美容のスペシャリストが教えるキレイ

乾燥肌は生活習慣病? あなたの洗顔・クレンジングは平気?

本日のキレイの先生

和田 典子 先生

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生活習慣病というと、どんなものを想像されますか? 高血圧、糖尿病、肥満……。普段の生活習慣(偏った食事やタバコ、ストレスなど)が原因となる病気ですね。私は、乾燥肌も生活習慣病と考えています。乾燥肌は病気ではありませんので、厳密には「生活習慣病のようなもの」といった方が適切かもしれません。

乾燥肌は「生活習慣病のようなもの」

乾燥肌は、アトピーの悪化因子を遺伝的に持っている「先天性」の方もいらっしゃいますが、毎日の生活の行い(生活習慣)によることがほとんどです。

本来、人間のお肌はみずみずしく、弾力もあります。

赤ちゃんのお肌を考えてみてください。生まれたばかりときのお肌は、あんなにきれいなのに、年をとるにつれてお肌の悩みが尽きなくなるのは、生活習慣によるところが大きいのだと思います。

そう考えると、乾燥肌だけではなく、ほとんどの肌トラブルが「生活習慣病のようなもの」といえるのかもしれません。

では、日常のどんな行いが、乾燥肌の原因になっているのでしょうか?

乾燥肌とは、お肌の皮脂膜(お肌の表面のバリアー機能)がほとんどなくなっている状態のことをいいます。そのため、お肌の水分がどんどん蒸発してしまい、乾燥しがちなお肌になっています。

つまり、お肌の皮脂膜を減らす行いが、乾燥肌につながるといえます。

クレンジング・洗顔のしすぎで乾燥肌に

乾燥肌の原因として、もっとも多いのが、クレンジング・洗顔でのお顔の洗いすぎです。

お客様のお話をお聞きしていると、「メイクはお肌に負担があるから、きれいに落とさなければ」と強く意識されている方が多いようです。

メイクをきれいに落とすのは、決して間違いではありません。ただ、そればかりが気になって、お顔を洗い過ぎたり、洗浄力の強いクレンジング剤・洗顔料を使っていたりすると、お肌に必要な皮脂膜まで洗い落としてしまいます。

例えば、歌舞伎役者のようなメイクなら分かりますが、通常のメイクであれば、洗いすぎなくても、メイクをしっかりと落とすことはできます。

オイルクレンジングは使用に要注意

メイク化粧品のベースとなっているのは、油性の成分です。そのため、メイクを落とすのには、「オイルはオイルで落とす」オイルクレンジングが優秀です。

しかし、その一方で、皮脂膜もオイルですから、本来は落としてはいけない皮脂まで落としすぎてしまう場合があります。

オイルクレンジングを使ってはいけない、ということではありません。洗顔力は高く便利です。ただ、皮脂まで落としすぎないよう、使い方には注意してください。

スクラブクレンジングは使用しない

乾燥肌には、物理的なピーリング(お肌の表面の古い角質を落とすこと)は、行ってはいけません。皮脂膜だけではなく、角質層まで落としてしまいます。

クレンジング剤の中には、角質を削り落とすスクラブ(細かい物質をイメージしてください)の入っているものもありますが、使用しないようにしましょう。

クレンジングもしっかり選ぶ

最近のクレンジング剤には、粒子が細かく、1回のクレンジングでメイクがきれいに落ちるような商品もあります。

化粧水や美容液だけでなく、お使いになるクレンジング剤もしっかりとお選びになってほしいと思います。

ウーロン茶が乾燥肌の原因に?

また、生活習慣とは少し違いますが、皮脂膜というところから考えると、ウーロン茶もお肌にあまり良いとはいえません。

例えば、「焼肉にはウーロン茶」というように、油っこいものを食べるときにはウーロン茶を飲む、というイメージはありませんか? それは、ウーロン茶が脂肪分を分解するとされているからです。

しかし、場合によっては、お肌の皮脂までとってしまうことも、あるようです。

人間の体は、なにかあると、まず最優先に内臓を守ろうとします。内臓に栄養が足りないと、お肌の栄養を持っていくこともあると考えられています。

二日酔いでお肌が乾燥しがちなのも、お肌と内臓に深い関わりがあるためです。

ウーロン茶を飲んだときも、同じです。脂肪分が吸収しやすくなるために、身体やお肌に必要な脂分までとってしまい、お肌の皮脂膜にも影響があるのでしょう。

そのため、私はお客様に、ウーロン茶ではなく、出来るだけ別のお茶(緑茶など)をお飲みいただくよう、アドバイスをしています。

正しい方法でお顔を洗う

乾燥肌のいちばんの原因は、生活習慣です。

特に、クレンジング・洗顔は毎日行っていると思います。お肌にもっとも影響が出るといっても、過言ではありません。「お肌に良かれ」と一生懸命にお顔を洗っても、それが間違えていれば、逆効果になってしまいます。

正しい方法でお顔を洗うことを大切にしてください。