「キレイの先生」編集部です。
乾燥肌なんだけど、Tゾーンはべとつく…。
このように、場所によってタイプの違う肌質のことを、「混合肌」といいます。
私の感覚ですが、日本人にはこの混合肌の方がもっとも多いのではないでしょうか?
混合肌をお手入れするのに、気になることがいくつかあります。
オイリーな場所は、洗顔方法を変えた方がいいんでしょうか? 乾燥している場所は、スキンケアの方法を変えるべきなんでしょうか?
「場所によってスキンケアの方法を変えた方がいいのかな…」とも思います。
今回は、Alicia Beauty Works の光武 亜矢子 先生に、混合肌について話をお聞きしました。
Alicia Beauty Works さんのお客様にも、混合肌の方は少なくないそうです。
混合肌は、どんなスキンケアを心がけると良いのでしょうか?
目次
混合肌について
・UゾーンとTゾーン
オイリードライスキンのお手入れ
・クレンジング・洗顔
・化粧品
・メイクアップ化粧品
混合肌について
お肌のタイプは基本的に、下記のように4つのカテゴリーに分類されます。
1) ノーマルスキン
理想的な普通のお肌の状態といえます。
2) ドライスキン
乾燥しているお肌のことをいいます。
3) オイリースキン
皮脂*の多いお肌のことをいいます。
4) オイリードライスキン
この中で、4)のオイリードライスキンが、「混合肌」といわれるタイプです。
基本的には、場所によってタイプが違うお肌のことをいいます。
* 編集部:皮脂は、毛穴の皮脂腺から分泌されている油分です。
UゾーンとTゾーン
お肌のコンディションは、Uゾーンを基本に考えます。
Uゾーンに比べると、Tゾーンは皮脂の分泌が多く、べたつきやすい場所です。
身体の中心部は、汗腺(かんせん)*や皮脂腺が多い場所です。
Tゾーン(おでこや鼻)がべたつきやすいのは、それによって汗をかきやすかったり、皮脂が出やすかったりするためです。
* 編集部:汗腺は、汗を分泌する場所です。
混合肌の原因
お肌は身体の中でも、もっとも大きな臓器です。
身体が、お肌を育てます。
そのため、トラブルの少ないノーマルスキンでも、偏った食事・睡眠不足・運動不足・喫煙など、生活バランスの乱れがお肌のコンディションにも影響を与えます。オイリードライスキン(混合肌)の原因にもなります。
例えば食事では、揚げ物や甘いものばかりを食べたり、「酵素が美容にも良いから」とテレビや雑誌で取り上げられたからといって、スムージーばかりを摂っていたりすると、かえって糖質過多となりトラブルの原因になる場合もあるので注意が必要です。身体に良いもの、必要なものは人によって異なるということを覚えておきましょう。
お肌は、口にするものから作られています。
スキンケアは、「表皮」の角質層を潤わせて整えます(角質層には、バリア機能があり、それが乱れると乾燥の原因になります)。
編集部のコメント
皮膚は、「表皮」・「真皮」・「皮下組織」の3層構造になっています。表皮はさらにいくつかの層に分かれていて、もっとも表面の層が「角質層」です。
角質層には、セラミドやIMF(天然保湿因子)があり、お肌の潤いを保持する役割があります。
そして化粧品は基本的に、角質層に浸透し、お肌の状態を整えます。
そして真皮は、コラーゲンやエラスチンでお肌の根本を支えていますが、それらはタンパク質で作られています。
そのため、食事はバランス良く、適度にタンパク質を摂ることも大切です。
過度なダイエットで体重を減らすことができても、お肌のコンディションが悪くては、魅力は半減してしまいます。
つまり、お肌のコンディションは、生活のバランスによる結果なのです。
オイリードライスキンのお手入れ
百貨店の化粧品店で肌診断するときも、頬に測定器を当てると思います。
それは、Uゾーンがお肌のコンディションの基本となるためです。
そのため、オイリードライスキン(混合肌)のスキンケアは、Uゾーンの状態をベースに考えるとお肌への負担が少ないでしょう。
クレンジング・洗顔
クレンジング・洗顔は、皮脂が特に気になる場所を2回行ったり、あぶらとり紙で軽く皮脂を押さえてから行ったりするのも、方法のひとつです。
「べたつきが気になるから」と、皮脂を落とし過ぎてしまうのは要注意です。皮脂の取り過ぎによって、べたつきが増してしまう可能性があります。お肌の水分が足りずに乾燥して、身体が「(皮脂が)足りない、足りない」と油を余計に出そうとする性質があるのです。(その場合は、保湿がいちばんのケアになります)*。
それから、冷たい水、熱いお湯でのクレンジングもNGです。正しいクレンジングは、34℃前後のぬるま湯で、お肌に負担をかけずにきれいに汚れを落とすことです。これは、どの肌タイプの方にも大切なポイントです。
編集部のコメント
