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スキンケアで基礎化粧品を使う順番は?役割と一緒におさらい

本日のキレイの先生

スキンケアで基礎化粧品を使う順番は?役割と一緒におさらい

「キレイの先生」編集部です。

「美容液は、いつ使えばいいんですか?」

「商品に表示されている<ご使用方法>に従っていただければ大丈夫ですよ(ニコッ)」

 …答えになっていませんね。でも、その通りなんですよ。本当にその通りではあるんですが、それでお終いじゃ記事になりません。

スキンケアは、基本的な順番があります。それには、ちゃんと意味があるんです。

基礎化粧品を正しい順番で使うのは、美肌作りの基本です。

いつもはエステサロンの先生方に取材していますが、今回は私が頑張って!まとめてみようと思います。

これまでの取材で出たお話もご紹介させていただきますので、合わせてご覧になってみてください。

スキンケアの順番が「説明されなくても分かりますよ」という方も、お付き合いいただけますと幸いです。

目次

スキンケアで基礎化粧品を使う順番
・基礎化粧品とは
・基礎化粧品の順番

1) クレンジングの役割
・クレンジングが大切な理由

2) 洗顔料の役割

3) 化粧水の役割
・化粧水をローションパックでつける

4) 美容液の役割

5) 乳液・クリームの役割
・乳液とクリームについて

まとめ

スキンケアで基礎化粧品を使う順番

スキンケアで基礎化粧品を使う順番

「今更…」という感じもしますが、ここから始めたいと思います。そもそも、スキンケアとは何なのでしょうか?

スキンケアは、「skin care」と書くように、「お肌をケアすること」です。きれいな素肌を保つためのお手入れです。

基礎化粧品は、そのためのアイテムです。

基礎化粧品とは

化粧品は大きく分けて、「メイクアップ化粧品」と「基礎化粧品」に分かれます。

メーキャップ化粧品は、ファンデーションや口紅、アイシャドウなど、メイクをするためのものです。

それに対して、基礎化粧品は健康できれいな素肌を保つために使うものです。

素肌がきれいだとメイクのノリも良いため、「基礎化粧品」には、メーキャップ化粧品の「基礎」になるといった意味があるそうです。

基礎化粧品には、化粧水、クレンジング、洗顔料、乳液、クリーム、美容液などといった種類があります。

今回は、これらを使う順番をご紹介します。

(これらの他にも、パックや日焼け止めなども、基礎化粧品に当たります)

基礎化粧品の順番

基礎化粧品の順番

基礎化粧品は基本的に、下記の順番で使用します。

1) クレンジング
2) 洗顔料
3) 化粧水
4) 美容液
5) 乳液・クリーム

詳細はこれからひとつずつまとめていきますが、それぞれ下記のような役割があります。

1) 「クレンジング」でメイクの汚れを落とし
2) 「洗顔料」でお肌の汚れを落とし
3) 「化粧水」で水分を与えて
4) 「美容液」で美容成分を補い
5) 「乳液」「クリーム」でふたをする

こうしてみると、スキンケアの順番は、きちんとした理由があってこの順番になっていることが、お分かりいただけるのではないかと思います。

1) クレンジングの役割

1) クレンジングの役割

「クレンジング」というテーマだけで何本も記事が書けちゃうほど、クレンジングはスキンケアの中でも大切な工程です。

クレンジングの役割は、メイクを落とすことです。

メーキャップ化粧品には、メイクが落ちにくいように油性成分が配合されています。そのため、水や石鹸だけではしっかり落とし切ることができません。

メイクの汚れがお肌に残っていると、毛穴に詰まって、毛穴の黒ずみやニキビといった肌荒れの原因になってしまいます。

そんなメイクの汚れをきれいに落とすのが、クレンジングです。

クレンジングが大切な理由

こう書くと、「メイクの汚れはお肌に悪いんだ! クレンジングはしっかりしなきゃ!」と思われるかもしれません。その通りなんですが、ただ一方で注意が必要です。

油性のメーキャップ化粧品を落とせるのは、「油性」のものです。そのため、クレンジングには油分が含まれています。

でも考えてみてください。油分は水分と混ざり合うでしょうか? 本来であれば、相反する関係です。

それを混ぜ合わせるために、クレンジングには基本的に「界面活性剤」というものが使われています。

実はこの界面活性剤がちょっと曲者です。お肌への負担が大きいんですね。

これが「食器洗いにも入っている成分」というと、イメージがつきやすいでしょうか。つまり、界面活性剤がたくさん配合されているクレンジングは、大げさに言うと、お肌を食器洗いで洗っているようなものです。そう考えると、ちょっとゾッとしますよね。

