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パラベンフリーは安全?パラベンは悪か?化粧品の安全性とは

本日のキレイの先生

青木 めぐみ 先生

パラベンフリーは安全?パラベンは悪か?化粧品の安全性とは

「キレイの先生」編集部です。

木の家のサロン mocca の青木 めぐみ 先生の取材で、「パラベン」がテーマに決まったとき、事前に下のような前書きを用意していました。

取材前に用意していた前書き

皆さまも、化粧品で「パラベンフリー」と謳われているのを、いちどはご覧になったのことがあるかと思います。

その化粧品には、パラベンが使われていないというこです。

安心感がありますよね。

そのため、パラベンにはなんとなく「お肌には良くないもの」というイメージがありませんか?

今回のテーマは、そんな「パラベン」についてです。

ただ、青木 先生の話をお聞きして、この前書きは使わないことにしました。

皆さまは、パラベンフリーの化粧品は、安全だと思いますか?

パラベンは、完全に否定されるべき「悪」なのでしょうか?

今回の取材は、「化粧品の安全性とは何か?」ということを、私自身、改めて考えさせられた内容でした。

目次<閉:大見出し>

パラベンとは
・安全性

化粧品の安全性とは

まとめ

本日のキレイの先生

木の家のサロン mocca

青木 めぐみ 先生

「キレイの先生」編集部

パラベンとは

パラベンとは

青木 先生、よろしくお願いします。

今回のテーマは、「パラベン」です。

化粧品には、「パラベンフリー」と謳われているものも多いですが、そもそもパラベンとは何なのでしょうか?

化粧品や加工食品などは、水で使われているため、菌や微生物が増えやすいです。

パラベンは、それを殺すためのものです。

防腐・殺菌の役割があります。

皮膚に付けたり、口から入れたりするときに、人体への影響を防ぐためのものといえます。

化粧品にパラベンが使用されている場合、全成分に「パラベン」の名前は表示されるのですか?

それとも、違う成分名で表示されるのでしょうか?

「パラベン」は、「パラオキシ安息香酸エステル」の総称で使われ、「メチルパラベン」、「エチルパラベン」、「プロピルパラベン」、「ブチルパラベン」などの種類で表示されます。

この中でも、「メチルパラベン」は他の3種のパラベンより殺菌力が弱く、もっとも刺激が少ないのが特徴です。

化粧品では、このメチルパラベンが使用されることが多いです。

安全性

「パラベンフリー」と謳っている化粧品があるように、パラベンはお肌に負担が大きいイメージがあります。

お肌には、どんな影響があるのでしょうか?

厚生省*が1980年に、「旧表示指定成分」を定めました。

これは、皮膚に障害を起こす可能性がある102種類の成分のことをいい、2001年以降、化粧品は全成分の表示が義務化されました。

これらの成分は、アレルギーや環境ホルモンが出たりする可能性があるとされています。

その中に、「メチルパラベン」が含まれています。

パラベンは、国からも「お肌に良くないよ」といわれているのですね…。

はい。パラベンのイメージが悪いのは、旧表示指定成分に指定されたのが、大きなきっかけになっています。

* 現在の厚生労働省。

化粧品の安全性とは

化粧品の安全性とは

先生の話をお聞きして、パラベンフリーの化粧品に安心感のある理由が分かりました。

先生もやはり、化粧品は、「パラベンフリー」のものを選ぶのが良いと思われますか?

