「キレイの先生」編集部です。
「おうちに一本、キャリアオイル」
キャリアオイルは、そんな標語がぴったりの本当に便利なアイテムです。
スキンケアでは、美容液の代わりにもなり、乳液・クリームの代わりの「ふた」にすることもできます。
化粧水の前に付けて、その後のスキンケア化粧品の浸透を良くするブースターオイルとしてもお使いいただけます*1。
エステサロンの先生の中には、クレンジングにお使いの方もいらっしゃいました*2。
もちろんスキンケアだけではなく、ヘアケアやボディケアにも良いです。
何にでも使えてしまいますよね。
キャリアオイルは、たくさんの種類があり、効果効能も違います。
ご自分に合うものを選ぶのも楽しいです。
このサイトでも、色々なキャリアオイルを取り上げてきました。
今回は、その中からいくつかをピックアップしてみたいと思います。
*1 ブースターオイルについては、「化粧水の前にオイルを付ける? ブースターオイルの効果とは」で取り上げています。
*2 自然療法サロン Salon de eau の須田 玲子 先生は、オリーブオイルをクレンジングにお使いになっていらっしゃいます。詳細は、「オリーブオイルでクレンジング?オリーブオイル洗顔の効果!」からご覧いただけます。
目次
1. ホホバオイル
・ホホバオイルとは
2. アルガンオイル
・アルガンオイルとは
3. セサミオイル
・セサミオイルとは
4. ライスオイル
・ライスオイルとは
5. ローズヒップオイル
・ローズヒップオイルとは
6. ヘンプオイル
・ヘンプオイルとは
1. ホホバオイル
キャリアオイルといえば、やはりまずは「ホホバオイル」を挙げたいと思います。
La Estrella の高橋 志保 先生に話をお聞きしました。
ホホバオイルは、キャリアオイルの定番といえるでしょう。
このサイトで取材していても、オイルトリートメント(マッサージ)を提供されているサロンさんでは、ホホバオイルをお使いのお店がとても多いです。
保湿力が高く、サラッとして軽いテクスチャで、使いやすいオイルです。
ホホバオイルとは
ホホバオイルは、アメリカの南西部からメキシコを中心に生息している「ホホバ」の実から抽出されるオイルです。
正確には、植物性のワックス(蝋・ろう)で、低温では固形化します。
ホホバオイルは、保湿力が高いのが特徴です。
また、ホホバオイルに含まれる成分「ワックスエステル」は、お肌にもあるため、肌なじみが良く浸透力が高いです。
どんな肌質にも使え、たくさんの効果・効能が期待できます。
そして、酸化しづらく、保存も効きやすいです。
また、キャリアオイルの中では安価なため、オイル美容をこれから始めるという方には、おすすめのオイルです。
2. アルガンオイル
キャリアオイルの中でも、「アルガンオイル」は美容効果が高いことで知られています。
Healing & Relaxation Salon Gentle Waves のギルロイ 美奈子 先生に話をお聞きしました。
Gentle Waves さんもそうですが、取材先のエステサロンの中でも、フェイシャルのメニューでアルガンオイルをお使いのサロンさんはいくつかありました。
アルガンオイルは、ホホバオイルと比べると、しっとりとした少し重たいテクスチャです。
アルガンオイルとは
アルガンオイルは、モロッコに自生する「アルガン」の実から抽出されるオイルです(正確には、実の中の「仁・じん」を圧搾して抽出されます)。
「砂漠の黄金」とも呼ばれ、それにふさわしい効果・効能があります。
乾燥地帯で自生する植物から抽出されるため、保湿力が高いです。
栄養が豊富で、抗酸化作用の高い「ビタミンE」や、皮脂*に含まれる「オレイン酸」、お肌をなめらかにする「リノール酸」などを含んでいて、アンチエイジング効果が期待できます。
アルガンオイルは、美容効果に優れていますが、希少価値が高いため、キャリアオイルの中では高価な部類に入ります。
* 皮脂は、毛穴から分泌されている油分で、お肌の水分を保持するのに欠かせない役割があります。
3. セサミオイル
ごま油がスキンケアなどにも使えることを知ったときは、驚きました。
正確には、食用の一般的なごま油ではなく、「太白ごま油」です。「セサミオイル」ともいいます。
エステ&アーユルヴェーダサロン ROSA の鈴木 まり 先生に話をお聞きしました。
アーユルヴェーダ*では、トリートメントなどで一般的にセサミオイルが使われているといいます。
* アーユルヴェーダは、インドの伝統医療です。
セサミオイルとは