クレンジングが大切な理由

そのため、過度なクレンジングは、メイクの汚れを落とすだけではなく、お肌に必要な油分*まで落としちゃいます。するとそれが原因で、乾燥肌や肌荒れにつながってしまうケースもあります。

クレンジングが大切なのは、メイクの汚れを落とすこともそうですが、お肌に必要な油分を落とし過ぎないようにするということも理由にあります。

* お肌の潤いには、「皮脂」という油分の働きが欠かせません。皮脂は毛穴から分泌され、汗などの水分と混ざり合って「皮脂膜」を作りします。皮脂膜は私たちのお肌を覆っていて、お肌の中の水分が蒸発しないように防いだり、外部からの刺激を防いだりするバリア機能の働きがあります。クレンジングのしすぎで、必要な皮脂まで取りすぎてしまうと、このバリア機能が低下し、乾燥肌や肌荒れの原因になります。

2) 洗顔料の役割

2) 洗顔料の役割

クレンジングでメイクの汚れを落としたら、次は洗顔です。洗顔には、大きく2つの役割があります。

お肌には、ほこりや排気ガスなどの汚れがくっついています。それがお肌に残っていると、やっぱり毛穴に詰まったりして、肌荒れの原因になってしまいます。それらの汚れを取るのが、洗顔のひとつ目の役割です。

そして、もうひとつの役割が、余計な角質*を取ることです。

角質がうまく剥がれ落ちないと、お肌がカサカサして、シミも出やすくなります。また、角質で毛穴が詰まってしまうこともあり、それがニキビなど肌荒れの原因になります。

洗顔には、その余計な角質を取り除く役割があるんです。

ただ、ここでもクレンジングの注意点と同じことが言えます。

角質にも、お肌を守るバリア機能の働きがあります。そのため、「美肌のために角質を取り除くんだ!」と洗顔をしすぎると、かえって乾燥肌や肌荒れの原因になってしまいます。

クレンジングでもそうでしたが、「しすぎ」は逆効果なので注意しましょう。

* お肌は内側で新しい肌細胞が生まれ、それが少しずつ表面の方に上がっていき、最後は垢になって剥がれ落ちていきます。そうして私たちのお肌は、日々新しいお肌に生まれ変わっています。そのお肌の表面にある古い肌細胞のことを、「角質」といいます。

3) 化粧水の役割

3) 化粧水の役割

取材では、化粧水の重要性をお話しされる先生が、たくさんいらっしゃいました。

化粧水は、お肌に水分を与える役割があります。

エステティックサロン Sympatik の島田 佳苗 先生が、化粧水と美容液を分かりやすく例えていらっしゃいました*。

私たちは食事で、水分と栄養を摂りますよね。お肌も同じように、そのどちらも必要です。それを、化粧水で「水分」を、美容液で「栄養」を与えてあげるんです。

例えば、畑を想像してみてください。畑には、肥料で栄養を与えます。でも、土壌が乾燥していては、肥料を与えても効果は低いでしょう。ふかふかの土の方が、栄養もしっかり吸収できるのは、イメージがつくと思います。

お肌もそれと同じです。お肌が乾燥していれば、どんなに良い美容液をお使いになっても、100の力は発揮できないかもしれません。

まずは、お肌にたっぷりと水を与えて、健康的でみずみずしいお肌に整えることです。

化粧水には、その役割があります。

また、お肌が乾燥していると、しわやニキビなどの原因になります。ターンオーバー(お肌の生まれ変わり)の働きも悪化しますから、シミも出やすくなります。ハリもなくなります。

お肌の乾燥が、あらゆるお肌の悩みにつながるといっても、言い過ぎじゃありません。

化粧水でお肌をしっかり保湿することで、それらの予防にもなります。

* 詳細については、島田 先生の「基本の「き」! スキンケアの正しい順番を復習する」を合わせてご覧になってみてください。

化粧水をローションパックでつける

化粧水をローションパックでつける

化粧水は、手で付けても良いですが、おすすめなのはローションパックです。シートマスクに化粧水をつける方法ですね。

これも、色々な先生がおすすめしていました。

ローションパックは、化粧水を手でつけるよりも、化粧水をたっぷりと使うことができます。しかも、パックすることで「ふた」になるので、保湿力も抜群です。

さらに、ちょっとした工夫で、効果をアップさせられます。

例えば、IL SALONE の伊東 晃 先生にご紹介いただいた方法です*。

シートマスクを水で軽く濡らしてから化粧水をつければ、化粧水の節約になります。パックの上からラップをかければ、「ふた」の効果がさらにアップします。他にも、100円ショップのシリコンマスクを使った方法などもあります。

ローションパックは保湿効果ばっちりですので、時間があるときは、化粧水をローションパックにしてみてはいかがでしょうか?

