。線維芽細胞の働きにも影響を受け、コラーゲンやエラスチンの生産量が減少し、しわの原因になってしまいます。

また、紫外線は、コラーゲンやエラスチンにもダメージを与えますから、お肌の弾力低下という点では、直接的にも良くないといえるでしょう。

喫煙、添加物の食材

活性酸素がお肌の老化を進め、しわの原因にもなってしまいますから、紫外線以外でも、活性酸素が発生するようなことは、お肌に良くありません。

例えば、喫煙や、添加物の入った食材を食べることです。また、ストレスがお肌に良くないといわれるのも、活性酸素を発生させてしまうためです。

3. 「表情」によるしわ

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最後の種類のしわが、「表情の癖」によるしわです。

例えば、目が悪くて眉間にしわを寄せがちな人は、しわが残ってしまうことがあります。ほかにも、しかめっ面が多い人も、そのまましわに残りやすいです。

そのため、表情が豊かな人の方が、しわが表れやすいといえます。例えば、欧米人をイメージしてみてください。欧米人でご年配の方は、しわの多い印象がありませんか? それは、欧米の方が、とても表情が豊かということも、一因としてあるように感じます。

表情によるしわが表れやすい部位としては、表情を作ったときに動きやすい場所、眉間や目元、口元などが挙げられます。

また、この表情のしわは、真皮のしわと関わりがあります。例えば、真皮に弾力成分がしっかりあって、お肌にハリがあれば、眉間にしわを寄せていても、表情が戻ったときには、しわも残りません。

弾力成分が減少していると、表情の癖もお顔に残りやすくなってしまいます。いってしまえば、表情のしわも、真皮のしわの延長にあると考えられるかもしれません。

自然な美しさのしわはそのままに

しわは改善していきたいものですが、かといって、お顔に表情を出さないようにするというのも、なにか違和感があります。

例えば、笑ったときには、口元にしわができます。そのしわは見苦しいでしょうか? むしろ、自然な美しさだと思います。

眉間を寄せたときに表れる「縦のしわ」は別ですが、不幸を感じさせない表情のしわであれば、私はそれほど気にかけなくても良いのでは、と感じます。

まとめ

このように、しわにもいくつかの種類があることは、ご理解いただけたでしょうか?

おそらく、皆さまのお悩みの中で大きいのは、「真皮」のしわだと思います。加齢によるものは、自然現象でもあるので仕方ありませんが、日常生活でも、紫外線をできるだけ浴びないようにしたりするなど、注意できることもあります。

どんなことが、しわの原因になってしまうかを理解し、毎日の生活をお過ごしいただきたいと思います。

(取材・文:「キレイの先生」編集部)