一般的な食用のごま油は、ごまを焙煎してから抽出されます。
それに対して、太白ごま油(セサミオイル)は、生のごまから抽出されます。
アーユルヴェーダの本場のインドでは、セサミオイルが薬局などでも取り扱われているそうです。
セサミオイルには、抗酸化作用のある成分「ゴマグリナン」が含まれています。サプリメントなどで聞く「セサミン」も、このゴマグリナンの一種です。
また、セサミオイルはデトックス作用*に優れているとされ、スキンケアやボディケアだけではなく、うがいなどにもお使いいただけます。
* デトックスは、体内の老廃物を排出することをいいます。
4. ライスオイル
日本人のお肌にぴったり合いそうなのが、「ライスオイル」です。
その名の通り、お米から抽出されるオイルです。
木の家のサロン mocca の青木 めぐみ 先生に話をお聞きしました。
食用の米油がメディアに取り上げられて話題にもなりましたが、ライスオイルはスキンケアやボディケアにもお使いいただけます。
ライスオイルとは
ライスオイルには、「食用」と「化粧品用」があります。
スーパーなどでも取り扱いのある「米油」は、食用です。
精製の度合いが違うため、スキンケアやボディケアには、化粧品用の方をお使いください。
ライスオイルは、皮膚をやわらかくする「オレイン酸」や、保湿効果の高い「リノール酸」が含まれていて、お肌への浸透が良いです。
また、メラニン色素*を抑制する作用のある「γ-オリザノール」も含まれており、美容効果が高いです。
そして、お米から抽出されたオイルのため、日本人のお肌と相性が良いです。
* メラニン色素は、シミの原因となります。シミのメカニズムについては、「いちばんのシミ対策は予防?メラニンがシミになるメカニズム」などでも取り上げています。
5. ローズヒップオイル
「ローズヒップオイル」も、美の象徴の「ローズ」が名前に付くだけに、美容効果の高いオイルです。
La Estrella の高橋 志保 先生に話をお聞きしました。
ローズヒップオイルも、本当におすすめのオイルなのですが、オイル美容の初心者にはあまり向いていないかもしれません。
ローズヒップオイルとは
ローズヒップオイルは、「野ばら」のオイルです。
実の中の種から抽出されます。
そのため、希少価値が高く、キャリアオイルの中では高価です。
ローズヒップオイルには、ターンオーバー*を高めるとされる「トレチノイン酸」が含まれています。
また、ローズヒップオイルは「ビタミンCの爆弾」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富です。
このように、ローズヒップオイルはとても美容効果が高いのですが、酸化しやすい性質を持っています。
そのため、開封後は出来るだけ早く使い切って、冷蔵庫などで保存する必要があります。
* 皮膚は、内側で新しい肌細胞が生まれて、それが少しずつ表面に上がり、最後は古くなったもの(角質)が剥がれ落ちて、日々新しく生まれ変わっています。そのサイクルを「ターンオーバー」といいます。ターンオーバーについては、「肌再生「ターンオーバー」とは?美肌を作る上での大切な基本」などでも取り上げています。
6. ヘンプオイル
ちょっと珍しいキャリアオイルでは、「ヘンプオイル」がありました。
これは、少し意地悪な表現をすると、「大麻」のオイルです。
(もちろん、ヘンプオイル自体は、違法なものではありませんよ)
Heart Warm Café の石川 栄美子 先生に話をお聞きしました。
ヘンプオイルとは
ヘンプオイルは、「麻」の実から抽出されます。
麻の葉・穂先からは大麻が作られますが、麻の実は栄養が豊富に含まれていて、オイルが抽出される他、食用としても利用されています。
ヘンプオイルには、必須脂肪酸の「リノール酸(オメガ6)」や「αリノレイン酸(オメガ3)」がバランス良く含まれています。
そして、保湿力も高いです。
キャリアオイルの中では、やや高価といえます。
まとめ
今回、ここで取り上げたものは、キャリアオイルのほんの一部です。
このサイトでも、まだ取り上げられていないオイルも少なくありません。
私自身、「あれはまだ取り上げていない」、「これも取り上げたい」というオイルが、まだまだあります。
取材していても、キャリアオイルのファンの先生方はとても多いです。
美容のプロが認めるだけの魅力が、キャリアオイルにはあるということです。
これからも、様々なキャリアオイルを取り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。