*1 伊藤 先生の記事は、「化粧水は手よりもローションパック!5段階レベルアップ術」からご覧ください。

*2 その他にも、リラクゼーションエステ Soin の行木 亮子 先生の「乾燥肌の保湿におすすめシートパックの使い方!簡単な工夫も」でも、ローションパックの使い方のアドバイスをいただきました。そちらも合わせてご覧になってみてください。

4) 美容液の役割

4) 美容液の役割

エステティックサロン Sympatik の島田 佳苗 先生がおっしゃったように、美容液には、お肌に「栄養」を補給する役割があります。

畑でいうと、肥料に当たりますね。

ご自分のお肌の状態に合わせて、「いまどんな悩みを解決したいのか」ということから、使うものを選びましょう

例えば、お肌の乾燥が気になる方は、ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドといった保湿成分配合のものがおすすめです。お肌の潤いは美肌の絶対条件ですから、美容液を「何を選んだらいいか分からない」という方も、これらで間違えはないと思います。

シミや日焼けを改善したいという方は、ビタミンC誘導体などの美白成分配合のものがおすすめです。

お肌に年齢を感じらえる方には、プラセンタでしょうか?

ちょっと贅沢ですが、場所によって美容液を使い分けるのもありです。小じわが気になる目元には保湿成分メインのものを、シミが出来た頬には美白成分メインのものを、といった感じです。

それぞれの用途に合わせて何本か持っておくと、使い勝手はいいですね。

5) 乳液・クリームの役割

5) 乳液・クリームの役割

化粧水でお肌に水分を与え、美容液で栄養を補ってあげたら、それが外に逃げてしまわないように「ふた」をしなければなりません。

その役割をするのが、乳液・クリームです。

乳液・クリームには油分が配合されていて、それが「ふた」になって、化粧水・美容液の水分や栄養が外に逃げないように閉じ込めます。

「乳液やクリームはべとつくから好きじゃない…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、この最後の仕上げはとても大切なことです。

ミレニアムサロン の和田 典子 先生に取材をしたときのことです。乾燥肌のスキンケアに保湿が大切なことは、当たり前ですよね。ただ、それと同じくらい、クリームで「ふた」をすることも大切と教えていただきました*。

それは、お肌に「ふた」をすることで、お肌の水分の蒸発を防いでくれるからです。

スキンケアの最後には、乳液・クリームできちんと「ふた」をしてあげましょう。

* 詳細は、和田 先生の「勘違いに注意! 乾燥肌には保湿より「クリーム」!」をご覧ください。

乳液とクリームについて

ここでは、乳液とクリームをひとつにまとめて、お話しました。

これは、どちらかひとつをお使いいただいても大丈夫ですし、両方お使いいだいてもOKです(理想は、両方をお使いになることです)。

どちらも油分が配合されていますが、違いは水分とのバランスにあります。

水分の量が多いのが「乳液」、油分の量が多いのが「クリーム」です。

そのため、乳液の方がお肌になじみやすく、付け心地も軽いです。クリームは少し重たい付け心地かもしれませんが、その分「ふた」としての効果は高いです。

このあたりは好みでお選びになるのもいいですし、例えば夏場はさっぱりした乳液を、乾燥しやすい冬場は保湿力の高いクリームを、といったような使い分けもおすすめです。

両方を使うときには、まずは乳液をつけて、その後にクリームで仕上げるようにしましょう。

まとめ

さて、ここまで頑張ってまとめてみました。

皆さま、ご存知のことばかりだったと思いますが、何事も基本が大切ですから、改めておさらいになれば幸いです。

スキンケアで基礎化粧品を使う順番には、きちんと意味があります。

そして、そのひとつひとつには、ここでは書ききれないほどのポイントがあります。正しくない方法でスキンケアをしてしまうと、かえって逆効果になることもあります。

エステサロンの先生方に話をお聞きしていると、その奥深さに驚嘆し魅了されるばかりです。

これからも「キレイの先生」では、プロの語るスキンケア情報をお届けします。

皆さまの毎日のスキンケアに少しでもお役に立てればと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。