それにお答えするには、アロマクラフト化粧品*のある出来事を、お話ししましょう。

アロマは、お肌に優しい・安全なイメージがあると思います。

はい、植物から出来ているものですから。

「ナチュラル」や「ボタニカル」といわれている商品も、お肌に優しいイメージが強いです。

私もそう思っていたのですが、あるお客様が、アロマで手作りした化粧品をお使いになったとき、お肌に反応が出てしまったのです。

もちろん手作りなので、パラベンは入っていません。

その方は敏感肌で、お肌のバリア機能が低下していてことも、関係していたと思います。

ただ、植物性のものだからといって、「100%安全」とは一概に言い切れないのです。

刺激もあります。

私自身、「アロマも含めて、植物性のものは、お肌に優しい」というイメージがあります。

ですので、そのお話は少し意外です…。

植物性のものでも、刺激が「ない」わけではないのです。

先程のお客様の話に戻ります。

お客様にはその後、サロンとスクールで取り扱っているジェルをお試しいただきました。

それには、カモミールやローズマリー、カンゾウなどのエキスがごく少量入っていて、防腐剤としてパラベンが使われています。

ただ、そのお客様は、ジェルにはまったく刺激反応が出ませんでした。

アロマクラフト化粧品で植物性のものに刺激の出た方が、パラベンの入ったジェルでは大丈夫だったのです。

また、その他のお肌が弱いという方にも使っていただきましたが、お肌への悪い反応は出ませんでした。

…先生、すいません。

私は、「パラベンフリー」の化粧品は、安全性が高いものだと思っています。

正直、今回の取材でも、「出来るだけパラベンフリーの化粧品を選びましょう」といった結論付けになると思って、これまで話をお聞きしていました。

そういうわけでもないのでしょうか?

「パラベン入りの化粧品を使いましょう」と言いたいわけではありません。

パラベンも、お肌に刺激はあります。

ただ、化粧品でもっとも大切なのは、「じぶんのお肌に合うかどうか」です。

アロマクラフト化粧品ではありませんが、植物性のものでも、刺激がないわけではありません。

天然系防腐剤で刺激を感じる方も少なくはないのです。

刺激を感じる化粧品を、毎日お使いになっていれば、ストレスにもなるでしょう。

もし、パラベンでその刺激が感じられなくなるなら、パラベンを選択肢のひとつとして考えても良いのではないでしょうか。

例えば、「無添加化粧品」は、旧指定表示成分を使っていない化粧品のことをいいます。

だからといって、100%肌に優しいとは限りません。

その他の成分で、刺激を感じる可能性もあります。

例えば、天然防腐剤成分のフェノキシエタノールなどもありますが、私自身も実はフェノキシエタノールに刺激を感じるお肌です。

天然防腐剤はペラベンに比べて効きが弱いため、パラベンの何倍もの量を入れないと防腐の役割をしないため、肌刺激を感じる方が多いともいわれています。

パラベンの使用量は、とても少量です。

パラベンは食料品や薬、ハンドソープ、敏感肌用の化粧水やシャンプー、ベビーローションなどにも入っています。

無添加化粧品は、旧指定表示成分が定められてから普及しました。

その中で、パラベンも、化粧品メーカーの過大キャッチコピー等で悪者のイメージが付き過ぎている印象があります。

先生のおっしゃりたいことが、ようやく分かりました。

パラベンは、お肌に刺激がないわけではありません。

それは、国も認めています。

ただ、だからといって、パラベンが全否定されるものではなく、それ以上に「自分のお肌に合うかどうか」が大切、ということですね。

はい。

防腐剤は、色々な食べ物にも入っています。

身体に害という点から考えると、お米や野菜も農薬を使っていますし、外食すればほとんど防腐剤の入っている材料を使っています。

防腐剤を避けるか、肌刺激を避けるかは、ご自身で化粧品成分を見て選んでいただきたいと思います。

アロマ講師としても100%天然をおすすめしたいのですが、天然成分の刺激でストレスを感じることは願っておりません。

より良い化粧品選びのために、是非パラベンの見方も変えていただけると嬉しいです。

今回の取材は、結論ありきのスタンスで臨んでいました。

先生、すいませんでした。反省しています。

先生のお話には、正直かなり驚いたのですが、とても考えさせられる内容でした。

ありがとうございました。

* アロマクラフトは、アロマの手作り化粧品のことをいいます。

まとめ

パラベンは「悪」。

正直に告白すると、私自身がそのように思っていました。

今回の取材テーマが「パラベン」に決まったとき、「パラベンが配合されていない化粧品を選ぶようにしよう」という結論になると、勝手に決め付けていたほどです。

パラベンは、お肌に刺激がないわけではありません。

ただ、パラベンフリーの化粧品が「刺激がないか」というと、一概にはそうはいえません。

大切なのは、パラベンが「悪」と全否定するのではなく、その人に合ったものを選ぶことです。

青木 先生の話をお聞きして、じぶんの視野が狭くなっていたことを反省しました。

念のためお伝えしたいのですが、青木 先生はパラベンを推奨しているわけではありません。

無添加化粧品を否定しているわけでもありません。

ただ、化粧品でもっとも大切なのは、「じぶんのお肌に合うかどうか」ということです。

私も含めて、先入観をいちど忘れて、そのことを考えてみるのも良いかもしれません。

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