皮脂は、汗(水分)と混ざり合って、天然の保護膜(皮脂膜)を作ります。皮脂膜は、皮膚の水分が蒸発しないように防いだり、外部の刺激から皮膚を守ったりする役割があります。
皮膚が乾燥していると、身体が皮膚の水分が外に逃げていかないように、皮脂の分泌を増やすことがあります。
このようにお肌のべとつきを感じる原因として、実は皮脂を取り過ぎて内側は乾燥している場合もあります。
このことは、「顔のテカリの原因は肌の乾燥でも?乾燥性脂性肌のスキンケア」でもご紹介しています。合わせてご覧になってみてください。
化粧品
オイリードライスキンで、有効成分のたくさん入った化粧品をお使いになると、Uゾーンには良いかもしれませんが、Tゾーンは栄養過多になってしまい、さらに皮脂の分泌が増える場合もあります。
そのため基本は、ノーマルの化粧品を使用し、Uゾーンには美容液を加える、といった方法が良いと思います。
また、若い頃から有効成分の多い化粧品をお使いになっていると、お肌が甘やかされて、自然治癒力が低下する原因になります。年相応のスキンケアをすることも大切です。
メイクアップ化粧品
オイリードライスキンに限らず、すべてのスキンタイプに当てはまることですが、メイクアップ化粧品の質感にも注意したいところです。
例えば、カバー力のあるファンデーションは、一般的に油分が多く含まれています。
それらは、クレンジングで洗い落としきれずに毛穴が詰まる原因になったり、その油分がお肌に残ってしまったりすると、黒ずみにもつながります。
そのため、ファンデーションは油分の少ないリキッドタイプを使用したり、パウダータイプをブラシで叩いて付けてあげたりすると、お肌への刺激も少なくておすすめです。
そして日中も、こまめにお粉をはたくとメイクが崩れにくくなり、快適さを保つことができます。
混合肌のスキンケアのポイント
お肌のコンディションは、体調・ホルモンバランス・外気温などの状態によって、日々変わります。
例)
・昨日のお肌は乾燥していたけど、今日は普通
・夏場は冷房が効いていてお肌が乾燥しがちだけど、Tゾーンは汗でべたつく
など
ノーマル肌と思っている方でも、オイリードライスキン(混合肌)の方がほとんどです。理想的なノーマルの状態を、毎日キープできるようにお肌に向き合いましょう。
サロンのお客様でも、「前回のお肌は乾燥が目立っていたが、今日は潤っている」ということも少なくありません。
サロンでは、「YON-KA」というフランス老舗の植物学に基づいたスキンケアブランドの化粧品を使っています。YON-KAの化粧品は、プロフェッショナル用に開発されており、70~80種類あります。それを、お客様おひとりおひとり、その日のお肌の状態を見て、使う化粧品を選んでトリートメントを行っています。「今日はこのクリームだけで良いな」、「今日はこの美容液も付けた方が良いな」という感じです。
時には、顔の場所によって、化粧品を変える場合もあります。
それに対して、市販されている化粧品の多くは、「ドライスキン用」や「オイリースキン用」といったように、スキンタイプで分類されていることが多いようです。
皆さまも、ご自分のスキンタイプ(と思われているもの)に合わせて、化粧品をお選びになっていると思います。
ただ本来はホームケアでも、その日のコンディションに合わせて、スキンケアを足したり減らしたりして、細かく変えていくのが理想です。
ただ、それをご自宅で行うには、限界があるかもしれません。。
ご自宅ではシンプルで正しいスキンケアを行い、月一回、お肌のターンオーバーを整えるため、サロンでしっかりケアされると、自身の治癒力を高めることにもつながり、おすすめです。
そして何より大切なのは、ご自分のお肌のコンディションに興味を持つことです。
まずは、「昨日と比べて、お肌のコンディションはどうだろう?」と興味を持ってみましょう。
まとめ
「キレイの先生」編集部です。
光武 先生の取材の中で、「自分がこのスキンタイプと決め付けない方が良い」というお話は、印象に残りました。
たしかに、睡眠不足のときはお肌の調子がいまいちのように感じますし、Tゾーンのべたつきが気になる日もあります。
光武 先生がおっしゃっていたように、お肌のコンディションは日々、変化しています。
「混合肌だから」、「乾燥肌だから」と決めつけるのではなく、そのときのコンディションに合わせて、スキンケアを変えていきたいものですね。
ただホームケアで、それを行うのはなかなか難しいことです。
そこは、時々エステサロンなどに足を運んで、プロの先生にみてもらうのも、ひとつの方法だと思いますよ。
(取材:「キレイの先生」編集部 文:Alicia Beauty Works 光武 亜矢子 先生、「キレイの先生」編集部)
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